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もずく酢が危険と言われる理由
美容や健康に効果があるもずく酢は、海藻類やお酢が好きな方にとっては日常的に食べたい食品のひとつです。その反面、食べる量に注意しないと、「ヨウ素」と「塩分」の過剰摂取によって危険な食品になってしまうとも言われています。
では、もずく酢が危険と言われる理由についてご紹介していきましょう。
ヨウ素の過剰摂取は甲状腺の働きを弱める
適度に食べる分には問題ありませんが、もずく酢に含まれるヨウ素を過剰摂取すると体に悪影響を及ぼすと考えられています。
確かに、ヨウ素の摂りすぎは甲状腺の働きを弱める可能性があり、18歳以上男女共に3,000μg、妊婦・授乳婦は2000μgという具合に、摂取量に上限が設けられているくらいです。
普通の食生活ではこの上限に達することはほぼないのですが、そう言われると不安になってしまいますよね。
塩分の過剰摂取は病気のリスクを高める
もずく酢は食物繊維が豊富でミネラルを多く含み、しかも低カロリーといううれしい食品です。中でももずくの独特のぬめりに健康効果があり、食物繊維と酢が手軽にとれることで知られています。
ところが、市販されているパック入りの一般的なもずく酢には、1個(70gあたり)0.9gもの食塩が含まれていることはご存じですか?
20歳以上の女性の食塩摂取目標量は1日6.5g未満ですか、食事の度に毎回もずく酢を食べているという方にとっては病気のリスクを高めることになってしまいます。
いくら低カロリーで栄養素が豊富であっても、塩分摂取量がオーバーしてしまうと体に悪影響を及ぼす結果になってしまいます。
豊富な水溶性食物繊維が原因で下痢になりやすい
もずく酢に豊富に含まれている水溶性食物繊維には、 便を柔らかくする作用があります。ということは、もずく酢を食べ過ぎると水分量が過剰になって下痢を起こしやすくなってしまいます。
もちろん適切な量であれば、便秘改善に効果を発揮しますので、適量を心がけて食べると何の問題もありませんので安心してください。
《 ポイント 》
- ヨウ素を過剰摂取すると甲状腺の働きを弱める可能性がある
- 市販されているもずく酢には、1パック(70gあたり)0.9gもの食塩が含まれている
- 豊富な水溶性食物繊維が原因で下痢を起こしやすい
もずく酢の安全な食べ方
一日どれくらい食べれば危険にならない?
もずくの食べ過ぎでヨウ素過剰症になる可能性は低いとはいうものの、他の食品との栄養バランスを考えながら、1日70gまでを目安とします。
70gとは店頭で市販されている一般的なもずく酢のパック1個程度に換算できますので、一日の目安にするとよいでしょう。
もずくの栄養を活かした効率的な食べ方
水溶性食物繊維フコイダンは、水に溶ける性質がありますので、もずくを茹でるとフコイダンが溶け出し、体内に取り入れやすくなります。
一般的な食べ方として、食酢で和えたもずく酢が主流ですが、生もずくをサッと洗ってから味噌汁やお吸い物、雑炊などの料理に加えて食べるのもおすすめです。
沖縄県では生もずくを、卵をたっぷり使用した衣をつけててんぷらにして食べることがあるそうですよ。
もずく酢のアレンジレシピをご紹介
もずく酢ときゅうりおろし
輪切りにスライスしたきゅうりともずく酢を和えるは一般的ですが、おろしたきゅうりをもずく酢に加えてみてもおもしろいですよ。おろしたきゅうりを市販のもずく酢に加えるだけです。
もずく酢にカットした夏野菜を混ぜる
もずく酢にオクラやトマトなどの夏野菜を切って混ぜるだけですぐできる美味しい一品です。お好みで大根おろしや大葉をのせると夏バテ防止のあっさりしたレシピに仕上がります。
もずく酢にすだちを加えるとカルシウムが4倍アップ
市販されているパックに入った一般的なもずく酢にすだちを搾ります。三杯酢なしの味のついていないもずくのパックを購入した場合は、すだちだけでいただくとこれもまた美味しいですよ。
えのき入りもずく酢
えのきの石づきを落として、1/3の長さにカットしてほぐします。鍋に酒とえのき、塩少々を入れてえのきがしんなりするまで炒め、もずく酢に合わせて冷蔵庫で冷やしたら完成です。
《 ポイント 》
- 一般的なもずく酢のパック1個程度(約70g)までが1日の目安
- 味噌汁やお吸い物、雑炊などの料理に加えると水溶性食物繊維を摂り入れやすくなる
- もずく酢に夏野菜、すだち、炒めたえのきを加えてアレンジ
もずく酢の栄養と健康効果
もずく酢は低カロリーなので、それほど栄養価が高いと思えないのですが、先にもお伝えしたように、食物繊維やミネラルが豊富で健康効果が高い食品です。
ではここから、もずく酢の栄養成分と健康効果について詳しく紹介していきましょう。
