目次
落し蓋とは
煮魚や肉じゃがといった和食料理に欠かすことのできない落し蓋。落し蓋とは、鍋の直径よりも一回り小さい蓋のことです。落し蓋を煮込み中の食材の上にのせておくだけで、全体に味がよく染み込んだおいしい煮物が作れます。
また、落し蓋には金属製や木製、シリコンなど様々な素材がありますので、使いやすい落し蓋を選びましょう。
落し蓋による5つの効果
落し蓋の存在について疑問に感じる人も少なくはないでしょう。しかし、落し蓋を使用することで得られる効果は実にさまざま。ここでは、落し蓋の特性を5つ紹介します。
落し蓋の効果1:味が食材全体に染み込む
落し蓋をすることによって、煮汁が対流しやすくなって全体的に味が均一になりやすくなる効果があります。その結果、食材全体に味が染み込みやすく、素材の旨味を感じられる仕上がりに。「食材によって、味にむらがでてしまう」といった問題は激減するでしょう。
落し蓋の効果2:煮崩れしにくくなる
落し蓋のない状態では、食材同士がぶつかったり食材が鍋にぶつかったりする衝撃で煮崩れを起こしやすくなってしまいます。
一方、食材の上に落し蓋をすると食材の動きが限定的になり、煮崩れしにくくなるという利点もあります。「煮物を作るとどうしても食材が崩れて失敗してしまう」とお悩みの方は、落し蓋を使ってみましょう。
落し蓋の効果3:においを取り去ってくれる
落し蓋のタイプによっては、蒸気の逃げ道がたくさんあります。そのため、魚や肉などの臭いが煮汁に留まることなく蒸気と一緒に放出していき、食材に臭いが残りにくくなる効果があります。
ただし、落し蓋に臭いがついてしまうことも。落し蓋は事前に水で濡らしておくと、においが落し蓋に移りにくくなります。
落し蓋の効果4:急な蒸発を防ぐ
「煮物から目を離しているうちに水分が蒸発して、お鍋に食材がこびりついてしまった」という経験を持つ人もいらっしゃるのではないでしょうか。落し蓋をした状態では、煮汁の蒸発が緩やかになります。
なお、さらに煮汁の蒸発を防ぎたいという場合には、落し蓋とお鍋の蓋をするとよいでしょう。
落し蓋の効果5:料理時間の短縮につながる
加熱された煮汁が落し蓋を介して食材に熱を与えることにより、食材への加熱を補います。また、煮汁が少ない状態では、煮汁や食材に熱がさらに対流しやすくなりますので、煮る時間が短縮されます。
結果として、料理時間の時短につながり、さらには少々のガス代節約にも。少しでも料理の時間を短くしたい主婦にとって、落し蓋の使用はメリットがあります。
落し蓋の基本的な使い方
落し蓋の使い方は簡単ですが、いくつかの点に注意しなくてはなりません。ここでは、落し蓋の基本的な使い方を説明します。
- 落し蓋は、使用するお鍋の直径よりも一回り小さいものを使う
- 落し蓋をする前に、落し蓋を水で濡らす
- 食材の上に落し蓋をのせる
- ある程度煮詰まったら、落し蓋を外す
落し蓋は必ずお鍋の直径よりも一回り小さいものを使いましょう。もし、自宅にあるお鍋のサイズがばらばらでそのつど落し蓋を用意するのが面倒であれば、サイズ変更ができるステンレス製の落し蓋がおすすめです。
また、乾いた状態で落し蓋を使用すると煮汁が落し蓋に染み込んでしまい、落し蓋に臭いが移ってしまいますので注意。
落し蓋をのせたり外したりするタイミングは、料理によって異なることがあります。必ずレシピを確認し、落し蓋を使用するタイミングを確認しましょう。
落し蓋は身近なもので代用できる
「自宅にあるお鍋のサイズがバラバラなので、いくつもの落し蓋を購入はしたくない」「落し蓋を使うような料理はあまりしない」
様々な事情で落し蓋を購入するまでには至らないというご家庭もあるでしょう。落し蓋は自宅にあるキッチン用品で代用できます。ここでは、キッチン用品で落し蓋を代用する方法を解説します。
落し蓋の代用:アルミホイル
キッチンで使うアルミホイルは落し蓋の代用品として使えます。
落し蓋をして使用する時は、アルミホイルを切ってからお鍋の大きさに合わせて側溝を作ります。また、真ん中に穴を開け、さらにフォークや菜箸などで空気穴を開けると蒸気が逃げやすくなります。
なお、アルミホイルは塩分や酸の強いものに弱いため、長時間煮込むとアルミホイルが溶けることも。人体への影響が出るほどの量が溶け出す事はありませんが、気になる方はこまめに取り替えるようにしましょう。
落し蓋の代用:キッチンペーパー
意外に感じる人もいると思いますが、キッチンペーパーも落し蓋としての役割を果たしてくれる便利なキッチン用品です。使用方法はアルミホイルと同じです。油やアクも吸い取る効果もあり、一石二鳥。
ただし、キッチンペーパーは「紙」という性質上、煮込んでいる途中で破れてしまう可能性があるのが難点。キッチンペーパーを複数枚重ねて使用すると破けにくくなりますので、おすすめです。
落し蓋の代用:クッキングシート
