目次
蛇口からサビが出る原因
このような症状があったらサビています!
蛇口から色のついた水が出る
蛇口からサビが出る現象が起こるのは、朝一番や長時間家を留守にして使用していなかった時です。給水管や給湯器、配管の継手の材料には鋼鉄製が使われているのですが、この箇所が徐々に錆びていき、このサビが剥がれて出てくるのが原因です。
空気中で鉄が錆びてしまうように、水中でも同じような現象が徐々に進み、築年数が古い老朽化した家や、長年使用していなかった空き家などでは珍しいことではありません。特に長年使用していなかった蛇口から勢いよく水を流した時に出てきます。
数か所ある家の中の蛇口によって、サビが出たり出なかったりする場合は、自宅の配管が原因と思われるのですが、全部の蛇口からサビが流れ出て、隣近所でも同じ症状がみられる場合は水道本管のサビが原因可能性が高いでしょう。
蛇口の水に粒状の固形物が混ざる
蛇口から粒状の固形物が流れ出てきたら、その異物を硬いものにのせ、ドライバーの柄などで潰してみて下さい。砂利の塊のように「ジャリッ」とした感触で潰れたら、その固形物は赤サビの可能性が高いと思われます。
普段と違う味や臭いがする
朝一番や半日程度水道を使用しなかった時に、蛇口から出た水に苦味や渋味、鉄などの金気臭の臭いを感じることがあります。その正体もやはり、宅内配管の鉄から溶け出したサビです。
また、新築やリフォームをした家では、蛇口から出た水からシンナーのような薬品の臭いがするという現象が起こりやすくなります。これは、給水管を取付けるときに使用した、少量の接着剤が水に臭いをつけてしまうのが原因です。それ以外にも、塩素の臭いを感じる場合があります。
処理施設では水道水を安全に飲用できるものにするために、塩素などの薬品を使って殺菌していますが、健康被害はないというものの、この塩素による独特な臭いに敏感で苦手な人は多いようです。どうしても塩素の臭いが気になる場合は、いったん水を沸騰させてから飲用水として用いたり、ミネラルウォーターなどを使うのもよいでしょう。
《 ポイント 》
- 配管の継手に使われている鋼鉄製が徐々に錆びて剥がれるのが原因。
- 蛇口からサビが出たり出なかったりするのは自宅の配管が原因。
- 隣近所でも同じ症状がみられる場合は水道本管のサビが原因。
- 粒状の固形物は赤さびの可能性が高い。
- 新築やリフォームをした家では接着剤が水に臭いをつけてしまう。
- 塩素による独特な臭いに敏感で苦手な人は多い。
蛇口のサビの対処方法
自分でできる蛇口のサビの対処法はいくつかありますが、一番簡単なのは、配管内の水を外へ流し、水を入れ替えることでサビを流してしまうことです。
蛇口を開いて水を出しっぱなしにしますが、しばらく流し続けるとほとんどの場合、サビの色や臭いはおさまります。
バケツ1杯分、約10リットルが、配管内の水を入れ替える目安になります。最初に出す水を流しっぱなしにするだけではもったいないので、植物水やりや掃除などに使用するなど、飲む以外の用途に使うとよいでしょう。
ただし、この方法はあくまでも一時的な対処方法に過ぎませんので、早ければ翌朝、もしくはしばらく時間を置いてしまうと、再びこの現象が起こってしまいます。
もしも蛇口から出た赤水が、短時間で解消しないときには、業者に依頼して宅内配管や給湯器の取替えが必要になってくることもあります。
浄水器を取付ける
浄水器を取付けることで、内蔵されているフィルター(カートリッジ)が蛇口から出た赤水の原因であるサビを取り除いてくれます。
浄水器の機能に、「サビ取り」と記載が無くても、塩素を除去する機能があれば問題ありません。塩素はサビよりも細かいので、細かい塩素が取れる浄水器であれば、サビも取り除くことができます。
ただし、蛇口から大量にサビが出ているのであれば、浄水器のフィルター(カートリッジ)を頻繁に交換しなくてはいけなくなるので、コストが高くなり経済的ではありません。
水道局に連絡する
ご近所でも同じように、蛇口から黒い粒状の固形異物が突然出て、それが続いている場合は、公共領域の水道本管が錆びているなど、何らかの問題が生じていることが考えられます。
しばらく水を流して様子をみて改善されない場合、水道本管に関しては上水道課に相談してみましょう。
《 ポイント 》
- 一番簡単なのは、配管内の水を入れ替えることでサビを流し出す。
- 浄水器に内蔵されているフィルター(カートリッジ)がサビを取り除く。
- 黒い粒状の固形異物が突然出たら上水道課に相談する。
蛇口からサビが出る場合、その水は安全なのか?
