目次
水筒にはカビが発生しやすい
水筒にはカビが生えやすい環境が整っています。カビ菌の繁殖に気が付かず、そのまま雑なお手入れを続けてしまうと思わぬトラブルを引き起こしてしまいます。
では、カビが生えやすいのはどのような条件なのかを見ていきましょう。
水筒の中はカビにとって好条件
カビにとって、水筒の中はとてもいい環境です。
- 温度・湿気
- 口の雑菌
- 甘い飲み物
カビが発生しやすい温度が20〜35℃、湿度が80%以上です。水筒を使っているときはそのような環境下になりやすいです。また、直接口を付けるタイプの水筒は口の中の雑菌が水筒に移ってしまいます。雑菌が移ることによってカビも繁殖してしまうので注意が必要です。
甘い飲み物を放置するのもいけません。ジュースに含まれる糖分はカビの餌になります。そのため、お茶や水を入れている場合よりもカビは繁殖しやすいです。
《 ポイント 》
- 温度が20〜35℃、湿度が80%以上だと発生しやすい
- 直接口を付けるタイプの水筒は口の中の雑菌が水筒に移る
- 糖分がカビの餌になる
洗ったあと乾かしにくい
水筒は筒状になっていて、フチの部分は洗った後、逆さまにしていても乾ききらないことが多いです。そうすると筒内の湿度が上がってしまって、湿気を好む黒カビが生えてしまいます。
できるだけ湿度をあげないためにも、洗った後はお湯をかけて、その後キッチンペーパーでしっかり水気を拭くようにしてください。
《 ポイント 》
- 筒内の湿度が上がってしまう
- お湯をかけてキッチンペーパーで拭くのがおすすめ
中身が入ったまま放置しない
水筒内にカビが発生する原因として、水筒が汚れたまま長時間放置されてしまうケースも挙げられます。水筒内には水滴が残っており、それが原因でカビが繁殖しやすくなっています。そのため、水筒を使った後は中身をしっかりと洗浄し乾燥させなければいけません。
しかし、子どもが学校帰り、カバンの中に水筒を入れっぱなしにしてしまうケースも少なくありません。そのまま数日経過してから洗おうと思っても、既にカビが増殖してしまっているかもしれません。
特に注意したいのが、スポーツドリンクなど糖分を多く含む飲料。スポーツの部活動をしているお子さんの場合は、水筒に入れる機会も多いはず。こうしたスポーツドリンクを入れた水筒を洗わずに放置していると、あっという間にカビ菌が繁殖します。
水筒の放置は、カビだけでなく、有害な微生物や異臭の発生にもつながります。水筒使用後はその日のうちに、しっかり洗って乾燥させることが大切です。
ふたやパッキンにも注意
注意するべきポイントは水筒の中身だけではありません。ふたやパッキンといった部品にもカビ菌は付着・繁殖しやすいです。
- パッキン:黒カビ
- ふた:赤カビ
水筒に発生することが多いカビは、上記の2つに分類分けできます。黒カビは、黒く根を張るように繁殖。根が素材の奥深くまで伸びてしまうため、そう簡単には除去し切れません。多くの人にとって、カビと言って思いつくことが多いのは黒カビの方ではないでしょうか。
一方、赤カビはヌルヌルとしたピンク色の汚れが特徴的。水回りでよく見受けられる汚れです。赤カビは繁殖力が高い反面、除去が簡単なのが特徴です。とはいえ、カビであることには変わりないため注意は必要です。
《 ポイント 》
- 本体やパッキンにつきやすいのが黒カビ
- ふたに付きやすいのは赤カビ
- 水筒の中身が入ったまま長時間放置しない
万が一、カビを摂取してしまったら?
万が一、水筒内に発生したカビを摂取してしまった場合は、体調不良が引き起こされる可能性があります。症状の有無や体調不良の程度には、個人差があります。
少量であれば問題ない可能性もあります。とはいえ、基本的には誤ってカビを摂取したと気付いたタイミングで、医療機関を受診することをおすすめします。
水筒のカビをキレイに落とす方法
カビが生える原因が分かったところで、ここからはキレイに洗浄する方法をお伝えします。基本的な水筒の洗い方とカビの落とし方。両方をお伝えするので、ぜひご家庭でも試してみて下さい。
基本の洗い方
まずは毎日使える基本的な水筒の洗い方からお伝えします。水筒を毎日きちんと洗浄すれば、厄介なカビも発生しにくくなりますよ!
