目次
シャワーヘッドを掃除するための下準備
シャワーヘッドの掃除をする前に、分解の仕方を説明書で確認することが大切です。準備する道具としてスポンジ、歯ブラシ、つまようじなどを用意しましょう。
シャワーヘッドの掃除で準備する物
- バケツ
- ゴム手袋
- スポンジ
- 歯ブラシ
- 布
- キッチンペーパー
- ラップ
- プラスドライバー
- マイナスドライバー
- つまようじ、または、まち針
まずは、シャワーヘッドとホースを外しますが、外し方はメーカーによって異なりますので、外す前に取り扱い説明書をご確認ください。
もしお手元に取扱い説明書が無い場合は、メーカーによっては自社のホームページ内に取扱い説明の専用のページがあるか、または説明書がダウンロードできるようになっていますので、まずはメーカーのホームページを検索してみてください。または、シャワーに型番などが書かれている場合は、型番で検索できる可能性があります。
参考までに一般的なシャワーヘッドの分解方法をご紹介します。
シャワーヘッドの分解方法
- シャワーヘッドとホースの接続部分を左に回して(反時計回りに回して)、シャワーヘッドを外します
- シャワー面(シャワーが出る口がある面)の真ん中にあるネジをドライバーで外します
《 ポイント 》
- シャワーヘッドの取扱説明書で外し方を確認する
- スポンジ、歯ブラシ、つまようじなどの道具を準備する
- シャワーヘッドとホースを外す
シャワーヘッドの汚れの原因
シャワーヘッドに付着した汚れには、水道水由来の水垢、頭皮脂による皮脂汚れ、浴室特有のカビの3つが主なものです。
「水垢・石灰化」の原因は水道水
水道水にはマグネシウムやカルシウムなどのミネラルが含まれています。水が蒸発するとカルシウムやミネラルが水垢として残り徐々に硬くなって石のようになります。水垢はアルカリ性なので、酸性である「クエン酸」「お酢」が掃除に役立ちます。
「皮脂汚れ」の原因は体や頭の皮脂
体や頭を洗った時に出る皮脂が飛び散ることが原因で、皮脂汚れのぬめりが残ります。皮脂は酸性なので、アルカリ性である「重曹」「セスキ炭酸」が役立ちます。衣類の黄ばみを重曹を使って落とす方法がありますが、これと同じ仕組みです。
「カビ」の原因は浴室の湿度や温度
カビは皮脂や垢などの体から出た汚れを栄養にして生えますが、カビの繁殖を早めているのは浴室の湿度や温度です。シャワーヘッドについたカビは、強いアルカリ性である「塩素系漂白剤」で落とすのがおすすめです。
ただし塩素系漂白剤を使って掃除するときは、洗剤の取り合わせに注意してください。クエン酸やお酢など、酸性の薬剤と混ぜると有害ガスが発生してしまいます。シャワーヘッドに複数の汚れが付いている場合は、「重曹」と「クエン酸」で掃除するのが安全です。
《 ポイント 》
- 水道水のミネラル分が原因の水垢が付着する
- 頭皮脂が飛び散り皮脂汚れになる
- 浴室の湿度と温度がカビの成長を早める
中性洗剤を使ったシャワーヘッドの掃除方法
軽い汚れなら中性洗剤で簡単に落とせます。お風呂の掃除と一緒にシャワーヘッドの掃除をしておくといいでしょう。頑固な汚れは一晩中性洗剤を浸けておきましょう。
必要なもの
- 中性洗剤
- スポンジ
- つまようじ又はまち針
掃除方法
- 中性洗剤をつけたスポンジでシャワーヘッドをこすります
- 穴の汚れが落ちない時は歯ブラシで穴の部分をこすったり、つまようじやまち針などでシャワー口につついて汚れを取ります
- 仕上げは水を出して洗い流してください
