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風呂釜の種類と掃除方法
風呂釜の掃除はタイプによって方法が違います。風呂釜には2つのタイプがあり、水を温めて循環させる方法がそれぞれ違います。そのため風呂釜の掃除方法も違うのですが、自宅の風呂釜がどちらのタイプかは浴槽にあるお湯が出る穴が1つなのか、2つ穴があるのかで分かります。
ご自宅の浴槽の穴はいくつありますか?ご自宅の風呂釜のタイプにあった掃除をするには、まずご自宅の風呂釜の特徴を知っておいた方が掃除の仕方が理解できると思いますので、先に仕組みや特徴をご説明いたしますね。
昔、風呂釜と浴槽は同じものだと思っていた時期がありましたが、この勘違い私だけでしょうか?もちろん風呂釜と浴槽は別モノです。浴槽はお湯を溜めておく器で風呂釜はお湯を沸かす装置のことです。
風呂釜と浴槽はパイプでつながっており、お湯を沸かすときに、浴槽の中の水をパイプを通して吸い込み、風呂釜の装置で水を温めます。温めたお湯はさらにパイプを通して浴槽に戻ります。
①浴槽の中の水を吸い込む
②吸い込んだ水を沸かしてお湯にする
③お湯を浴槽に出す
浴槽の中の水を風呂釜がどのように温めて循環させているか?によって風呂釜のタイプが分かれます。
・ 1つ穴のタイプ
・ 2つ穴のタイプ
このタイプによって風呂釜の掃除方法は変わります。
風呂釜の掃除:1つ穴の場合
風呂釜は1つ穴のタイプが一般的です。
浴槽の穴は1つですが、風呂釜につながるパイプは2本に分かれています。1本目のパイプから水を吸い込み、2本目のパイプがお湯を出す仕組みになっています。この1つ穴の仕組みを「強制循環式」といいます。
1つ穴は、浴槽の下の方についていますよね。風呂釜が吸い取って焚いたお湯は、強制的にお湯を焚いて勢い良く浴槽に戻します。この流れを強制的に繰り返すので強制循環式と呼ばれているのです。
1つ穴のメリットとして、風呂釜の掃除が比較的楽です。1つ穴のパイプは細いので、風呂釜で焚いたお湯は勢い良く流れます。水が出る力が強いのでパイプの中の汚れも排出されて汚れがたまりにくいからです。
用意するもの
- 粉末タイプの酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)250g
- 水道のホース
掃除の手順
- 浴槽に水を溜める
水位が穴より5cmほど上になるよう水を入れてください。残り湯で洗う場合、穴の上より5cmになるよう水を抜くか足してください。※風呂釜の掃除はできるだけ残り湯は使わずに新しい水ですることをおすすめします。 - 洗剤を入れる
粉末タイプの酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)250gを浴槽の水に入れてざっとかき混ぜてください。この時、完全に溶けていなくても大丈夫です。 - お湯を沸かす
風呂釜の掃除のため、40℃~50℃くらいに設定して追い焚きします。風呂釜の中にお湯が循環しているかを確認しましょう。 - お風呂の備品を浸す
お風呂のイスや洗面器、こどものおもちゃなど、他にきれいにしたいものがあれば、一緒にお湯に浸してください。 - 放置する
3時間ほど放置します。お風呂の蓋があればのせておいてください。お湯が冷めにくくなります。 - 追い焚きする
3時間後、再度3分ほど追い焚きして、お湯を循環させます。お風呂に入れたお風呂の備品を取り出し、浴槽の栓をはずしてお湯を全て流します。 - ホースで洗う
水道水のホースを使って穴に水を勢い良く当てて内部をザーザー洗い流します。浴槽やお風呂の備品はスポンジなどで洗いましょう。
これで1つ穴タイプの風呂釜の掃除は完了です。1回で汚れが落ちない場合は、再度同じ作業を繰り返してみましょう。
風呂釜の掃除:2つ穴の場合
2つ穴のタイプは1つ穴より古いタイプです。
二つ穴のタイプは、上と下に穴がついています。下の穴から水を吸い込んで、お湯を焚き、焚いたお湯を上の穴からお湯を出します。水の性質は、温かい水は上に行き、冷たい水は下に行く動きを自然にします。この自然の動きを利用して、下にある冷たい水を下の穴が吸い込んでいるのです。水の自然の性質を利用しているので「自然循環式」といいます。
2つ穴のタイプの風呂釜の掃除は1つ穴に比べて少々面倒です。パイプが太いため水がパイプを通るスピードは遅くゆっくり出されます。1つ穴と違って水を早いスピードで勢い良く出すことができませんので、パイプに汚れがたまりやすいです。
