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使用後の除湿剤の捨て方
使用期限が過ぎた除湿剤の捨て方をご紹介します。除湿剤にはタイプが3つあるので、それぞれ捨て方がちょっと異なります。
容器に水が溜まる「タンクタイプ」の捨て方
容器内に入っている除湿剤(塩化カルシウム)が、水分を吸収して水溶液に変化して湿気を取り除くタイプです。「水とりぞうさん」という有名な商品がありますが、一度は見かけたことはないでしょうか?
使用期限を過ぎても使い続けたり、傾けたりすると水溶液がこぼれてしまうので扱いには注意が必要!タンク内に入った水溶液と容器自体の捨て方が違います。
- 透湿シール、水捨てシールをはがす
- 水道水を流しながら水溶液を流す
- 粒が残っていたらお湯で流す
- 捨てるときは容器は「不燃」、シールは「可燃」
手に水溶液が付かないように、ゴム手袋をはめて透湿シールをはがしてください。はがしにくい時はカッターやハサミを使うと良いでしょう。透湿シールをはがしたら、中の水溶液を流し台に流してください。
流す時は必ず水道水を流しながら捨てましょう。水溶液はいわば「とっても濃い塩水」です。水道水で流さないと排水管を錆びさせてしまいます。
透湿シールをはがす時に使ったカッターやハサミも錆びるのでこちらも水洗いしてしっかり水気を拭き取りましょう。流す時はトイレでもOKです!たまに水を流す時に白い粒が出てきますがなんの問題もありません。
白い粒の正体は液体になりきっていない除湿剤(塩化カルシウム)です。水では溶けにくいのでお湯で流しましょう。しかし、粒が残っているという事はまだ吸湿力が残っているという事。捨てるのはまだ早かったかもしれませんね。
水溶液も捨てたら後はゴミ箱にポイと捨てるだけです。タンクタイプの容器は主にプラスチックなので不燃ごみ(またはプラスチックと同じ分類)に捨てましょう。
透湿シールは紙になるので可燃ごみです。自治体によってはプラスチックの分類が異なる、もしくは除湿剤自体の捨て方に指示があるのでお住いの自治体HPを見てください。
ゼリータイプ
ゼリータイプは、吸収した水分を水溶液に変えるのではなくゼリー状に変化させる力があります。吸湿量はタンクタイプにかないませんが、ゼリー状なのでタンクタイプのようにこぼれたり溢れたりする心配がありません。
- 除湿剤が無くなっているのを確認する
- 不燃ごみに捨てる
中に入っている白いつぶつぶした石が除湿剤です。石がなくなり完全に容器内がゼリーになっていたら捨て時です。ゼリーは燃えるゴミと思いきやプラスチック類と同じ不燃ごみです。間違えない様に気を付けましょう。
しかし、完全なゼリーになっても実は再利用ができます。その詳細は、また後ほど説明しますね!
ジェルタイプ
乾燥した食品やお菓子の袋に小さくパックされた乾燥剤を見かけませんか?その乾燥剤と同じ「シリカゲル」という物質を使った除湿剤です。
- 完全にジェルになっているのを確認する
- 袋ごと「可燃ごみ」、または「不燃ごみ」に捨てる
ゼリータイプと同じように、しっかり吸湿しきっているかを確認してください。これがやっかいなのですが、ジェルタイプは地域によって可燃か不燃かが全く違います。
必ず自治体のHPを見てください。ジェルタイプは、吸水すると発熱するという恐ろしい性質を持っています。水分に触れるとゴミ袋内で発火の恐れも考えられるので注意が必要です。
除湿剤を捨てる際の注意点
除湿剤は薬品ですので、捨てるときには絶対に守ってほしいポイントがあります。小さなお子さんがいるご家庭は特に注意しましょう。
捨てるときはゴム手袋を必ず着用
除湿剤は塩化カルシウムとお伝えしましたね。塩化が水を吸ったらかなり濃い塩水の出来上がりです。なので捨てるときは手に付かない様に必ず手袋を着用してください。
塩水は美容や傷の治りにいいと聞きますが、そういった塩水はちゃんと塩分調整がされています。除湿剤でできた塩水は美容液や海の塩水とは比べ物になりませんよ?肌の弱い人ならすぐに肌荒れを起こしますし、ひどいと皮膚炎になる恐れが!
除湿剤の水溶液を飲んでしまったら?
そしてもっと怖いのは除湿剤の水を飲んでしまった時です。「一体誰がそんな水飲むものか」と思いますが、小さなお子さんは興味本位で飲んでしまう事があります。
それを飲んでしまうという事は大量の塩分を摂取したことと同じです。体から排出するため、すぐさまたくさんの水を飲んでください。そこまで害はないと思いますが、念のためにお医者さんに見せましょう。
除湿剤を捨てるときの疑問点
除湿剤の捨て方を紹介しましたが、読んでいてふと疑問に思うことはありませんでしたか?「流し台ではなく道に捨てたらどうか?」「液体を乾燥させたらまた使えるんじゃないか?」では、その疑問にお答えしていきましょう。
除湿剤の水を庭や道路に捨ててもいい?
