目次
漂白剤でピンクに変色してしまう原因
主な原因は「日焼け止め」
漂白剤でピンク色に染まってしまう原因は、日焼け止めの成分の一部と塩素系漂白剤が化学反応を起こすことです。
夏場に着る機会が多い白いシャツやTシャツは、洗濯をしても汚れや黄ばみがなかなか落ちないので、真っ白な状態にするために漂白剤を使うことが多く、化学反応による変色を引き起こしてしまいます。
洋服に直接日焼け止めを塗ることはなくても、首や腕に塗った日焼け止めが衣類に付着するので、知らず知らずのうちにピンク色に染まってしまうことがあります。また、日焼け止めを塗っていないはずのズボンにも無意識のうちに移って変色することも。
スプレーの日焼け止めには要注意!
スプレー式の日焼け止めは特に注意が必要です。飛沫した日焼け止めの成分がどこに付着したか分からない状態で漂白剤を使ってしまうと、あらゆる箇所がピンク色に染まってしまう可能性があります。
化学反応してしまう漂白剤の種類とは?
漂白剤には実は大きく「酸化型漂白剤」と「還元型漂白剤」があります。酸化型と還元型とでは、色素を分解する仕組みが異なります。
- 酸化型:物質に酸素を結合させる反応により色素を除機する
- 還元型:物質から酸素を奪う反応により色素を除去する
一般的に家庭用で使われる漂白剤は、酸化型漂白剤になります。
ピンクになるのは酸化型の「塩素系漂白剤」を使うため
酸化型漂白剤はさらに「酸素系」と「塩素系」に分けられます。塩素系の漂白剤の主な成分は「次亜塩素酸ナトリウム」で、酸素系に比べると漂白力が強いので、色柄物には使えないと言われています。漂白剤でピンク色に変色してしまうのは、塩素系漂白剤を使用した場合です。
酸素系でもピンクに染まるのはなぜ?
酸素系でもピンク色に染まる場合は、過去に使用した塩素系漂白剤の成分がまだ衣類に付着している可能性があります。また日焼け止めでなく、ファンデーションでも日焼け止めと似たような成分が入っているものは、変色する可能性があります。
塩素系漂白剤は白物衣料向けですが、ウール、絹、ナイロン、ポリウレタンなど、素材によっては使えないものがあるので、使用上の注意を確認するようにしましょう。
漂白剤でピンクに変色してしまったときの戻し方
漂白剤を使って衣類がピンク色に変色してしまう原因を説明しましたが、実際に変色してしまった場合、どのようにして白い状態に戻すのか説明します。
ポイントは、変色しているのは日焼け止め成分ですので、日焼け止めを落とせばもとに戻るという点です。実は、変色がひどくなければ普通に洗濯すれば落ちます。ピンク色に染まって焦ってしまいますが、慌てずにいつもどおり洗濯をしてみてください。
もし、普通に洗濯しても落ちなかったり、変色がひどい場合は、下記の方法を行ってみましょう。
ピンクの変色がひどい衣類の洗濯方法
- 変色している部分に液体洗剤を原液のまま塗り、10~15分ほど置く
- 生地を傷めない程度に、ぬるま湯でやさしくもみ洗いする
- よくすすぐ
- すすいだ後、衣類を確認し、まだピンク色が残っている場合などは上記手順をくり返す(何回か繰り返し行うことにより徐々に戻る)
注意点
漂白をした直後の場合は、よくすすいでから軽くしぼり、液体洗剤を塗るようにしましょう。また、もみ洗いは水よりもぬるま湯などのほうが効果的です。
液体洗剤は、洗浄力の高い濃縮タイプのほうが効果があります。固形石鹸やポイント用洗剤も変色箇所に塗りやすいのでオススメです。
漂白剤でピンクに変色してしまうのを防ぐ方法
ピンク色に染まらないようにどうすればいいのか、防止する方法をご紹介します。
脱いだら早めに洗う
首や腕に日焼け止めをつけていた場合、衣類にも日焼け止めがついているので、脱いだら早めに洗剤で洗いましょう。日焼け止めが付着した部分をしっかり部分洗いしておくと効果的です。
特定の衣類には無蛍光のものを使用する
生成(きなり)やパステルカラーの衣類の場合は、無蛍光の液体洗剤を使うことをおすすめです。洗濯する前に洗濯表示を確認しましょう。
塩素系漂白剤を使わない
すべての日焼け止めで変色が起こるわけではないのですが、日焼け止めが付着した衣類には塩素系漂白剤の使用は避けましょう。酸素系の漂白剤ならばピンク色に変色する心配はありません。
まとめ:日焼け止めの成分を落とせれば元通りになる
漂白剤で衣類がピンク色に染まる原因から対策まで説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。
基本的には、衣類を洗濯する時に漂白剤でピンク色に変色してしまった場合でも慌てずにもう1度洗濯することで元通りにすることが可能です。
1度の洗濯で落ちない場合にはしっかり揉み洗いをして繊維の中に入り込んだ日焼け止め成分を落とせば、変色してしまった部分も元のきれいな状態に戻せます。
また、今回予防策もあわせて紹介しましたので、これからは予防策を取ることにより、ピンク色に染まることが回避されていくでしょう。