目次
換気扇の油汚れが重曹で掃除できる理由
酸性の油汚れにはアルカリ性の重曹が適している
換気扇の汚れは、調理中にとびはねた油や、空気中に蒸発して舞い上がる油の汚れです。そして、その上にさらにホコリが積もって層になっているので、とても頑固な汚れとなっています。
油汚れは酸性の汚れになりますが、重曹はアルカリ性のため、酸性の油汚れを中和させることができ、汚れが落ちやすくなります。
粉末のままの重曹を振りかけて使うこともできますし、水を加えてペースト状にした重曹で油汚れをふき取ったり、水と重曹を混ぜた重曹スプレーを吹きかけて使ったりします。
重曹には研磨作用もある
重曹には研磨作用があるので、研磨剤としても使えます。水に溶けにくく、硬すぎず柔らか過ぎない適度な粒なので、市販のクレンザーに比べて、素材を傷つけずに油汚れを吸着することができます。
換気扇の重曹を使った掃除方法
換気扇の掃除を始める前に行うこと
換気扇の掃除中に誤ってボタンをおして、ファンが稼働してしまうと怪我をしてしまいますので、掃除を始める前に電源を切っておくと安心です。
また、コンロ台に乗って掃除をするのは危ないのと、コンロの故障につながる恐れもあるので、あらかじめ踏み台やミニ脚立など用意しておきましょう。汚れが飛び散っても良いように、床には新聞紙など敷いておくことをおすすめします。
重曹は環境にも人にも優しい成分ですが、弱アルカリ性のため、肌の弱い人は素手で使っているとカサカサに荒れてしまうこともあるので、手荒れが心配な人はゴム手袋を用意してください。
換気扇のカバーの掃除
用意する物
- 重曹
- 水
- スプレーボトル
- ゴム手袋
- キッチンペーパー
- 乾いた布やタオル
掃除方法
- スプレーボトルに100CCの水と小さじ1杯の重曹をよく混ぜて重曹スプレーを作り、キッチンペーパーにスプレーをしてペーパーをしっとりと湿らせます。
- 湿らせたキッチンペーパーを、換気扇のカバー全体、または、汚れている部分に貼りつけパックします。5分以上そのまま放置してください。
- 時間を置いたら、ペーパーを外し、濡らしたタオルや布巾で水拭きをして、仕上げにキレイな布巾で乾拭きします。
換気扇のフィルターの掃除
用意する物
- 重曹
- 新聞紙
- ティッシュ
- ゴム手袋
- 古歯ブラシ
- 乾いた布やタオル
掃除方法
- フィルターを外して広げた新聞紙の上に置きます。フィルターは油でベタついているので、ゴム手袋をつけることをおすすめします。
- フィルターが見えなくなるくらいの量の重曹を、粉末のまま振りかけます。裏側にもまんべんなく振りかけ、そのまま2、3時間放置して、重曹が油を吸着するのを待ってください。汚れが気になる部分には、重ねて重曹を振りかけましょう。
- 放置したら、一部分をティッシュで軽くこすってみてください。粉末の重曹をたくさん振りかけていると、時間が経っても見た目にはあまり変化がありませんが、ティッシュでこすってみると、油汚れが重曹と一緒にするっと落ちるようになります。
- 油汚れが分解されてきたら、フィルター全体を古歯ブラシなどで軽くこすりながら、汚れを落としていきます。落ちない頑固な汚れには、直接重曹を振りかけながら念入りにこすって、キレイになるまで繰り返してみましょう。
- 最後にフィルターをぬるま湯とスポンジで優しく洗います。水分をタオルで拭き取ったら、フィルターを元に戻してください。
ポイント
水を使わない粉末のままの重曹を使うことで油汚れとなじみやすくなります。
フィルターの外し方は換気扇によって異なりますが、壊れないよう気を付けて外してください。分からない時は無理に外さず取扱説明書で確認しましょう。