蛇口からでたサビが原因だと分かった場合、その水は安全なのかどうか気になることろですよね?
サビである鉄自体は、人の体には必要な成分で、一日に必要な鉄の摂取量として推奨されているのは、成人男性で7mg/日、成人女性は10mg/日となっています。
鉄は人体への吸収率が低く、大部分が排出されるため、もし過って赤水を飲んでしまったとしても、少量であれば問題ありません。ですが、大量に鉄を摂取した場合、嘔吐や下痢を起こすなどの影響が出る可能性があります。
よって、子供や年配の方にはもちろんのことですが、飲料水として使用するのは避けるようにしましょう。
《 ポイント 》
- サビである鉄自体は、人の体には必要な成分。
- 鉄は大部分が排出されるため、過って赤水を飲んでしまったとしても少量であれば問題ない。
蛇口の表面のサビ取りに必要なもの
蛇口のサビ取りに必要なもの
水道の蛇口付近にいつの間にかついてしまう、カビのような青緑色をしたサビの汚れは、拭いただけでは落とすことができません。
これは「緑青(ろくしょう)」といって排水管の銅パイプが酸化して出てくるサビなのです。
家のお掃除の定番アイテムである重曹とクエン酸を使って、シンクや蛇口のサビと水垢を同時に落とす方法をご紹介します。蛇口の掃除には、水垢などのアルカリ性の汚れに効く酸性のクエン酸水と、石鹸カスや食べ物カスなど酸性の汚れに効くアルカリ性の重曹を使用します。
クエン酸水はお酢でも代用ができますので、キッチンに限らず、洗面所やお風呂の蛇口も同じように取り組んでみてください。
必要な道具
- 歯磨き粉
- 重曹 (シンクの表面にサッとかけられる量)
- クエン酸 (小さじ1/2酢でも代用ができる)
- スポンジ
- 古い歯ブラシ
- キッチンペーパー
- 雑巾
- 乾いたタオル
蛇口のサビの落とし方
歯ブラシで磨く
あまり時間のたっていない軽い緑青なら、古い歯ブラシに歯磨き粉をつけて、蛇口の先端まで丁寧に磨いてみてください。
落ちにくいようであれば、歯磨き粉を水栓につけて、ラップでまいておくと取れやすくなります。歯磨き粉で磨いた後の水栓は、きれいに洗い流しましょう。
クエン酸
身体に優しい洗剤の代表でもあるクエン酸も、緑青には効果的です。
クエン酸を濃い目に水で溶かした中に、キッチンペーパーを浸し、それで蛇口を包み込み、乾燥を防ぐためにラップでグルグル巻きにパックします。
1~3時間後にパックを外して、気になるところをスポンジや歯ブラシで磨き、塗らした雑巾できれいに拭き取ります。クエン酸が残っていると、水栓が曇ってきたり白い跡が残ってしまうので、注意してくださいね。
重曹
重曹は、クエン酸と同じように体に害を及ぼさないので、素材を傷つけずにきれいに緑青を除去することができます。
水と重曹を1:2の割合で容器に入れて混ぜ合わせたものを、歯ブラシに付けて緑青が発生している部分を磨きます。水で濡らした雑巾で拭き、乾いたタオルで水気をしっかりと拭き取ります。
ポイントは、水が残っているとまた緑青が広がってしまうので、水気を残さずしっかり拭き取ることです。
《 ポイント 》
- 水道の蛇口付近についているのは緑青という排水管の銅パイプが酸化したサビ。
- 時間のたっていない軽い緑青なら、歯磨き粉をつけて磨く。
- 体に害を及ぼさないクエン酸と重曹を活用する。
蛇口のサビ落としの注意点
蛇口はメッキ加工されていますので、無理な力を加えるとメッキが剥がれて、下の金属がむき出しになってしまいます。
そうなると、掃除前よりも余計にサビやすくなってしまいますので、スポンジや歯ブラシを使って磨く際は、緑青の汚れがひどい部分だけにして、蛇口に傷がつかないように注意してください。