クッキングシートも落し蓋の代用品になります。クッキングシートを使用する鍋よりも小さめの円形になるようにくり抜き、中央部分に穴をあけ、複数の空気穴を作って食材の上にのせるだけ。
破れることはありませんので、耐久性はあります。また、水分を吸い取って食材や煮汁に密着し、効率よく加熱します。
落し蓋の代用:平皿
重みのない平皿は、落し蓋の代用品としても活用できます。食材の上にお皿をふせるようにして置きましょう。お皿の重みで煮崩れをおこしてしまうこともありますので、重い平皿は適していません。なお、取り出す時には、お皿が熱くなっていますので注意しましょう。
落し蓋と普通の蓋の違い
「落し蓋のメリットは理解できたけれど、普通の蓋との違いがわからない」と疑問に思う人もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、落し蓋と普通の蓋の違いを説明します。両者の違いを理解して、落し蓋の利用価値を学びましょう。
普通の蓋は蒸気や熱を逃がさないのが目的
普通の蓋は、落し蓋とは違って食材に直接触れることなく蓋をかぶせます。気密性は落し蓋よりも高いのがメリットな反面、臭みが逃げていかないという側面も。
また、食材や煮汁が鍋の中で移動してしまうため、煮崩れを起こしやすくなります。落し蓋は、普通の蓋のデメリットを補う目的で使用されます。
落し蓋の選び方&おすすめグッズ
落し蓋を選ぶ際にチェックしておきたいポイントと、おすすめ落し蓋をご紹介します。
素材を選ぶ
落し蓋といってもいろんな素材があります。それぞれにメリット・デメリットがあるので、使い勝手の良い素材を選ぶことがポイントです。
煮崩れを防ぎたい!シリコン製がおすすめ
落し蓋に使われる素材の中で、最も軽くて柔らかいシリコン製は、食材を潰しにくいので、煮崩れを防ぐのに適しています。また、耐熱性や耐寒性にも優れているので、ラップの代わりとして電子レンジで使用することも可能。瓶の蓋を開けるのにも使えちゃいます。
ただし、色の濃い食材などを使用すると食材の色が移りやすいのがデメリットです。色移りが気になる場合は、イエロー、オレンジ、グリーン、ピンクなど、カラフルな色のものを選ぶと気にならなくなりますよ。
下村工業 日本製 味わい食房 シリコーン製落とし蓋 ASO-649
- シリコーンゴム(耐熱温度 240度)
- 軽く柔らかなシリコーンゴム製
- 軽いので煮崩れしにくい
- 煮物料理の落とし蓋に最適
- 電子レンジでラップ代わりにも使える
「下村工業 シリコーン製落とし蓋 燕三条製」は、煮物や炒め物などの料理に便利な落とし蓋です。シリコーン素材でできているので、耐熱性や耐久性に優れており、柔らかくてフィット感が高く、鍋の大きさに合わせて使えます。
さらに、水切り穴がついているので、水分を調節しながら料理ができます。この落とし蓋を使えば、おいしい料理がもっと手軽に作れますよ。
マーナ (marna) ブタの落しぶた 17.5cm (シリコーン/ホワイト)
- かわいい子ぶたの落とし蓋
- 柔らかなシリコンゴム製
- 直径17.5cmで、鍋やフライパンにぴったりフィット
- 煮くずれ知らずで熱を効率的に循環させる
- 食材を均等に加熱できるので煮くずれ知らず
- ラップの代わりにも使えて、お手入れも簡単
「マーナ (marna) ブタの落しぶた K092」は、シリコーン素材でできた便利なおとしぶたです。食材の形にフィットして煮くずれを防ぎ、熱を効率的に循環させます。電子レンジや食洗機にも対応しているので、調理やお手入れが簡単です。
ブタのかわいいデザインも魅力的で、キッチンに彩りを添えます。「マーナ (marna) ブタの落しぶた K092」は、シリコーン素材の特性とブタの愛らしさを兼ね備えた、おすすめの商品です1
お手入れが簡単なのが良い!ステンレス製がおすすめ
お手入れに手間をかけたくない方は、ステンレス製がおすすめ。においや汚れがつきにくく、色移りの心配もありません。また、耐久性もあるので長く使用し続けたい方にも向いています。蒸し器と落し蓋が兼用のタイプもあります。
ただし、使用中は熱くなるのでふきんや菜箸などを使用して取り出すようにしましょう。また、金属製なので電子レンジの使用も不可です。
ナガオ 燕三条 落とし蓋でR フリーサイズ
- 145~230mmの無段階調整が可能
- 調整方法もつかんで回すだけで簡単
- サビに強く、堅くて丈夫なステンレスを使用
- ステンレス加工の産地、燕市製
「ナガオ 燕三条 落とし蓋でR」は、ステンレス製の落とし蓋です。プレートを回すだけでサイズ調整ができるので、最大23cmまでの鍋やフライパンにぴったりフィットします。
燕三条の職人が丁寧に作った高品質な商品です。落とし蓋を使うと、煮物や炒め物などの料理が早く火が通り、水分や栄養素も逃げません。また、油はねや食材の飛び散りも防いでくれます。
キッチンに1つあると便利なアイテムです。「ナガオ 燕三条 落とし蓋でR」を使って、美味しくてヘルシーな料理を作ってみませんか?