換気扇の本体の掃除
用意する物
- 重曹
- 水
- 容器
- ゴム手袋
- ラップ
- スポンジ
- 乾いた布やタオル
掃除方法
- 入れ物に「重曹:水=3:1」で重曹ペーストを作ります。容器を45度くらいに傾けても垂れない程度の固さの重曹ペーストがおすすめです。
- 換気扇の本体に重曹ペーストを塗っていきます。たっぷりとペーストを塗りこみます。重曹ペーストが油汚れを分解するまで、そのまま30分以上放置しましょう。ラップで覆うとペーストが落ちにくくなります。
- 重曹ペーストが茶色く変色してきたら、スポンジで拭き取ると、ペーストと一緒に汚れが落ちます。汚れが残っている場合は、再度、重曹ペーストを塗りこみ繰り返していくとキレイになります。仕上げに重曹ペーストが残らないよう、タオルや布でキレイに拭き取りましょう。
ポイント
ファンの掃除
用意する物
- 重曹
- ゴム手袋
- スポンジ
- 古歯ブラシ
- 乾いたタオルや布
- ファンが入る容器やポリ袋
掃除方法
- ファンを外して、ゴム手袋をつけましょう。ファンに粉末のままの重曹を振りかけ1時間ほど放置して、古歯ブラシでファンについている汚れをこすり落とします。
- ファンが入る容器かポリ袋に、50度くらいのお湯と重曹1/2カップをいれます。その中にファンを浸し、1時間以上浸けおきします。
- 浸け置きしている水に汚れが浮いてきたり、水が茶色くなってきたらファンを取り出し、スポンジなどで優しく洗って、流水ですすぎましょう。タオルや布でキレイに拭いたらファンを戻してください。
ポイント
重曹を使うときの注意点
重曹はアルミと反応して黒ずみを起こしたり、コーティングが剥がれてしまうこともあります。特殊コーティングされている換気扇などは、重曹は使わず、お湯などで汚れを洗い流すようにしましょう。
重曹の拭き跡が残ってしまったら
重曹の量が多すぎるとアルカリ性にかたより過ぎて、拭きあとが白っぽく残ることがあります。そんな時は酸で中和するとキレイになりますので、レモン汁やクエン酸を濡らした雑巾に少し染み込ませ拭き取ってください。
ただし、レモンやクエン酸が残っているとサビの原因になるので、タオルや布で水拭きをして酸を取り除いてから仕上げに乾拭きをしてください。
重曹で汚れが落とせなかった場合
重曹ペーストや浸け置きをしてもなかなか落ちない頑固な汚れには、セスキ炭酸ソーダを使ってみましょう。セスキ炭酸ソーダは重曹よりアルカリ成分が強く、粒の大きさも細かいので水に溶けやすいので重曹では落ちなかった頑固な汚れをキレイにするのに適しています。
ただし、最初からセスキ炭酸ソーダで掃除をすると換気扇を傷つけてしまうことがあります。まずは重曹を使って掃除をして、重曹では落としきれなかったときにセスキ炭酸ソーダを使うようにすると良いでしょう。
セスキ炭酸ソーダを使う場合は、浸け置きする時間も短めにしたり、ペーストを作る時も重曹より少ない量で作ってください。水に溶けやすいセスキ炭酸ソーダは、スプレーを作っておくと便利です。水500mlにセスキ炭酸ソーダ小さじ1杯で作れますよ。
まとめ
重曹は頑固な油汚れの換気扇の掃除にも使えるのですね。食べ物を扱うキッチンの掃除なので、体に害のない重曹で、頑固な汚れを落とせるのは安心ですね。
換気扇の掃除はファンを取り外したり、浸け置きをしたりなど、短時間で手短には行えませんので、時間にゆとりのある時に掃除をするのがよいでしょう。また汚れがひどくなればなるほど、キレイにするのに時間がかかりますので、定期的な掃除を心がけてください!