揚げ物油を再利用する方法と廃棄する目安

ジュワジュワ揚げ物

大量の油を使う揚げ物ですが、1回使ってすぐ棄ててしまうと予想外にコストが掛かってしまいます。なんとかあの油を無駄なく使いたいと思う事はないでしょうか?では具体的にどのくらい再利用ができるのか?再利用した際の注意点や問題点はどこにあるのか?それら揚げ物の油を無駄なく安全に使うためのポイントをまとめてご紹介します。

揚げ物油の再利用方法

揚げカスを取る

揚げ物油を使い終わった後に、また再利用するためには必要な手順があります。これをやっておくことでまた次回も比較的綺麗な油のまま使うことができるので、可能な限りしっかりと手順を踏んでおきましょう。

なるべく早く揚げカスを取り除く

揚げカスは油を痛めてしまう原因となるので、揚げ物が終わったら油が熱いうちに網杓子などで手早く取り除くようにしましょう。なるべく取れる分は取り除いたほうが良いですが、この後にろ過するので応急措置程度の気持ちで大丈夫です。

揚げ油をこす

熱い状態から暖かい状態程度にまで熱が冷めてきたら、油の保存容器に油を移していきます。大抵の油保存容器には丈夫である程度細かい金網が付いています。

ですが、それだけでは細かい汚れを取り切れないので、油濾し紙やキッチンペーパーなどを敷くことで小さな汚れも取り除いてより綺麗な油に戻すことが出来ます。油は冷めると粘度が増して濾過に時間がかかりすぎてしまいますので、ほどほど温かいうちにやっておくと良いでしょう。

冷暗所で保存し、早めに使い切る

温度が高い状態だと酸化が進みやすくなってしまうので、油がしっかり冷えたのを確認して蓋をしましょう。また一度使用した油は酸化の進みが早くなるので、なるべく早く使い切るようにしましょう。

揚げ物油を廃棄する目安

コロッケを調理

揚げ物油はどのくらいの量を揚げたか、どのような方法で揚げたかでも劣化の度合いが違ってきます。油を新しくする交換の目安を挙げますので、使う時にこれらのポイントをチェックしてみましょう。

3~4回を目安に棄てる

油は加熱して使うたびに酸化が激しく進み、トランス脂肪酸が発生することになります。当然油を使った料理にもこのトランス脂肪酸はたくさんついてきますので、大量に取り入れ続けることで体調に問題が起きる可能性もあります。問題なく使える目安が3~4回になります。

2週間~1ヶ月経過したら棄てる

使わずに保存しておいた場合でも、空気と触れることで酸化はどうしても進んでしまいます。気温や状況によっても期間は変化してきますが、基本的に2週間から1ヶ月経過したものは使わないようにする方が、安全と言えるようです。

濃い茶色に濁っている

繰り返し使用した油は食材の成分を吸い込んでどんどん色が濃くなっていきます。まだ2回目くらいであったとしても濃い茶色になる場合は、多くの揚げ物が通過した証拠ともいえます。

粘りがでる

粘度が高くなり、新しい油と比較しても明らかにドロッとした感触になってきます。菜箸でかき回しても感覚が違うことが分かると思うので交換の目安にしましょう。

泡が消えにくくなる

上記の粘度に付随する問題ですが粘度が高くなることで泡が消えにくくなり、揚げ物をするとすぐ表面が泡でいっぱいになってしまうようになります。

180℃くらいで煙が出る

新鮮な油であれば230℃~240℃くらいまでは煙が出ないはずですが、古い油は180度ほどですぐにケムリがたくさん出てしまいます。

嫌なにおいがする

油は食材から色々な成分や栄養素が溶け出します、それらが油とともに酸化して嫌な臭いを発するようになると、もはや食べるには適さないと考えて良いでしょう。

揚げ油を長持ちさせる裏技

じゃがいもと皮

傷んでしまう揚げ物油を、少しでも長持ちさせる裏技をご紹介します。ちょっとした余り物で試すことが出来る物も入っているので、できそうな範囲で試してみてください。

梅干を黒くなるまで一緒に揚げる

揚げ物をする際に一緒に梅干しを1~2個揚げることで、油の劣化に伴って発生するアルデヒドを梅干しのクエン酸が中和して有害な物質を減らせると言われています。また梅干しを一緒に上げると油の粘度が上がりづらくサラサラな状態を保つことが出来ます。