本格的な煮物料理を作りたい!木製がおすすめ
落し蓋といえば、木製をイメージする方も多いでしょう。プロの料理人もよく使っているのが木製の落し蓋。木製は熱伝導率が低いため、お鍋の中の温度を一定に保ち、食材にしっかり火が通るので本格的な煮物作りに向いています。
さらに、適度な重さが鍋の中で食材が動いて煮崩れするのを防ぐのにも効果的です。鉄鍋の蓋代わりにもなるので、本格的な和食作りをしたい方には便利です。
ただし、木製なので食材のにおいがつきやすく、またカビも生えやすいので使用後はすぐに洗ってからよく乾かさなくてはならないため、お手入れに手間がかかるのがデメリットです。気になる方は、においがつきにくい木材を使用したものを選ぶと良いでしょう。
市原木工所 落し蓋 木製 樹婦人 18cm
- アリ溝式の上部つまみで作りが頑丈
- サイズバリエーションが豊富
- 長時間煮炊きする調理に経済的
- 煮物の型崩れの防止やアク取りなどにも便利
- 食材に木の臭いが付きにくいスプルース素材
「市原木工所 落し蓋 樹婦人」は、煮物や炊き込みご飯などに最適な落し蓋です。
木製で軽くて丈夫で、水分を吸収してくれるので、料理がふっくら仕上がります。また、サイズバリエーションが豊富なので、自分の持っている鍋に合わせて選べます。
レビューでは、料理の味が格段に良くなったという声や、デザインがシンプルでおしゃれだという声が多く見られました。一方で、カビや虫が発生する可能性があるという注意点もありました。
「市原木工所 落し蓋 樹婦人」は、日本の伝統的な調理法を楽しみたい方や、料理の味を向上させたい方におすすめの商品です。
いろんな料理に使いたい!セラミック製がおすすめ
煮物以外の料理にも使いたい方には、セラミック製がおすすめ。具材が落し蓋にくっつくこともなく、におい移りの心配もなし。汚れも簡単に落ちるのでお手入れも簡単です。
電子レンジや食洗機も使えます。さらに、蒸し器などにも使えるタイプが多いので、いろんな料理に使いたい方に便利です。
ただし、陶器で作られているセラミックは、ぶつけたり落とすなどの衝撃を与えてしまうと、破損してしまうので注意が必要。また、簡単に汚れは落とせますが、汚れたまま放置すると変色することもあるので、使用後はすぐに洗いましょう。
貝印 蒸し器 & 蒸し蓋 Kai House Select セラミック 16㎝ 日本製 DH7028
- 蒸し器としても落し蓋としても使えるすぐれもの
- 少量の蒸し物用プレートとして、煮物の落し蓋として
- 臭いや汚れがつきにくいセラミック製
- プレートに揚げ物をのせラップをかけてレンジでチン!油が落ちカラッと仕上がります
- プレートに豆腐をのせレンジでチン!カンタン水切り
「貝印 蒸し蓋 Kai House Select セラミック DH7028」は、蒸し器としても落し蓋としても使える便利なアイテムです。
セラミック製で熱伝導性が高く、食材の水分を逃さずにふっくらと蒸せます。また、耐久性や耐熱性にも優れており、長く使えることが魅力です。
サイズは16cmで、小鍋やフライパンにぴったり合います。日本製で品質も安心です。この商品を使えば、野菜や肉、魚など様々な料理を美味しく蒸せます。
レビューでも、「軽くて使いやすい」「火加減がわかりやすい」「洗いやすい」「色々な料理に活用できる」という声が多数あります。あなたもヘルシーで美味しい蒸し料理を楽しみませんか?
鍋のサイズに合わせて選ぶ
落し蓋は、鍋の中に落として使うので、鍋のサイズに合ったものを選びましょう。
使っている鍋の2~3cm小さめサイズ
一般的に、使っている鍋より2~3cm小さめサイズを選ぶのが良いとされていますが、鍋のサイズより小さければ、落し蓋として十分な機能をはたしてくれるので、お使いの鍋に合うのか心配な方は、小さめサイズを選ぶのがポイントです。
色々な鍋に使うならフリーサイズ
色々な鍋に使いたい方は、フリーサイズの落し蓋がおすすめ。ステンレス製の落し蓋は、広げたり閉じたりすることでサイズ調整が可能なものが多いので、鍋を選ぶことなく一つで使い回せるので便利です。また、一番小さくたたむことでかさばらず収納できるのもメリット。
さいごに
落し蓋には、普通の蓋と比較しても様々な効果や役割が備わっています。使い方も非常に簡単ですので、今まで使用していなかった人も実践してみましょう。また、落し蓋がなくても、アルミホイルやキッチンペーパーなどのキッチン用品で代用可能です。落し蓋を使って、煮物を上手に作ってみて下さい。