鶏肉がうっすらピンクは大丈夫?火が通っているか確認する方法

鶏肉の断面

加熱した鶏肉にうっすらピンク色が残っていて大丈夫…なんて経験ありませんか?鶏肉はもも肉、ささみ、手羽元など各部位によって食感や味わいが異なり、いろいろと楽しめる料理ですが、鶏肉は加熱した後でもうっすらピンク色の部分が大丈夫なのと気になるときがあります。この記事では生焼けか火が通っているのかを確認する方法や、鶏肉を調理するときの注意点を紹介しますので、参考にしてみてくださいね。

探偵 口コミ

鶏肉がうっすらピンクは大丈夫?

鶏肉の断面

鶏肉を加熱してもまだ中がうっすらピンク色だった場合、食べても大丈夫なのでしょうか?

例えば、鶏肉の唐揚げの表面は火が通っているのに、中身を見たらうっすらピンク色が残っている・・・こんな経験は誰でもあるのではないでしょうか?

鶏肉を加熱してもうっすらピンク色がある。

鶏肉のタンパク質は、60℃から凝固し始め、80℃で白く凝固しますので、鶏肉に火を通すと周りからじわじわと肉が白くなって、この後更に熱を通すと全体的に白くなります。

そして最終的には、鶏肉の中心部が赤から徐々にピンク、そして白に変わっていきます。なので、鶏肉の中心部が白色で、外側の所々にうっすらとピンク色の箇所があるなら、既に火が通っていると思って間違いないでしょう。

発色剤や塩分が影響している

添加物である発色剤の影響で、加熱しても肉が赤いままである場合、または、塩分に反応して赤く発色する性質が強い鶏肉だった場合、そして元々、赤色が強い鶏肉であった場合なども鶏肉がうっすらピンク色になっている原因と考えられます。

いずれにせよ大丈夫ですが不安でしたら、再加熱をおすすめします。

鶏肉の赤い部分は脊髄液である可能性が高い

骨付きの鶏肉を加熱していると、骨の穴から血液を作るもととなる赤い筋のような脊髄液が出てくることがあります。

脊髄液は骨の周りの肉に染み出てきますが、変色しにくいので充分に加熱していても赤い色が残っています。

この脊髄液は食べても何の問題もなく大丈夫です、むしろコラーゲンや旨味がたくさん含まれているので、肉自体の美味しさが増し、肉汁が豊かで濃厚な味わいが楽しめるでしょう。

《 ポイント 》

  • 鶏肉の中心部が白色で、外側の所々がうっすらピンク色なら火が通っているので大丈夫。
  • 鶏肉は発色剤の影響や塩分に反応して赤く発色している。
  • 鶏肉の骨の周りの肉に染み出ている赤い脊髄液は食べても大丈夫。

鶏肉がうっすらピンクでNGな場合

チキンカツの断面

先にお話しした「中心部が白色で、外側の所々がうっすらピンク色なら火が通っている」とは反対に、鶏肉の外側が白色で中心部がうっすらピンク色や赤色は、生焼けであることが考えられます。

例外を除いて、中心部の色が白か薄茶色が食べても大丈夫のサインだと思ってください。

カンピロバクターについて

ところで「カンピロバクター」という言葉を聞いたことがありますか?

細菌性食中毒の中でも最も発生件数の多い食中毒で、鶏だけではなく、牛や豚、羊、犬、猫、鳩などの身近な動物の消化管内に潜んでいる病原体の一種です。

中でも鶏は、この病原体を多く保有しており、鶏肉を食肉用に加工する過程で消化管を傷付けた包丁で肉をさばくことにより、菌を食肉の表面に付着させてしまいます。

鶏肉が新鮮であれば新鮮であるほど危険性が高いのですが、鶏肉は十分な加熱処理で死滅するので、生や半生で食べないことが危険を回避する一番の方法なのです。

誤って菌を体内に摂り込んでしまうと、すぐに症状は出ませんが、2~7日ほど経ってから下痢、腹痛、発熱、嘔吐、筋肉痛などの症状が現れます。

一般的な食中毒症状のほか、数週間後には手足や顔面神経の麻痺、呼吸困難を起こす“ギラン・バレー症候群”を発症する危険性もあるので、すぐに医療機関にかかることをおすすめします。

現在の食肉処理の流れでは、食中毒菌を完全に取り除くことは不可能で、市場に出回っている鶏肉のおよそ40%がすでにカンピロバクターに汚染されているとの報告もあります。

