目次
レンジでラップを使う理由
温める効率が良くなる
電子レンジで温めるときにラップをするのは、鍋にふたをしたときと同じように中の温度が上がりやすい状況にしてくれたり、料理に熱を通しやすくしたり、と温める効率を良くするためにラップを使用します。料理に含まれている水分が蒸発しにくくなるといった働きをしてくれます。
水分を逃さない
電子レンジで温めるときにラップをすると、料理に含まれている水分を逃がさず、蒸発しにくくさせる働きをしてくれます。
電子レンジで温めると食品に含まれている水分は短時間で水蒸気になってしまいます。発生した水蒸気がラップの中にたまっていることで、蒸らす効果があります。
温めた後しばらくラップを外さないでいることで、余熱で蒸らすことが可能です。この余熱で蒸らすことで加熱する時間を短くすることができるのでエコにもつながります。
においを閉じ込める
電子レンジで温めるときにラップをすることで、においを閉じこめることができまるので、香りを逃がすこともありません。
例えばカレーからの美味しそうな香りは食欲を増進させてくれます。料理を美味しく食べるためには香りが逃げないようにしておくことも重要になります。
庫内の汚れを防ぐ
電子レンジでラップをする理由には、美味しい料理のためにラップをする以外にも、電子レンジの庫内ににおいがうつってしまうのを避けるためでもあります。
また、におい以外にも温めた料理が過熱しすぎた場合、電子レンジ庫内飛び散ってしまう事がありますが、ラップをして温めることで庫内の汚れを防止することができます。
電子レンジの庫内が汚れてしまっていると、電子レンジはマイクロ波を反射させて料理を温めているので加熱効率が下がるので、電子レンジの庫内は汚れがないきれいな状態を保つようにしましょう。
《 ポイント 》
電子レンジで温めるときにラップを使用する理由は、水分を逃がさずに温める効率を上げ、においを閉じ込めて電子レンジの庫内を汚れから守る効果があります。
レンジでラップを使わないほうがよい場合
電子レンジでラップをすることは食品の水分を保つ役割があります。そのため食品によっては水分をとばした方がより美味しく食べることができる料理もあります。
焼き物や天ぷらや揚げ物はラップをしないで電子レンジで温めるとカラッとした仕上がりになりバリッとした食感を楽しめるようになるので、ラップをしないで温めることをおすすめします。
カラっとした食感にしたい料理を温めるときに、ラップをしてしまうと水分をとばすことができなくなり、水分が衣についてしまうのでベチャっとした食感になってしまうので美味しさが減少してしまいます。
《 ポイント 》
水分をとばした方が美味しい仕上がりになる料理を温めるときはラップは使用せずに温めると食感も良くなる。
レンジでラップを使う時の注意点
ラップは「ふんわり」かける
ラップはどのような料理でも常にピンと張ってかけるのが良いと思っている方も多いかと思いますが、ラップはピンと張らずにふんわりかけた方が良いとされています。
ピンと張ってラップをかけてしまうと温めたときに発生した蒸気の力でラップが破れてしまう可能性があります。ピンと張ってしまうとラップの中の温度が早く上昇し、食品が短時間で温まるので短い時間温める場合にはおすすめです。
逆にじっくりと時間をかけて温める場合は、ゆるくふんわりとラップをかけるようにしましょう。
溶けないラップを使う
油分が多い料理を電子レンジで温めると、高温になりやすく温めている途中でラップが溶けてしまうことがあります。鯖などの油分が多い魚を温めるときに起こりやすいです。
一般的に販売されているラップの素材は主に3種類あります。
ポリ塩化ビニリデン
ポリ塩化ビニリデンのものが一番高価で耐熱温度も140度あります。においや水分や酸素を通しにくい特徴があります。
塩化ビニル樹脂
塩化ビニル樹脂のラップはよく伸びて器に密着しやすく熱にも強いのが特徴で、耐熱温度は130度あります。酸素や水分を透過するので食品の保管に向いていません。
ポリエチレン
ポリエチレンのラップは一番安価で耐熱温度は110度と比較しても低めです。酸素を通しやすいという弱点がありますが、野菜や果物など呼吸する食品の保管に向いています。
