目次
洗濯槽の洗い方
基本の手順
洗濯機で一番汚れている部分は、洗濯槽の裏側ですが、洗濯槽の洗い方やお掃除のタイミングが分からない方も多いのではないでしょうか。
洗濯槽の洗い方の基本は、市販クリーナーを使います。市販の洗濯槽クリーナーは、塩素系と酸素系の二種類に分けられます。酸素系クリーナーの殺菌効果は塩素系には劣りますが、衣類へのダメージは少なく、洗剤独特の臭いが少ないのが魅力です。ただし、剥がれて浮いてきたカビを途中で取り除く作業があるため、手間や時間がかかってしまいます。
一方で、塩素系のクリーナーには強い殺菌効果があり、見えないカビ菌を分解して、しっかりと殺菌して除去してくれます。肌や衣類への刺激が強いものの、徹底的に殺菌したいという方におすすめできる最も効果の高いクリーナーと言えるでしょう。
酸素系クリーナーの使い方
- お湯を入れる
洗濯槽の洗い方として、40~50℃のお湯を使うのが効果的です。お湯を最高水位まで注ぎ、洗濯槽全体がお湯に浸かるようにして汚れを浮かします。 - 汚れをふやかす
洗濯機を5~6分程度回して水流で汚れを揺すり、汚れをふやかして洗剤が効きやすい状態にします。 - 洗剤で汚れを浮かす
市販の洗洗濯槽リーナーを入れて、15分ほど洗濯機を回してから、排水が始まる前に洗濯機を停止させます。 - 浸け置き
そのままの状態で2時間以上浸け置きしますが、汚れが酷い場合は、5時間程放置して浸け置きしてください。 - 汚れをすくい取る
浸け置きが終わったら、10分程度、再び洗濯機を回すと洗濯槽の裏側に付いていた黒っぽいカスが、どんどん浮いてきます。針金ハンガーを伸ばして使い古しのストッキングを被せてハンガーネットを作り、浮いてきた汚れをすくい取ります。 - 水を入れ替える
汚れをすくい取ったら脱水し、新しい水に入れ替えます。 - すすぐ
再び洗濯機を回し、まだ汚れが出てくるようであればハンガーネットで、汚れがなくなるまですくい取る作業を繰り返します。 - 完了
汚れが出なくなったら完了です。終了したら蓋を開け、再び雑菌やカビが発生しないように乾燥させましょう。
《 ポイント 》
- 酸素系は衣類へのダメージが少なく洗剤独特の臭いが少ない。
- 洗濯槽の洗い方において、酸素系を使うと浮いてきたカビを途中で取り除く作業がある。
- 塩素系は強い殺菌効果があり、最も効果が高い。
使える洗剤
重曹
重曹には消臭効果があり、体に優しい成分からできているので、安心して使用できるところが洗濯槽の洗い方でおすすめです。弱アルカリ性の重曹は、万能クリーナーといわれるくらい掃除用途が広く、酸性の汚れと中和させることで効果を発揮します。
酸素系洗濯機クリーナーと同じように、発泡したアワでさまざまな汚れを浮かしてくれるので、重曹を洗濯槽クリーナーとして使用してみてください。
洗濯槽にお湯を溜め、重曹1カップ約150gを入れ、洗濯機を回したあと排水しないまま4~6時間程度放置します。
水に溶けにくい性質の重曹は、しっかり溶かさないと洗濯槽の目詰まりの原因になりますので、注意しましょう。後は、市販の洗洗濯槽リーナーと同様の手順で行います。
オキシクリーン
家中の掃除に使える便利なオキシクリーンは、過炭酸ナトリウムが主成分なので、洗濯槽の洗い方に適しています。汚れも、根こそぎ取り除いてくれる優れものです。
パッケージにある「VERSATILE」とは日本語で「多目的、万能」という意味で、普通のお洗濯の漂白剤としても使うことができます。
