目次
畳にダニが発生する原因
畳に発生するダニがいるということを知っていたとしても、その原因が何なのかを知っている人はあまりいません。いくら駆除や予防対策を行ったとしても、ダニが発生しやすい環境をそろえていては意味がないので、ダニが発生する原因やダニの種類について知っておくことをおすすめします。
家の中に発生するダニの種類
ダニと一口に言っても、様々な種類があります。その中で、チリダニ科のコナヒョウヒダニとヤケヒョウヒダニの2種類や、ツメダニ、ケナガコナダニが畳に住み着くダニとして代表的です。どのダニも大きさは0.2mm~1.0mmほどなので、人間の目に見えることはありません。
畳に生息するダニで人を直接刺すのはツメダニのみですが、室内にいるのはツメダニよりもヒョウヒダニがほとんどだといわれています。ダニはアレルギーの原因になり、ダニアレルギーが原因でぜんそくや皮膚炎を訴える人は少なくありません。ダニの種類によって駆除方法も異なってくるので、注意が必要です。
ダニが好む温度と湿度
ダニが好む生育環境というものがあります。この生育環境が畳の中にそろっていることが多く、大量に発生することになります。ダニは、おおよその場合、20度~30度の温度、そして60から70パーセントの湿度を好むことが多いです。
ヒトの生活環境と似ていることから、畳をはじめ家の中ではダニが発生しやすいです。このことから、暖かく湿気のある6から7月の梅雨の時期はダニが発生しやすく、急激に数を増やします。
近年は気密性の高い住宅が増えているため、ダニにとっても住宅の中は繁殖がしやすい環境となっています。梅雨の時期は、特にダニの対策に力を入れることがおすすめです。
ダニのえさ
ダニは、髪の毛やほこりなどをえさとして繁殖します。つまり、フケやほこり、垢、食べかす、髪の毛などが散らかっている場所が、よく発生する場所です。畳は、畳の目の中や畳と畳の隙間などにごみがたまりやすく、ダニも発生しやすいです。
畳のダニを駆除する方法
ダニが発生・繁殖しやすい環境をできる限り排除したとしても、ダニが完全にいなくなるわけではありません。定期的にダニを駆除しなければ、ダニが原因のアレルギーがひどくなる可能性もあります。また、畳は気軽に交換できるものでもないので、畳の中にいるダニの手軽な駆除方法を紹介します。
掃除機をかける
畳にダニが発生する原因は、ホコリやフケ、食べかすが散らかっているからです。これらを掃除するだけでも十分に繁殖防止に役立ちます。
また、ダニ自体を掃除機で吸い込んで駆除することもできます。このことから、毎日掃除機をかけることは、ダニ駆除の方法として有効です。
畳に掃除機をかける際には、畳の目にそってゆっくりと力を要れすぎないようにかけていきます。一畳30秒ほどかけるとよいです。力を入れると畳が傷つく可能性もあり、早くかけすぎるとごみが除去しきれません。
一度1時間ほど部屋を暗くしてから掃除機をかけると、奥に潜んでいたダニが表面に這い上がってくるので、より効果的に除去できます。ただし、掃除機をかけても生きたダニを除去しきることはできません。あくまでも、ダニの死骸やフンの掃除がメインです。
拭き掃除を行う
かたく絞った雑巾で2週間に一度ほど拭き掃除をすることも、ダニの駆除に効果的です。もし、来客が多いならば1週間に一度の頻度で行うことをおすすめします。
水がこぼれないようにしっかりと絞り、畳の目に沿って丁寧に拭いていきます。拭いた後は、畳をしっかりと乾燥させます。湿気たままの畳は、湿度が高くなり、かえってダニが発生しやすくなってしまいます。
畳の下の掃除
畳の表面にしかダニは発生していないように感じますが、畳の裏や下にも大量に発生しています。むしろ、表よりも多かったり、ダニ以外のものが発生していたりする可能性も高いです。