特に、サビだけでなく、水垢などの汚れも落とせると評判のメラミンスポンジは、蛇口の掃除には効果的でおすすめですが、ステンレスシンクのように「表面につやのある」シンクにメラミンスポンジを使うと傷がついてくもってしまうことがあります。
蛇口のサビ取りをするついでにシンクのお掃除もと思っている方は、目立たない場所で試してから使うようにするなど、取り扱いに注意が必要です。
歯磨き粉、クエン酸、重曹を使っただけでは、思うようにサビが落ちなかったというときは、市販されているサビ取り専用の薬剤を使う方法もあります。
薬剤を使用する際は安全を考えて、容器に記載されている使用方法や容量を、事前にしっかりと読んでから取り扱うようにしましょう。
《 ポイント 》
- 蛇口はメッキ加工されているので、メッキが剥がれて下の金属がむき出しになる。
- 緑青の汚れがひどい部分だけにして、蛇口に傷がつかないようにする。
- メラミンスポンジは、蛇口の掃除には効果的でも、ステンレスシンクには傷がつく。
- 蛇口にサビ取り専用の薬剤を使う場合は、使用方法や容量を事前にしっかりと読む。
蛇口のサビを予防する方法
蛇口にサビがつかないように、日頃からできることをして予防する方法があります。
水分はできるだけ拭き取る
水分は、緑青が発生する原因になりますので、できるだけ残さないように拭き取ってください。蛇口から水を出すたびに拭き取るのは大変ですが、気がついたときにおこなうようにしましょう。
蛇口の吐水口を点検する
少しかがむと蛇口の吐水口を見ことができます。黒いカビやほこりなど小さなゴミがついていることがありますので、水気が残っていたら拭き取り、気になるカビやゴミは歯ブラシや綿棒で丁寧に取り除きましょう。
月に1度防錆剤を塗る
月に1度の割合で蛇口に、潤滑防錆剤かカーワックス、ミシン油などでふいておくと、表面の油膜が水をはじき、サビもカルキもつきにくくなります。いつも手で触れる部分は錆びていないですよね?それは手の脂が自然に膜をつくり出しているからなのです。
強く擦らない
蛇口が一度傷がついてしまうと、その中に汚れが入り込み、それがサビやカビの原因となってしまいます。金属たわしでゴシゴシと擦ったり、クレンザーを使って磨くのは避けましょう。
《 ポイント 》
- できるだけ蛇口の水分を拭き取る。
- 蛇口の吐水口を見て黒いカビやほこりを取り除く。
- 月に1度蛇口に防錆剤を塗って表面の油膜が水をはじくようにしておく。
- 蛇口に傷がつくと中に汚れが入り込み、サビやカビの原因になる
最後に
蛇口からサビが出る原因や対処方法についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
自宅の配管が原因の場合は、数か所ある家の中の蛇口によって、サビが出たり出なかったりします。その場合は、この記事を参考にして、対処してください。
一方、水道本管のサビが原因の場合は、家中の蛇口全部からサビが流れ出るだけでなく、隣近所でも同じ症状がみられるようになります。こうなってしまうと、根本的な対処方法をするのは個人では難しいので、水道局に問い合わせましょう。
水道管の寿命は、およそ15~25年といわれています。築年数がそれ以上なら、やはり水道管のメンテナンスをおすすめします。また、蛇口付近は、緑青以外にもさまざまな汚れが付着します。
何より汚れや不具合などトラブルの予防になるので、目に付く汚れはで取り除き、時間に余裕があるときは、蛇口以外の部分にも目を向けて掃除するとよいでしょう。
日ごろのこまめな掃除を心がけ、きれいな状態で保つように心がけくださいね。