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揚げ油の正しい捨て方とは
一口に揚げ油を捨てるといっても、さまざまな処理方法があります。ただしどの方法であっても、防火や自然環境に対する考え方は一貫しています。
油は発火しやすいので、それを防ぐような処理方法が求められます。また、河川などに対する自然保護や、資源の再利用の視点から、環境に配慮した処理方法もあります。
いずれにせよ、これらの考え方さえ守られていれば、家庭から出る揚げ油を正しく捨てることができます。ここからは揚げ油の具体的な捨て方を、幾つか紹介しましょう。
揚げ油の捨て方
凝固剤で固める
揚げ油を簡単かつスピーディーに捨てるのであれば、ホームセンターやドラッグストアなどで販売されている、市販の凝固剤を使用するのがいちばんでしょう。
調理後の余熱が残っている揚げ油の中へ、凝固剤を投入して混ぜるだけ。1時間ほどで固まるので、フライ返しや菜箸などでフライパンから簡単に剥がし、そのままゴミ箱へ捨てることができます。
揚げ油が冷めるのを待つ必要もなく、可燃ゴミとしても廃棄できるので、一般家庭では最も手間がかからない、オーソドックスな処理方法として知られます。また価格についてはほとんどの製品で、1回あたり50円前後とお手頃なのも魅力的です。
紙パックを利用する
家庭から出る不要な牛乳パックも、揚げ油を処理するためのアイテムとして、大いに役立ちます。処理方法についても、とっても簡単。
牛乳パックに新聞紙やキッチンペーパーを詰め、そこへ冷ました揚げ油を注ぎ込み、パックの口をガムテープで閉じるだけでOK。なお自然発火を防ぐために、新聞紙やキッチンペーパーはあらかじめ濡らしておくことも忘れずに。
この処理方法は、紙資源を再利用できるという意味でも、ぜひ積極的に実践したいものです。そのためには、普段から空になった牛乳パックはすぐに捨てないで、よく洗って保管しておくように心がけましょう。
ペットボトルを利用する
食用油は使用済みか未使用かを問わず、インクや石鹸などへリサイクルが可能です。そのため、自治体をはじめスーパーといった事業所などでは、不要になった食用油を資源ゴミとして、積極的に回収することも珍しくありません。
この時によく利用されるのが、ペットボトルによる回収方法です。家庭から出た食用油をペットボトルへ詰め、フタをしっかり閉めてからから回収場所へ持参するのが一般的です。
ペットボトルへ詰める際には、油をこぼさないように、漏斗を使用するとよいでしょう。ただし自治体や事業所によっては、ペットボトルでは受け付けていないケースがあります。
また油の量や種類も、細かく限定されていることもあります。いずれにしても、住んでいる地域の自治体や事業所などへ、事前に確認しておくことが必要です。
揚げ油の捨て方の注意点
油をもう使わなくなったからといって、すぐに捨ててはいけません。熱がこもった油をすぐに捨てるのは危険なのです。ここでは油を捨てる際の注意点を解説していきます。
そのまま捨てると自然発火や引火のおそれがある
周知の通り、油は引火しやすく火力を強くする性質があります。したがって揚げ油など不要な食用油を処理する場合には、火災の原因にならないように、十分な配慮が必要です。
まず油を捨てる際には、余熱を完全に抜いてから、牛乳パックやゴミ袋等へ入れることが原則。また牛乳パックやゴミ袋には湿らせた新聞紙などを必ず入れて、自然発火の発生を防ぎます。
なお夏場などは室内の温度が一気に上昇するので、油を吸収させた新聞紙などは、そのまま長時間放置すると危険です。そのため、できるだけ素早く他のゴミと一緒に捨てることが重要です。
さらに、比較的熱の心配がないとされる凝固剤を使用する場合でも、よく注意書きを読んでから、慎重に処理を始めましょう。
配水管や自然環境のためにトイレや排水口には流さない
不要になった食用油の処理が面倒だからといって、トイレや台所の排水口へ、そのまま捨てるのも厳禁です。当然のことながら、油は冷水に触れると固まる性質を持ちます。
排水口へ油を流せば、配水管の内側に固着して、詰まりや破裂の原因にもなりかねません。また下水環境が不十分な地域では、排水口から河川へ流れ込むケースもあります。
食用油であっても、自然環境には悪影響を及ぼします。したがって、絶対にトイレや台所の排水口へ、不要な食用油を捨てることはやめましょう。
揚げ油の正しい捨て方を直ぐにでも実践しよう!
ここまで揚げ油の正しい捨て方について、詳しく紹介してきました。一口に揚げ油を捨てるといっても、様々な処理方法があることを理解できたはずです。
不要な油をいい加減に処理すれば、火災や環境破壊などを招き、自分の家だけでなく、社会や自然へも大きなダメージを与えかねません。このようなことにならないためにも、揚げ油を正しく捨てることがとても重要になります。
もしこれまで面倒だとか少量だからという理由で、不十分な処理で油を捨てていたのであれば、ここで学んだ方法を直ぐにでも実践するとよいでしょう。