目次
ステーキのレアと生焼けの違いとは
ステーキのや焼き加減といえば、レア、ミディアム、ウェルダンの3つが一般的ですが、この焼き加減はステーキの中心部分の温度で分かれています。それぞれの焼き加減によってメリット・デメリットも存在します。
肉の温度と焼き加減
肉の焼き加減は、何度まで肉の中心温度を加熱するかで分かれます。メジャーな焼き加減は以下の通りです。
- レア :50~60℃
- ミディアムレア:65℃
- ミディアム :65~70℃
- ウェルダン :70~80℃
一見、十分火が通っていないように見えるレアも、実際は中心温度が50~60℃まで上昇しています。中身は赤身ですが肉の表面には焼き色が付いています。とはいえ、他の焼き加減と比べると加熱時間は短く、生に近い分類となります。
ミディアムはある程度、中まで火が通っているけれど一部赤身の部分も残っている焼き加減です。レアとウェルダンの中間にあたる焼き加減で、火は通っているけど赤身があり肉汁もでるとバランスがとれています。ミディアムレアは、ミディアムとレアの中間に該当し、より肉汁が溢れ弾力がある食感です。
対して、中心温度を70~80℃まで加熱するウェルダンは中までしっかり火を通した焼き加減です。レアと異なり加熱によって赤身の部分が少なくなっており、肉汁がほぼなく食感も硬めです。
その一方で肉が香ばしく焼き上がるため、硬めの食感でも問題なく食べれて香りも楽しみたい方向けの焼き加減といえます。
ステーキのレアと生焼けの違い
ステーキのレアは生焼けではありません。レアは中心部分を見ると赤くなっていますで生焼けのように見えますが、実際は中まで火が通っています。基準としては中心温度が50~60℃まで上昇しています。また、レアも肉の表面には火が通っています。表面上に付着した菌は加熱によって死滅するため生に近い状態でも食べられます。
しかし、生焼けは中心部分に火が通らず生です。焼き加減の分類でいえばレアよりも中心温度が下の「ロー」「ブルー」「ブルーレア」が生焼きと呼ばれる状態に近いです。
下記にステーキのレアと生焼けの違いをまとめました。
- ステーキのレアは中心部分まで火が通っている。
- 生焼けは表面だけで中心部分まで火が通っていない。
- ステーキのレアの中心部分の温度は50~60℃。
- 生焼けの中心部は火が通っていないので冷たい。(30℃以下)
肉の中でも生食用として規格が設けられ販売されている牛肉は、内部に菌が存在しません。流通過程で表面上に菌が付着することはあっても、加熱の段階で死滅することがほとんどです。そのため、レアや生焼けに近い焼き加減であっても問題なく食べることができます。
ただし、生食用に限った話であり、規格基準が施されていない通常牛肉はしっかり内部まで火を通しましょう。また鶏肉や豚肉なども同様です。これらの肉を加熱するときはレアや生焼けに近い焼き加減は避けた方が安全です。
ステーキのレアか生焼けか見分ける方法
ステーキのレアと生焼けの違いは竹串を刺すと以下の違いがあります。
- ステーキのレアに竹串を刺すと透明な肉汁が出る
- 生焼けに竹串を刺すと赤い汁が出る
- ステーキのレアに竹串を10秒ほど差すと竹串が温かくなります
- 竹串を10秒ほどさして、抜いた時竹串が冷たければ生焼け
- ステーキのレアの食感はジューシーで歯切れが良い
- 生焼けの食感はぐにゅぐにゅしてなかなか噛み切れない
お肉は50℃近くなるとだんだんたんぱく質の一部が固まってきますが、たんぱく質が固まってくると歯ごたえが良くなり噛み切りやすくなります。
50℃はまだ肉が縮む前なので肉の繊維の中に肉汁がたまっています。レアに焼き上がったステーキを指で押すと沈んで弾力はほとんどありません。肉汁が溢れてジューシーな一方、なかなか噛み切りにくいデメリットが存在します。
ステーキは65℃を超えるとどんどん硬くなってきます。また、肉の繊維から旨味成分が溶けだして肉の中に旨味が色がります。65℃をすぎて更に加熱してしまうと、旨味成分の肉汁が外に流れ出し、パサパサになってしまいます。
生焼けにならないステーキをレアに焼くコツ
ステーキのレアと生焼けの違いは焼き上がるまでの過程がポイントです。正しい調理補法を知っていればご家庭でも上手にステーキを焼けます。ここでは、ステーキをレアに焼くコツを紹介します。
調理用温度計を使う
ステーキを上手にレアに焼き上げる際、調理用温度計があると便利です。調理用温度計とは長い針状の温度計を食材に刺すことで中心温度を測定できる道具です。
ステーキのレアと生焼けの違いは中心部分の温度です。レアの場合、中心温度を50~60℃になるまで加熱します。これを下回った状態だと「ブルー」「ブルーレア」といった生焼けに近い状態となります。
竹串をお肉の中心部分に刺して、竹串が温かくなれば中に火が通ったことが分かりますがあくまでも目安です。
ステーキの焼き加減はお肉の中心部分の温度が重要なポイントですので、調理用温度計で正確にはかることをおすすめします。
<おすすめの調理油温度計>
ThermoPro温度計 料理キッチン料理温度計
調理温度計は4~6秒だけ。-50℃~300℃ まで測ることでできます。
厚手のフライパンを使う
ステーキをレアに焼きたいのであれば、厚手のフライパンもチェックすべきアイテムです。厚手のフライパンは全体の温度を均等に保つことができますので、焼き上がりも均等になります。
特に鉄製のフライパンであれば熱伝導性も優れているため、肉に対する火の通りが良くなります。鉄製のフライパンの場合は肉を焼く前に、あらかじめフライパンを加熱しておくことが均等に焼き上げるためのコツとなります。