普段の軽い掃除は、お風呂用の中性洗剤を使いましょう。お風呂の掃除のために、普段使っているものでかまいません。お風呂掃除のタイミングでシャワーヘッドもキレイにしておくことで、頑固な汚れに変化するのを防げます。
もし汚れが落ちなかった場合は、中性洗剤をたっぷりふくませたキッチンペーパーをシャワーヘッドに貼り付け、さらに上から中性洗剤をかけてラップを巻きゴムでしっかり止めます。
中性洗剤をつけた後、一晩放置して、スポンジや歯ブラシ、またはつまようじやまち針などで洗ってみてください。
《 ポイント 》
- 中性洗剤を使って軽くこすり洗いする
- 細部の汚れはつまようじや歯ブラシで拭き取る
- 水で洗い流して仕上げる
クエン酸に浸けるシャワーヘッドの掃除方法
水垢汚れが落ちにくい時は、クエン酸を溶かした水に1~2時間シャワーヘッドを浸けましょう。酸性のクエン酸で水垢を優しく溶かせます。
必要なもの
- クエン酸:大さじ山盛り2杯程
- お湯(40度弱)
- バケツ
掃除方法
- バケツにクエン酸(大さじを山盛り2杯)を入れ、2リットルのぬるま湯(40度弱)を注いでクエン酸を溶かします
- クエン酸を溶かしたバケツに、分解したシャワーヘッドを浸けます
- 1時間ほど浸したら取り出して、スポンジや歯ブラシ、またはつまようじやまち針などで洗います。もし汚れが落ちなかった場合は、クエン酸が入ったバケツにさらに2時間程浸けます
- 仕上げは水を出して洗い流してください
白くこびりついた水垢汚れは、クエン酸で落としましょう。クエン酸を溶かすのは時間がかかるので、ササっと済ませたいならシャワーヘッド専用の洗剤を買うのがおすすめです。
重曹とクエン酸水や酢水を使い発泡させる掃除方法もおすすめです。
シャワーヘッドに重曹をふりかけてからキッチンペーパーをかぶせ、クエン酸かお酢を10~20倍に水で薄めたものをスプレーでふきかけます。重曹のアルカリ性とクエン酸水や酢水の酸性が反応してシュワシュワと発泡してくるのでそのまま5分ほど放置しましょう。泡によってシャワーヘッドの穴に詰まった汚れが浮いて落としやすくなります。
5分経ったらキッチンペーパーを外して、使い古した歯ブラシで穴を重点的に磨くようにすると中の汚れがでてきます。最後は水ですすいで完成です。
クエン酸をたっぷり使いラップで包むシャワーヘッドの掃除方法
先にご説明した「クエン酸のお湯に1時間~2時間浸す方法」で汚れが落ちない場合、以下の方法で掃除してください。クエン酸をシャワーヘッドに塗布し、ラップを巻いて一晩置いておきます。酸性のクエン酸がしみこんで汚れを浮き立たせ、次の日にスポンジなどで洗えます。
必要なもの
- クエン酸:大さじ山盛2杯程度
- お湯(40度弱)1リットル
- バケツ
- キッチンペーパー
- ラップ
掃除方法
- バケツにクエン酸(大さじを山盛り2杯)を入れ、1リットルのぬるま湯(40度弱)を注いでクエン酸を溶かします
- クエン酸をたっぷりふくませたキッチンペーパーをシャワーヘッドに貼り付け、さらに上からクエン酸をかけてラップを巻きゴムでしっかり止めます
- 一晩放置し、スポンジや歯ブラシ、またはつまようじやまち針などで洗います
- 仕上げは水を出して洗い流してください
《 ポイント 》
- クエン酸をたっぷりシャワーヘッドに塗る
- ラップを巻いて一晩放置する
- 次の日にスポンジや歯ブラシで洗う
酢を使ったシャワーヘッドの掃除方法
お酢もクエン酸と同じように酸性で水垢を優しく落とせます。1~2時間お酢水に浸けておいて、歯ブラシやスポンジでこすり洗いしましょう。
必要なもの
- 酢:400cc
- お湯(40度弱):2リットル
