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トイレ掃除にクエン酸が効果的な理由
クエン酸は汚れの性質と反対となる「酸性」
トイレの水垢や、尿石などのアルカリ性の汚れには、酸性のクエン酸が効果を発揮します。その理由は、汚れの性質と反対の性質のもので中和し、分解させることにより汚れを落すことができるからです。
トイレにつく汚れは主に、「尿石」「水垢」「黒ずみ」の3つです。
尿石
尿に含まれる成分が固まったものが尿石ですが、放っておくと菌が繁殖して黄ばみや悪臭の原因となります。尿石はアルカリ性なので、酸性のクエン酸を使うと簡単に落とすことができます。
水垢
水道水に含まれるミネラル分が固まって水垢になります。
トイレの便器の内側や、水道の蛇口周辺に発生し、白っぽくてザラザラした感触のものが水垢です。水垢も尿石と同じくアルカリ性の汚れなので、酸性のクエン酸が効果的です。
黒ずみ
いつの間にか便器に発生する黒ずみは、黒カビやぬめりなど、酸性とアルカリ性が混ざったなかなか手強い汚れです。
このように、混合した性質の汚れには、酸性のクエン酸と弱アルカリ性の重曹を併用して用いると、汚れを効果的に分解することができます。
また、黒ずみがひどい時には市販の塩素系洗剤を使うことで、より、除菌、抗菌効果を発揮します。
汚れによっては重曹も使うと効果アップ
先にお伝えしたように、便器やタンク内の黒カビやぬめりなどの酸性の汚れには、クエン酸と同じように、弱アルカリ性の重曹を使うと効果的です。
その理由は、重曹には黒カビに含まれるタンパク質を分解する作用や、細かい粒子で汚れを削り落とす研磨作用があるからです。
クエン酸と重曹と混ぜて使うことで、発生させた炭酸ガスの気泡が、便器の頑固な汚れに吸着して落ちやすくなります。さらに、重曹の消臭効果と、クエン酸の除菌、抗菌効果で汚れだけでなく、気になる臭いまでスッキリと取り除くことができるのです。
《 ポイント 》
- トイレのアルカリ性の汚れには酸性のクエン酸が効果的。
- 混合の汚れには、酸性のクエン酸と弱アルカリ性の重曹を併用する。
- 重曹にはタンパク質の分解作用や、汚れを削り落とす研磨作用がある。
トイレ掃除用のクエン酸水スプレーの作り方
クエン酸水スプレーを作る
用意するもの
- 粉末のクエン酸:小さじ1杯
- 水:200ml
- 清潔なスプレーボトル
手順
- スプレーボトルに水200mlと、小さじ1杯のクエン酸を入れます。
- スプレーボトルを上下にシャカシャカ振ってクエン酸を水に溶かします。
クエン酸は重曹と違って水に溶けやすく、汚れ具合に合わせて分量を増やすなど濃さを調整してください。頑固な水垢には粉末のまま振りかけたり、重曹と合わせて炭酸ガスを発生させる方法もあります。
クエン酸は食品にも含まれる成分なので、体に害はありませんが、人によっては吸い込むと鼻や喉に刺激を感じる場合がありますので、顔を近づけないようにするか、タオルを鼻と口に当てて掃除するとよいでしょう。
クエン酸の代用で「お酢スプレー」を作る
料理用のお酢にはクエン酸と同じ効果があります。
酸性の性質であるお酢は、トイレの水垢や、尿石などのアルカリ性の汚れに強い成分があり、雑菌やカビの繁殖を抑える他にも、消臭作用もあるのでトイレ掃除用として代用できます。
ただし、リンゴ酢などの果実を使っているものや、すし酢など他の調味料が混ざっているものは掃除に向いてないので、使うのは避けましょう。
掃除に向いている穀物酢や、ホワイトビネガーであれば、重曹やクエン酸と同じように、トイレ掃除用としてスプレーボトルに入れて使います。
用意するもの
- 酢:100cc
- 水:200ml
- 清潔なスプレーボトル
手順