ただし、テフロン加工のフライパンだと強火で空焼するとコーティング加工が消耗してしまう恐れがあります。弱火から中火で時間をかけて加熱しておくことを推奨します。
肉を常温に戻す
冷蔵庫から出した冷たい肉は、常温の肉に比べて中まで火を通すのに時間がかかりますので、外は焼き上がっているのに中は生焼けになる可能性があります。ステーキを焼く30分~1時間前に冷蔵庫から出して常温に戻しておきましょう。
ただし、気温が高くなりやすい夏の季節は肉が傷むのを防ぐため、焼く30分から常温に戻し空調管理を気にしましょう。
筋を切る・穴を開ける
ステーキでお肉を加熱すると肉の繊維が縮んで形が固まり上手に焼けなかったりすじが残って歯ごたえが固くなることがあります。
そのため、事前にお肉に切れ目を入れてすじを切っておきます。ただし、切れ目が深すぎたり切込みが多すぎると肉汁が流れ出てしまいますので約2~3cm間隔で切り込みを入れましょう。
他にフォークなどをお肉に刺して穴を開け、筋を切る方法もあります。ただし、この方法は肉汁が流れ出やすいのでレアやミディアムレア以外の焼き方には向いていないかもしれません。
表面は強火で短時間焼く
ステーキのレアは中心部分を加熱しすぎないよう肉の表面を強火で短時間加熱しましょう。時間をかけると中心部分を加熱しすぎてレアでなくなってしまいます。レアに焼く目安の加熱時間としては強火で30秒くらいです。
レアを焼くコツ
- 最初に片面を強火で30秒加熱します。
- 弱火で1分加熱します。
- お肉を裏返します。
- 強火で30秒加熱します。
- 弱火で1分加熱します。
指で確認する
焼き上がったらお肉を指で押します。指が沈み、弾力がほとんどなければOKです。この際、肉やフライパンに触って火傷しないようにご注意ください。
不安であれば、指ではなく調理用温度計を指して測定することを推奨します。
焼き加減の割合や状態を確認する
焼き上がってカットした際、希望の焼き加減になっているか分かります。生焼けだった場合、再度加熱しましょう。
焼き加減別の焼く割合と状態
・レア:約3割焼けている
中心部分にも火が通っていますが、生に近い焼き加減で旨味成分の肉汁が多く、弾力がある。
・ミディアムレア:約5割焼けている
レアよりは中央部分に火が通っていますが、生に近い状態で、カットすると肉汁が出ます。肉の弾力が残っているため押すと柔らかいですが、噛み切りにくい場合もあります。
・ミディアム:約7割焼けている
中心部分の半分ほど火が通っていおり、カットすると肉汁は少ないです。レアより少ないですが赤身の部分が一部残っています。レアは少し不安だけど、肉汁や肉の弾力も楽しみたいという方向けの焼き加減です。
・ウェルダン:全体が焼けている
中心部分もしっかり焼けて、カットすると肉汁はほとんど出ません。赤身の部分はなく、内部までかなり火が通っている焼き加減です。また、歯ごたえが固くなります。
焼き加減の好みはひとそれぞれですが、肉の旨味が引き立つのはがミディアムレアだと言われています。
ステーキがレアでも食べていい理由
ステーキのレアと生焼けの違いは、お肉の中心部分まで火が通っているか、いないのか、の違いです。中心部分に火が通らず生のものは生焼けですが、うっかり生の部分を食べてしまうとどうなるのでしょうか?食中毒が心配ですよね。
でも、牛肉の中は無菌で寄生虫もいませんので食べても大丈夫です。牛肉の表面には菌がつくことがありますが、表面は焼いてありますので心配はありません。
ただし、牛肉の生の部分を食べても問題はありませんが、牛肉を長時間放置したり、傷み始めたりしたら加熱しても食中毒をおこす可能性がありますので処分しましょう。
また、生で食べても大丈夫なのは、あくまでも生食対応した牛肉のみです。牛肉の中でも生食可能な肉には厳しい規格基準が設けられ安全性がチェックされています。一方、生食対応していない牛肉はその限りではなくうかつに生で食べると思わぬ食中毒を招く恐れがあります。
牛肉以外の鶏肉や豚肉も同じく生食対応していません。解体などの際、肉内部まで菌が侵入してしまいます。不十分な過熱状態だとカンピロバクターやE型肝炎ウイルスに罹患してしまうかもしれません。
ご家庭で牛肉のステーキを調理される際は、必ず使用する肉が生食対応しているかを確認し適切な焼き加減で調理しましょう。
最後に
ステーキのレアと生焼けの違いは、中心部分の温度の違いだということはわかりましたね。ステーキの焼き加減は主に4種類ですが、本来は10種類あるのをご存じですか?
<焼き加減10種類>
- ロー:火が通っていない生肉の状態
- ブルー:表面をさっと焼いただけの状態
- ブルーレア:ブルーより長めに焼いた状態。内部は生肉のまま
- レア:多少火が通っている状態
- ミディアムレア:ミディアムとレアの中間
- ミディアム:全体的に火が通っているが一部赤身の部分も残っている状態
- ミディアムウェル:ミディアムより内部に火が通っている状態
- ウェル:ウェルダンよりは加熱が短い状態
- ウェルダン:全体的に火がしっかり入っており、内部も十分加熱された状態
- ベリーウェルダン:完全に内部まで火が通った状態
ローとは、火が通っていない生肉の状態、
こんなにたくさんありますが、ステーキの専門店でないとお願いしても対応してくれないかもしれませんね。私はレアが好きなので、レアより焼き加減が少ないブルーレアを食べてみたいです!