目次
換気扇掃除の洗剤選びのポイント
換気扇の掃除は使う洗剤がポイントになります。換気扇の掃除の洗剤として向いているのは「アルカリ性の洗剤」です。
一般的に汚れの種類によって洗剤を使い分けますが、換気扇の主な汚れは油やホコリですので、汚れのタイプは「酸性」となり、「酸性」の汚れを落とすのは「アルカリ性」の洗剤が適しています。
キッチンの換気扇・レンジフードは、定期的に掃除をしないとどんどん油汚れがこびりつき、あっというまにベタベタになってしまいます。これを放置してしまうと、換気効率が悪くなり、部屋中に油汚れが広がってしまうだけではなく、換気扇自体が故障してしまうこともあります。
極端にひどい油汚れを放置したままにしておくと、火が引火して火災につながることもあるようです。安全面はもちろんのこと、キッチンの清潔感を維持していくためにも、換気扇の定期的な掃除は必要不可欠なのです。
今回は換気扇の掃除に適している洗剤の種類や、その使い方、そして掃除の手順について解説していきます。
換気扇の掃除にはアルカリ性の洗剤
スーパーやドラッグストアのお掃除用洗剤の棚には、はたくさんの種類の洗剤が並んでいますよね。「酸性」「中性」「アルカリ性」といった洗剤の種類はよく耳にすると思いますが、これは、主に「pH値」によって分類されています。
「pH値」とは、酸性とアルカリ性のどちらが強いのかを数値化したもので、 pH7を「中性」とし、それ未満を「酸性」、それより大きければ「アルカリ性」としています。
pH7よりも値が小さければ小さいほど「酸性」の性質が強く、値が大きければ大きいほど「アルカリ性」の性質が強いことになります。
- 酸性洗剤:水垢や尿石、サビを落とすときに使います
- 中性洗剤:軽度な汚れを落とすときに使います。
- アルカリ性洗剤:油汚れや皮脂汚れ、焦げ付きなどを落とすときに使います
「中性洗剤」は肌にやさしいので、日々のこまめなお掃除には最適です。反対に「酸性洗剤」と「アルカリ性洗剤」は、洗浄力が強い分、肌に触れると荒れやかぶれを起こしやすいので注意が必要です。では、換気扇のお掃除に使うべき洗剤はどれなのでしょう?
換気扇の汚れは調理中の油のはねと、油分を含んだ蒸気の油汚れなので酸性です。酸性の汚れは反対の性質であるアルカリ性の洗剤を使うと中和され、汚れが落ちやすくなるので、換気扇の油汚れを掃除するには「アルカリ性洗剤」が最も適しています。
アルカリ性の強い洗剤はアルミを溶かすなど、素材への負担も大きく、塗装が剥げたり、変色する恐れがあるため、お掃除の前に目立たない部分で試してから洗剤を使うようにしましょう。また、軽い汚れには、アルカリよりもやさしい中性洗剤を使うとよいでしょう。
家庭用洗剤と業務用洗剤の違いとは
換気扇掃除などで油汚れ落とし用として使うアルカリ性洗剤には、「家庭用洗剤」と「業務用洗剤」の2つの種類があります。
アルカリ性洗剤といっても、その強弱の幅が大きく、水酸化ナトリウムのように、間違って触ると皮膚が溶けてしまうような劇薬もあれば、簡単に手に入る重曹のように、料理に使えるほど穏やかな性質のものもあります。
家庭用洗剤の特徴と使い方
家庭での安全性を考慮して、最初からうすめに作られているため、肌に触れても身体への刺激が少ない、弱アルカリ性の洗剤が多く出回っています。とはいっても、やはり肌に触れるとダメージはゼロではありませんので、洗剤を使うときは必ずゴム手袋を準備しましょう。
換気扇掃除で使う家庭用洗剤は、「泡スプレータイプ」と「つけおきタイプ」のふたつが主な商品として販売されています。泡スプレータイプ洗剤の注目すべきところは、ギトギトの油汚れの箇所に、ピンポイントでスプレーした後の油汚れを分解するその速さです。泡に粘性があるので、こびりついた油汚れにしっかり浸透して、素早く分解してくれます。家の換気扇掃除で油汚れを落とすには、もってこいの洗剤です。
