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革靴にカビが生えてしまう原因
下駄箱の靴は、1足でもカビが生えてしまうと、一気に繁殖してしまい、他の靴までカビ臭くなってしまいます。特に本皮の革靴というのは、カビにとって栄養分となる材質のため、カビが繁殖する条件を満たしやすいのです。
ちなみに、カビが発生しやすい条件というのは以下のとおりです。
- 室温が20~30℃
- 湿度が80%以上
- カビの栄養源である汚れが溜まっている
近年はカビが繁殖する環境になりやすい気密性の高いマンションに住む人も増えてきているので、対策はしっかりしなくてはいけません。
ここからは、カビが生える原因を紹介しますので、カビが繁殖しにくい環境を整えて原因を作らないようにましょう。
革靴の手入れをしないまま収納しているため
数時間しか履かないような外出でも靴には汗が染み込んでいます。そのまま下駄箱に入れてしまうと靴の中の湿気は逃げ場がなくなり、カビが繁殖しやすい環境になってしまいます。
特に雨で靴が濡れている場合や、湿度が高くなる梅雨の時期に保管する場合は注意が必要です。靴入れに湿気を閉じ込めないことが重要になります。革靴についた皮脂やホコリといった汚れはカビの栄養になるため、手入れをしないまま収納するのは絶対にやめましょう。
下駄箱に靴を詰め込み過ぎてしまうため
靴をぎゅうぎゅうに詰めて並べたり、下駄箱に無理やりに押し込んだりしていると、換気をしているつもりでも下駄箱の奥の方まで空気が届かずに、適度な換気を行うことができません。また、靴を詰めすぎると形崩れや、他の靴を痛めてしまう原因にもなります。
定期的な革靴の手入れをしていないため
日常的に下駄箱の開閉が少ないと、中の湿気は溜まる一方です。また下駄箱の扉を開けていても、玄関自体が換気されていないと下駄箱の換気をしていることにはなりません。
他にも、下駄箱と玄関が換気されている状況でも長期にわたり靴の手入れをしていない場合は、カビが出てしまう恐れもあります。
革靴のカビの取り方
革靴のカビを取るには揮発性のあるアルコールが向いている
革靴にカビが生えてしまうと「どうやって取ればいいの!?」と焦ってしまう方も多いでしょう。でも安心してください、革靴についたカビはアルコールで簡単に取り除くことができます。アルコールは揮発性があるため、カビの除去に向いているんですよ。
アルコールには3つの種類があります。
- エチルアルコール(エタノール)
- メチルアルコール
- プロピルアルコール
なかでもエタノールはドラッグストアやスーパーなどでも手に入りやすく、カビ対策にぴったりです。カビ対策でエタノールを使う際には、殺菌効果がある濃度80%程度の消毒用エタノールを使いましょう。無水エタノールと呼ばれる商品ではカビを殺菌することができません。
エタノールで革靴のカビを除去する際は、色落ちに気を付けてください。色落ちしないか不安だという方には、革靴専用の除菌スプレーも販売されていますので、そちらを使用するのがオススメです。
革靴についたカビを取る手順
革靴のカビを取るために、まず用意するものが全部で5つあります。
- 布きれ(未使用)×3枚
- 革靴用除菌スプレー(消毒用エタノールでも可)×1本
- 革靴用クリーム 適量
- 皮革用防水スプレー×1本
- ビニール袋×1枚
正しいの取り方と手順
革靴のカビを取る際に大事なのは、ただ表面上を綺麗にするだけではなく、カビを根元から殺菌することです。
- 乾いた布でカビを強めに拭き取る
まずは、靴の表面に付着しているカビを乾いた布で拭き取っていきます。この際、少し力を入れて強めに拭き取ることが重要です。ここで使用した布は、カビ菌が付着してしまっているので使いまわしせず、ビニール袋に入れて捨てましょう。 - 布に革靴用除菌スプレーをかけ丁寧に拭く
