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陶器加湿器のカビの取り方
冬の乾燥対策には加湿器が効果的ですよね。水を入れてそのまま置くだけで加湿してくれる「陶器加湿器」は、年々人気が高まっていますが、頻繁にお手入れする必要があります。
水を入れすぎると陶器加湿器を置くトレーに水が溜まり、湿ったままの状態が続くとどうしてもカビが発生してしまいます。
ちょっとしたカビでしたら食器用洗剤をつけたスポンジで擦って落とせますが、きれいに取り除けなかった場合はどうしたらよいのでしょうか。基本的には、「スポンジなどで汚れを落とす」「ブラシでこする」「薬剤を使う」の3つのやり方で対処します。
陶器加湿器のカビ掃除の手順
取り扱い説明書に書いてある方法を参考にして、色ムラがでたり色落ちしたりしないように注意しながらカビ落としをします。
- 加湿器を水に濡らし、軽い汚れの場合は柔らかいスポンジで加なでて落とす。
- それでも落ちない汚れの場合は、洗い桶や洗面器に、30~40℃程度のお湯をはる。
- お湯の中に洗剤を適量入れ、完全に溶けきるまで混ぜる。
- 加湿器をお湯の中に沈める。
- 20~30分経過したらお湯から出し、汚れがついていたらスポンジで擦って落とす。
- 陶器の内側も忘れずに念入りに水ですすぐ。
- 乾いた布で拭く。
- 風通しのよい場所に一日以上置いてしっかりと乾かしたら完了。
カビが生えた場合のお手入れ方法
カビが生えた場合のお手入れ方法を紹介します。表面に凹凸がある陶器製はざらざらしていて、汚れが中に入り込んでしまうとこすっただけでは落としにくい場合もあります。そんな時には漂白剤を使ってみましょう。
酸素系漂白剤を使う
酸素系漂白剤とは、過酸化ナトリウム・過酸化水素によって汚れを漂白します。酸素系漂白剤には粉末の「オキシクリーン」や液体タイプの「ワイドハイター」などが挙げられます。
漂白剤を使うと色落ちする可能性があります。また、陶器に臭いが残りやすいため、「塩素系」漂白剤よりは無臭タイプの「酸素系」漂白剤がおすすめです。塩素系特有のツンとした刺激臭がないため、お手入れ後も違和感なく使用できます。
酸素系漂白剤には粉末と液体タイプがありますが、粉末タイプの方が漂白力が高いため頑固な汚れも落としやすいです。ただし、その分色落ちもしやすいデメリットも存在します。陶器加湿器の塗料は簡単には落ちませんが、経年劣化しており色あせていくのが心配な方は液体タイプの酸素系漂白剤をオススメします。
粉末タイプの酸素系漂白剤は、40℃程度のお湯に溶かして漬け込み漂白します。一方、液体タイプはカビと思われる個所に吹きかけるだけです。いずれも擦る必要はなく10分程度で漂白されます。
塩素系漂白剤を使う
頑固なカビには塩素系漂白剤の「キッチンハイター」や、カビを除去する薬剤「カビキラー」を使用すると効果的です。キッチンハイターや、より強力なカビキラーなどのカビ除去剤を吹きかけて10~15分ほど放置してからすすぎます。塩素系漂白剤は刺激が強いので、手袋やマスクを装着しましょう。
塩素系漂白剤は酸素系の物よりも漂白力が高い特徴があります。そのため、色落ちする可能性も高いことは頭に入れておきましょう。また塩素系特有のツンとした刺激臭が残るため苦手な方は酸素系漂白剤の使用を推奨します。
《 ポイント 》
- 食器用洗剤をつけたスポンジで擦って落とす。
- カビが生えている場合は無臭タイプの酸素系漂白剤がおすすめ。
- 頑固なカビには塩素系漂白剤や、カビを除去する薬剤が効果的。
陶器加湿器のカルキ(白い汚れ)の取り方
陶器加湿器につく汚れの原因は、「カビ」「カルキ」「手あか」などが挙げられます。ピンク色や黒色は、雑菌やカビによるもので、白い汚れは加湿器に入れた水道水が蒸発してできたカルキです。そして水を出し入れするときに頻繁に触ることで、手あかもついてしまうでしょう。