それとは別に、換気扇の隅から隅まで徹底的に洗剤で掃除したいという時には、つけ置き洗いをおすすめします。ゴシゴシ洗い落とすのではなく、時間をかけてじっくり油汚れを浮かせて、するっと洗い流すという掃除方法です。
換気扇は3ヵ月に1回お掃除するのがベストなのですが、頻繁に料理をしないご家庭の場合は、半年に一回を目安としてください。汚れがこびりつく前の普段のお掃除は、業務用洗剤よりも安全な家庭用洗剤を使うのでじゅうぶんきれいにお掃除できます。
業務用洗剤の特徴と使い方
放置した油汚れがこびりついて取れないという換気扇を掃除する場合は、業務用洗剤を使ってみましょう。業務用洗剤は、お掃除専門の業者さんなどが、必要に応じて薄めて使うことを想定して作られているものです。いわゆるアルカリ性洗剤の原液なので、その分汚れ落ちの効果も期待できます。
ただし、家庭用アルカリ性洗剤と違い、肌に触れたり目に入ったりすると、大変危険です。
使用する時には、ゴム手袋だけではなく、マスク、ゴーグルを装備することをおすすめします。また、換気しながら使うことにも注意しましょう。
なかには危険だといわれている業務用洗剤を、家で使うのは不安という人もいるかと思います。確かに業務用の洗剤は、肌に触れるととても危険なものなので、使うときには注意が必要ですが、きちんと使えば、家庭用洗剤を使うよりも手早くしっかり頑固な油汚れを落とすことができます。
- 汚れ落ちの効果は比較的弱めでも、家庭で扱いやすいのが家庭用洗剤
- 汚れ落ちはバツグンで強力だが、扱いには注意が必要なのが業務用洗剤
換気扇の汚れ具合によって、使い分けてみてはいかがでしょうか?
換気扇の掃除におすすめの洗剤
換気扇の油汚れがよく落ちる洗剤をご紹介しましょう。
激落ちくん アルカリ電解水クリーナー セスキ 本体
いっけん、ただの水のような「アルカリ電解水」ですが、その落ち具合はとっても凄い。
花王 マジックリン ハンディスプレー
台所のしつこい油汚れから、壁紙に染み付いたタバコのヤニまで溶かします。換気扇のパーツを外してスプレーしてキッチンペーパーでくるむと、びっくりするくらいきれいになります。
ダスキン 油汚れ用洗剤 スプレー付」除菌剤配合
頑固な油汚れに泡が密着して、強力に落とすオレンジオイル配合
NICHIGA(ニチガ) セスキ炭酸ソーダ
炭酸ソーダの効果で、油汚れもすっきりと落とすことができます。手にもやさしいので、ペットや小さいお子さんがいるご家庭でも安心して使えます。
茂木和哉 油汚れ用洗剤 なまはげ
焼肉屋のガンコなこびりつき汚れを落とすために開発された業務用洗剤を、一般家庭用向けにカスタマイズした強力油汚れ洗剤。換気扇、レンジフード、コンロ、オーブン、レンジまわりの壁や床など台所の油汚れに効果を発揮します。
換気扇掃除で使う洗剤と道具
換気扇の掃除には、次のような道具が必要です。段取り良く掃除を進めるためにも、掃除を始める前に準備しておいてください。
用意するもの
- ゴム手袋
- ビニール手袋(ゴム手袋ではなく薄めのビニール手袋)
- マスク
- 業務用 油汚れ用の洗剤
- 新聞紙
- スポンジ
- 使わなくなったタオル
- 使い古しの歯ブラシ
- 割りばし
- 厚手の45リットル用ビニール袋2枚 (つけ置き用)
換気扇掃除の前準備
マスクをつける
換気扇の掃除を始める前に、洗剤を吸い込まないようにマスクをつけるのを忘れないでください。油が垂れてきたり、油汚れが飛び散ったときのために換気扇の下に新聞紙をひきます。
換気扇の掃除:フィルター
- フィルターを外す
換気扇のフィルターから外しますが、この時、厚手のゴム手袋ではなく、薄手のビニール手袋を使うと外しやすいようです。 - 洗剤をつけて放置する
