生焼けはのししゃもは食べても大丈夫?焼き加減の目安から加熱方法まで解説

ししゃもを七輪で焼く様子

生焼けのししゃもを食べても危険性は低いです。ただし、乾燥と生とでは大きく違います。乾燥されたししゃもを生焼けで食べるのと生のししゃもを生焼けで食べるのとでは、生の方には危険が伴う恐れがあります。生焼けのししゃもを食べても良い場合、食中毒の危険はどれくらいあるのか、ししゃもの焼き加減を見極める方法など詳しく分かりやすく解説します。

生焼けのししゃもは食べられる?

焼いたししゃもにレモンを添えた

結論を言いますと「食べてもそれほど問題はない」です。

一般的にスーパーなどで売られているししゃもは生食用ではありません。「乾しししゃも」と言って、天日干しすることによって水分を飛ばし、乾燥させてあります。そのため、雑菌がほとんど存在しない状態です。

乾しししゃもであれば生焼けの状態で食べてしまっても食中毒や体調不良の心配はそれほどありません。

ただし、全く何事も起こらないというわけではありませんので、普段からお腹を壊してしまいやすいという方は、しっかり加熱してから食べることをおすすめします。

食中毒の危険性はある?

乾しししゃもを生焼けで食べたことによる食中毒の危険性はそれほど高くありません。

食中毒の危険性があるとするならば、生のししゃもを生焼けで食べてしまうことです。生のししゃもにはアニサキスやサナダムシなどの寄生虫が存在する可能性が非常に高いからです。

アニサキスは魚の体内に生息している寄生虫です。生きた魚の内臓に寄生した後、死んだ魚の筋肉へと移ります。ですから、魚の内臓を取り除いて食べれば問題ないというわけにはいきません。

アニサキスに寄生された魚を人が生で食べるとアニサキス症という食中毒を引き起こします。ししゃもにアニサキスが生息していたという話は聞きませんが、全く生息していないとは言い切れません。

妊娠中の女性は食べないでください

乾しししゃもの生焼け、生食用ししゃもの生焼け、どちらも妊娠中の女性は食べないでください。寄生虫や細菌による食中毒を引き起こす可能性が非常に高いです。

妊娠中の女性が寄生虫や細菌に感染した場合、胎盤や胎児にまで感染が拡大する恐れがあります。流産や早産の原因になることがあります。また、胎児や生まれてきた赤ちゃんが死に至る危険性もあります。

ししゃもを食べる場合には十分に加熱するようにしてください。

ししゃもの焼き加減の見分け方

三匹のししゃも、白い背景

生焼けのししゃもと焼き加減の良いししゃもは、卵の色やお腹の膨らみを確認することで見分けることができます。

メスのししゃもの焼き加減は卵の硬さと色で判断する

お腹に卵が入っていた場合はメスのししゃもです。生焼けのメスのししゃものお腹(卵)はフニフニとやわらかいです。

お腹に触れてみて、卵が硬くなっているようであれば良い焼き加減です。または、実際に卵の状態を目で見て確認します。生焼けのししゃもの卵の色は半透明でピンクっぽい色をしています。

そして、焼き加減の良いししゃもの卵の色は白です。メスのししゃもの焼き加減を判断したい時は、お腹(卵)の硬さを確認する、もしくは卵が白くなっていることを確認すると良いです。

オスのししゃもの焼き加減は身の膨らみで判断する

オスのししゃもは身がふっくらと膨らんだら良い焼き加減です。

表面にほど良く焦げ目がついていても身の膨らみが不十分である時は、生焼けである可能性があります。火加減が強すぎると表面だけが焦げつき、生焼けになってしまいやすいです。

焦がしてしまいやすい場合、身がふっくらと膨らんだ後で見た目も美味しくするために焦げ目をつけるという方法がおすすめです。

ししゃもが生焼けだった場合の加熱方法

黒いホットプレート、木目調のテーブルの上

生焼けのししゃもは再度加熱してから食べてください。加熱方法は次の通りです。

フライパンを使った焼き方

生焼けのししゃもはフライパンを使って加熱することができます。

ししゃもをフライパンで焼く時、身がくっついてしまうことがあります。剥がそうとすると身がポロリと簡単に崩れてしまいます。

防ぐためにはフライパンに魚焼き用のホイルシートまたはクッキングシートを敷くと良いです。

シートの上で生焼けのししゃもを再び加熱します。弱火または中弱火がちょうど良い火加減です。あまり火が強すぎると生焼けのまま表面だけが焦げてしまいますのでご注意ください。