- スプレーボトルに水200mlと酢100ccを入れます。
- スプレーボトルを上下にシャカシャカ振って水と酢を混ぜます。
お酢の方が、クエン酸よりもニオイがきつめなので、どちらを使うかはご自分で判断し、汚れの状態によって濃度を調節して使うとよいでしょう。
注意する点として、クエン酸と同じく、塩素系の洗剤と混ぜないこと、そして大理石のトイレ掃除には使わないようにしてください。
重曹水スプレーもあると便利
トイレの掃除には、クエン酸だけでなく重曹を併用した掃除も効果的なので、重曹水スプレーもあると重宝します。
用意するもの
- 重曹:大さじ1杯程度
- 40℃程度のぬるま湯:200ml
- 清潔なスプレーボトル
手順
- スプレーボトルに重曹大さじ1杯と40℃程度のぬるま湯200mlを入れます。
- スプレーボトルを上下に振ってしっかり混ぜ合わせます。
重曹は100円ショップでも販売していますのでお得な掃除アイテムですね。
《 ポイント 》
- クエン酸スプレーは、水200mlに対してクエン酸小さじ1杯。
- お酢スプレーは、水200mlに対して酢100cc。
- 重曹水スプレーは、ぬるま湯200mlに対して重曹大さじ1杯。
トイレをクエン酸でキレイにする方法
便座
トイレの便座の裏側は、水で跳ね返った尿で黄ばみ汚れを発生させやすい場所です。
便座の掃除方法
- まずは便器のフタや便座の表に、クエン酸スプレーをたっぷり吹き付けます。
- 便座を上げ、便座の裏や便座と便器の間を使い捨てのトイレ用お掃除シートで拭きます。
- トイレ用お掃除シートがない場合は、トイレットペーパーでもOKです。
便器
便器の掃除方法
- 便器の内側全体に満遍なくクエン酸スプレーを吹き付けます。
- 3~5分間ほど放置したあと、トイレブラシで磨きます。
- 輪染みのような黒ずみには、重曹とクエン酸を粉末のまま振りかけて発泡させ、30分程放置してからブラシでこすってください。
便器にクエン酸スプレーを吹き付ける時に、床の素材によっては変色することがありますので、大量のクエン酸水が床にこぼれないように注意しましょう。
壁や床
ニオイの一番の原因は「尿はね」によるアンモニア臭です。ですから、便器だけではなく、壁や床も念入りに掃除する必要があります。
隠れたニオイの温床である床や壁を消臭効果のある重曹と、除菌効果のあるクエン酸で掃除します。
壁や床の掃除方法
- 重曹スプレーを雑巾に吹き付けます。
- 重曹を吹き付けた雑巾で壁と床を拭いていきます。
- 重曹は手垢汚れにも効果的なので、ついでにペーパーホルダーやドアノブも拭いておきましょう。
- 重曹での拭き掃除が終わったら、クエン酸スプレーを吹き付けたタオルで同じように拭いていきます。
特に、膝より下部分の壁は目に見えない汚れがついていますので、念入りにお掃除してくださいね。
ウォシュレットのノズル
最初にノズルを引き出しますが、「ノズルおそうじスイッチ」がついていない場合は、手で引っ張って出します。
ノズルを上下に優しく拭いた後は、細かい隙間を綿棒や割り箸に布を巻きつけて、隅々まで綺麗に掃除しましょう。
タンク
タンクの上の掃除方法
タンクの上の掃除には、クエン酸を使います。
- タンク上の手洗い用蛇口と水受けの水垢に、クエン酸スプレーを吹き付けます。
- 数分放置してから雑巾で拭くか、メラミンスポンジなどの柔らかいスポンジでこすります。
タンクの中の掃除方法
タンクの中の掃除には、重曹を使います。
- 水が張ってあるタンク内に粉末の重曹を1カップ入れます。
- タンクの水と重曹をよく混ぜ、半日ほど放置しましょう。
- タンク内の汚れが重曹によって溶かされて浮いてきますので、水を流しましょう。
とても簡単作業ですが、これでタンクの中がピカピカになるので驚きです。
