紙製の容器が電子レンジで加熱できない理由と使用する裏ワザ

色々な紙製品

電子レンジを使用する際に、アルミ箔などの金属製の容器を入れると発火する危険があることは広く知られています。金属製品以外でも、たとえば液体を入れた紙製の容器を電子レンジに入れたら、数秒で容器がふにゃふにゃになってしまったという経験はありませんか?金属製と同様に紙製の容器は電子レンジで加熱してはいけないのでしょうか?

紙製の容器が電子レンジで使えるか?

色々な紙製品

いちいちタッパーに移さなくてもスーパーで買ってきた紙製の容器のまま電子レンジで使えたら便利ですね。しかし、紙製の容器は一般的に電子レンジで使用することを想定していません。したがって、一般論としては紙製容器を電子レンジに入れて使うことは控えた方がいいでしょう。

紙製の容器を使わない方がいい理由

電子レンジは電磁波を食物や飲料に照射して水分に振動を与え温度を上げる仕組みです。紙は湿気などで水分を多少含むので、電磁波が照射されると紙製品自体の温度が上がり強度が保てなくなってしまいます。

さらに、紙製の容器の中身が高温になれば、紙製の容器が熱をもって発火し、燃える危険性があります。特に内側にアルミ加工をした紙製品は発火の危険性が高いです。

また、紙製容器の内側に貼られた耐水用のポリエチレンが溶け出し、容器の中身のスープやお茶が混濁してしまうこともあります。

中身によっては紙製も使える

一方で、紙封筒に入れた銀杏を電子レンジでチンすれば美味しく食べられることは広く知られています。なかなか銀杏が弾けてくれないときなど、多少加熱時間をオーバーしても紙封筒は発火したりしません。

そのため、一概に紙製品のすべてについて電子レンジに入れてはいけないとは言えないようにも思われます。紙製品の種類や紙製の容器に入れる中身によっても、電子レンジの使用の可否が左右されるようです。

電子レンジに紙コップをかけると危険な理由

紙コップ

電子レンジで紙コップに入った珈琲などを加熱しようとしたことはありませんか?実はそれはかなり危険なことをしていたかもしれません。

ポリエチレンが溶けると危険

ほとんどの紙コップは水分が染み込まないようにポリエチレンコーティングがなされています。ポリエチレンコーティングの耐熱温度は110度ですが、大抵紙コップの耐熱温度は大事をとって90度とされています。

電子レンジで110度以上の高温に加熱されると、紙コップ内側にコーティングされているポリエチレンコーティングが溶け出してしまうのです。

90℃以上にならないようにしよう

その際には、独特の不快な化学物質の臭いがするので、もはや口に入れられずせっかく温めた中身を捨てなければなりません。ですから、紙コップを入れた電子レンジ内の温度はできるだけ90度以上に上がらないように注意しましょう。

また、電子レンジから取り出すときに紙コップの中身が沸騰し飛び散ってやけどの恐れがあります。さらに、湿気を含んだ紙コップは、電磁波で高温になって強度が下がり紙コップが破損する可能性があるほか、紙コップがふにゃふにゃになって持てない可能性もあります。

紙コップを電子レンジで使用する裏ワザ

電子レンジのスイッチを押す指

電子レンジで失敗せずに紙コップを使う方法としてまず、紙コップの中に油物を入れて加熱しないことです。油は水より高温になるので、紙コップの耐久性の限界を簡単に超えてしまいます。ここでは紙コップを温める方法をご紹介します。

熱がこもらないように使おう

ラップをかけて加熱しない事も大切です。ラップをかけると熱がこもるので、短時間で紙コップが耐えられない高温になってしまうからです。そこで、加熱時間は20秒ずつなど短く区切って加熱するのがおすすめです。

一気に加熱しようとすると、中身が十分過熱される前に紙コップがふにゃふにゃになって、中身がこぼれてしまうおそれがあります。

電子レンジ対応可でも要注意

さらに、紙コップの中には電子レンジ対応可と明記されている製品もあります。ただ、電子レンジ対応の紙コップの場合でも、出力500w未満なら2分未満の加熱、出力1000wなら40秒未満の加熱が限界です。