- ふたを外す
- 中性洗剤をスポンジにつけて洗う
- お湯でサッと洗い流す
- 乾かす
ふたやパッキンは別々に洗うようにしましょう。
本体の洗浄方法は食器を洗うときと、さほど変わらないので簡単です。乾かすときは、水滴を布やキッチンペーパーで拭き取ってあげると湿度が下がり、水滴の跡も残りにくくなります。
《 ポイント 》
- 本体の洗い方は皿を洗うときと同じ
- 水滴は拭き取る
カビの落とし方
どれだけ毎回きちんと洗っていても、保存状況や環境の湿度が原因でカビが生えてしまうことはあります。そのときは、以下のような方法で水筒のカビを洗い落としてください。
- パーツを分解する
- ぬるま湯とお酢を10:1の割合で混ぜる
- 2〜3時間浸す
- 洗い流す
今回はお酢を使った方法をお伝えしましたが、酸素系漂白剤でも代用できます。
塩素系漂白剤の方がカビに対しては効果的ですが漂白作用が強力すぎて、水筒そのものにもダメージが加わる恐れがあります。結果的に早く水筒をダメにしてしまうため、水筒の洗浄には酸素系漂白剤であるオキシクリーンなどを使用しましょう。
漂白剤を使用するときは、表記の通りに希釈します。1時間くらいつけておけば大丈夫です。お酢には殺菌効果もあるので、水垢も落とすことが可能です。
《 ポイント 》
- お酢には殺菌効果もある
- 酸素系漂白剤でも代用できる
アルコールはカビの増殖を抑制
アルコールは、カビの発生抑制に効果的です。カビ菌の繁殖を抑制し増殖しにくくする効果があるため、水筒の中にカビが発生することを予防するのに役立ちます。一通り洗って乾いたら、仕上げにアルコールを吹きかけておきましょう。
底面に貼ってある保護シートも大事
水筒の底に貼ってある保護シート。一見何のために貼ってあるか分かりにくいですが、実は水筒を長持ちさせる役割があります。水筒は製造される際、内部を真空にします。その際、底面に穴が開けられるのですが保護シートは、それを塞ぐための物。
もしも、この保護シートを剥がしてしまうと穴から水分などが侵入し劣化が早くなります。水筒本体の保温・保冷機能も損なわれるため絶対にはがさないよう注意しましょう。
水筒のふたやパッキンについたカビの落とし方
水筒のふたやパッキンはまた洗い方は違ってきます。きちんと把握するようにしましょう。
基本の洗い方
まずは基本の洗い方をお伝えします。
- パーツごとに分解する
- 洗剤をスポンジにつけて洗う
- 数回すすぐ
洗うときは強くこすらずに優しく洗うようにしましょう。ゴムパッキンは力を込めてしまうとちぎれてしまうこともあります。
《 ポイント 》
- 洗うときは強くこすらずに優しく洗う
カビの落とし方
パッキンやふたのカビが生えてしまったときにキレイに洗浄する方法をお伝えします。
- タライにぬるま湯を準備する
- クエン酸と重曹を1に入れる
- 一晩つけ置きする
- カビが取れたらよく洗う
つけ置きは、パッキンやふた、水筒ボトルの内部のみ行いましょう。水筒外側までつけ置きしてしまうと素材の劣化が起こってしまいます。つけ置きの可否は水筒の取り扱い説明書にも記載されていることが多いため、事前に目を通しておきましょう。
洗い終わったらしっかり水気を拭き取って、カビが生えないように対策しましょう。つけ置きしなければいけないほどひどくない場合は、クエン酸と重曹をブラシにつけて擦ると時間も短縮できるのでおすすめです。カビがない状態になったら洗い流してください。
《 ポイント 》
- 洗い終わったら水気を拭き取る
- クエン酸と重曹をブラシにつけて擦る
水筒のカビを落とすときに気を付けること
ここからは水筒のカビを落とすときに気をつけることをお伝えします。守らないと劣化してしまう可能性があるので注意しましょう。
金属タワシは使わない
金属タワシで水筒をこすってしまうと表面が研磨されてしまいます。傷ついた表面は雑菌が住み着きやすいので注意が必要です。また、溶け出した成分が体内に入ってしまう可能性もあるので気をつけましょう。
塩素系の漂白剤は使わない