《 ポイント 》
- トイレ用お掃除シートがない場合は、トイレットペーパーでもOK。
- 黒ずみには重曹とクエン酸を粉末のまま振りかけて発泡させる。
- 床や壁の臭いの原因は尿はねによるもの。
- 目に見えない汚れがついている膝より下の壁は念入りに。
- タンク内の汚れは重曹入れて半日間放置する。
トイレの落ちにくい汚れの落とし方
便器と床の境目は、尿が垂れやすく汚れが蓄積しやすい場所なので、掃除を怠っているといつの間にか臭いのもとになってしまいます。
このような汚れは、割りばしの先端に輪ゴムで布を巻きつけたものを使って掃除します。クエン酸水を含ませた1本目で汚れを落としてから、水で濡らした2本目でふき取れば、境目に入ってしまった汚れをきれいに落とせます。
また、長年蓄積された黄ばみや黒ずみは、普通に掃除するだけでは落としきれません。このような頑固な汚れには、クエン酸水とトイレットペーパーを使ったパックがおすすめです。
クエン酸水をひたひたに含ませたトイレットペーパーを何枚か重ねたもので、黄ばみや黒ずみを覆います。そのまま30分程度放置してから、ブラシでこすってみてください。
クエン酸水を含ませたトイレットペーパーの上から、食品用ラップで覆って乾燥しないようにするとさらに効果的です。
こうすることにより、クエン酸の成分が尿石に馴染んで柔らかくなるため、軽く拭くだけで簡単に汚れが除去できるので、試してみてはいかがでしょうか。
《 ポイント 》
- 便器と床の境目は先端に布を巻きつけた割りばしを使って掃除する。
- 頑固な汚れには、クエン酸を吹き付けたトイレットペーパーでパックする。
- ラップで覆って乾燥しないようにするとさらに効果的。
トイレ掃除でよくあるQ&A
A.掃除頻度は、トイレの部分ごとに異なります。常にきれいな状態のトイレにしておくためには、汚れやすい便器まわりは毎日、そして床と壁を含めた全体の掃除は週1回を目安にするとよいのではないでしょうか。
A.床や便器に直接汚れがつくのを防止してくれる便座カバーやマット、トイレットペーパーホルダーのカバーなどの布類は、飛び散った尿や水滴がしみ込みやすく、放っておくと臭いがついてしまうので週1回のペースでこまめに洗濯するようにしましょう。
A.清潔なトイレを維持するめには、家族の協力なしでは難しいでしょう。例えば、男性には座って用を足してもらうだけで随分違ってきます。あとは、とにかく汚れを放置せず汚れたらすぐに掃除をすることを心がけましょう。それにはお掃除用具を使いやすい場所に置いておき、家族全員がピカピカなトイレを心がけることが何より大切でしょう。
《 ポイント 》
- 便器まわりは毎日、全体の掃除は週1回が目安。
- カバーやマットの布類は週1回のペースでこまめに洗濯。
- 家族の協力なしでは清潔なトイレを維持できない。
- 汚れたらすぐに掃除することを心がける。
トイレを掃除する手順
正しいトイレ掃除の順番は、
- 便座
- 便器
- 壁・床
の流れで進めます。
掃除の段階で水が跳ねるトイレ本体を先に行ってから、床や壁を掃除して仕上げていくイメージです。雑菌を広げないためにも正しい順番でお掃除しましょう
最後に
クエン酸を使ったトイレ掃除方法について、いかがでしたでしょうか?
毎日使用するトイレの汚れは、長い間放置すると頑固な汚れとなり取れにくくなり、きれいにするのに時間と労力がかかってしみます。言うまでもないことですが、汚れを防ぐためには頻繁に掃除をすることが何より大切なことです。
念入りな掃除が難しいという方はこまめに便器の中だけでもクエン酸スプレーをさっとかけてブラシでこするようにしましょう。
ぜひこの記事を参考にして、普段から家族みんなが使うトイレを掃除する習慣を身に付けたいものですね。