革靴を除菌する為に、先程使った布とは別の布に皮革用除菌スプレーを吹きかけ、丁寧に拭いていきます。全体を拭いて行く前に、まずは目立たない部分も少し試しに吹いてみることで色落ちをしないかどうかを確認しておくことも忘れないようにしましょう。革靴用除菌スプレーがなければ、キッチンなどで使う消毒用エタノールでもOKです。 - 風通しの良い場所で乾燥させる
除菌が終了したら、風通しが良い場所で革靴を乾燥させます。この際、乾燥をさせ過ぎても色落ちの原因となることがあるので、もし色落ちが気になる革靴であれば、陰干しで乾燥させていくのが良いでしょう。 - 布に革靴用クリームを塗り通常のお手入れをする
革靴が完全に乾いたところで、また別の布に革靴用クリームを塗り、通常のお手入れを行っていきます。これは、革製品自体がある程度の湿度がないと長持ちしないので、クリームを塗ることで革に潤いを与えてあげるのが目的となります。 - 防水スプレーをまんべんなく吹きかけ終了
革靴用クリームでのお手入れが終了したら、最後に防水スプレーを吹きかけます。カビ菌や汚れの付着を防ぐようにまんべんなく塗布できたら作業は全て終わりです。
スウェードの靴に生えたカビの除去
スウェード(主に子羊や子牛の革の裏面を起毛させたもの)素材に生えてしまったカビについては、一般的な革靴とは違い、革の内部までカビが入り込んでしまっているパターンが多く、ただ表面を拭くだけで落とすことはできません。
スムースレザーでも隙間に入ってしまったり、靴の中のカビを完全に取り除くことはなかなか難しいので、そのような場合には自分で落とすよりもクリーニングに出す方が賢明です。
革靴のカビを取る時の注意点
革靴のカビを取る時には、いくつか注意点があります。注意点を無視するとカビ除去の効率が悪くなったり、カビによる健康被害が起きることも考えられますので、必ず以下のことは守るようにしましょう。
天気が良い日に除去する
革靴のカビの除去はできるだけ天気が良い日に行いましょう。晴れた日は湿度が低くカラっとしていて、湿気を好むカビの除去にはぴったりです。
換気をする
革靴のカビを除去する際は、換気を必ず行ってください。カビを布で取り除く時、どうしてもカビの粒子が空気中に舞う恐れがあります。窓を開ける、換気扇を回すなど換気をして少しでも空気中のカビを逃がすようにしましょう。窓や換気扇がない場合は、外でカビを取り除く作業を行うようにしてください。
手袋・マスクを着用する
換気をするのと同じ理由で、革靴のカビを綺麗にする際は手袋とマスクを着けてください。手袋もマスクも使い捨ての物を使用し、革靴の手入れが終わったら処分しましょう。着ていた洋服はすぐに着替えて洗濯すると安心です。
革靴のカビにしてはいけない除去方法
カビに水洗いは逆効果
水洗いは一見カビが取れて適切な方法に思えますが、実際はカビの繁殖原因となる湿気をさらに補充することになります。実際に水洗いをし、後日カビの悪臭がひどくなったと感じる方もいらっしゃるでしょう。革靴にカビを見つけても絶対に水洗いしてはいけません。
お風呂やキッチン用の除菌スプレーを使うのもNG
カビを除去できるスプレーであれば何でもいいと思い、お風呂やキッチン用の漂白スプレーを革靴に使おうと考える方がいるかもしれませんが、絶対に使ってはいけません。これらはお風呂やキッチンなどのカビを除去するために作られた商品ですので、革でできた製品への使用はNG。もしお風呂やキッチン用の漂白スプレーなどを革靴に使うと脱色する恐れがあるので、革靴用の除菌スプレーか消毒用エタノールを使うようにしましょう。
天日干しは革靴の劣化を招く
