目次
ホワイトリカーの特徴
ホワイトリカーの代用品は意外とたくさんあります。そもそもホワイトリカーとはどんなものでしょうか?まずは、ホワイトリカーの特徴についてご説明します。
ホワイトリカーは焼酎の一種
ご自宅で梅酒や果実酒、梅干しを作る際に使われるホワイトリカーですが、これは、焼酎の一種です。糖蜜を蒸留して出来た酒精に水を加えて、アルコール度数を36度未満にまで薄めたものをホワイトリカーといいます。
果実酒や梅酒作る際に使われることが多い
日本の酒税法により、焼酎甲類に主に分類される、食用のアルコールになります。アルコール独特の匂いはありますが、いわゆる、本格焼酎と言われる焼酎乙類とは違い、原料が放つ強い風味はないため、果実酒や梅酒を作る際に、その果実等の風味を生かせるので、ホワイトリカーが主に使われています。
また、ホワイトリカーそのもののアルコール度数が高いため、それが腐敗防止の作用と効果になり、長期保存も可能になります。
「連続式蒸留」で作られたお酒
ホワイトリカーの種別の焼酎甲類と本格焼酎の焼酎乙類は、その製造過程の蒸留方法に違いがあります。ホワイトリカー、甲類焼酎は「連続式蒸留」という蒸留方法で蒸留していきますが、本格焼酎、焼酎乙類は「単式蒸留」という方法で蒸留します。
甲類焼酎は明治の終わりにイギリスより伝わった、連続式蒸留方式で造られた焼酎になります。連続式蒸留は、もともとウイスキーの製造法で、モロミを連続して投入しながら蒸留していきます。
大量生産向きで安価
無色透明、雑味やクセのない味わいで、本格焼酎の蒸留方式の単式蒸留に比べると、大量生産向きであることから、乙類焼酎よりも安価で市場に流通させることが出来るのです。
《 ポイント 》
- アルコール度数を36度未満にまで薄めたものがホワイトリカーです。
- 果実酒や梅酒を作る際に、その果実等の風味を生かせるので、ホワイトリカーが主に使われている。
- ホワイトリカーはアルコール度数が高く、腐敗防止の作用と効果があり、長期保存も可能。
ホワイトリカーの代用品
ホワイトリカーは容量が多く、梅酒や果実酒、または梅干しを作るだけのために買っても、残ってしまうし、どうせなら、家にある他のお酒でホワイトリカーの代用ができれば…と思う方のために、ホワイトリカーの代用になるようなお酒をご紹介します。
甲類焼酎
ホワイトリカーと同じ、甲類焼酎という記載のあるお酒であれば、ホワイトリカーの代用になります。甲類焼酎の原材料は、主にサトウキビが使用されています。他に、トウモロ コシや米、麦、芋などが使われることもあるそうです。
乙類焼酎
乙類焼酎、いわゆる本格焼酎と呼ばれるものです。ご自宅に封を開けていない本格焼酎は眠っていませんか?本格焼酎には、米、麦、芋焼酎など、風味の強いものが多くあります。
風味がその特徴であり、好みの分かれるところでありますが、ホワイトリカーの代用として、ご自宅に残っている本格焼酎を使われる場合、出来れば原料の香りが強いものではなく、その風味が穏やかな方が、果実酒や梅酒にはマッチするでしょう。比較的米焼酎は、その風味は穏やかなものが多いようです。
ウォッカ
ウォッカはアルコール度数が高く、においも気にならないので、ホワイトリカーの代用として問題なく使用していただけるでしょう。
また、ウォッカは小瓶タイプなど、容量が少なめなものも多数ありますので、余らせずに使い切ることが出来そうです。
ウイスキーやブランデー
ウイスキーやブランデーで、高いアルコール度数や、蒸留酒という点においては代用可能ではあります。ただし、これらのお酒は特徴的なかおりや風味があります。
梅干しには恐らく向かなそうですし、果実酒や梅酒用に使う場合、そのにおいが気にならないければ、好みであれば、代用は可能です。
《 ポイント 》
- アルコール度数が35度以上の「蒸留酒」であれば代用してOK!
- 甲類焼酎という記載のあるお酒であれば、ホワイトリカーの代用になる。
- ウォッカはアルコール度数が高くにおいも気にならないので、ホワイトリカーの代用として可能。
- ウイスキーやブランデーで高いアルコール度数や蒸留酒はホワイトリカーの代用が可能。
ホワイトリカーの代用に向かないお酒
ここまでで、ホワイトリカーの代用品として向いているものを具体的にご紹介しましたが、ホワイトリカーの代用品として向かないお酒はどのようなものか、ご紹介いたします。
一般家庭で良く飲まれている、ビールや日本酒、ワインはホワイトリカーの代用にはなりません。これらは全て蒸留酒ではありません。ビールや日本酒、ワインは、原料を酵母によりアルコール発酵させて作られます。
これらのお酒は発酵された状態を、蒸留せずにそのまま飲まれます。蒸留酒に比べアルコール度数も低く、消毒の働きをしません。
ホワイトリカーで作る果実酒の作り方と注意点
ホワイトリカーの代用品として向いているものはお分かり頂けましたでしょうか?ここでは、ご自宅で果実酒や梅酒を作る際に用意すべきものをご紹介します。今回は、具体的に梅酒を例にしたいと思います。
用意するもの
梅酒を保存するための、密封できるタイプのガラス瓶
梅酒の材料
※750ml瓶でウメ酒を作る場合
- ホワイトリカーまたは、代用の蒸留酒:350ml
- 青ウメ:180g~200g 弱
- 氷砂糖:90g~100g
梅と氷砂糖を交互に瓶に入れていき、最後に蒸留酒を注ぎます。交互に入れることで梅のエキスがしっかり出ます。
また、重要な点ですが、蒸留酒は必ずアルコール分20%以上のものを使用してください。なんと、アルコール度数20度未満のお酒を使うと、酒税法違反になるのだそうです。
また、雑菌や腐敗を防止するためにも、アルコール度数が35度程度の蒸留酒を使うことをお勧めします。
漬けこみが終わりましたら、冷蔵庫で保存すると温度が低すぎてうまく熟成できませんので、直射日光が当たらず風通しの良い、出来れば冷暗所で保存してください。
《 ポイント 》
- 蒸留酒は必ずアルコール分20%以上のものを使用する。
- 直射日光が当たらず風通しの良い冷暗所で保存する。
ホワイトリカーは消毒の代用になる?
結論から言いますと、ホワイトリカーはエタノール消毒液の代用にはなりません。
飲料としては、アルコール度数はかなり高めの35度程度のものが多くみられますが、消毒液としては、アルコールの濃度が低すぎるため、消毒液の代用品にはなりません。
日本で販売されている消毒用のエタノールは、濃度が76.9〜81.4 vol%と、規格が定められています。残念ながら、ホワイトリカーはエタノール消毒液の代用にはなりません。
ホワイトリカーの賞味期限は?
ホワイトリカーの代用品をご紹介いたしましたがいかがでしたでしょうか。最後にホワイトリカーの賞味期限をご紹介します。
調べてみたところ、ホワイトリカーはアルコール度数が高く、連続蒸留されていることで、雑味成分もほとんど残っていないため、保管状態さえ良ければ、長期間経過しても問題がないそうです。保管場所は注意し、直射日光の当たらない、比較的涼しい場所での保存がより良いそうです。
ただし、開封・開栓後は、保管場所によっては、アルコール成分が揮発してしまったり、周囲に一緒に置いてある、他の食品等の臭いを吸着してしまうことも考えられるので、その辺の注意は必要だそうです。