カンピロバクターの危険性と鶏肉の正しい扱い方を知らなければ、鶏肉が新鮮かどうかに関係なく、食中毒を起こす危険性があることを頭に入れておきましょう。

《 ポイント 》

  • 鶏肉の外側が白色で中心部がうっすらピンク色や赤色は、生焼けの可能性がある。
  • 鶏肉の40%はカンピロバクターという食中毒を起こす病原体を持っている。

加熱した鶏肉に火が通っているか確認する方法

鶏肉の断面

鶏肉の赤い部分は脊髄液で大丈夫だと分かりましたが、赤い色だけでなくうっすらピンク色の場合は生焼けの可能性があるのか、加熱した鶏肉にしっかりと火が通っているか確認する方法を見ていきましょう。

中心温度で確認する。

生焼けの鶏肉を食べると、カンピロバクターやサルモネラ菌などの食中毒を引き起こす危険性があることは先に説明したとおりです。

ですが、これらの菌は鶏肉の中心温度が75℃以上の加熱で死滅させることができます。温度計を持っていないご家庭においては、爪楊枝を使って鶏肉の中心温度を確認する方法があります。

鶏肉の中心に10秒ほど爪楊枝を刺し、それを手の甲に当てて確認してください。お風呂の温度より少し温かく感じるようであれば、中まで火が通っているという大丈夫の目安になります。

また、鶏肉に竹串などを刺したときに、柔らかくて中までスッと通らないときは食べてはいけません。

肉汁の色で確認する。

鶏肉に火が通っているか判断するには肉汁の色を確認することも有効な方法です。

弾力が強い鶏肉は、生のように見えるので不安に感じますが、そんな時はキッチンペーパーの上から指で押してみてください。

出てくる肉汁が透明なら十分に加熱できて大丈夫ですが、赤い色の肉汁が出てきた場合は生焼けなので再加熱をしてから食べましょう。

これは鶏肉以外の牛肉や豚肉でも同じ方法で火の通りを確認することができます。

切り口の色で確認する。

唐揚げなどのように複数個作った場合は、そのうちの1個をまん中から割って確かめてみると良いでしょう。鶏肉の外側が白く、中心部だけがうっすらピンク色になっている場合は、加熱が不十分と考えられます。

ただし、低温調理の際は、中心部に限らずほんのりとうっすらピンク色が見られることがありますが、これは鶏肉に含まれる「ミオグロビン」と呼ばれる色素の影響によるもので大丈夫です。

ミオグロビンは温度が80℃まで上がれば褐色に変色しますが、低温調理により60℃程度までしか温度が上がらなかった場合にはうっすらピンク色が少し残ります。

この場合、食べても大丈夫ですが生焼けとミオグロビンによる変色を混同しないようにしてくださいね。

《 ポイント 》

  • 鶏肉に爪楊枝を刺して中心温度を確認する。
  • 鶏肉を指で押した時に出てくる肉汁が透明なら充分に加熱されているので大丈夫です。
  • 鶏肉の外側が白く中心部だけがうっすらピンク色になっているのは加熱が不十分です。

鶏肉がピンクで生焼けだった時の再加熱方法

フライパンで鶏肉を焼く

先にお話しした通り、生焼けの鶏肉を食べると、カンピロバクターなどの危険性がつきまとい、幼児や高齢者はもちろんのこと、体調が少しでも悪ければ、食中毒になってしまう可能性があります。

よって、完全に火が通った白や薄茶色に変化するまで、再加熱するようにしましょう。

フライパンを使って再加熱する

鶏肉がうっすらピンクで生焼けだとわかった時には再加熱することになりますが、加熱し直す時は電子レンジではなくフライパンを使います。

調理したら、すぐに鍋やフライパンを片付けずに、まずは鶏肉の火の入り具合を確認しましょう。フライパンで10分くらい焼き直しをするか、唐揚げなら油で揚げ直しすれば大丈夫です。

ただし唐揚げの場合は、衣のサクサク感が失われる可能性がありますので、親子丼やカツ丼のように、薄切りにした玉ねぎと一緒にフライパンで煮てから卵でとじて、熱々のご飯に乗せてみてはいかがでしょうか?