これらの汚れは、程度によってこすって「落とせる」ものもあれば、「落とせない」ものもあります。
カルキにはクエン酸が有効
カビだけでなく、水道水に含まれている「カルシウム」や「ミネラル」などのカルキによる白い汚れがつきやすいようです。陶器によってはピンク色のこともありますが、どちらにしてもカルキ汚れの除去にはクエン酸が効果を発揮してくれます。
- 洗面器などにはった水に大さじ1~2杯のクエン酸を入れます。
- その中に陶器を沈めて一晩おいてすすぎましょう。
カルキが取れにくいようでしたら、たわしやハブラシなどでゴシゴシ洗ってみてください。
《 ポイント 》
- カルキによる白い汚れの除去にはクエン酸が効果的。
陶器加湿器にカビができるのを防ぐ方法
では、カビが生えにくくするにはどうすればいいのでしょうか?何か対策はあるのでしょうか。
陶器加湿器のカビ防止対策
陶器加湿器のカビ対策としては、以下が効果的です。
- 水分が蒸発するからと言って長期間放置したままにせず、お皿の水を取り出して乾燥させる。
- 毎日、水洗いをして乾燥させたらキッチン用除菌アルコールスプレーをかける。
- お皿の水をこまめにチェックして、余分な水分は取り除く。
- 使用するとき以外は水を抜いてしっかり乾燥させる。
- 洗濯物と同じように日光にあてて一日以上日干しする。
特に毎日、水洗いや除菌、乾燥をすることはカビ対策だけでなく陶器加湿器自体を長持ちさせることにも繋がります。お手入れする際は、陶器加湿器だけでなく受け皿も洗っておきましょう。
《 ポイント 》
- 長期間放置せずに、使用するとき以外は水を抜いて乾燥させる。
- 毎日のお手入れがカビ対策に最も有効。
- 受け皿も丁寧に洗うことが大事。
陶器加湿器のメリット・デメリット
そもそも陶器加湿器は、陶器の水を吸い込み気化させる特性を活用した加湿器です。自然気化式といわれる方式で陶器全体が水分を気化させ空間を潤わせます。
最近ではキャラクターや動物デザインの陶器加湿器も登場しインテリアとしても注目されている他、アロマオイルを垂らすことでリラックスアイテムとして活用している方もいます。
メリット
近年、エコへの意識向上によって陶器加湿器に対する注目度も高まってきました。他の方式を採用した加湿器とは一味違ったメリットから自宅に設置している人も増えてきています。ここでは、電気式加湿器にはない、陶器タイプならではのメリットをご紹介します。
かわいいデザインものが多い
陶器加湿器にはオブジェ風やキャラクターものまでさまざまなデザインがあり、選ぶだけでも楽しくなります。リビングやオフィスなど、どこに設置してもお部屋の雰囲気を損なわずに済むものを選べるのが陶器加湿器の魅力でしょう。
空気が乾燥しやすい冬はもちろん、加湿器の需要が低くなる春や夏の季節でも、インテリアとしてそのまま飾っておける点も陶器加湿器ならではの魅力といえます。
電気を使わないため省エネになる
陶器に水を吸わせて気化させる自然気化式の加湿器ですから電気代がかかりません。それに、繰り返し使用できるので地球にやさしい加湿器と言えるでしょう。水を入れるだけで簡単に加湿できるシンプルさ、そしてエコ(省エネ)な加湿器を使いたい方にピッタリです。
近年、節電が重要視されてきていることもあって今後、陶器加湿器が活躍する場面は多くなってくるでしょう。
安心安全
陶器加湿器の大きな利点は安全性は高いところです。
熱を利用して加湿するわけではないので、熱くなった水蒸気や加湿器でやけどをする危険性がありませんから、赤ちゃんやペットのいるご家庭でも安心して使用できます。
万が一、目を離した隙に加湿器の水がコンセントへ飛び散りショートや火事が起きるというリスクもないため安心して設置できます。
音がしないので静か