キッチンハイターやカビキラーなどの塩素系漂白剤を使用すると、ステンレスのコーティングがはがれる原因になります。剥がれは水筒の錆や機能低下につながります。水筒を長持ちさせるためにも、塩素系漂白剤は避けるようにしましょう。
ただし、一部の商品では塩素系漂白剤が使用できるケースも存在します。とはいえ、使用可否を調べるのは少々手間。水筒の清掃には、基本的にオキシクリーンなど酸素系漂白剤を用いた方が無難といえます。
煮沸消毒
煮沸消毒も止めましょう。水筒が変形または塗装が剥がれてしまう可能性があります。そうなると、使用中に中の飲み物が漏れてしまうことにつながります。食洗機も熱湯を使って洗うので、使用しないようにしてください。
つけ置き洗いの注意点
水筒をつけ置き洗いをする際、水筒全体を沈めるのは避けましょう。水筒の素材によっては、ボトル外側のコーティングが劣化を引き起こし、激しく消耗させてしまう恐れがあります。
クレンザー・重曹の使い方について
クレンザー・重曹はそれぞれ優秀な掃除アイテム。特に重曹はかび臭さを落とすときに有効なアイテムです。ただし、クレンザーと重曹には、研磨剤も含まれています。
洗剤代わりとして水筒の洗浄に使用すると、内部を傷つけさびを発生させる原因となります。水筒清掃の洗剤として、クレンザー・重曹を選ぶのは避けましょう。
カビを落としたから絶対に安心とは限らない
水筒に発生したカビは、一度落とせば完全に消滅する訳ではありません。繁殖条件が整えば、カビは何度でも再発生します。キレイに洗った後もアルコール消毒などのお手入れを怠らず、常に清潔に保つことで、水筒内にカビが発生するリスクを最小限に抑えることができます。
とはいえ、どうしても安全面において懸念は残ります。そうした方は諦めて新しい水筒を購入するのもひとつの選択です。水筒は頻繁に買い替える物ではないためもったいない気もしますが、日常で使う代物でもあるため遅かれ早かれ取り換えるタイミングはやってきます。それに買い替えてしまえば、誤ってカビを摂取する心配もないので安全です。
《 ポイント 》
- 金属タワシでこすらない
- 塩素系漂白剤はステンレスのコーティングが剥がれる
- 煮沸すると変形・塗装剥がれの原因になる
- 食洗機も使わない
- 買い替えるのもひとつの選択肢
水筒のカビに関するQ&A
ここからは水筒のカビに関する質問にお答えします。ここを見れば疑問も解決するかもしれません!ぜひ読んでみてください!
A.多少のカビを飲んでしまったっとしても問題ありません。胃の中に入ったカビは胃酸で死んでしまいます。ただし、抵抗力のない小さなお子さんが飲んで腹痛の症状があったときには病院に連れていくようにしてください。
A.重曹とお酢でカビ臭さを取ることができます。とり方は水筒のカビの落とし方と一緒です。
A.つけ置き洗いは週に1〜2回の頻度でやるようにしてください。ただし、水筒を沈める形でつけ置きすると外側の素材が劣化することもあります。基本的には水筒ボトル内部をつけ置きしましょう。
《 ポイント 》
- 飲んでも問題ない
- 重曹とお酢で臭いが取れる
- つけ置き洗いの頻度は週1〜2回
水筒の正しい使い方
水筒を使うときには以下の点に注意しましょう。
- 味噌汁やスープは入れない
- 炭酸飲料はNG
- 底にある保護シートは剥がさない
味噌汁やスープなどは塩分が高いです。塩分があると腐食してしまう可能性があります。また、炭酸飲料は内部でガスが発生してしまうと膨張してふたが開かないなどの不具合が起こります。破損にも繋がるので注意しましょう。底についている保護シートは傷がつくだけではなく、水筒の機能の低下にも繋がるので剥がさないようにしてください。
《 ポイント 》
- 塩分があると腐食する
- 炭酸飲料を入れると膨張してふたが開かなくなる
- 保護シートは剥がさない
最後に
今回は水筒のカビについてお伝えしました。水筒はカビが好む環境下にあるので、洗うときには気をつけるようにしましょう。また、洗うときにはパーツごとに洗うようにしてください。塩素や熱湯も使わないように気をつけましょう。正しく洗って水筒を清潔に保てるようにしてくださいね。