掃除方法
- バケツに酢(大さじを山盛り2杯)を入れ、2リットルのぬるま湯(40度弱)を注いで酢をかき混ぜます
- 酢を溶かしたバケツに、分解したシャワーヘッドを浸けます
- 1時間ほど浸したら取り出して、スポンジや歯ブラシ、またはつまようじやまち針などで洗います。もし汚れが落ちなかった場合は、酢が入ったバケツにさらに2時間程浸けます
- 仕上げは水を出して洗い流してください
お酢は、クエン酸と同じように水垢汚れを落とせます。ただし黒酢やすし酢は調味料がたっぷり入っており掃除に向かないので、穀物酢を使いましょう。
《 ポイント 》
- お酢をぬるま湯に溶かして浸ける
- 1~2時間後に取り出してブラシでこする
- 水洗いして仕上げる
セスキ炭酸を使ったシャワーヘッドの掃除方法
クエン酸を使って掃除した後や、クエン酸では汚れが落ちなかった場合はセスキ炭酸ソーダの掃除もしてください。セスキ炭酸の酸化力を利用し、3時間ほど浸すことで皮脂汚れを効果的に浮き出させることができます。
必要なもの
- セスキ炭酸ソーダ:小さじ山盛り1杯
- 水500ミリリットル
掃除方法
- バケツに水500ミリリットルとセスキ炭酸ソーダを入れて溶かします
- シャワーヘッドを3時間ほど浸けこんだあと歯ブラシでこすります
- 仕上げは水を出して洗い流してください
セスキ炭酸ソーダは、皮脂汚れを落とすのに向いています。無機化合物で環境や肌への負担が少なく、シャワーヘッドだけでなくお部屋の掃除・洗濯など多彩な用途があって便利です。またセスキ炭酸は、シャワーヘッドのカビを取るのにも効果的とされています。
《 ポイント 》
- セスキ炭酸を溶かした水に浸す
- 3時間ほど皮脂汚れを浮き出させる
- 歯ブラシで表面の汚れをこすり落とす
重曹を使ったシャワーヘッドの掃除方法
皮脂汚れに効果の高い重曹を、水垢落としのクエン酸と合わせて使いましょう。化学反応で汚れを浮かせる効果があります。
必要なもの
- クエン酸:小さじ山盛り1杯
- 重曹:大さじ山盛り2杯
- お湯(40度弱):1リットル
- バケツ
掃除方法
- バケツに重曹(大さじを山盛り2杯)とクエン酸(小さじ山盛り1杯)を入れ、2リットルのぬるま湯(40度弱)を注いでかき混ぜます
- 重曹とクエン酸を溶かしたバケツにシャワーヘッドを2時間ほど浸けます
- スポンジや歯ブラシ、またはつまようじやまち針などで洗います
- 仕上げは水を出して洗い流してください
セスキ炭酸と同じように皮脂汚れに強い重曹は、自然由来の成分であることが魅力。ですのでクエン酸と合わせて、より洗浄力を高めることも可能です。
この2つを組み合わせることで起こる化学反応は、汚れをしっかりと浮かせる働きがあります。2時間たっぷり漬け込んだら、表面に浮き出た汚れを歯ブラシなどでこすって落としましょう。
《 ポイント 》
- 重曹とクエン酸の混合液を作る
- 2時間程度浸し皮脂汚れを浮き出させる
- 歯ブラシなどで表面の汚れをこすり落とす
レモン汁を使ったシャワーヘッドの掃除方法
レモン汁は洗浄力は高くありませんが、普段キッチンにあるもので簡単に試せる利点があります。1~2時間浸けて石鹸カスや水垢を落とします。
必要なもの
- レモン汁(皮ごと)
- お湯(40度弱)2リットル
掃除方法
- バケツにレモン汁と皮を入れ、2リットルのぬるま湯(40度弱)を注いでかき混ぜます
- レモン汁を溶かしたバケツに、分解したシャワーヘッドを浸けます
- 1時間ほど浸したら取り出して、スポンジや歯ブラシ、またはつまようじやまち針などで洗います。もし汚れが落ちなかった場合は、レモン汁が入ったバケツにさらに2時間程浸けます。