魚焼きグリルを使って再加熱する

また、魚焼きグリルだと焼きムラが起きず、全体に均等に火が通りますのでちょうどいい具合に柔らかく仕上がります。

お湯に入れて再加熱する

既に味付けされている調理済みの鶏肉がうっすらピンクで生焼けだった場合は、ビニール袋にその鶏肉を入れて、沸騰してから火を止めたお湯の中に浸けます。そしてそのまま10分程度放置します。

電子レンジはできるだけ使わない方が良い

電子レンジを使用すると、鶏肉のしっとり感が失われ、食感がパサパサになってしまいます。

電子レンジは手軽なので使いたい気持ちはやまやまですが、衣がベチョベチョになる電子レンジより、同じ調理法で再加熱するか、出汁と一緒にフライパンで煮込む方が美味しくいただけるでしょう。

《 ポイント 》

  • 鶏肉は同じ調理法で再加熱するか、出汁と一緒に煮込むと美味しくいただける。

鶏肉を調理するときの注意点

冷蔵庫の中の鶏肉

調理前に鶏肉を洗わない

調理前に鶏肉を軽く洗う人がいますが、これはNGです。なぜならば、蛇口の水で鶏肉を洗った時に、広範囲にわたって水が飛び散りますよね。

カンピロバクターやサルモネラ菌などの食中毒を引き起こす危険性がある菌を含んだ飛沫が、近くに置いてある調理器具や他の食品などについてしまうことによって、二次感染が発生する危険があるからです。これは絶対にやめてくださいね。

冷蔵庫の一番下の棚で保存する

菌は温度が10℃になると活性化し、35℃で最も増殖するので、鶏肉はすぐに冷蔵庫に入れて5℃以下で保存するようにしましょう。

肉類を冷蔵庫に入れるときは、一番下の棚やチルドルームに入れれば大丈夫です。こうすれば、パックについた肉汁が他の食品に流れ落ちることがなく、二次感染を防げます。

また、鶏肉のパックに接触するところに、生で食べる野菜やくだものなどを置くことも絶対にやめましょう。

中までしっかり火を通す

カンピロバクターは熱に弱い性質があるため、鶏肉の調理の際はしっかり火を通すことで食中毒を防ぐことができます。

菌を死滅させるためには、中心部を75℃以上で1分間加熱する必要があるので、時間をかけて中まで火を通せば大丈夫です。

鶏肉の外側が白色で中心部がうっすらピンク色や赤い色だったり、鶏肉の肉汁が透明でない場合は、鶏肉の加熱が十分でなく生焼けの可能性があります。

使った調理器具や手はていねいに洗う

鶏肉を切った後のまな板や包丁は、すみずみまで丁寧に洗い、殺菌・消毒します。熱湯消毒または、漂白剤に浸けて殺菌したり、アルコール消毒のスプレーを吹きかけておくとより安全です。

できれば、鶏肉などの“肉用”と“他の食品用”と、まな板を使い分けると、二次感染の危険が減り安心できます。

また、鶏肉をさわったあとはせっけんと温水でしっかり手洗いをして、次にさわる他の食品に菌を付着させないよう気をつけましょう。

室温に戻して調理する

鶏肉は香ばしく焼き上げるために強火で加熱することが多いので、表面は焼けているのに中まで火が通っていないといったことも起こり得ます。

鶏肉が冷たいと中心部分が温まるまでに時間がかかりますので、調理する30分前には冷蔵庫から出して常温に戻しておきましょう。

切り方を工夫する

小さめの一口大にカットする、肉の厚みを均等にするなど切り方を工夫すると、中まで火が通りやすくなります。

鶏肉を大きいサイズのまま料理したい場合は、分厚い部分に切り込みを入れておくことで火が通りやすくなり生焼けを防ぐことができるでしょう。

最後に

鶏肉とハーブ

鶏肉がうっすらピンク色は食べても大丈夫なのかどうか?こちらの記事は参考になりましたか?

鶏肉は中心部が白色であれば、外側の所々がうっすらピンクでも問題なく火が通っていると思ってよいでしょう。

鶏肉のピンク色や赤い色が、脊髄液やミオグロビンの色素であれば食べても問題ありませんが、生焼けの場合は、真ん中が瑞々しいうっすらピンクで赤に近いのですぐわかります。

カンピロバクターは比較的少ない量であっても食中毒を引き起こしますので、鶏肉の中心部まで充分に加熱する必要があります。

鶏肉に火が通っていて大丈夫なのかを確認する方法を参考にして、鶏肉にしっかり火を通すとともに、取り扱いに十分注意したうえで、美味しい肉料理を安心して味わってみませんか!

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