紙コップを電子レンジで温めるのがNGな理由

紙コップ

紙コップを電子レンジで普通にチンしている方は危険です!そもそも紙コップは電子レンジでの使用を想定して作られていません。紙コップを電子レンジでチンしてはいけない一番の理由は、紙コップの内側にコーティングされているポリエチレンというものが溶け出してしまう恐れがあることです。今回は、紙コップを電子レンジでチンしてはいけない理由や、どうしも電子レンジで紙コップを温めたいときの方法などをまとめましたのでご紹介いたします。

紙コップを電子レンジにかけるのはNG!

紙コップ 水

紙コップを電子レンジにかけるのは大変危険です。

電子レンジに紙コップをかけると危険な理由(一例)

  • 紙コップ内側にコーティングされているポリエチレンが溶ける
  • 紙コップの中身が飛び散りやけどの恐れがある
  • 紙コップが破損する可能性がある
  • 紙コップがふにゃふにゃになって持てない可能性がある

コーティングされているポリエチレンが溶ける

紙コップは紙なのにどうして中身が漏れないのでしょうか?それは紙コップの内側に水分が漏れ出さないよう、ポリエチレンというものを薄くコーティングしているからですが、紙コップを電子レンジにかけると、そのポリエチレンは溶け出し紙コップの中身に混じってしまいますので危険なんです。

ポリエチレンは耐水性には強いのですが、110℃を超えると溶ける性質があります。紙コップを電子レンジで加熱することによって110℃を超えてしまい、ポリエチレンは溶け出します。

ただし、紙コップの内側にコーティングされているポリエチレンは炭素と水素でできています。食品衛生法に適合した材質のポリエチレンを使用していますので安全です。電子レンジでの加熱により紙コップに溶け出したポリエチレンが飲み物や食べ物に混ざってそれを食べてしまっても人体には無害でし、人体に吸収されずに体外に排出されますので大丈夫です。

ポリエチレンは無害ですが、溶け出してしまうことで、内容物が漏洩、強度の維持困難、コップの破壊、に繋がり、やけどのリスクに直結しますので紙コップのまま電子レンジを使用するのはやめましょう。

中身が飛び散りやけどの恐れがある

紙コップを電子レンジで加熱した際、100℃以下で電子レンジを止めればポリエチレンが溶けない可能性もありますが、紙コップの温度は外からではわかりませんよね。油を含む飲み物、食品を入れた紙コップを電子レンジにかけると、耐熱温度の110℃を超えるのはあっという間です。

紙コップにラップをしたり、加熱時間を誤ったりすると、液体がいきなり激しく沸騰して飛び散る現象が起こり、飛び散った中身が肌にかかり大やけどのリスクがありますので大変危険です。

紙コップが破損する可能性がある

そもそも紙コップは電子レンジで使用することを想定して作られていません。紙コップは飲み物の沸点を考えた上で、耐熱温度を90℃として作られていますので電子レンジ不可です。紙コップでカップケーキを作るといったレシピを紹介しているサイトもありますが、紙コップのメーカーは推奨していませんので注意してください。

カップレンジケーキをつくる際の問題は、「内側にバターを塗る」ことと、「ラップをして1分程度加熱する」ことです。油分やラップで電子レンジにかけると高熱になりますのでポリエチレンが溶け出します。紙コップは紙というよりは、普通のプラスチックと同じように扱いましょう。

紙コップがふにゃふにゃになって持てない可能性がある

自動販売機でコンビニで販売している温かいコーヒーや紅茶、ココアなどの飲み物は90℃くらいだそうですので問題なく使用できます。また、沸騰した飲み物を紙コップに入れても問題ありません。

紙コップに入れた飲み物が110℃を超えることはまず無いと思いますので大丈夫ですが、ただし、紙コップは使い捨て容器ですので、長時間の使用を想定していません。長時間入れっぱなしにしておくと紙コップがふにゃふにゃにやわらなくなる可能性がありますので、使用時には気をつけてください。

紙コップを電子レンジで使用する方法(ただし自己責任)

