目次
揚げ物をするときの油の量はどれくらい?
揚げ物を家でしようと思うと、かなりの手間がかかります。また、揚げ物をする手間の他にも、油を大量に使うということもあります。
できるだけ油の使用量を抑えて揚げ物をしたいところですが、あまり油の量を少なくしすぎると、うまく揚がらなくなってしまうこともあります。そのため、揚げ物をする際には、油の適量で悩んでしまう人もいます。
天ぷら鍋での適量は?
天ぷらを揚げるためには、鍋の底から3cm〜3.5cmほどの高さくらいの油の量が必要となります。もし、油の量が少ないと食材に火が均一に通らず、うまく揚げることができないことがあります。
3cm〜3.5cmほどの高さとなる量であれば、意外と少ない油の量で済むと思ってしまう人もいますが、もし直径24㎝の鍋でこの高さまで油を入れると、約800mlもの量が必要になります。決して少ないとは言えないでしょう。
少量の油で揚げ物ができる!フライパンのメリット
揚げ物をする際に使う油の量を節約するために、鍋ではなくフライパンを使うこともできます。フライパンを使って揚げ物をすると、鍋で揚げ物をするときにはないメリットがいくつかあります。
1:口径が広い
フライパンは鍋よりも口径が広いです。そのため、食材が入れやすかったり、揚げているうちに食材同士がくっついてしまうということを避けることができます。
また、全体を把握しやすいため、どのくらい火が通っているかの状態もわかりやすいです。ただし、フライパンは鍋と違ってあまり深さがないため、具材を入れた際に、油のかさが増すことには注意しないといけません。
2:洗いやすい
揚げ物用の鍋は油ハネ防止カバーや、揚げた物の油を切るための置き場が付いていたりなど便利です。しかし、その分だけ鍋に細かなパーツが付いていたり、複雑な形をしている部分があったりなど、何かと洗いにくかったりします。
しかし、フライパンであれば作りはシンプルで洗いやすく、鍋よりも軽いことも多いので揚げ物が終わった後の片付けが楽になります。
3:熱する時間が短縮できる
鍋で揚げ物をするときに、油の量が多くてなかなか温度が上がらないということがあります。しかし、フライパンで揚げ物をする場合には、フライパンは底面が広いため火にかけたときに油が早く温まります。
また、フライパンで揚げ物をする際には、鍋よりも少ない量の油で済むため、さらに油が温まるまでの時間を短縮することができます。
揚げ物におすすめのフライパン
フライパンで揚げ物をすると、鍋で揚げ物をする際にはないメリットがいくつかあります。そのため、揚げ物はフライパンでするという人もいます。
しかし、フライパンはもともと揚げ物をするための道具ではありません。そのため、フライパンで揚げ物をよくするという人は、少しでも揚げ物がしやすい形をしたフライパンを選ぶと良いでしょう。
小さいフライパン
フライパンで揚げ物をするときには、大きなフライパンの方が揚げやすそうに思えますが、小さなフライパンを使った方が油の量が少なくて済みます。
油の量が少ないことは節約にもなりますが、それだけではなく小さなフライパンで油の量を少なくした方が油の温度が保ちやすいということもあります。そのため、油の飛び跳ね、飛び散りなどを最小限に抑えることもできます。
おすすめの小さいフライパン
深いフライパン
先に述べた通り、フライパンはもともと揚げ物をするための道具ではなく、鍋と違って深さがあまりありません。そのため、具材を多く入れすぎて、油のかさが増すことには注意が必要です。
深さがない分、揚げ物をした際には油ハネによってコンロの周りが汚れたり、火傷をする可能性もあります。そのため、少しでも油ハネを抑えるために、深さのあるフライパンを使うと良いでしょう。
おすすめの深いフライパン
厚いフライパン
揚げ物を美味しく仕上げるためには油の温度を保つことが必要となります。もし、温度が低い油で揚げ物をしてしまうと、ベチャッとした仕上がりになってしまいます。
