目次
油を固める方法5つ
使い終わった油の処分に迷ったことはありませんか?
油の量が少ない場合に、少しだけだからとか面倒だからといって、そのままシンクに流したことはないでしょうか。
長い間シンクに流し続けた油は、冷えて固まると徐々に配管内にこびり付きます。その結果、目詰まりの原因になったり腐敗臭の原因になったりします。ひいては地球の環境保護に悪影響を及ぼすため、絶対にしてはいけない行為です。
ここでは使い終わった油を、安全かつ簡単に固める処分方法3つと、少し手間をかけて楽しみながら固めるリサイクル方法2つをご紹介します。
ぜひ、参考にして試してみてください。
方法1:小麦粉で固める
使い終わった油を固める処分方法の1つ目は、パンやパスタなどの材料でお馴染みの「小麦粉」で固める方法です。小麦粉を使って油を固める際、油が熱いうちに小麦粉をできるだけ短時間でフライパンに入れ続けることがポイントです。
小麦粉を入れ続けて、ドロドロした粘土状に変化してきたら、そこでおしまいです。固まった油が冷めたらビニール袋に入れ、燃えるゴミとして処分してください。用意する小麦粉の量は、おおむね油と同量程度です。
消費期限が切れた小麦粉がある場合、まずはそちらで試してみると良いでしょう。なお、熱い油に小麦粉を投入する際は、くれぐれも飛び散らないように注意してください。
方法2:片栗粉で固める
使い終わった油を固める処分方法の2つ目は、揚げ物の衣や餡かけのトロミ付けでお馴染みの「片栗粉」を使う方法です。片栗粉を使う方法は、小麦粉の場合とやり方も使う量もほとんど同じです。
ただし、固まり方は小麦粉よりゆるめで、あら熱が取れたらお玉ですくい取ることが可能です。ビニール袋に入れて燃えるゴミと一緒に処分してください。
片栗粉は、元来カタクリの根から採れるデンプンのことを言いますが、市販されている片栗粉のほとんどは、馬鈴薯デンプン(ポテトスターチ)です。
ちなみに、調理によく使われるトウモロコシデンプン(コーンスターチ)は、見た目は片栗粉とほとんど差がないものの、トロミ加減が少し異なります。
方法3:油処理剤で固める
使い終わった油を固める処分方法の3つ目は、定番で100円ショップでもよく見かける「廃油固化剤(廃油凝固剤)」を使う方法です。
廃油固化剤は、たくさんのメーカーからいろいろな商品名で販売されていますが、使い方はいたって簡単で、油が熱いうちにフライパンに入れて、菜箸でかき混ぜるだけでおしまいです。
あら熱が取れたらそのままビニール袋に入れ替え、燃えるゴミと一緒に処分してください。ただし、冷えた油を処理する場合は、再度コンロで加熱してから使用してください。
方法4:石鹸にリサイクル
使い終わった油を楽しみながら固めるリサイクル方法の1つ目は、型に流し込むだけで簡単にできるオンリーワンの「オリジナル石鹸」を作る方法です。
オリジナル石鹸を作るのに必要な材料は、
- 廃油(600g)
- 水(1カップ)
- 苛性ソーダ(85g)
の3種類です。廃油はあらかじめ細かい網で濾しておくと良いでしょう。なお、苛性ソーダは劇物なので目や肌に触れないよう、取り扱いには細心の注意を払ってください。
オリジナル石鹸の作り方は、水を入れた容器に苛性ソーダを少しずつくわえ完全に溶けたら、ゆっくりかき混ぜながら廃油を徐々に注いでいき、全体が滑らかになったら型に流し込んでおしまいです。
方法5:キャンドルにリサイクル
使い終わった油を楽しみながら固めるリサイクル方法の2つ目は、燃やしたときに自分好みの良い香りがする「アロマキャンドル」を作る方法です。
アロマキャンドルを作る材料は
- たこ糸
- ジャムの空きビン
- 割りばし
の3点です。
廃油はあらかじめ網で濾しておき、好みの香り付けをするならアロマオイル、色を付けるならクレヨンを用意しておくと良いでしょう。
アロマキャンドルの作るには、好きな色の適量に削ったクレヨンを約80℃に温めた廃油に入れます。廃油固化剤を適量くわえかき混ぜたら、約60℃まで冷ましアロマオイルを数滴入れよくかき混ぜましょう。
容器に注いて、容器の中央に芯をセットすれば完成です。
油を捨てる際に気をつけること
「油を拭き取るのが面倒だ」という理由でシンクにそのまま油を流すことは、配水管の目詰まりや悪臭の原因になるばかりでなく、広い意味で地球環境の汚染や破壊にもつながります。地球の自然環境は一旦破壊されてしまうと、元に戻すことは大変困難です。
家庭から出た油は下水処理場で浄化されますが、完全に取り切れるものではありません。「水と油」という言葉があるように、油は水に溶けない性質なので、少しずつ川や海に漏れ出ていき、やがてヘドロとなって堆積します。
地球環境を守るためにも、使い終わった油は一人ひとりが「固めて捨てる」「リサイクルする」といった意識を持ち、きちんと実行していくことが大切です。
油を固めずに捨てるには?
