「料理のさしすせそ」とは基本の調味料!入れる順番やみりんがない理由

複数の調味料

「料理のさしすせそ」という言葉は家庭科の授業などで聞いたことがあるかもしれませんが、意外と中身を覚えてない人も多いのではないでしょうか?「さしす」くらいまでは覚えていても「せそ」でギブアップする人が結構います。「料理のさしすせそ」は和食で使う基本の調味料と、入れる順番を指す言葉です。ただの語呂合わせというわけではなく、理に適った順番になっています。この記事では、「料理のさしすせそ」について説明します。

「料理のさしすせそ」とは料理の基本の調味料

調味料のイメージカット

「料理のさしすせそ」は和食で使う基本の調味料のことです。

それぞれ「さ」は砂糖、「し」、は塩、「す」はお酢、「せ」は醤油、「そ」は味噌を指します。「せ」が醤油なのは「せうゆ」と書かれたからといわれますが、元々は「しゃうゆ」と書き「せうゆ」と書かれるようになったのは明治時代以降です。

つまり「料理のさしすせそ」は明治以降にいわれ始めた言葉ということですね。この5つは家庭でも必ず使う調味料ですから和食の基本の調味料ということに異論のある人は少ないでしょう。

「料理のさしすせそ」の科学的根拠

記事後半でも解説しますが料理のさしすせそは、ただの伝統や体験談ではなく科学的根拠に基づいています。ひとつは調味料を構成している分子の大きさです。

一番先に入れるとされている砂糖は、調味料の中でも分子が大きいです。たとえば、分子が大きい砂糖より小さい塩を先に加えると、砂糖が食材に入りにくくなります。

次に酢が真ん中に来ている理由は、中盤で加えることでお酢の強すぎる酸味がまろやかになるためです。逆に醤油は早く入れ過ぎると香りが薄まる可能性があるため後半に加えます。味噌も加熱し過ぎると、美味しさを引き立てる風味が損なわれるため。

こうした科学的な理由によって、料理のさしすせそは現在でも基本として扱われています。

「料理のさしすせそ」の役割

醤油で味付けする煮物

砂糖から味噌までが基本とされるのには、ちゃんとした理由があります。正しく理解し料理に取り入れることで、ご飯がもっと美味しくなります。以下でそれぞれの役割を解説していきますので、実際の調理にもお役立てくださいね。

砂糖の役割

料理のさしすせその「さ」は砂糖です。お菓子作りなどに使われることが多い砂糖の役割は、甘みを与えることだけではありません。

実は砂糖には、食材の硬さを調節してくれる効果があります。たとえば肉類であれば食材の水分を保ち乾燥しにくくすると同時に柔らかくしてくれます。

一方、じゃがいもなどイモ類、トウモロコシなどの場合は砂糖を加えると加熱しても硬い食感を維持してくれます。食材によってもたらされる効果が異なる点は砂糖の面白い特徴といえます。

また、砂糖には料理に照り・つやを出し見た目の美味しさを演出してくれる効果もあります。魚の照り焼きに砂糖が使われているのはこのため。

他にも料理に砂糖を加えると、水分と一緒に悪臭を吸収する消臭効果が期待されています。魚の煮物や照り焼きに砂糖を加えると生臭さを抑えやすくなります。ただし、砂糖の入れ過ぎにはお気を付けください。

余談ですが砂糖は、その種類によって相性がいい料理が異なります。和食料理に使用するのであれば日本特有の砂糖である上白糖が味の深みを演出してくれるため相性がいいです。ケーキやクッキーなどのスイーツであれば、クセの少ない甘さが特徴的なグラニュー糖が適しています。

いまよりもっと美味しい料理を調理したい方は、料理と砂糖の種類の相性もチェックしてみることをオススメします。

塩の役割

料理のさしすせその「し」である塩は塩味を整える料理で定番の調味料。海に囲まれた島国である日本にとっては古くからなじみ深い調味料といえます。

そんな塩には、料理に塩味を付加する以外にも様々な効果をもっています。ひとつは食材から水分を抜く効果。塩をふりかけると浸透圧という作用の影響で食材に含まれる水分が接触している塩と結合しようと染み出します。水分が抜けた結果、食材の旨味が増したりアクや臭みが抜けるなどの効果が現れます。