電子レンジ 女性 指

紙コップの内側にコーティングされているポリエチレンは110℃を超えると溶け出します。110℃未満でしたら溶け出すことはありませんので、ほんの少しだけ温める程度でしたら、電子レンジで紙コップを温めることができます。

ただし、メーカーは紙コップの耐熱温度は90℃としていますので、水の沸点の100℃まで温めますと紙コップが耐えられずに中身が漏れる恐れがあります。それでもどうしても紙コップを電子レンジにかけたい方は「紙コップを電子レンジでチンする時の注意点」を守り、自己責任でおこなってください。

紙コップを電子レンジでチンする時の注意点

  • 油物を加熱しないこと
  • ラップをかけて加熱しない事
  • 加熱時間は20秒ずつなど短く区切って加熱する事
  • 沸騰するまで液体を加熱しない事
  • 調理物を温めすぎない事

これらの条件をしっかり守れば電子レンジを使用する事ができますが、電子レンジ内の紙コップの温度調整ができないことや破損の危険性を考えると、やはり紙コップを電子レンジにかけないことをおすすめします。

残ってしまった飲み物の正しい温め方

ホットコーヒーを持つ女性

紙コップに入れた飲み物を温めたい、または温めなおしたいこともあると思います。そんな時はマグカップなどの耐熱性のある物で電子レンジ使用可能の容器に移して温めましょう。それを再度紙コップに戻して飲むことができます。

電子レンジ対応の紙コップもある

紙コップ 飲む女性

電子レンジ対応の紙コップもありますが、短時間しか温めることができません。電子レンジ対応の紙コップでも長時間の加熱はできませんので、条件の時間をオーバーするとコーティングされているポリエチレンが溶け出す可能性がありますので注意してください。

電子レンジ対応紙コップの使用条件例

  • 500W未満で2分未満
  • 1000Wで40秒未満

また、解凍・加熱調理には使用できません。揚げたてのフライのような油料理は高温になりますので決して入れないでください。

その他注意点

「断熱の紙コップ」がありますが、「触っても熱くならない」という意味の断熱の場合が多く、電子レンジやオーブンやオーブントースター対応でありませんので注意してください。

紙コップは内側にポリエチレンをコーティングしていますが、断熱カップは外側にもポリエチレンが加工されていており、ポリエチレンを発泡させることで断熱させています。

断熱の紙コップを電子レンジにかけると、通常の紙コップと同じに110℃を超えるとポリエチレンが溶け出します。実際、断熱紙コップの注意書きには「電子レンジでのご使用はお止め下さい。」と書かれています。

オーブンで紙コップを使用する場合

燃えるオーブンと消化する人

オーブンやオーブントースターで紙コップを温めるのは、電子レンジで温めるよるもっと危険です。110℃を越えると紙コップをコーティングしているポリエチレンは溶け出しますが、オーブンやオーブントースターは直に食品を加熱していますので180℃~200℃を超える可能性があります。

110℃を越えた時点で紙コップの内側のポリエチレンが溶け出し、さらに加熱し続けたら、紙も焦げて炭化し、発火してしまう恐れがあります。オーブンやオーブントースターで紙コップは決して使用しないでください。

尚、ポリエチレンは炭素と水素でできていますので、ポリエチレンが燃えても二酸化炭素と水になり、有毒ガスなどは発生しません。

まとめ

紙コップ コーヒー

電子レンジで紙コップはチンできない理由などをご紹介致しましたがいかがでしたでしょうか?

紙皿も紙コップと同じにポリエチレンがコーティングされていますので電子レンジで加熱することはできません。紙皿には料理をのせることが多く、油などが使われていることを考えると110℃を超えるのはあっという間ですので、紙コップより危険かもしれませんね。

電子レンジに使える素材は、耐熱性プラスチック、耐熱性ガラス、シリコン、磁器でなどで、耐熱性の記述のない通常のプラスチックは電子レンジの使用はNGです。紙コップは紙だと思わずに、通常のプラスチックと同じだと考えて電子レンジの使用はやめましょう。

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