ジャガイモの皮を揚げる

揚げ物が終わった後の油で、じゃがいもの皮を5分ほど揚げます。ジャガイモの皮にはセルロースという食物繊維が含まれており、これが古くなった油の酸化物を吸着してくれるため、油が綺麗になります。

冷やご飯をバラバラにして揚げる

冷やご飯をなるべくバラバラにほぐして、温度の高いままの油に投入します。菜箸などで油をゆっくりかき回すと、ご飯粒が細かな汚れやカスを吸着して油を綺麗にしてくれます。粗方綺麗になったら網杓子で取り除きましょう。

水溶き片栗粉を使って油を綺麗にする

まずボウルなどにキッチンペーパーを敷き、そこに熱を取った使用済みの油を投入します。水200mlに片栗粉大さじ3杯を溶かした水溶き片栗粉をこの油の中に入れて、片栗粉が沈殿するまで5分ほど待ちましょう。

5分経過後に片栗粉がこぼれないように慎重にキッチンペーパーを引き上げると、驚くほどきれいになった油がボウルに残ります。この方法では手間がかかりますが、片栗粉の微細な粒子が目に見えないような汚れまで吸着してくれるのでとても綺麗にする事ができます。

古い油を使い続けるとどうなる

コレステロール

まだ大丈夫そうだ、と思ってついギリギリまで使いまわしてしまう油ですが、無理に使い続けると体に悪影響を及ぼす事があります。油が酸化することにより増えるトランス脂肪酸は多量に摂取すると悪玉コレステロールを増加させるため、心疾患のリスクが高まると言われています。

また多量なトランス脂肪酸の摂取は肝臓での処理が追いつかなくなることにより、血液に乗って血管の壁などに蓄積し、血管が詰まる原因ともなります。また肥満、アレルギー性疾患(喘息やアレルギー性の鼻炎等)、妊産婦だと胎児への影響も報告されており、注意が必要です。

ボケや認知症、アルツハイマーの原因とする説もあり、お年寄りの摂取についても気を使ったほうが良いと言えるでしょう。

揚げ物油を使う順番と汚れやすい食材

野菜を揚げる

揚げ物をする際に、油が汚れにくい順番や油を沢山使いやすい物、あまり使わないものなどを把握しておくことで、油をなるべく無駄なく使い、残りにくくする事ができます。揚げ油があまり残らないのであれば、古くなることを気にせず済むので一石二鳥と言えますね。

使う順番

油は最初から大量に入れるのではなく必要分だけを入れて足りなくなったら適時さし油をしながら量を調節します。油を汚しにくい料理から始めると良いでしょう。

一般的に油の使用量から考えて「素揚げ→天ぷら→フライ・カツ→鶏のから揚げ」といった順序で油を使っていくことで過度に油を汚さず余らせずに使えます、また炒めものなどをする際にここで残ってしまった油を使うのも良いでしょう。

油には食材の味や風味も移っているので組み合わせによっては普通のサラダ油と違い旨味を増やす事ができる場合もあります。

汚しやすい食材

牡蠣、魚、鶏肉などは、油に溶け出しやすい成分を含んでいるためなるべく最後に揚げると良いでしょう。またフライやから揚げなどは、パン粉や小麦粉が沈みやすいためこれもなるべく後回しにしましょう。

最後に

ジュワジュワ揚げ物

揚げ物をする時は梅干しを使ったり、じゃがいもを使ったりしたのなら余った皮も揚げて綺麗に保ち、粘度や臭いに違和感がある場合はなるべく安全策を取って棄てるようにしましょう。

炒めものや、油を吸う料理などの順序を考えて使うことで無駄は大きく減らせますので、普段の献立を考える際に油を使い切れる順序・レシピも判断材料として組み込んでみてはいかがでしょうか。

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