フィルターを外したら、ビニール手袋から厚手のゴム手袋に交換してはめます。業務用の油汚れ専用の洗剤をフィルターにまんべんなく、たっぷり吹きかけます。放置する洗剤と油が反応するまで5分ほど放置し、油汚れを中和させます。 - 汚れを落とす
油汚れと洗剤が反応したら、歯ブラシでフィルターの間の油汚れをゴシゴシとかきだします。何年も掃除をしていない換気扇は、フィルターの間に油が溜まって目詰まりしていますので、洗剤を吹きかけて歯ブラシでかき出す作業を何度か繰り返しましょう。 - 洗い流す
最後に、汚れを水でキレイに洗い流します。
換気扇の掃除:本体
本体の外側と内側の掃除をします。
- 洗剤をスプレーする
フィルターを外した換気扇の内側と外側にも、フィルター掃除で使用した、油汚れ用の洗剤のスプレーを吹きかけます。 - 汚れをふき取る
使わなくなったタオルで油をふき取ります。特に換気扇の内側の油汚れはキツイことが多いので、その場合は、スポンジに洗剤を染み込ませてから軽くこすると、汚れが取れやすくなります。
スプレーをかけてふき取る作業を何度か繰り返すと、徐々に油汚れの色が薄くなり、最後にはベタベタがなくなり、キレイに仕上がります。
掃除する換気扇が、使用して1年以内だったり、天ぷらなどの油料理を普段あまりしない家庭でしたら、換気扇の汚れも少ないので、洗ったフィルターをはめて、ここで換気扇のお掃除を終わりにしても良いでしょう。
換気扇の掃除:シロッコファン
換気扇の内側のシロッコファンの掃除をします。換気扇の内側のシロッコファンの掃除は難しいので、ここからは難易度が上がりますが、一度覚えてしまえばあとは簡単です。
- シロッコファンを外す
シロッコファンの中央のネジを回して、シロッコファンを外します。ネジを外す時にネジが通常の逆方向である「時計回りで緩む」ようになっているので注意してください。 - 割り箸でかきだす
油汚れつけ置きクリーナーにつけ置きする前に、ファンの羽根の間の黒く固まった油を割りばしでかきだします。羽根の油をかき出しておいた方が、つけ置きした時に本体に洗剤が到達して汚れが浮き上がるからです。 - 洗剤につけ置きする
汚れ具合に応じて、洗剤の原液を薄めてつけ置きしますが、原液を希釈する時に、熱いお湯を使用すると油汚れが浮き上がって、綺麗に油汚れを落とすことができます。 - 水で洗い流す
つけ置きしたシロッコファンを取り出したら、スポンジや歯ブラシで油汚れを取り除き、その後は水で流しタオルでキレイに吹き取ります。 - シロッコファンを戻す
最後はネジを回して元の位置に固定し、ファンがちゃんと回るかスイッチを入れてチェックすることを忘れずに!
それでも落ちない汚れは業者に依頼
換気扇の汚れは、何年も放置して汚れがこびりついて黒く固まってしまうと、どんなに頑張って掃除をしても、汚れが落ちないときがあります。そうなってしまうと、素人では汚れを取り除くことは困難で、プロにお任せするしかありません。
お掃除専門の業者は、経験豊富ですから、どんな汚れも手際よくキレイにできます。自分で行う掃除とどこが違うのかと言えば、先に紹介した洗剤よりもアルカリ性の強い洗剤を使用するうえに、高温のスチームが出る専用の機械で、汚れを浮き上がらせることにより、キレイに仕上げてくれるところでしょう。
特に、シロッコファンは慣れないと掃除が難しいので、時間がない方や無理をしたくない方は、業者さんにお任せしてしまった方が、確実にキレイにしてもらえます。
費用はかかりますが、換気扇の奥の方まで完全に掃除をしてもらえば、あとは定期的にフィルターを掃除するだけできれいさを保てるでしょう。
今回の換気扇の掃除のしかたは、いかがでしたか?自分では無理だなと感じたら、一度プロにお願いしてみるのも良いのではないでしょうか。