もずく酢の期待される効果
- 整腸、胃の健康維持
- 免疫力正常化
- 糖尿病・痛風など生活習慣病予防
- ダイエット効果
- むくみの解消
- 美肌、美髪効果
腸内環境を整える食物繊維
もずくのぬめり成分には、水溶性食物繊維であるフコイダンが豊富に含まれており、一緒に酢を摂ることで代謝が活発になります。
このフコイダンは体内で消化されずに大腸まで運ばれてからさまざまな働きをし、便秘や動脈硬化、心臓疾患などの予防に役立ちます。
また、余分なナトリウムやコレステロールを排出し、血圧や血糖値の上昇を抑える働きがあるなど、さまざまな健康効果が期待されています。
ぬめりを落とさずに食べるとより効果が期待できる
フコイダンの含有量は藻類の中でもトップクラスのもずくですが、表面のぬめりを洗い落としてしまうと、フコイダンも一緒に流出してしまいます。
水で軽く洗い流す程度では落ちてしまうことはありませんが、生もずくを調理する際は洗い過ぎないように注意してください。
以上のようなことから、もずく酢の栄養を効率的に摂取するためには、ぬめり部分も一緒に食べるようにしましょう。
ヨウ素は妊婦さんや授乳中の方に大切な栄養素
ヨウ素の摂りすぎは甲状腺の働きを弱める可能性があるため、摂取量に上限が設けられています。
ですが、普通の食生活ではこの上限に達することはままずないので、安心して食べることができるでしょう。
ヨウ素は甲状腺ホルモンの合成に必要なミネラルで、基礎代謝を促すほか、たんぱく質を合成するのに必要な成分なので、妊婦さんや授乳中の方にとって大切な栄養素です。
妊娠中や授乳期には、胎盤や母乳を通じて赤ちゃんに移行し発育を促進しますので、妊婦さんや授乳中の方が適度な量のヨウ素を摂取することはとても重要なことなのです。
また、丈夫な骨をつくるカルシウムやマグネシウムが含まれていますので、骨粗しょう症を予防するという点でも、おすすめの食品です。
アンチエイジング・美容にも効果が期待できる
もずく酢には免疫を活性化させる作用があり、その効果で免疫力が上がります。また、もずくに含まれるフコイダンの効能の一つに抗酸化作用があります。
これは活性酵素が体を錆びないようにして老化を抑えてくれるため、酢と一緒に食べることで肌のつやを保持する働きが倍増します。
海藻類に含まれているミネラルは、白髪になるのを抑えたり、髪がツヤツヤになるなど頭髪にもいい影響を与えることがわかっています。
低カロリーでダイエットにも向いている
もずく酢がダイエットに向いていると言われる理由は、豊富に含まれている水溶性食物繊維に血糖値の急上昇を抑える作用があるからです。
皆さんは、 もずく酢を食事の前に食べる「もずく酢ダイエット」をご存じですか?
血糖値の上昇をゆるやかにすると、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが、血中の糖分を脂肪としてためる作用を抑えてくれるのです。
さらには、1パックあたり約17kcalと、低カロリーであることも、ダイエット中の方にはありがたい食品ですよね。
また、もずくを酢で和えることで食物繊維が柔らかくなりますが、これは満腹感を与えてくれるだけでなく、老廃物を排出して腸内環境を整えてくれます。
以上の理由から、もずく酢はダイエットに向いていると言えるのではないでしょうか。
糖尿病や通風予防になる
食事の最初に食べると血糖値の急激な上昇を抑えるということは、糖尿病予防の効果が期待できるということにもなります。
また、フコイダンは尿をアルカリ性に近づけるので、体内にある尿酸を排出する働きがあり痛風予防にもつながります。
《 ポイント 》
- 食物繊維やミネラルが豊富で健康効果が高い食品
- フコイダンの含有量は藻類の中でもトップクラス
- 表面のぬめりを洗い落とすとフコイダンも一緒に流出してしまう
- ヨウ素は妊婦さんや授乳中の方にとって大切な栄養素
- 抗酸化作用があり、アンチエイジングや美容にも効果が期待できる
- 低カロリーで血糖値の急上昇を抑える作用があるため、ダイエットに向いている
- 糖尿病予防と痛風予防にもつながる
最後に
もずく酢が危険と言われる理由や1日の摂取量の目安、もずくの栄養成分と効能効果についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
もずく酢は、水溶性食物繊維フコイダンが藻類でトップであり栄養豊富な食材です。食事の前に食べると、血糖値の急上昇を抑える作用がある他、低カロリーなのでダイエット中の方にとってピッタリですよね。
もずく酢と夏野菜を和えたり、スープ、天ぷらなどいろいろな料理にアレンジできるので、ぜひ日々の食卓に取り入れて健康管理に役立ててくださいね。