畳の下にはほこりも多いので、これらを除去するためにも、畳の下もしっかりと掃除し、乾燥させると、ダニの駆除に役立ちます。
スチームクリーナー・スチームアイロンをかける
ダニは生命力が強いですが、熱と乾燥が苦手なので、50度以上の熱を30分ほど加えれば死滅します。このことから、スチームクリーナーやスチームアイロンを畳にかければ、ダニを駆除することが可能です。
高温のスチームを当て布してかけるか、アイロンを最も高い温度にして、水気をかたく絞った当て布をして蒸気をかけていきます。湿ったままにするとダニは再発生するほか、ほかの虫が発生する可能性も高まるので、扇風機に当てたり、天日干しを最後にしなければなりません。
市販の駆除剤を使う
市販で販売している薬剤を散布したり、駆除剤を設置すると、ある程度ダニの発生を抑えることができます。しかし、完全に駆除できるわけでもなければ、効果が出るまで薬剤によって差があります。
畳を天日干しする
夏場の天気の良い日に畳を天日干しすれば、乾燥させるとともに、畳の奥のダニが表面に出てきて掃除することができます。
ただし、天日干しはスペースが必要なうえに直射日光に当てるなど、やりすぎると畳が傷みますので注意しましょう。天日干しの後はダニの死骸を掃除機で吸い取るようにしてください。
布団乾燥機を使う
ダニは高温で死滅するので、布団乾燥機を使うのも一つの方法です。やりかたは簡単で、布団乾燥機を畳の上に置き、その上から毛布や掛布団をかぶせてスイッチを入れるだけ。熱風を使ってダニを駆除することができます。
畳を張り替える
ダニが発生した畳を処分して、畳を張り替えるのが最も簡単な方法です。しかし、費用はほかの方法よりもかなりかかり、1畳替えるだけでも3,000円ほどはするでしょう。ダニだけではなくカビが発生するなど、もう他に手段がないという時にだけ張り替えはおすすめします。
プロに依頼する
「畳にいるダニの駆除方法を試してみたけど効果がない」「ダニを駆除したいけどアレルギー症状がひどくて難しい」という時は、プロであるダニ駆除業者に依頼するのがおすすめです。
コストはかかってしまいますが、経験と知識が豊富なプロに依頼すれば畳のダニ問題はスムーズに解決することでしょう。
畳のダニを予防する方法と裏技
ダニを駆除する方法を知ることも重要ですが、そもそもダニが発生しないように予防する方法・裏技を知っておくことが重要です。完全にダニを発生させないことは無理でも、数を減らせば駆除も簡単になります。
こまめに掃除する
ダニのえさとなるほこりやフケ、垢などは、毎日発生します。こまめに掃除をして、ダニの生育環境を減らしていくことがダニ発生の予防に効果的です。
ダブル敷きを避ける
畳の上に、座布団やカーペットを敷くことは多いですが、ダニ予防のためにはおすすめできません。ダブル敷きをすると、温度・湿度がダニの好むものとなってしまいます。掃除の際には、カーペットや座布団もともに掃除することが重要です。
湿気を除去する
湿気があるとダニが発生しやすくなるので、常日頃から畳の部屋の換気をすることがおすすめです。換気をして室温を下げ、湿気を除去することがダニ予防につながります。
除湿器を置く
部屋の湿度が上がるのを防ぐため、畳がある部屋ではできるだけ部屋干しはしないようにしましょう。畳の部屋で部屋干しするならば、除湿器を設置することがおすすめです。
畳干しを行う
春と秋の年2回のペースで畳を干すことが予防としておすすめです。畳が変色しないように裏側を向けて干し、最後にたたいて、奥のほこりとダニもしっかりと出します。死骸を掃除機で吸い取ることも忘れないでください。
防虫剤・除湿剤を使用する