40℃〜60℃のお湯を洗濯槽に注ぎ、高水位まで満たすようにします。お湯10Lにつき、付属しているスプーンでオキシクリーン4杯を入れて溶かします。満水値が46Lの洗濯機には、付属スプーン18杯を目安としてください。
後は、市販の洗洗濯槽リーナーと同様の手順で行います。
漂白剤
酸素系粉末タイプの漂白剤は、泡が汚れを浮かして剥がしてくれるので、洗濯層の掃除に使うことができます。汚れを落とすには粉末の酸素系漂白剤でよいのですが、黒カビがひどい場合には、塩素系漂白剤を使用した方がよいでしょう。
気を付けなければいけないのは、「混ぜるな危険」の注意書きの通り、くれぐれも塩素系と酸素系を同時に使わないことです。これらを同時に使用すると大量の塩素ガスが発生し、口の中やのど、眼などの粘膜組織を破壊するため大変危険で、そのまま放置すると命に係わることになりかねないので、塩素系と酸素系は別々に使うようにしてください。
漂白剤で洗濯槽掃除をする方法は、洗濯槽の中に、40℃~60℃くらいのお湯を溜め、お湯10ℓに対して50gまたは50ccの漂白剤を入れます。後は、市販の洗洗濯槽リーナーと同様の手順で行います。
クエン酸やお酢
洗濯槽の中の汚れの殆どは、水垢や石鹸カスといったアルカリ性の汚れなので、酸性のクエン酸や酢を加えると中和して汚れが分解されやすくなります。他にも、アンモニア臭やタバコのヤニ臭などに対する消臭と、殺菌に効果があります。
クエン酸や酢を使った洗濯槽の洗い方で手軽な方法ではあるのですが、属の腐食を促す性質を持っているため、クエン酸や酢の酸性が残った状態にしないようにしっかりと水で洗い流しましょう。
また、塩素系漂白剤と併用すると、塩素ガスが発生しますので混ぜるのは厳禁です。40℃〜60℃のお湯を洗濯槽に注ぎ、クエン酸100g程度を投入します。後は、市販の洗洗濯槽リーナーと同様の手順で行います。
《 ポイント 》
- 重曹には消臭効果があり、体に優しい成分からできているので安心。
- オキシクリーンは家中の掃除に使える便利な洗剤。
- ひどい黒カビがには塩素系漂白剤を使用する。
- 塩素系と酸素系を同時に使わない。
- クエン酸や酢は消臭と殺菌に効果がある。
槽洗浄コースを使う
洗濯機にある「槽洗浄コース」を利用するととても簡単に掃除ができます。
塩素系クリーナーを入れて、槽洗浄コースを選択しスタートさせるだけで、洗濯槽の掃除を行ってくれる洗い方です。洗濯槽クリーナーは「標準コース」でも使用できますが、つけおき時間が設定されてある槽洗浄コースで回した方が、その後の手間が省けてとても便利です。
その間に他のことをする時間を確保でき、忙しい家事の合間に手軽に洗濯槽掃除ができることがメリットといえるでしょう。槽洗浄コースには、一般的に「3時間コース」と「11時間コース」の浸け置きする時間を選択する機能がついています。
洗濯機によっては、時間を選択する必要のないものもあるので、その場合は自分で時間を設定しましょう。時間設定の目安は、1〜2ヶ月に1度の割合で洗濯槽を掃除する方は3時間コース、洗濯層に黒カビが発生したときや、臭いが気になったときには11時間コースを設定するとよいでしょう。
《 ポイント 》
- 「槽洗浄コース」を利用するととても簡単に洗濯槽の掃除ができる洗い方です。
ドラム式洗濯機の場合
ドラム式洗濯機をお持ちの方は、洗濯槽の洗い方で気をつけなければいけないことがいくつかあります。
酸素系クリーナーより塩素系クリーナーがおすすめ