油の温度を保つためには厚いフライパンが適しているので、2mm〜3mmの厚みがあるフライパンを使うようにしましょう。薄いフライパンで美味しい揚げ物を作ることも可能ですが、火加減によって油の温度を調節する必要があります。
おすすめの厚いフライパン
フッ素樹脂加工のフライパン
フライパンで揚げ物をする場合は、油を高温に熱します。そのため、フライパンがその高温の油によってすぐに傷んでしまいます。
ですが、フッ素樹脂加工されたフライパンであれば、フッ素樹脂は260度まで耐えることができるので揚げ物によるフライパンの傷みを軽減することができます。
ただし、テフロン加工の場合は高温の油に長く接していると、テフロン加工が剥がれてしまい、フライパンの寿命が短くなるので注意が必要です。
おすすめのフッ素加工フライパン
フライパンで揚げ物をするときのコツ5つ
フライパンで揚げ物をすることにはいろいろなメリットがあります。しかし、フライパンはもともと揚げ物をするための道具ではないため、美味しく揚げ物を仕上げるためには少しコツが必要となります。
コツ1:食材を小さく切る
フライパンは鍋よりも、少ない油の量で揚げ物をすることができます。しかし、油の量が少ないことで、その分だけ火が通りにくいというデメリットもあります。
そのため、少ない油の量でも食材に火が通りやすくなるように薄く切ったり、小さく切ったりなどするようにしましょう。
ただし、食材によっては細かく切ることで水分が出る物もあるので、そのような場合はキッチンペーパーなどで水分を拭き取っておきましょう。
コツ2:油の量は少なめ
鍋で揚げ物をする場合には、3cm〜3.5cmほどの高さまで油の量が必要となります。しかし、フライパンの場合は鍋よりも少ない量の油で揚げ物ができるため、油は1cmほどの高さがあれば大丈夫です。
1cmの目安は菜箸の先端に付いている滑り止めの凹凸が半分くらい浸かる程度となります。フライパンにあまり油を入れすぎると、具材を入れた際に油が溢れたり、油ハネが酷くなったりするので注意が必要です。
コツ3:温度は温度計・菜箸で調整
先に述べた通り、美味しく揚げ物を仕上げるためには温度が重要となります。揚げ物に適した油の温度は食材によって異なります。そのため、食材に合わせて油の温度を調節する必要があります。こちらのような温度計を使うと簡単に測ることができます。
揚げ物用の温度計
温度計以外にも、油の温度を測る方法はあります。コツさえつかんでしまえば簡単ですので、下記表を参考にして油の温度管理をしましょう。
菜箸を油に付けたとき | 温度 |
箸先から細かい泡が出てくる場合 | 150~160℃ |
箸全体から泡が出ている場合 | 170~180℃ |
箸全体から大きな泡が出ている場合 | 180~200℃ |
コツ4:食材を油の中へ入れる
揚げ物を美味しく仕上げるコツは油の温度を保つことです。しかし、フライパンで揚げ物をする際には、油の量が鍋で揚げ物をするときよりも少ないです。
そのため、食材を一気に入れてしまうと、油が少ない分、油の温度も下がりやすくなってしまいます。そのため、フライパンで揚げ物をする際には、少しずつ食材を入れて、油の温度を保つことが重要となります。
コツ5:一度ひっくり返す
フライパンは鍋のように深さがありません。そのため、フライパンで揚げ物をする際には、食材をひっくり返すという工程が必要となります。
しかし、何度も食材をひっくり返してしまうと、衣が剥がれてしまうことがあるため、油に浸かっている片面の衣が固まってきたときに、1度だけひっくり返すようにしましょう。
揚げ物後の油の保管方法4つ
1度の揚げ物で油を処理してしまうことはもったいないため、何度か揚げ物に同じ油を使うという人も多いです。揚げ油を保管しておく場合には、揚げ物が終わった後にそのままにしておくのではなく、幾つかやっておくべきことがあります。
保存方法1:熱いうちにとりかかる
揚げ油を保管する際に、揚げ物が終わった後すぐに油の保管のための作業をせず、先に食事を済ませて、洗い物が済んだ後、最後に油の作業を始めるという人もいます。