- 仕上げは水を出して洗い流してください
レモンは他の洗剤と比べて洗浄力は高くありませんが、わざわざ洗剤を用意しなくていいというメリットがあります。
またお子様のいる家庭でも、普段食べているものなら安心できるのではないでしょうか。洗浄力は低めなものの、水垢汚れや石鹸カスを優しく落としてくれますよ。
《 ポイント 》
- レモン汁をお湯に溶かして浸す
- 1~2時間後にブラシなどで汚れを落とす
- 水洗いして仕上げる
シャワーヘッドの汚れを防止する方法
シャワー後は残った水分をしっかり拭き取ることが大切です。水分が残るとカビが繁殖しやすくなるため、毎回のケアが防止につながります。
水分を残さない
シャワーヘッドの汚れを防ぐには、シャワー使用後、シャワーヘッドの水分をよく拭いてください。水分を残すとカビの原因にもなります。シャワーヘッドの汚れを防止する具体的な手順は次の通りです。
- シャワー使用後、シャワーの水を出してシャワーヘッドをスポンジで洗う
- シャワーヘッドをふって残っている水を出す
- タオルなどでシャワーヘッドの噴水面を拭く
シャワーは上の方にセットする
シャワーを使わないときは、なるべく上の方にセットしておくといいでしょう。というのも、お風呂の中でも天井付近の方が湿度が低いからです。シャワーを2段階で留めておけるお風呂が多いと思いますが、上のフックを使うことでシャワーヘッドにカビが生えるのを防げます。
お風呂を乾燥させる
シャワーヘッドの汚れを防止するには、お風呂全体を乾かすことも大切です。入り終わったら換気扇を回したり、窓を開けたりして換気をしましょう。
またお風呂を出るときに、タオルや水切りワイパーで全体の水気を払うとなおいいです。お風呂全体の軽い掃除にもなりますので、是非毎日の習慣にしてみてください。
《 ポイント 》
- シャワー後は水気をしっかり拭き取る
- シャワーを使用しない時は高い位置に留めておく
- お風呂の換気をして乾燥を促す
まとめ
いかがでしたでしょうか?シャワーヘッドの汚れはつい見逃してしまいますが、自分では見えない皮脂が飛び散って、それがカビの餌になって成長させているとはぞっとします。そんな汚い水で体を洗っていたなんてショックですね。
今日にでもご自分のシャワーヘッドをのぞいてみてください。もしシャワーヘッドとホースを外す・分解するなどが大変な場合は、シャワーヘッドだけを洗ってみてください。今後は、カビ予防の為にもシャワー後には水気をしっかりふき取る習慣をつけましょう。
お風呂掃除はしてもなかなかシャワーヘッドの掃除までは手が行き届いていないご家庭が多いようです。水回りはとくに気にかけて定期的に掃除するか掃除しないかで、汚れの付着具合が大きく違ってくる場所です。
はじめのうちは面倒と思われるかもしれませんが、慣れてしまえば入浴のついでにシャワーヘッドの掃除をすることも可能になります。これからは是非シャワーヘッドの掃除も習慣づけてください。
家事アドバイザー・節約アドバイザーとしてテレビ・講演・コラム連載などで活動。頭を使って賢くスマートに、時間とお金をバランスよく使う暮らし方を提唱。著書に「シンプルライフの節約リスト」(講談社)などがある。
体を綺麗にするために使うシャワーはできる限り清潔に保ちたいものですね。シャワーヘッドの穴には水道水に含まれるカルキによって目詰まりしたり、飛び散った皮脂や石鹸、浴室のぬめりなどが詰まってしまうことがあります。使い古しの歯ブラシを使ってシャワーヘッドの穴を定期的に掃除する習慣をつけましょう。