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カスタードクリームが固まらない原因
カスタードクリームを作ってみたら、柔らかすぎてしまった…ってことありませんか?固まらないのにはどんな原因が考えられるのでしょうか?
固まらない原因と思われるものに、火加減や加熱時間の調整ミス、材料の分量を間違えたことなどがあげられますが、まずはカスタードクリームの作り方を簡単に解説します。
〈カスタードクリームの作り方のおさらい〉
カスタードクリームの作り方は、卵、砂糖、薄力粉、牛乳を混ぜていくだけなので簡単です。
- 卵と砂糖を混ぜ、その後に小麦粉を加え、バニラビーンズ、牛乳を加えます。
- 鍋に入れた材料をゆっくりとかき混ぜると徐々にとろっとした感じに変わってきます。
- 木べらにカスタードクリームがもったりとつく程度に、硬めのとろみがついたらできあがり!
加熱することで卵のタンパク質が凝固し、薄力粉のデンプンが糊化して固まるというわけです。
固まらない原因1:薄力粉の分量
薄力粉の分量が少な過ぎてもカスタードクリームが固まらないことがあります。基本的には、牛乳100gに対して薄力粉は約10g。お菓子作りは正確に計量することが大きなポイントとなります。
固まらない原因2:卵黄でなく全卵を使った
お菓子作りで失敗しないためには、レシピ通りの材料を使いましょう。
レシピには「卵黄」とあるにもかかわらず、「全卵」を使ったことが原因でクリームが固まらなかったということも。卵白の90%は水分なので、全卵を入れると水っぽくなるのは当たり前のことです。
薄力粉や牛乳の量を間違えてしまうのと同じように、レシピに従った材料を使わないとカスタードクリームを上手に仕上げることは難しいでしょう。
固まらない原因3:牛乳の分量と温度が正確でなかった
カスタードクリームの固さの決め手になるのは、牛乳の分量と温度です。火にかける前に加える牛乳の量が多いと、いつまで経っても固まりません。
また、卵黄と薄力粉に熱を通す必要があるので、牛乳は沸騰直前まで温めたものを加えます。
固まらない原因4:電子レンジを使って作った
最近は電子レンジを使って、「手軽にカスタードクリームを作る」レシピが紹介されています。簡単に作れるのは良いのですが、電子レンジにはそれぞれクセがありますので、同じ600Wのレンジでも、出来上がりに違いが出てしまいます。
できるだけ火にかけて様子を確認しながら木べらでゆっくりと混ぜるやり方の方が、失敗は少ないかもしれません。
固まらない原因5:火力調整と時間の失敗
カスタードクリームがゆるくて固まらないのは、火にかける時間も原因のひとつでしょう。鍋に入れた材料を中火でゆっくりとかき混ぜますが、火が弱すぎるとなかなか固まりません。
逆に強すぎると焦げてしまいます。火から鍋を遠ざけたり近づけたりを交互に繰り返しながら、火加減を調整しましょう。
《 ポイント 》
- 薄力粉の分量が少なかった。
- 「卵黄」ではなく「全卵」を使ってしまった。
- 牛乳の分量と温度が正確でなかった。
- 電子レンジを使って作った。
- 火加減と火にかける時間も固まらない原因。
カスタードクリームが固まらないときの対処法
せっかく作ったカスタードクリームがどうしても固まらない…そんな時は捨てるしかないのでしょうか。そんなことはありません。
ゆるゆるのカスタードクリームを復活させたいときの対処法を紹介していきましょう。
加熱して水分を飛ばすことで固まる
先ほどお話したように、カスタードクリームが固まらないのは火にかける時間が足りない可能性があります。
ほとんどの場合、さらに火を通すことで解決できますので、カスタードクリームをもう一度火にかけ、じっくりと練るようにかき混ぜてみてください。
水分を飛ばすことで固まり、復活させることができるはずです。
〈ガスコンロやIHを使って加熱する〉
鍋に入れた材料をかき混ぜる際に、十分に火を通さないと固まりません。よって、ゆるいと思ったら、再び弱火にかけて焦げないようによくかき混ぜましょう。
早く完成させたいからといって強火にしてしまうと焦げてしまいますので、固さを確認しながら弱火で作業してくださいね。
〈電子レンジを使って加熱する〉
ガスコンロやIHで加熱する方法以外に、電子レンジで「チン!」でもOKです。カスタードクリームを入れた器にゆるくラップをかけて電子レンジに入れます。
30秒まわしては混ぜ、また30秒まわしては混ぜ…という風に30秒毎ごとに様子を見ながら2~3回繰り返しましょう。
〈湯煎で加熱する〉
電子レンジだと温度調節が難しいし、ガスコンロやIHは焦がしてしまうかもしれない…。じっくりと観察しながらていねいに温めたい場合には湯煎を利用しましょう。
熱いお湯を張った鍋にカスタードクリームを入れたボウルを重ねて入れ、温めながらよく混ぜ合わせると固まってきます。
薄力粉かコーンスターチをプラスして再び火にかける
カスタードクリームが固まらない場合、ほとんどが加熱することで解決しますが、それでもまだゆるいようでしたら薄力粉やコーンスターチを足して、再加熱してみましょう。
コーンスターチは片栗粉と同じ働きをしますので、火にかけてかき混ぜるとカスタードクリームのとろみを強くしてくれます。