また食材の水分と塩が結びつくことで雑菌が繁殖しにくくなり、保存性を高める効果もあります。塩漬けなどはこの原理を利用した保存方法です。

他にも、スイカに塩を振りかけることで甘味を強く感じるようになる対比効果や酢の物の酸味を和らげる抑制効果も料理で活用できる効果です。

日本には精製塩や天然塩が流通しています。ご家庭の好みや料理の種類にもよりますが家庭料理であれば入手しやすく使いやすい精製塩をおすすめします。

酢の役割

料理のさしすせその「す」に該当するのがお酢です。料理におけるお酢の役割は酸味付けです。お酢によってもたらされる特徴的な酸味は、料理をさっぱりとした仕上がりに整え食欲を促してくれます。脂っこい料理と一緒にお酢を加えた料理を出すと油でもたれた気分をスッキリさせてくれます。

そんなお酢には、味付け以外にも効果があります。有名な効果でいうと殺菌効果が挙げられます。調味料の中でも優れた殺菌作用があるため食べ物の腐敗を抑え、酢の物やピクルスなど保存性が高い料理を作れます。また、お酢の独特な香りは料理に風味をもたせるだけでなく、魚料理の臭み消しにも役立ちます。

お酢には意外と知られていない効果もあります。お酢に肉類を漬け込むとたんぱく質を分解し、柔らかい食感に仕立ててくれます。他にもお酢にさらすことでゴボウなどの褐変を防ぎ、ミョウガなどの色合いをより鮮やかにしてくれます。

お酢には、酸味が強く調味料として使われることが多い米や大麦などから作られる穀物酢とフルーティーな香りと控えめな酸味が特徴的な果実酢があります。調味料としての使い道の他に、飲料としてそのまま飲める点もお酢ならではの特徴といえます。

醤油の役割

料理のさしすせその「せ」に該当するのは醤油(せいゆ・せうゆ)です。日本料理で欠かせない調味料といえば、醤油を思い浮かべる方も少なくないはず。

醤油には、食材に対する生臭さを緩和させる消臭効果があります。煮物をはじめ生臭い魚を食べることが多かった日本で醤油が普及したのも頷けます。

また料理の色付けや香り付けに使われることも多いです。醤油を使った焼き料理が香ばしい香りを放つのは、醤油に含まれるアミノ酸・ブドウ糖が加熱されて起こるアミノカルボニル反応によるもの。独特な香りによって食欲増進が促されます。

出汁とともに使われることも多く相乗効果によって料理の味をより深くしてくれます。

その他にも醤油には酸味を和らげる緩衝効果、塩味をほんの少し緩和させる抑制効果、甘味を際立たせる対比効果といった使い方もできるため、非常に優れた調味料といえます。

醤油は大きく分けて関西で主流の薄口醤油と関東で好まれやすい濃口醬油の2種類に分けられます。すっきりとした風味で醤油独特の味が控えたい料理には薄口を、醤油の味や色合い、香りを強調したい料理には濃口をおすすめします。

また勘違いされやすいですが醤油の塩分濃度は濃口よりも薄口の方が高いため、塩分を制限されたい方はご注意ください。

味噌の役割

料理のさしすせそ最後のひとつが「そ」の味噌です。「そ」のことをソースと間違える人も多いですが、味噌もれっきとした調味料のひとつです。

味噌の料理における効果として挙げられるのが消臭効果。魚や肉の生臭さなどを和らげてくれます。サバの味噌煮は、この味噌の消臭効果を活用した料理といえます。

また、味噌には独特の旨味や風味も備わっています。日本料理では、醤油や出汁と一緒に使われることで味をより深くします。ベシャメルソースやグレイビーソースなど、各国には独特のソース(調味料)があります。日本では出汁に味噌や醤油を加えるのが一般的です。

他にも大豆を原材料とする味噌には、大豆イソフラボン・大豆サポニンなどの栄養素も豊富に含んでいます。そうした味噌に含まれている成分が生活習慣による影響を整えることにも期待されています。

味噌は大豆を熟成させて製造されます。日本には、大豆に加え米や麦を原料として製造する地域もあります。色合いで大別するのであれば、熟成期間が長く香りと深い味わいがある反面、塩分濃度が濃い赤味噌、熟成期間が短くほのかに甘味もある白味噌、赤味噌と白味噌の中間にあたる淡色味噌が挙げられます。

「料理のさしすせそ」を入れる順番

調味料さしすせそ

「料理のさしすせそ」は入れる順番を指すといいましたが、基本的にこの順番で入れれば問題ないです。

たとえば煮物を作る場合、出汁を作って具材を入れて、砂糖を最初に入れてしばらく煮ます。ある程度煮えたところで、他の味をいれるため、塩や酢、最後に醤油や味噌をいれます。