革靴の湿気を早く取り去ろうと天日干しするのはNGです。殺菌や消臭を目的とする方もいますが、直射日光は菌を殺すだけでなく靴自体も傷めます。特に革靴などは直射日光によって素材が劣化し、布地も変色してしまうリスクがあります。もし干す場合は、直射日光には当てずに必ず陰干しするようにしてください。
革靴のカビを予防する対策3つ
革靴のカビを予防する一番のコツは、革靴そのものだけでなく下駄箱や玄関などの保管場所にも気を配っていくことです。下駄箱内などの湿気に注意を払っておけば、大事な革靴を長く履くことも可能になるでしょう。
ここからは予防や対策を大きく5つに分けて紹介させていただきます。
1.革靴に付着をした汚れはすぐに取り除く
カビにとって汚れやホコリなどは繁殖するために必要な栄養源になります。なので、脱いだ後は革靴に付着したホコリなどを落とす事を心がけてみましょう。特に長期間全く履かないことが分かっているような革靴に関しては、しまう前に念入りに掃除・お手入れを行いましょう。
2.履いた革靴をすぐには下駄箱にしまわない
履いた直後の革靴には汗などによる湿気が大量に含まれています。なので、そのまま下駄箱に入れてしまうとカビの大きな原因になってしまいます。
その日に履いた革靴はすぐに下駄箱に入れるというより、一晩は風通しの良い場所に置いてしっかりと乾燥させることを心掛けましょう。もし雨で濡れてしまった場合は、靴の中に丸めた新聞紙を入れて日陰干しにすることで内側まで乾燥させることができます。
3.下駄箱の除湿
下駄箱の中は湿気も溜まりがちです。月に1度は下駄箱の扉を開けっ放しにして、空気の入れ替えを行ないましょう。
また下駄箱の中に多くの革靴があると、空気の流れが悪くなってしまうこともあるので、下駄箱に靴を入れすぎないことによって、空気が悪くなることを防ぐと良いでしょう。
その他にも市販の除湿剤や竹炭を置いておいたり、革靴の下に新聞紙を敷いたりすることによって湿気対策に絶大な効果を発揮します。
4.革靴は2日連続で履かない
革靴をはじめ、靴は1度履いたら次の日はお休みさせてあげましょう。靴は2日連続で履くと湿気がこもり続けてしまい、雑菌やカビが繁殖しやすくなります。ニオイ対策としても、靴は1日履いたら次の日は履かないことを心がけてください。仕事で毎日革靴を履くという方は、2足準備してローテーションさせると良いでしょう。
5.下駄箱の中も定期的に除菌する
革靴をしまう下駄箱は除湿するだけでなく、定期的に掃除・除菌しておくのがオススメです。目には見えなくても、下駄箱の中はカビの粒子が付着している可能性があります。
下駄箱を除菌する時は、使い古しの柔らかい布に消毒用エタノールを吹きかけ、内部を優しく拭いていきましょう。あまりゴシゴシと力を入れすぎると、下駄箱が傷んだり、カビの粒子が奥まで入り込んでしまいます。拭き終わったら、使用した布は処分してください。
消毒用エタノールは揮発性のため湿気がこもることはほとんどありませんが、拭いた後は下駄箱の扉を開けて換気しておくようにしましょう。
まとめ
革靴のお手入れはついつい忘れがちです。普段家に帰った時にすぐに片付けてしまったり、休みの日にもなかなか靴を手入れすることはないのかもしれませんね。めったに革靴を履く機会がない方ならなおさらです。
しかし、1つの靴にカビが生えてしまうだけで、他の靴にも影響を与えてしまいます。久しぶりに革靴を履こうとした時にカビだらけでは、すぐに履くこともできませんよね。
そういった事態にならないように、お気に入りの靴を守るためにも日頃から革靴の手入れを行ってみてはいかがでしょうか。革靴の手入れをする際には、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。