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シリコン製品がベタベタするのは劣化が原因
シリコンは、お菓子作りの型やお弁当カップ、スマートフォンケース、メガネの鼻パッドなど様々な製品に使用されています。しかし、清潔に保っていても不思議と表面がベタベタしてくる、といった経験がある方も多いのではないでしょうか?
実はこのベタベタは、シリコンに含まれる化学薬品が空気中の水分と反応して溶け出したものです。この現象を「加水分解」と呼びますが、簡単に表現すると「劣化」です。
湿気が高い日本に居れば必ず発生する化学現象なので、どうしても避けられません。
また、洗い方が悪く落ちきれなかった油脂汚れがシリコン内に入り込み、時間経過と共に溶け出してきているという可能性もあります。
シリコン製品のベタベタを落とす方法13選
では、どのようにすればベタベタを落とせるのでしょうか。ここからは、シリコン製品のベタベタを落とす13の方法をご紹介します。
注意点として、いずれの方法も製品によっては表面を傷めてしまう可能性があります。大切な持ち物を傷めないためにも、各項目に記載の注意点をよくお読みいただき、目立たない場所から試してみてください。
①熱湯に浸け置きする
ベタベタを落とす方法1つ目は、熱湯に浸け置きすることです。この方法は特に、お弁当カップやシリコンスチーマーなど、油分の多い食品を入れるキッチン用品に適しています。
キッチン用のシリコングッズは、製品の表面に残った油脂がシリコン内部にしみこんでベタつきやすいのが特徴です。熱湯に浸け置くと奥に入り込んだ油脂が浮かんでくるので、ベタベタ汚れを除去できます。
ベタベタを落とす手順
- 耐熱桶や排水口に蓋をしたシンクにシリコン製品を置く
- 熱湯を上からかけて浸け置く
- 油脂が落ちたら中性洗剤で洗い、水ですすぐ
注意点
- 製品の耐熱温度を確認し、熱湯をかけても変形しないか判断してください
②煮沸する
ベタベタを落とす方法2つ目は、煮沸することです。水洗い可能な製品の洗浄に適しています。鍋に入るサイズのこまごまとした製品の汚れをまとめて落としたいときにも便利です。
ベタベタを落とす手順
- 鍋を用意し、底に布巾を敷き詰める
- シリコン製品を鍋に入れ、製品が完全に浸かるまで水を注ぐ
- 鍋を火にかけ、5分を目安に煮沸する
- 製品を清潔な布巾の上に取り出して冷ます
注意点
- 製品の耐熱温度を確認し、煮沸しても変形しないか判断してください
- 鍋底は高温になりやすいので、製品が直接触れないよう布巾を敷いてください
③重曹をふりかける
ベタベタを落とす方法3つ目は、重曹をふりかけることです。湯を使用しない方法のため、高熱に耐えられるか心配なシリコン製品にも適しています。
ベタベタを落とす手順
- シリコン製品のベタベタする部分に重曹をふりかける
- 放置する
- 汚れが浮いてきたら中性洗剤で洗い水ですすぐ
注意点
- 水洗いできない家電などの製品には試さないでください
重曹は油汚れを落とす効果があり、掃除によく使われています。ホームセンターやドラッグストア・スーパー・100円ショップなど身近なところで購入できます。値段は1kgあたり500円前後と非常に経済的です。
④重曹を入れて煮沸する
ベタベタを落とす方法4つ目は、重曹を入れて煮沸することです。煮沸や重曹をふりかける方法では取り切れなかったベタベタ汚れに適しています。
ベタベタを落とす手順
- 鍋を用意し、底に布巾を敷き詰める
- シリコン製品を鍋に入れ、製品が完全に浸かるまで水を注ぐ
- 水1リットルに対して約大さじ2の割合になるよう重曹を入れる
- 鍋を火にかけ、5分を目安に煮沸する
- 製品を清潔な布巾の上に取り出して冷ます
- 中性洗剤で軽く洗い、水ですすぐ
注意点
- 製品の耐熱温度を確認し、煮沸しても変形しないか判断してください
- 鍋底は高温になりやすいので、製品が直接触れないよう布巾を敷いてください
⑤重曹とお酢を入れたお湯に浸け置きする