ホットプレートを使った焼き方

生焼けのししゃもはホットプレートを使って加熱することができます。

魚焼き用のホイルシートまたはクッキングシートを敷き、その上で生焼けのししゃもを再び加熱します。

フライパンよりもプレートが広めなので、生焼けになってしまったししゃもの数が多い時ほどホットプレートがおすすめです。

トースターを使った焼き方

生焼けのししゃもはトースターを使って加熱することができます。こんがりとした焼き目をつけやすいのもトースターをおすすめする理由です。

トレイの上にクッキングシートを敷き、その上で生焼けのししゃもを再び加熱します。良い焼き加減になるまでの時間はトースターによって異なることがほとんどです。

生焼けである場合には5分くらいが目安です。卵の色やお腹の膨らみを確認しつつ、焦げてしまわないように目を放さずに見ていてください。

電子レンジを使った焼き方(要注意)

生焼けのししゃもは電子レンジを使って加熱することができます。

しかし、お腹に卵の入ったメスのししゃもは電子レンジでの調理、生焼けのししゃもの再加熱、どちらもしてはいけません。

ししゃもの卵は薄い膜で覆われています。電子レンジで加熱すると水蒸気が発生しますが、逃げる隙間がありません。

そのため、逃げようとした水蒸気が膜を破り、電子レンジの中で爆発してしまうことがあります。

火傷や電子レンジの故障の原因になりやすいです。生焼けのししゃもを電子レンジを使って加熱することができるのは、オスのししゃもだけです。

お腹がぷっくりと膨らんでいなくても卵が入っていることがあります。電子レンジで加熱する前に卵の有無を必ずご確認ください。

生焼けを防いで美味しくこんがりと!ししゃもの焼き方

引き出した魚焼きグリル、シルバー

流通しているししゃものほとんどは冷凍です。スーパーなどでは解凍された状態で売られていることもあります。

生焼けを防いで美味しく焼いて食べたいのであれば、冷凍の状態のままで買うことをおすすめします。

解凍すると旨味が逃げてしまいやすい

解凍された状態で売られているししゃもは旨味を逃している可能性があります。解凍する時にドリップと呼ばれる水分が出ます。その水分と一緒に旨味も出て行ってしまいやすいからです。

凍ったままの状態で焼く

乾しししゃもは火が通りやすいです。旨味を逃してしまわないためにも凍った状態のままで焼きます。

魚焼きグリルで焼く場合には、まずグリル内をしっかり温めてください。予熱しておくことが生焼けにしてしまわないためのポイントです。

グリル内を十分に温めたら凍った状態のままししゃもを入れます。真ん中には置かず、両端に置いてください。ししゃもに火を均等に当てて生焼けを防ぐためです。

表面がふつふつするまで焼く

片面焼きタイプの魚焼きグリルの場合は、ししゃもの皮と身の間からふつふつと脂が出てきたら裏返します。裏側も同様に脂が出てきたら焼き上がりです。

両面焼きタイプのグリルの場合は裏返す必要がありません。表面からふつふつと脂が出てきたら焼き上がりです。

最後に

顔を上向きに並んだししゃも

生焼けのししゃもは食べても大丈夫なのか。乾しししゃもであれば生焼けで食べてしまってもそれほど問題はありません。

食中毒の危険性も低いです。ただし、生食用のししゃもは生焼けでは食べない方が良いです。

「食べないでください!」と強く言っても過言ではないはずです。寄生虫や細菌に感染し、食中毒を引き起こす可能性があります。

また、妊娠中の女性や風邪や体調不良によって免疫力が下がっている方は、乾しししゃもであっても生焼けでは食べないでください。

焼き加減の目安として卵の色やお腹の膨らみを確認しつつ、十分に加熱してお召し上がりください。

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