薬剤を使用して定期的に予防をすると、効果的です。また、畳干しの後に除湿剤を一緒にしまうと、湿気がたまりにくく、ダニが発生しにくくなります。
ほかのものも掃除する
畳の部屋にある座布団や布団、ソファーにぬいぐるみなどといったダニが発生する可能性のあるものも、合わせて掃除するとダニ予防に役立ちます。定期的に丸洗いするか、天日干しすることがおすすめです。
ダニが発生しにくい畳を使う
ダニが発生しやすい性質を持つ畳ですが、種類によってはダニの発生を軽減することができます。
- 和紙畳
- 防ダニ加工畳
上記の2種類の畳は比較的ダニが発生しにくいといわれています。ダニが心配だという人は、メーカーに問い合わせてみると良いでしょう。これらの畳でもダニが発生しない訳ではないので、掃除はまめに行うようにしてください。
畳のダニを退治する便利グッズ
掃除や天日干しでのダニ駆除・予防も重要ですが、ダニを退治するための便利なグッズが市販品で様々展開されています。バルサンなどの燻煙剤を使うと効果が高いですが、使用前に準備が必要なので面倒だと感じる人も多いでしょう。
そこで今回は手軽に畳のダニを予防・駆除できる人気商品を紹介します。
ダニアース カーペット・じゅうたん・タタミに
畳に潜むダニを駆除するための薬剤です。コストパフォーマンスがよく、人気の高い商品です。
ノズルが2種類ついており、通常のスプレータイプでは、ダニを直接駆除することもできれば、針を使った直接注入タイプを使用すれば、畳の奥まで薬剤が侵入し、畳の奥に潜んでいたダニも駆除することができます。使い勝手が良いエアゾールタイプのスプレーです。
ダニアースパウダー ハーブの香り
中に封入されているパウダーを畳に巻いて使用する薬剤です。パウダーの中には、ダニが嫌う成分が入っており、畳にまくことで毒を吸い込んだダニがころころ転がります。
転がり出たダニやノミをほこりと一緒に掃除機で吸い取るだけで、掃除とダニの駆除を両方一緒にできるという仕組みです。ハーブの香りがついており、掃除後の嫌な臭いも軽減されます。
ダニクリン 防ダニ対策シート
クイックルワイパーに取り付けて、ダニが生育するために適した環境を作り出す原因であるフケやほこりを効果的に取り除くことができるウェットシートです。
掃除機やほうきなどだけでは取りきることのできない汚れも、雑巾を濡らして絞らせる手間なく掃除することができて非常に便利です。ふき取り掃除だけでダニ予防効果もあります。
畳のダニを駆除する注意点
畳のダニを駆除する際の注意点としては、いくらダニ駆除の掃除をしても完璧に駆除しきることは難しいということを意識することです。
また、ダニによるアレルギーなどの被害は、生きたダニというよりもダニの死骸やフンなどが原因なので、薬剤で駆除しただけでは効果がありません。しっかりと掃除を行うことが重要です。
薬剤の種類によっては、持続期間も異なるので、一度掃除をして駆除をしたからと言って数か月放置すると、意味がなくなってしまいます。ダニの駆除には、定期的な作業が重要となるということを注意しなければなりません。
いくらダニ駆除を行っていたとしても、畳に寿命があり、5、6年後には痛みます。定期的に畳の取り換えや専門業者による確認をしてもらうことをおすすめします。ダニの駆除は、毎日の積み重ねが重要となるので注意が必要です。
まとめ
ダニは、アレルギーや病気の原因となるものなので、目に見えないからと言って油断することはできません。掃除や天日干し、薬剤の使用などをこまめに行うことで、ダニの駆除や予防をすることはできます。
これらは普段からの心掛けが重要で、様々な工夫が必要です。健康で、快適な生活には、ダニの駆除と予防が必要不可欠です。ダニがいるかもしれない場所ではのびのびリラックスすることもできません。きれいに掃除して快適に暮らしてください。