砂糖は味が染み込みにくいので、最初に入れます。塩は砂糖の甘みを引きたてるために入れます。

醤油や味噌は長く煮ると香りが飛んでしまうので最後に入れます。酢は必要であれば入れますが、まろやかにしたいなら塩の後、酸味を活かしたいなら最後の方に入れます。

酢の入れ方のように「さしすせそ」にこだわることはありませんが、この順番で入れるとしっかりと味が染み、風味も飛ばない煮物に仕上がります。

「料理のさしすせそ」の順番の理由

豚の角煮

「料理のさしすせそ」の順番には科学的な裏付けがあります。それは分子の大きさです。これらの調味料の分子の大きさは「さしすせそ」の順番で小さくなっていきます。

分子が大きいほど具材の中に入っていく時間がかかるので先に入れる必要があります。また分子の小さなものが先に入ると、大きなものが入る余地が少なくなってしまいます。

さらに塩は水分を抜いてしまうので、砂糖より先にいれると砂糖を追い出してしまいます。したがって、砂糖>塩の順番で入れるとうまく味が入るのです。酢は長く煮ると風味がなくなるのでその次になります。

醤油や味噌は、味は出汁が染みていれば合わさりますので、風味を大事にして調理の終わりの段階で入れた方が美味しくなります。このように「さしすせそ」は意味があって伝えられています。

料理のさしすせそ通りでなくてもいい

料理のさしすせそは調理の基本ではありますが、必ずこの順番に入れないとまずくなるという意味ではありません。あくまでも基本であって、自分の味を作るために応用として入れ方を変えるのは問題ありません。

たとえば、短時間で煮込み終わる料理やあらかじめ調味料を混ぜておく鍋物などの料理、下処理として事前にお酢に漬け込んでおく料理など、料理のさしすせそ通りではないレシピもたくさん存在します。

基本的には料理のさしすせそ通りに加えることをおすすめしますが、応用として順番通りではない料理に挑戦してみるのも面白いですよ。

「料理のさしすせそ」に酒やみりんがない理由

みりん

酒やみりんは現在では調味料としても使われていますが、本来は飲み物、特に神事に使われる飲み物として使われていました。調味料として使う場合もアルコールが入っているため、煮え切りなどの行程を加えないと、子供などに食べさせるのは心配なので、料理のさしすせそには入っていません。

「料理のさしすせそ」で酒やみりんの役割と入れる順番

みりんと原材料

調味料は好きな順番で入れていいわけではありません。好みの味に仕上げるためには、入れる順番を意識すると良いでしょう。

酒やみりんの役割

酒は具材を柔らかくする効果があります。また、旨み成分が含まれており、コクや風味を出すのに使われます。またアルコールによる消臭効果もあるため、肉や魚の下処理にも用いられることが多いです。

ちなみにスーパーなどで見かけることが多い料理酒とは、手軽に早く料理にコクや風味をもたせる目的で清酒に塩や甘味料などが添加された調味料です。酒類ではなく食品・調味料として扱われます。

みりんはアルコール分が10%から13%と多く含まれている「本みりん」と1%未満の「みりん風調味料」の2種類があります。甘みを加え、照り・つやを出します。砂糖よりまろやかな甘みなので、甘みを抑えたい場合は砂糖よりみりんを加えた方がよいです。

酒やみりんを入れる順番

酒と本みりんはアルコールが入っているため最初に入れてアルコール分を飛ばす必要があります。

魚など食材の臭みを消す目的でも、料理のはじめに加えるのが好ましいです。その一方で、アルコールをほとんど含まない「みりん風調味料」は風味付けのために最後にいれます。

「料理のさしすせそ」はやはり基本!覚えておいて損はない

複数の調味料

最近では料理を作るときに使う調味料の数も増えました。和食だけでなくエスニック料理なども家庭で作れるようになりました。しかし、「料理のさしすせそ」は覚えておいて損はありません。これらの調味料は、日本では和食だけでなく洋食や中華料理など様々な国の料理にも使われています。

日本人が外国料理を日本人好みに作り替える能力はカレーやラーメンを見れば明らかですが、それらの料理の調味料には「料理のさしすせそ」で使われる調味料も入っていますので、覚えたことが役立ちます。うまく料理に活かしてください。

この記事のタイトルとURLをコピーする

カテゴリから記事を探す

すべてみる
カテゴリを見る