酵素系のクリーナーは、洗濯槽に大量のお湯を入れた中に投入し、浸け置きすることで洗濯槽の裏側のカビを浮かせますが、使用する水量が少ないドラム式洗濯機では、洗濯槽全体をまんべんなく浸け置きすることができません。
また、酵素系クリーナーが洗濯槽の中で泡立つと、勝手に排水されてしまうなど酵素系の効果が十分に発揮できないので、洗濯槽の洗い方の注意点として取扱い説明書に「ドラム式洗濯機では使わないでください」とある洗濯槽クリーナーは使用しないでください。
塩素系であればこうした心配はなく、少ない水量でも効果を発揮できるのです。
乾燥フィルターのお手入れも必要
縦型洗濯機の場合には、乾燥機能がなかったり、乾燥機能が付いていても乾燥フィルターが付いていなかったりしますが、ドラム式洗濯機の洗濯槽の洗い方の場合には乾燥フィルターの掃除が必要になります。
乾燥フィルターの洗い方は、フィルターを取り外し、中に溜まった埃を落としてから湿らせた布で拭くか、ぬるま湯につけて歯ブラシで擦って汚れを落とします。
乾燥フィルターはひとつだけとは限らず、奥側にもうひとつ付いているタイプもあるので、奥側まで忘れずに掃除しましょう。
《 ポイント 》
- 酸素系より塩素系の方が適している。
- 乾燥フィルターの掃除が必要。
洗濯槽を洗う頻度
洗濯層のお掃除の頻度は、月に1回を目安に行うのが理想です。
洗濯槽の洗い方は洗濯機の機種や汚れの強弱に合わせて洗剤の種類を選び掃除をしましょう。その際には、フィルターやゴミ受けなどの小物も同時にきれいにすることも忘れずに行うとよいでしょう。
洗濯槽の洗い方として、月に1回、定期的に掃除をしましょう。定期的に掃除することにより、洗濯層の中にカビを発生させることなく、いつでもきれいな状態で使い続けられます。
また、糸くずネットにはすぐにゴミがたまってしまうので、2回ほど洗濯をしたら溜まっているゴミを取り除くようにしましょう。
普段のお手入れ
普段からいくつか習慣づけておくことで、洗濯槽の汚れやカビをある程度防ぐことができます。
- 洗剤や柔軟剤は多めに入れずに適量使う。
- 洗濯物は洗濯機の中に溜めずに、洗濯カゴを利用する。
- 洗い終わったらすぐに洗濯機から洗濯物を取り出す。
- 洗濯機のフタは閉めっぱなしにしない。
洗濯機の取扱い説明書にも記載されていますので、再度確認して実践してみましょう。
《 ポイント 》
- 洗濯槽の洗い方は月に1回を目安に行うのが理想。
- 糸くずネットのゴミは2回洗濯をしたら取り除く。
最後に
洗濯槽の洗い方についていかがでしたでしょうか?
面倒だと思った方もいるかもしれませんが、洗濯槽掃除をせずに雑菌やカビなどをそのままにしておくと、衣服に付着して健康に悪影響を及ぼす可能性が出てきます。
洗濯機から出して部屋干しした際に、衣服についた雑菌やカビが家中に舞い広がり、呼吸をするだけで体内に侵入させてしまいます。このような状態を放置すると、免疫力の弱い子供や年配者の場合、アレルギーや喘息を誘発するおそれも出てきます。
また、洗濯槽の汚れがひどい場合や、洗濯槽の掃除をする時間がとれない方には、業者に依頼して徹底的に分解掃除をしてもらう手段もあります。
自分で洗濯槽の掃除するよりも費用がかかりますが、健康被害に限らず、万一故障した場合には買い替えないといけないリスクを考えると安上がりかもしれません。
洗濯機修理を請け負っている業者では、洗濯機の機種や構造に精通しているプロが、業務用の道具や洗剤を使って、洗濯機を分解洗浄してくれます。
キレイな洗濯槽で、毎日洗濯ができるようになると、快適な気分になるのではないでしょうか。