除湿剤の水溶液をわざわざ流し台やトイレに流さなくても、外に捨てれば早いんじゃない?と思いますよね。ですがそれは絶対にNG。
除湿剤の水溶液はしつこく言いますが「めちゃくちゃ濃い塩水」です。塩水を外に捨てる行為は「塩害」そのものです。除湿剤の水溶液くらいで何が恐いんだと感じるかもしれませんが、色々な害がありますよ。
- 車を錆びさせる
- 外壁を錆びさせる
- 周りの植物を枯らせる(除草効果)
- 草木の生えない土壌に変える
あまりに強い塩分なので、そこら中の金属類や植物への影響が心配です。それが自分の家だけならまだしも、ご近所さん宅まで影響が出るのが恐いところ。近所トラブルに発展させないためにも絶対に外に捨てないでくださいね。
再利用できるの?
除湿剤は大気中の水分を吸い取っていますから、その水分を乾燥させてしまえばまた再利用できます。始めに除湿剤を3つのタイプで紹介したので、それぞれの再利用方法を見ていきましょう。
タンクタイプ
タンクタイプは残念ながら、再利用できません!再利用する時は太陽の光で水溶液を蒸発させますが、中に入っている水分を蒸発させるのに時間がかかりすぎるため再利用は難しいのです。
しかし、使用限界は他の2タイプよりも大容量で、350~500ml程度も吸水可能です。小さいペットボトル並みですね。ですが、そこまで使用できると気付かずに捨ててしまう人が意外と多いんです。もったいないので必ず限界まで使いましょう。
ゼリータイプ
ゼリータイプは、完全にゼリーになった除湿剤を天日干しさせれば蒸発してゼリーから石ころに戻ります。これを繰り返せば5回くらいは再利用できるでしょう。
ジェルタイプ
ジェルタイプは中の色がピンクになっていなければ(商品によります)まだ使用できます。また、保水性に優れているので、再利用の限界が過ぎればプランターに置いておきましょう。肥料の流出を保護して長持ちさせてくれます。
除湿剤の水をこぼしてしまった時の対処法
「やばい!除湿剤の水こぼしちゃった!」「床は大丈夫なんだろうか…」タンクタイプの除湿剤はたっぷり水が入るので、あやまって床にぶちまけてしまう事なんて珍しくありません。もしもこぼしてしまっても慌てなくて大丈夫!すぐに対処できますよ。
濡れた布巾でふき取る
除湿剤の水溶液をこぼしたら、水溶液に含まれる塩分でこぼした場所がベタベタになっています。水でたっぷり湿らせた布巾で拭き取りましょう。拭いたら乾いた布巾でふき取ります。
恐らく一度ではこのベタベタは取れないので、濡れた布巾と乾いた布巾の作業を何度も根気よく続けてください。床についた除湿剤がずーっと空気中の水分を吸い取っているからなかなか落ちないのです。
そこまで吸い続けるとは、逆にすごい!こぼして間もない時は床に水溶液が浸透する前にサッと乾いた布巾でふき取ります。そうすると、後が楽になりますよ。
衣類に付いたら?
もしも衣類についてしまったら、すぐに衣類が手洗い可能かどうか調べてください。手洗いができるのなら、バケツか桶に入れた水で軽く水洗いしてベタベタを落とします。ある程度落ちたら洗濯機にいれましょう。
もし手洗いができなければ霧吹きで水溶液がついた箇所を濡らして、乾いた布巾で拭くを繰り返します。あとはクリーニング店でプロに任せましょう。その際は、必ず「塩化カルシウムがついている」と伝えてください。通常のクリーニング法では除湿剤の水溶液を落とせません。
さいごに
以上が、除湿剤の捨て方とこぼしてしまったときの対処方法でした!日本は湿度がとっても高い国、どの地域でも除湿剤は頼れるアイテムです。除湿剤は一度設置したら長くて一年もちますから、「どうやって捨てるんだっけ?」と戸惑うこともあるでしょう。
タンクタイプなら水を捨てる必要があります。そして容器の捨て方は自治体によって変わるので、問い合わせるのが一番でしょう。また、捨てる前に確認してほしいのが「使用限界かどうか」です。
除湿剤はすぐ石ころ(塩化カルシウム)が見えなくなってもう使えないのかな?と思われがちですが、容器いっぱいになるまで使い続けられるし乾燥させればまた石ころが復活します。もしも床や衣類にこぼしてしまったらすぐに対処しましょう。
中に入っている水溶液は要するに「濃い塩水」。それを意識すれば慌てなくても大丈夫ですよね。ちょっと根気がいりますがたくさん拭き取るだけで解決です。この記事を参考に除湿剤を正しく処分できるようになりましょう。