陶器加湿器は、設置するだけで自然に加湿するので動作音がしません。睡眠の邪魔をせずに安心して使えるので、わずかな音でも気になる方には陶器加湿器がおすすめです。
動作音に悩まされることなく、睡眠中の乾燥を緩和してくれます。
お財布にも優しい
他のタイプの加湿器に比べて安いのが魅力です。1000円前後で手に入れられるうえに、繰り返し使用できるのでコスパの高い商品といえるでしょう。
1,000円以上の商品と比較すると、ややスペックは劣るかもしれませんが、ダイソーなど100円ショップでも陶器加湿器を安く入手できます。ただし、300円~500円くらいの値段設定になっている点にはご注意ください。
デメリット
陶器加湿器は安い、エコ、インテリアにもなるなどメリットが目白押しですが、その一方でデメリットも存在しています。
加熱タイプの加湿器と違って、場合によっては期待どおりの効果が感じられないことがあるようです。ここでは、陶器加湿器のデメリットをご紹介していきましょう。
加湿力が弱く人によっては効果を感じにくい
陶器加湿器は自然気化式なので、電気式の加湿器のように室内を均一に潤せるような効果は期待できません。電気式の加湿器に慣れている人には、加湿力が弱いと感じることもあるでしょう。
また陶器に吸水させ蒸発させる仕組み上、他のタイプより加湿開始に時間がかかります。
「ミスト」のように目に見えて実感できるものではないので、加湿の効果がわからないと疑問を持つ方も少なくないようです。加湿器の周囲をゆるやかに潤す陶器タイプは、広い空間より狭い部屋の加湿に向いていますので、ベッドの横や、オフィスの机の上に置いて使用するのが良いでしょう。
加湿量を調節できない
自然気化式の陶器加湿器は、室内の温度など周りの環境によって加湿効果が変わります。電気式のように加湿量を調節できないので、湿度が高過ぎるときには効果を発揮しにくく、緩やかすぎて物足りなく感じることもあります。
また陶器加湿器の商品によっても加湿能力には差があります。加湿量や放散率などといった数値で加湿能力が表されています。場合によっては、同じ陶器加湿器でも加湿できる能力に大きな差が生じているケースもあります。
陶器加湿器を購入する前にメーカーが公表している加湿量・放散率を事前チェックされることをオススメします。
汚れがつきやすい
陶器加湿器に使用する水は、放置していると雑菌が繁殖してしまいます。室内の気温や湿度によってはカビが発生する可能性もありますので、定期的に乾燥させなくてはいけません。
また、手あかがついたり、水に含まれるカルキがついて白く汚れてしまうので、放置しておかずに、お手入れをする必要があります。
《 ポイント 》
- デザインが豊富で部屋の雰囲気を損なうことなく楽しめる。
- 水を入れるだけのシンプルさとエコ(省エネ)が魅力。
- 熱を利用していないので安心安全で静か。
- 加湿力が弱いと感じる。
- 加湿量を調節できない。
- 汚れがつきやすく手入れをする必要がある。
最後に
今回は「陶器加湿器のカビとカルキの取り方」と「予防法」についてご紹介しました。陶器加湿器は他の電気式加湿器と比べてお手入れがとても簡単です。とはいえ「カビ」や「カルキ」による白い汚れ、そして水を出し入れするときにつく「手あか」などで汚れてしまいます。
きちんとお手入れをすれば長く使用できますので、長期間放置せずに乾燥や掃除をするように心がけましょう。もしカビが発生した場合は、漂白剤に浸けたりカビ除去剤を吹きかけて放置した後すすぎます。電気を使用しない陶器加湿器は、お財布にも環境にもやさしいエコな商品なので、きちんとお手入れをしながらインテリアとしても楽しめます。
また、オフシーズンにはオブジェとしても活躍することでしょう。汚れがひどい場合は、消耗品と割り切って違う陶器加湿機を買い換えてみるのも気分転換になって良いかもしれませんね!