ベタベタを落とす方法5つ目は、重曹とお酢を入れたお湯に浸け置きすることです。無印良品のサイトでも紹介されています。
重曹とお酢を混ぜると泡が発生するので、お弁当カップやシリコン型などのスポンジで洗いづらい部分にも泡が入り込み、汚れを落としてくれます。
ベタベタを落とす手順
- 耐熱桶にシリコン製品を入れる
- お湯を1リットル、重曹と酢を各大さじ1ずつ入れる
- 1時間浸け置く
- 中性洗剤で洗い、水ですすぐ
注意点
- 水洗いできない製品には試さないでください
- 重曹と混ぜることで酢の臭いは軽減されますが、絶対に臭い残りしてほしくない製品には試さないでください
⑥食器洗剤の原液をかけて指でこする
ベタベタを落とす方法6つ目は、食器洗剤の原液をかけて指でこすることです。他の方法に比べ手軽に行えるので、ちょっとした汚れが気になるときに適しています。
ベタベタを落とす手順
- シリコン製品のベタベタ部分に洗剤の原液をたらす
- 製品の表面が浮き出た油脂で白っぽくなるまで指でこする
- 水かお湯で洗い流す
注意点
- 水洗いできない製品には試さないでください
- シリコン製品の水分はあらかじめふき取った状態で試してください
⑦スプレー式の食器洗剤を使う
ベタベタを落とす方法7つ目は、スプレー式の食器洗剤を使うことです。一吹きで洗剤が行きわたるので、凸凹が多いキャラクター型のシリコンモールドや、奥まで洗いづらいボトルなどに適しています。
ベタベタを落とす手順
- シリコン製品を水洗いする
- ベタベタ汚れが気になる部分に洗剤を吹き付ける
- 数分間放置したのち、洗い流す
注意点
- 水洗いできない製品には試さないでください
スプレー式食器洗剤はドラッグストアやスーパーなどで手に入ります。値段は1本約300円です。
⑧重曹と食器用洗剤を入れて煮沸する
ベタベタを落とす方法8つ目は、重曹と食器用洗剤を入れて煮沸することです。重曹を加えた煮沸でベタベタが解消しなかったが、臭いが気になるのでお酢は使いたくないという場合におすすめします。
ベタベタを落とす手順
- 鍋を用意し、底に布巾を敷き詰める
- シリコン製品を鍋に入れ、製品が完全に浸かるまで水を注ぐ
- 重曹と食器用洗剤を入れ、鍋を火にかけ5分を目安に煮沸する
- 製品を清潔な布巾の上に取り出して冷ます
- 水ですすぐ
注意点
- 製品の耐熱温度を確認し、煮沸しても変形しないか判断してください
⑨無水エタノールを使う
ベタベタを落とす方法9つ目は、無水エタノールを使うことです。水分をほぼ含まないので、水洗いができない家電やゲームのコントローラーなどに適しています。
ベタベタを落とす手順
- 端切れやティッシュを用意する
- 無水エタノールを端切れやティッシュにしみこませる
- シリコン製品のベタベタ部分をふき取る
注意点
- 肌が弱い方はアルコールで手が荒れる可能性があるため、手袋をして作業してください
無水エタノールはドラッグストアや薬局などで手に入ります。値段は500mlの商品の場合、約2,000円です。
⑩エタノール入りのウエットティッシュを使う
ベタベタを落とす方法10個目は、エタノール入りのウエットティッシュを使うことです。無水エタノールが手に入らなくてもこちらで代用できます。水洗いできない製品の汚れを落とす際や、日常のお手入れとして取り入れやすい方法です。
ベタベタを落とす手順
- エタノール入りのウエットティッシュを用意する
- シリコン製品のベタベタ部分をふき取る
注意点
- ノンアルコールのウエットティッシュでは汚れが落ちないため、必ずエタノール入りの商品を選んでください
エタノール入りのウエットティッシュはドラッグストアやスーパーなどで、1個400円前後で販売されています。
⑪ハンドクリームを使う
ベタベタを落とす方法11個目は、ハンドクリームを使うことです。広範囲にわたる汚れの場合はハンドクリームが大量に必要になるため、ボールペンのグリップといった小さなパーツのベタベタを取るのに適した方法です。
ベタベタを落とす手順