家庭で天ぷらや揚げ物などに使った油は、おおむね2~3回使い回しをするのが一般的です。使い終わった油は廃油固化剤などを使って処分しますが、ストックがないときは困ってしまいます。
使い終わった油の処分方法は、必ずしも「固めて捨てる」や「固めてリサイクルする」だけではありません。使い終わった油は燃えるゴミとして処分できますが、可燃性の液体なので捨てる前に一手間かける必要があります。
牛乳パック
油を固めずに捨てる方法の1つ目は、毎日飲んでいる牛乳や乳酸飲料などの、空になった紙パックを使う方法です。
まずは空になった紙パックの上部を開封し、その中に、丸めた新聞紙やキッチンペーパーなどを詰めた処理ボックスを作ります。
その後、十分に冷めた廃油を流し込み、次いで適量の水を継ぎ足したらできあがりです。最後に継ぎ足す水は、発火防止用なので忘れないように注意してください。
なお、紙パックに入れる詰め物は、油を吸い込みやすいシャツや下着などの衣類でも問題ありません。
回収ボックス
油を固めずに捨てる方法の2つ目は、エコ活動を行なっている企業や自治体などが設置している回収ボックスに持っていく方法です。
使い終わった油だけでなく、使用期限切れとなった未開封の油も処分が可能です。未開封容器まるごとでも、廃油をペットボトルに入れたものでも、回収ボックスに持っていくとエコ活動の一環としてリサイクルしてもらえます。
ポリ袋
油を固めずに捨てる方法の3つ目は、コンビニやスーパーなどで貰ったレジ袋(ビニール袋)を利用する方法です。基本的には、牛乳や乳酸飲料の空の紙パックと一緒のやり方で問題ありませんが、ビニール袋に油を入れた後は、袋の上部を輪ゴムや粘着テープなどでしっかり密封してください。
吸わせるタイプのパッド
油を固めずに捨てる方法の4つ目は、天然パルプ素材のパッドに浸して、燃えるゴミとして処分する方法です。
油用の吸着パッドは廃油固化剤と異なり、冷めた油でも使えるところに大きなメリットがあります。もちろん、吸着パッドは熱いままの油に使っても問題ありませんが、小さなお子さんがいる家庭では、熱した油を扱うのは避けた方が無難でしょう。
ペットボトル
油を固めずに捨てる方法の5つ目は、不要になった空のペットボトルに廃油を注いで、エコ活動をに取り組んでいる企業や自治体の回収拠点に持ち込む方法です。
エコ活動を推奨している企業や自治体などでは、自動車の燃料・インク・石鹸などのリサイクル活動を行なっています。使い終わった油をペットボトルに詰め替えるのは一手間かかりますが、地球温暖化を防止するための社会貢献の一環と考えてみてはいかがでしょうか。
油処理剤のおすすめ商品5選
市販されている家庭向けの油処理剤は、大きく
- 廃油固化剤(凝固剤)
- 廃油吸着剤
の2つに分けられます。
廃油固化剤は、植物(唐ゴマ)由来の油脂系脂肪酸、廃油吸着剤は、再生パルプや再生不織布を成分としているので、どちらも安心して使えます。
使い勝手の善し悪しは一概には言えませんが、ここでは廃油固化剤のおすすめ商品5選をご紹介します。
上越「固めるんです」
油処理剤おすすめの1つ目は、栄和産業植物成分100%を原料とした上越「固めるんです」。
上越「固めるんです」は、約80℃以上の油温で使えます。揚げカスも一緒に固めてくれるので、鍋やフライパンの手入れも簡単にできます。
固めるテンプル
油処理剤おすすめ商品の2つ目は、SCジョンソンが販売している「固めるテンプル」です。
「固めるテンプル」は、植物(唐ゴマ)から抽出した天然由来の植物成分だけでつくられていて、鍋やフライパンに入れても安心して使用できます。
油が冷えると簡単に鍋やフライパンから剝がれるので、手を汚すことなくビニール袋に入れてそのまま燃えるゴミとして処分できます。
固めっこ
油処理剤おすすめ商品の3つ目は、カネヨ石鹸が販売している「固めっこ」です。
「固めっこ」は、植物由来の天然油脂成分を原料としているため、安全で衛生的に廃油処理ができます。油が熱いうちに固めっこを入れて全体をよくかき混ぜ、冷めてゼリー状に固まるまで待ちます。
剥がした後は、そのまま新聞紙に包んで燃えるゴミとして処分できます。
固めてガチットポイ
油処理剤おすすめ商品の4つ目は、ライオンケミカルが販売している「固めてガチットポイ」です。「固めてガチットポイ」は、天然油脂成分で構成されているので安心して使用できる食材です。
1包あたりカップ3杯分(600mL)の油を目安に使用し、油が冷えるまで20~50分放置した後、燃えるゴミとして処分してください。
カタメリーナ
油処理剤おすすめ商品の5つ目は、旭創業が業務用として販売している「カタメリーナ」です。カタメリーナ1袋(500g)で約18Lの廃油が固められます。
カタメリーナの使い方は、熱い油に適量をくわえ完全に溶けるまでよくかき混ぜ、そのまま放置するだけです。油温が40℃以下になったら固まるので、ビニール袋に取り出し燃えるゴミとして処分してください。
油を固める方法を参考にしよう!
使い終わった油の捨て方を紹介しましたが、廃油を別のものとして再生する方法や資源として活かす方法もあります。
快適な生活を守るためには、一人ひとりが地球環境や水資源の汚染防止に注意を払う必要があります。使い終わった油を燃えるゴミとして処分するだけでなく、リサイクル活用にも興味を持ちたいものです。