目次
黒カビが生える原因
黒カビは、ジメジメとした水気の多い場所に発生しやすいイメージがありますが、実はカビが発生しやすい場所には条件があります。
具体的に黒カビが好む条件とは、まず20~30℃と気温が高い事、湿度も70%以上と高い事、そして有機養分や皮脂・埃などの汚れがある事です。そもそも黒カビは菌の仲間で、元々は土の中に潜んでいます。ただ根を張って素材の奥深くに入り込むという特徴があるため、土の中から飛散して様々な場所に菌糸を伸ばして繁殖していきます。
また黒カビの胞子は部屋の空気中にも漂っているので、どこかに汚れがある限りはすぐに取りつき、繁殖する可能性があります。
発生場所別!黒カビの除去方法
黒カビを見かける場所はたくさんありますが、実は発生場所によって除去方法も違ってきます。それぞれ、効果的な除去方法を見ていきましょう。
水周り
お風呂場や洗面台、シンクなどは一番黒カビが発生しやすいイメージが強いかもしれません。
お風呂場は湿気と温度が共に高いため、カビが生息しやすい環境です。またお風呂場の水蒸気が入りやすく、湿気がこもりやすい洗面所、食べ物のカスなど菌のエサとなるものが豊富にあるシンクもカビが好む環境です。
このような水周りの黒カビには塩素系の漂白剤と片栗粉が効果的で、片栗粉6に対して漂白剤4の割合で作ったペーストを黒カビに塗り付け、10分程度放置した後に拭き取れば、スッキリと除去する事が出来ます。
タイル目地などの取りにくい場所
風呂場のタイル目地の黒カビは取りにくい場所ですが、酢と重曹を使うと効率的に落とす事が出来ます。
まずは水5に対して1の割合で酢を加えて作った酢水をスプレーに入れ、黒カビにかけた後に10分ほど放置します。その後は歯ブラシで擦るのですが、まだ黒カビが残っている場合は重曹をふりかけ、その上から酢水スプレーをかけて再び歯ブラシで擦ると、頑固な黒カビも落とせるようになります。
水洗いができない場所
壁やマットレスなど水洗い出来ない場所は、消毒用エタノールが便利です。
黒カビに直接エタノールをスプレーして、硬く絞った雑巾で拭き取ります。それでも取れない場合は、水で濡らして固く絞ったメラミンスポンジで擦ると大抵の黒カビは落ちます。
衣類・バッグ・布
布に黒カビがついた場合、普通の洗濯では落とす事が出来ません。また塩素系漂白剤は効果が期待出来ますが、色落ちするのでおススメではありません。
生地によって洗剤を使い分ける必要があり、例えば色柄物は粉末の酸素系漂白剤、ウールや絹などは生地が傷まないよう、液体タイプの酸素系漂白剤が有効です。
漂白剤を使う際は、熱めのお湯に漂白剤を溶かして衣類を入れ、1時間ほど浸け置きした後に天日干しで乾かします。また革製のバッグに関しては固く絞った濡れタオルでカビを拭き取り、取れない場合は消毒用エタノールをタオルに含ませて軽く拭き取っていきます。
窓枠
窓枠の黒カビには漂白剤をつけて、ラップで密封する方法が有効です。カビが生えている状態によって効果が出るまでの時間も異なりますが、半日ほど放置して拭き取ると黒カビも綺麗に無くなっています。
黒カビの予防方法3選!
黒カビを予防するには、黒カビが好まない環境を作る事がポイントになります。
①換気して空気を入れ替える
風呂場や洗面所など湿度が高い部屋はもちろん、家自体も昔より機密性が高くなっているので、カビが発生しやすい環境になっています。
外と部屋の中の温度の差が激しいと結露が出来る原因になるため、外と内の温度差を小さくする事が大切です。そのためにはこまめに窓をあけて、空気を入れ替えなければいけません。ちなみに雨の日は窓を開けると、逆に湿度が高くなってしまうので、除湿器を使って調節します。
②水気は拭き取る
水気が少ない部分も黒カビは発生しますが、水気が多い所は更に発生しやすくなります。
風呂場や洗面所、キッチンは水を使う場所なので特に注意が必要なのです。水気が多い状態を長時間放置しておくと、カビにとっては好都合の環境になるため、水周りは使い終わった後に水分を拭き取っておくのが理想です。
③黒カビの栄養は残さないようにする
黒カビの栄養となるものは様々です。食品を筆頭に、人の体から出る皮脂や垢、石鹸カスにカルキ汚れ、さらに繊維や木材、ホコリまでもが栄養源となります。
つまり何かしらの汚れは黒カビにとって栄養源になると考えておく方が賢明です。汚れはしっかりと落としておき、常に清潔な状態にしておく事で黒カビの発生も抑えられるようになるのです。
黒カビが危険な理由
黒カビが敬遠されるのは不衛生というだけではなく、人の体に悪い影響を及ぼすからです。
アレルギーの原因となる
黒カビの胞子を吸い込み、体内に取り込む事でアレルギーが発生する事があります。
特に風呂場やキッチンなど湿気が多い場所の黒カビは危険性が高く、鼻炎や気管支喘息などを引き起こします。一般的に気管支喘息はダニが原因とも考えられていますが、アレルゲンが不明の場合は黒カビの可能性が高くなります。
夏型過敏性肺炎を発症させる
夏になるとエアコンを使う家庭が多いですが、エアコンの中に黒カビが発生していると、必然的に空気中から黒カビを吸い込む事になります。これによって起こるのが夏型過敏性肺炎なのです。発熱や咳、呼吸困難などが主な症状で、特に小さい子供や高齢者が発症すると治りにくく、注意が必要です。
黒カビの除去でしてはいけないこと
黒カビを除去する際、注意しなければいけない点があります。危険な目に遭ったり、さらにカビの状態を酷くさせたりする事もあります。
混ぜてはいけない洗剤を他の洗剤と混ぜる
塩素系漂白剤を使う時、酸性系洗剤と混ぜると有毒なガスが発生してしまいます。「混ぜるな危険」と表記されているものに関しては、他の洗剤と混ぜずに単独で使わなければいけません。
換気をしない
密室で市販のカビ取り洗剤や塩素系漂白剤を使う時、換気をしない状態で行うのは非常に危険です。必ず換気扇を回して通気性が良い状態で使うようにし、さらに安全性を考えるとマスクを着用した方が賢明です。
カビが発生している場所で掃除機を使う
掃除をするために掃除機を使うのは当然ですが、黒カビが発生した場所に掃除機を使うとカビの胞子をまき散らし、更に多くの場所にカビを発生させる危険性があります。特に長年掃除していない場所は、掃除機を使う前に漂白剤を含ませた雑巾で拭き掃除をしておいた方が安心です。
乾拭きと水拭き
雑巾を使った掃除も、漂白剤を含ませた状態なら意味があります。しかし、乾拭きは雑巾に汚れが吸着せず、かえってカビを拡散させる恐れがあります。一方の水拭きも表面の汚れだけは取れますが、カビの根が残っていると水分を与えてしまうだけの事になります。
おすすめのカビ取り剤
まとめ
黒カビを見つけた際は、さらに広がる事がないよう早めに除去する必要があります。ただ一番良いのは、カビを発生させない事です。
カビの発生を予防するには、どんな環境がカビにとって居心地が良いのかを知る事から始めます。カビ発生の原因となる温度と湿度、栄養の3つの条件が揃わないよう意識し、適確に掃除していく事が大切なのです。