ただし、薄力粉やコーンスターチが多すぎると、ダマになったり逆に固くなりすぎてしまいますので、様子を見ながら加えるようにしてくださいね。
もし固くなりすぎてしまったら、今度は牛乳を足して火にかけて混ぜると少し柔らかくなりますよ。
《 ポイント 》
- もう一度火にかけ水分を飛ばすと固まる。
- 薄力粉かコーンスターチをプラスして再加熱する。
カスタードクリームを上手に作るコツ
分量を正確に量る
カスタードクリームが固まらない原因でも説明しましたが、それぞれの分量を正確に量るのはとても重要なことです。面倒がらずに、ひとつひとつレシピどおりの分量をていねいに計量してください。
全卵ではなく卵黄を使う
卵黄と砂糖をボウルに入れ、白っぽくなるまで混ぜ合わせます。あとで牛乳を加えたときに、卵黄が固まってしまわないようにしっかりと混ぜておきましょう。
沸騰直前まで温めた牛乳を少しずつ加えながら混ぜる。
薄力粉と卵黄に熱を通す必要があるので、沸騰直前まで温めた牛乳を使います。牛乳は沸騰すると膜が張ってしまうので、鍋肌からフツフツと泡が出始める沸騰直前の状態で火を止めてください。
ただし、熱い牛乳を一気に入れてしまうと卵黄が固まってしまうので、沸騰直前まで温めた牛乳を少し入れて混ぜてから、残りの牛乳を入れて泡だて器で混ぜるようにしましょう。
中火にかけて木ベラでゆっくりと混ぜる
中火でゆっくりとよくかき混ぜながらとろみをつけ、なめらかなクリームにしていくのが美味しく仕上げるポイントです。加熱していくうちにとろ~り感が出てくるので、焦らずゆっくり混ぜましょう。
クリームを焦がしてしまわないように、鍋を火から離したり近づけたりしながら火加減を調整します。木べらを持ち上げて、下に落ちたクリームの筋が表面に残るくらいまでになっていれば完成です。
火からおろして冷蔵庫で冷やす
火からおろしてバットに広げ、カスタードクリームの表面に密着するようにラップをかけます。粗熱がとれたらら冷蔵庫に入れて冷やしましょう。
《 ポイント 》
- それぞれの分量を正確に量る。
- 卵は全卵ではなく卵黄を使う。
- 牛乳は沸騰直前まで温めたものを使う。
- 中火でゆっくりとかき混ぜてなめらかなクリームに仕上げる。
固まらないカスタードクリームの美味しい食べ方
カスタードクリームがなかなか固まらないために、シュークリームに詰められないようでしたら、一工夫してみましょう。
パンケーキにする
固まらなかったりダマができたカスタードクリームは、牛乳とホットケーキミックスを混ぜて焼くと、ふわふわで美味しいパンケーキになります。
卵がたっぷり入っているので、カスタードクリーム作りに失敗したとは思えないくらい、美味しいスィーツに仕上がります。
ホットミルクにする
ダマができていないカスタードクリームはそのまま使えますが、ダマになっているカスタードクリームは裏ごしします。
それに温めた牛乳を少しずつ加えて混ぜ、お好みで砂糖を加えると美味しいホットミルクのできあがり!コクのある高級感たっぷりの風味で、ぜいたくな気分に浸れますよ。
アイスクリームにする
柔らかくて水っぽいカスタードクリームをそのまま凍らせてしまえば、一番手軽で美味しいアイスクリームのできあがりです。
カチカチに凍る前のシャーベット状の時に数回かき混ぜておくと、よりアイスクリームの食感に近づけることができるでしょう。
冷凍庫で凍らせたもので揚げドーナツを作る
冷凍庫で固めてアイスにしたものを使って、揚げドーナツを作ってみましょう。
凍らせてアイスクリームにアレンジしたカスタードクリームを、適当な大きさに切り分けます。衣をつけて揚げると香ばしい揚げドーナツの出来上がり!アイデア次第で、驚くようなアレンジができるんですね。
ココアを混ぜてビタークリームにする
ゆるいカスタードクリームを火にかけて水分を飛ばしているときに手を止めて放っておくと、焦げたり粉っぽくなってしまいます。
このように焦がしてしまったら、ココアを混ぜてみてください。とても香ばしいビターなクリームにアレンジできますよ。
こんがり焼いたトーストやバゲットと相性抜群なので、一緒に味わってみたらいかがでしょうか。ビターなチョコクリームに似た風味で、ついつい手が出てしまいます。
カスタードクリーム自体が美味しいので、失敗してもあわてて捨てたりしないでくださいね!
《 ポイント 》
- 牛乳とホットケーキミックスを加えるとふわふわの「パンケーキ」
- 温めた牛乳を少しずつ加えて混ぜると美味しい「ホットミルク」
- カスタードクリームを凍らせて「アイスクリーム」に。
- アイスクリームに衣をつけて揚げると香ばしい「揚げドーナツ」に。
- 焦がしてしまったら「ビターなクリーム」にアレンジ。
最後に
カスタードクリームが固まらない原因と、復活方法についてご紹介しました。
ゆるゆるの場合は、もう一度火にかけて水分を飛ばすとたいがい固まります。ただし、加熱しすぎて焦がしたりしないように、ゆっくりと丁寧にかき混ぜるようにしましょう。
万が一失敗したとしても、工夫次第でホットケーキやホットミルク、アイスクリームなどにアレンジできます。失敗したからと言って諦めて捨てる必要はありません。
ここで紹介したアレンジレシピを参考にチャレンジしてみてくださいね!