そして、中身が沸騰するまで液体を加熱しない事も大切になります。外から見ていてブクブク泡立つ前に早めに取り出すようにしましょう。

突沸といって、わずかな刺激によって突然高温の液体が周囲に飛び散り大火傷を負うことがあります。たとえ固形物であっても調理物を温めすぎない事がポイントです。

電子レンジで使ってはいけない身近なもの1

アルミホイル

電子レンジに入れてはいけないものを列挙しました。まずバチバチと閃光を発し発火の危険があるものです。

アルミホイル

電子が活性化され金属表面の電位差が生じ、火花が出たり発火したりすることがあります。短時間なら電子レンジで使えなくはないのですが、基本的には使わないほうが良いです。

アルミホイルを敷いた後、トーストやオーブンの機能を使うつもりでレンジのボタンを押してしまうことがあるので注意しましょう。

金属容器

電磁波は金属(鉄、銅、アルミ、ステンレス等)に反射しやすいので火花が出やすく、電子レンジの故障の原因になる恐れがあるため使わないようにしましょう。

気付かずにうっかりして商品に付属する金属の留め金を入れたまま電子レンジのスイッチをオンにしてしまうこともあるので気をつけてください。

金色の模様が入った陶磁器

一般に陶磁器は電子レンジに入れても安全とされています。ただし、陶磁器であっても金色の模様には金属が使われていることが多く、電子レンジに入れると模様の部分からバチバチと火花が飛び散ります。

ほんの一部でも金属の模様が入っていれば、かなり派手にスパークするので模様の有無を確かめてから電子レンジに入れるようにしたいものです。

缶詰

蓋を開けずに電子レンジに入れたら爆発します。たとえ蓋を開けてもスパークするので金属製の缶詰を電子レンジに入れてはいけません。

また、ステンレスも同じことが言えます。例えば、珈琲や紅茶の飲み物でアルミ製のボトルに入ったものがありますが、これも電子レンジに入れてはいけません。

電子レンジで使ってはいけない身近なもの2

茶色い紙袋

電子レンジ内でスパークする金属製品以外にも、電子レンジに入れてはいけないものが身近にあります。

スーパーマーケットで使われる茶色の紙袋やビニール袋

茶色の紙袋は熱で出火や有害物質が気体化する可能性があります。他にも、ビニール袋、紙袋に使われるインクや糊、そしてリサイクルされた製品は電子レンジに入れると熱に反応し有害な物に変化するので、入れないようにしましょう。

スーパーで買った惣菜を包むラップに貼られた値段の紙が、電子レンジに入れた後真っ黒に変色したのを見てゾッとしたことがあるかもしれません。

殻付きの卵を電子レンジに入れると爆発することは知られていますが、殻を剥いた卵でも電子レンジの内部を破壊するほどの爆発を招くことがあります。

おでん屋で買ってきた煮卵を温め直すため電子レンジに入れて爆発した事例があります。類似するものとして、たらこやソーセージも内部が膨張して破裂する危険があります。

ペットボトル

蓋をしたまま電子レンジに入れれば爆発する危険がありますし、蓋を開けて入れても容器がぐにゃりと変形してしまうことがあります。

中身がホットだからと言ってペットボトルのまま電子レンジに入れるのはやめましょう。また、発火こそしませんが、その他のポリエチレンの容器も変形するので入れないようにしてください。

水分の少ない野菜

サツマイモ、ごぼう、かぼちゃやにんにくなど、水分の少ない野菜を電子レンジに長時間入れるとカラカラに干上がって硬くなり、焦げたり発火したりする恐れがあります。

紙製の容器はガラス容器に移してから

ガラス容器

紙製の容器は原則として電子レンジに入れて使用することを想定していません。確かに使い方を工夫すれば紙製の容器のままでも電子レンジで使用する方法はあります。

しかし、これはあくまでも緊急時の対応であって、余裕のあるときは面倒くさがらずに最も安全とされるガラス容器に移してから電子レンジに入れるように心がけてください。

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