用意するもの
- 粉末タイプの酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)50g
- 水道のホース
- 古いタオルまたは雑巾
- ゴム手袋
掃除の手順
- 下の穴を塞ぐ
風呂釜の掃除のため、下の穴を使わなくなったタオルまたは雑巾で塞ぎます。 - 上の穴に漂白剤を入れる
上の穴に、酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)50gを直接入れます。 - 上の穴にお湯を注ぐ
上の穴に50℃~60℃くらいのお湯を流し入れます。お湯があふれてきたら入れるのを止めてください。 - 放置する
1時間ほど放置します。 - 洗い流す
下の穴に入れた布を外し、下の穴に水道水のホースで水を勢い良く当てて、湯垢が出なくなるまで内部をザーザー洗い流します。
これで2つ穴タイプの風呂釜の掃除は完了です。1回で汚れが落ちない場合は、再度同じ作業を繰り返してみましょう。これで完了です。
風呂釜の汚れの原因と掃除の頻度
風呂釜の掃除を最後にしたのはいつですか?風呂釜から白や茶色の薄いゴミがプカプカ浮いている、お湯が出る穴からドロドロしたものが出てくる、お湯が白く濁っていいる、お湯が臭い…これは風呂釜を掃除していないため、風呂釜やパイプの汚れが浴槽内に流れ出ている証拠です。
風呂釜から出る汚れの中には細菌や微生物も繁殖していますので、アトピー性皮膚炎やアレルギーなどの原因になることがあります。また、風呂釜のパイプにはさまざまな細菌が繁殖していますが、特に危険なのはレジオネラ菌です。
レジオネラ菌は空気中に飛散されますので吸い込むことで気管や肺に感染症を引き起こす恐れがあります。風呂釜を掃除しないとレジオネラ菌以外にも、大腸菌、サルモネラ菌、レジオネラ菌、O-157などさまざまな菌が発生する可能性がありますので注意しましょう。
見た目には分かりにくいですが、微生物はぬめりを発生させますのでヌルヌルしている箇所はすぐ掃除しましょう。きれいに見えるお湯でも人間が浴槽に浸かるごとに風呂釜のパイプは汚れていきます。
風呂釜の汚れの原因
皮脂や毛
人体の皮脂(垢)や、髪の毛や体毛などです。
湯垢
水道水のミネラル成分に、人体の皮脂や垢が固まったものです。
細菌や微生物
細菌や微生物やカビは人の皮脂や水垢をエサにして増え続けます。
風呂釜の掃除の頻度は、1つ穴のタイプは、2ヶ月に1回、2つ穴のタイプは1ヶ月に1回程度の頻度で掃除しましょう。
風呂釜を掃除する時の注意点
酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)のご使用には注意が必要です。
- 肌につくと炎症をおこしたり肌荒れの原因となりますのでゴム手袋をしてください
- 他の洗剤と混ぜないでください
- 大理石やヒノキの浴槽には酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)は使用しないでください
風呂釜の掃除で熱めのお湯を使用する際はやけどに注意してください。
風呂釜の掃除をプロに頼む
風呂釜の掃除をしているのに、汚れがでて来る…そんな時、汚れを取除こうとして強い水圧でパイプを洗ったり、何度も掃除を繰り返したり、風呂釜やパイプに負担をかけることで傷がついたり破損する可能性があります。
自分で風呂釜を掃除するのが不安な方、時間がなくて掃除できない方、洗っても汚れが落ちなくて困っている方などは、ホームクリーニング業者に頼むことも良いとおもます。
ホームクリーニング業者によって風呂釜の掃除の料金やサービスが違いますので、業者のホームページで価格を比較したり、依頼する際は見積りをもらうことをおすすめします。掃除した後に追加料金を請求する悪質な業者もありますので注意しましょう。
まとめ
風呂釜の掃除の方法をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?風呂釜のパイプから出る汚れで特に恐いのはレジオネラ菌です。厚生労働省の調査でも風呂釜のパイプがレジオネラ菌の温床になっていると報告されており、年に1回のパイプ掃除を推奨しているようです。
レジオネラ菌の感染症による死亡もあるようですので、赤ちゃんや高齢者には注意が必要です。一日の疲れを癒してくれるバスタイムを安全に気持ちよくリラックスするためにも、風呂釜の掃除を忘れないでくださいね。