①使用するラップの耐熱温度に注意する。耐熱温度が高いラップを使用しましょう。
②ラップが食品に直接触れないように、深めの容器を使用して温める。
飲み物や味噌汁を温めすぎない
牛乳やコーヒーやお茶などの飲み物や味噌汁を温めるときにラップをする必要はありませんが、温め過ぎが原因となって「突沸」という現象が起こってしまうことがあります。
突沸は、加熱中や温め終わってレンジの扉を開けたときに、容器からボンと熱い液体が噴き出す現象です。
これは電子レンジが食品を温めるときの仕組みが原因になっていて、液体の一部は沸騰しているのに一部がまだ冷たいといった場合に、スプーンなどでかき混ぜるとすでに沸騰している部分が突然再度沸騰してしまう現象です。
火傷をしてしまう恐れがあるので飲み物を電子レンジで温めるときは注意しましょう。
①飲み物を温める時は容器の8分目くらいまでにする。
(※いっぱいまで入れてしまうと取り出すとき危険)
②容器の口は広めで、高さが低い容器を使用する。
③温めすぎてしまったと思った場合は温めた後すぐ取り出さない。
絶対に安全と言うことはできませんが、上記の3点に注意することで突沸が起きづらくなります。
《 ポイント 》
電子レンジで料理を温めるときは、ラップはふんわりとかけ耐熱温度に注意しましょう。液体を温めるときは突沸に注意しましょう。
電子レンジでラップに関するQ&A
A.ラップが溶けてしまっても、ラップには身体に悪い成分は含まれていないので身体に悪い影響はありません。
A.溶けたラップを誤って食べてしまっても身体に悪い成分が含まれておらず、消火もできないので排出されるので心配いりません。
A.天ぷらやから揚げや焼き物など水分をとばしたい食品を温めるときはラップは使わず温めましょう。
レンジの上手な使い方
電子レンジの上手な使い方紹介します。覚えておくと便利です。
庫内で食品を置く位置
お持ちの電子レンジのタイプで温めたい食品の置き方が変わります。
【ターンテーブルが付いているタイプ】
ターンテーブルがあるタイプは庫内の上部からマイクロ波を照射してターンテーブルが回転して食品を温めます。このタイプの場合、マイクロ波は外側に強くあたるので食品を置く位置はターンテーブルの中央から少しずらして外側に置きます。
耐熱皿を使って調理をする場合にはターンテーブルの中央の部分を空けて食材をドーナツ状に置きます。複数の食材をまとめて温める場合には、火が通りにくい物を外側に配置して、火が通りやすい物は内側になるように置いて温めましょう。
【フラットタイプ】
フラットタイプの場合、庫内の底面からマイクロ波を発生させて拡散させます。食品を均一に温めてくれるので加熱のムラが少なく仕上げることができます。このタイプの場合は温める物を電子レンジの庫内の中央に置きます。
耐熱皿を使って調理をする場合もセンサーが自動的に判断してくれるので、置き方も特にしていはありません。
電子レンジで「使えるもの」と「使えないもの」
電子レンジで温めるときに使用する容器も素材によって使えるものと使えないものがあります。
耐熱性が不足している場合や金属で火花が発生してしまうなど、使い方によっては故障の原因になってしまうこともあります。使用するときは電子レンジ加熱OKなどの表示を確認してから電子レンジで使用しましょう。
【使えるもの】
- 耐熱ガラス
- 陶器
- 磁器
- 耐熱性があるプラスチックやシリコンの容器
- クッキングペーパー
- オーブンシート
など
【使えないもの】
- ステンレス
- アルミ
- ホウロウなど金属容器
- 土鍋や素焼きの器
- 木製容器
- 漆器
- 金銀の模様がある陶磁器
- 耐熱性のないガラスやプラスチック製の容器
など
《 ポイント 》
電子レンジはターンテーブルタイプとフラットタイプでは、温めるものを置く位置が異なります。お持ちの電子レンジに合わせて温めるものを正しい位置に置いて温めましょう。
最後に
今回は電子レンジで温めるときにラップを使う理由と使わないほうが美味しくなる料理、レンジでラップを使うときの注意点などを紹介しました。
温める料理に合わせてラップを使用するかしないかを決めて料理を美味しく温めましょう。電子レンジもラップも料理を美味しくするための道具なので上手に使いこなしてください。