しかし、揚げ油の保管作業は揚げ物が終わった後の、油が温まった状態で行うことが望ましいです。油が温まった状態の方が保管作業に必要な天かすの除去や、濾過などがしやすいです。
保存方法2:天かすを取り除く
上記で述べた通り、揚げ油の保管作業は油が温かいうちに行います。まずは天かすを網じゃくしなどで取り除きます。天かすを取らずにそのままにしておくと、油が傷んでしまいます。
また、取り除いた天かすは一箇所に集めて、そのまま放置していると、油分が空気中の酸素に触れて発熱することがあります。場合によっては発火することもあるので扱いには注意しましょう。
保管方法3:油こし器にうつす
天かすを取り除いたら、保存容器に油こし器をセットして揚げ油を移します。油こし器で油を濾過することで、網じゃくしで取れなかった細かなかすを取り除きます。
このとき、油の温度が下がっていると油に粘りが出てしまい、うまく濾過できないことがあります。そのため、油の保管作業は油が温かいうちに行う必要があります。
保管方法4:冷暗所に保管する
揚げ油を保存容器に移せたら、油が完全に冷えるまで待ちます。油が完全に冷えたら蓋をして冷暗所で保管します。
もし、油が完全に冷えていない状態で保存容器の蓋をしてしまうと、油から出る水蒸気によって、油に水が混入してしまって次に使う際に危険となります。
また、油は光、熱、空気を避けて保管しないといけないので、容器に蓋をして冷暗所で保管します。
揚げ物後の油の処理方法5つ
揚げ物に使った油を1回で処理してしまうのはもったいないので、しばらくは揚げ物に使った油を保管して、何度か使うという人は多いです。
しかし、油は酸化していくので、保管期間や揚げ物に使った回数などによって、最終的には処理をして捨てないといけません。油はそのまま捨てることはできないので、正しい方法で処理をする必要があります。
処理方法1:油の色や粘りをチェックする
揚げ油は保存期間が長くなってきたり、揚げ物をした量や回数などが増えてくると、劣化してきます。油が古くなってくると、色が濁ってきて明らかに使い始めたときと色が変わってきます。
また、使い始めはサラサラとしていた油も、劣化してくるとドロっとしてくるので、色や粘りを確認して捨てるタイミングを考えましょう。
処理方法2:排水溝に直接流さない
油を排水溝にそのまま流してしまうと、排水管が詰まってしまう可能性があります。油が詰まってしまった場所によっては多額の修理費用を請求されてしまう可能性もあります。
また、何よりも油をそのまま流すことは自然環境に良くないことなのでやめましょう。
処理方法3:新聞紙などに油をしみこませる
油はそのまま流すことはできません。そのため、新聞紙やキッチンペーパーなどに染み込ませて、燃えるゴミとして捨てるようにしましょう。新聞紙を入れた牛乳パックやビニール袋に油を入れて吸わせると楽に捨てることができます。
このとき、牛乳パックやビニール袋に穴が空いていないか、よく確認して口もしっかり閉じるようにしましょう。また、必ず油は事前に冷ましておくようにしましょう。
処理方法4:凝固剤などを用いる
使用済みの油は凝固剤で固めることで、そのまま燃えるゴミとして捨てることができます。油の凝固剤はスーパーやドラッグストアなどで購入できます。処理が簡単ではありますが、油が固まるまでに時間がかかるため、すぐにフライパンや鍋を洗うことはできません。
処理方法5:可燃ごみとして出す
先に述べた通り、新聞紙などに染み込ませたり、凝固させた油は燃えるゴミとして出すことができます。ただし、自治体によっては燃料などに再資源化するために使用済みの油を回収しているところもあるので、油の捨て方については自治体にも確認してみましょう。
油が少量で済むフライパンで揚げ物をするのがおすすめ!
揚げ物は大量の油を使うため、後が面倒と思ってしまうこともあります。しかし、少量の揚げ物であれば、フライパンを使うことで少ない油で揚げ物をすることもできます。
ただし、フライパンで揚げ物をする場合には、いくつかコツがあります。それらを把握して美味しい揚げ物を作りましょう。