- ハンドクリームを指先に少量取る
- シリコン製品のベタベタ部分になじませる
- よくなじんだら、余分なハンドクリームをふき取る
注意点
- キッチン用品への使用は避けてください
ハンドクリームにも様々な商品がありますが、汚れ落とし用に使うのであれば500円以下の手ごろな価格の商品で良いでしょう。ドラッグストアやスーパーなどで購入できます。
⑫消しゴムを使う
ベタベタを落とす方法12個目は、消しゴムを使うことです。汚れ部分に消しゴムをかけていくだけの方法なので、汚れの範囲が狭く、単純な形状の製品に適しています。大きな汚れの場合はかなりの労力が必要になるため、他の方法で落としましょう。
注意点
- 消しゴム自体がベタベタしてくることがあります
- 製品の表面にこすった跡が残ることがあります
⑬ベビーパウダーを使う
ベタベタを落とす方法13個目は、ベビーパウダーを使うことです。粉がベタベタ感を軽減してくれます。ただし表面が白っぽくなる恐れがあるので、見た目を問わない製品に適した方法です。
ベタベタを落とす手順
- シリコン製品を中性洗剤で洗い、水ですすぐ
- 完全に乾くまで自然乾燥させる
- ベタベタが気になる部分にベビーパウダーを薄く塗る
注意点
- 粉が入り込むと故障の原因になるため、精密機械には試さないでください
- 少量口にした程度ではほぼ無害ですが、食用ではないのでキッチン用品への使用は避けてください
ベビーパウダーの値段は300円前後が多く、ドラッグストアやスーパーなどで入手可能です。
シリコンのベタベタを落とすときの注意点
各方法でも注意点を説明しましたが、特に注意するべきポイントは2つです。
1つ目は、どの方法でも目立たない場所から試してみることです。きちんと期待通りの効果を確認できたら、全体のベタベタを落としていきましょう。
2つ目は、ふき取りにスポンジは使うのであれば柔らかいもの選ぶことです。当然ですが、硬いスポンジではシリコンに傷がついてしまいかねません。
上記ポイントを意識しつつ、シリコン製品の説明書にも作業前には必ず目を通しておきましょう。
シリコン製品を保管する際のポイント6つ
時間経過と共にどうしてもベタベタ汚れが発生するシリコン製品ですが、良い状態を保てる保管方法はあるのでしょうか?
ここからは、保管する際のポイントを6つご紹介します。
埃が付きにくい場所で保管する
埃はシリコン製品の大敵と言われています。なぜなら、埃はシリコンの劣化原因となる水分を含みやすいからです。一見乾いているようでも、埃が付着している状態は水に触れている状態と同じようなものだと考えてよいでしょう。
袋に入れて保管する
ベタベタを防ぐには湿気から守ることが重要なので、空気に触れないように袋に入れての保管がおすすめです。空気中の水分を取り込みやすい埃からも、大切な製品を守れます。
完全に乾燥してから保管する
洗い終わった後の乾燥についても注意が必要です。水気が残った状態で袋に入れると、温度が上がれば袋内が水蒸気でいっぱいになります。完全に乾いたことを確認して保管しましょう。
乾燥させるときは自然乾燥
早く乾燥させるためにオーブンや電子レンジなどで温めたい、という方もいらっしゃるかと思いますがおすすめできません。素材を傷めてしまう危険性があるため、風通しのよい場所で自然乾燥させましょう。
長期保管すると油が浮いてくることがある
油が浮いてくる劣化現象は、正しく保管していても5年ほどで発生すると言われています。できるだけ定期的に使用したり、風通しの良い場所に出してあげたりするのがおすすめです。
定期的に煮沸や洗浄をする
製品を長持ちさせるためには、やはり定期的なお手入れが重要です。熱湯での煮沸や洗浄をすることで、汚れが頑固になるのを防げます。また雑菌の除去もできるので、一石二鳥です。
シリコンがベタベタするときの対策を知ろう
シリコンのベタベタ汚れを落とす13の方法と、保管する際のポイント6つをご紹介してきましたが、いかがでしたか?
製品の特徴に適した方法で、嫌なベタベタ汚れをしかり落としてくださいね。