目次
①凝固剤を利用した油の捨て方
油の捨て方で一番手間がかからない楽ちんな方法です。市販されている凝固剤で油を固めるだけで、燃えるゴミと一緒に捨てることができます。凝固材を入れるときの注意する点は油の温度です。油の温度が低いと凝固材が溶けないのでうまく固めることができません。
油の温度が低くうまく固めることが出来ない場合は、少々面倒でも再度コンロで油を加熱しなければなりません。再加熱の状態で放置してしまいますと発火して火事の原因になってしまいます。加熱中は目を離さずに、加熱後はすぐ火を止めましょう。
固めた油の中心にさいばしを差して、ぐるぐると大きく鍋の外側に渦を書いて鍋から油を浮かし、浮かんだ油の中心に再度さいばしを差して鍋を傾けて油を引っ張るようにすると、つるんと固まった油が一気にはがれ落ちるので気持ちがいいですよ。
固まった油の捨て方は、少しづつ分けてビニール袋に入れて燃えるゴミとして捨てることをおすすめしています。
凝固材で一番有名な「固めるテンプル」の場合1包で600mlの油を固めることができます。1包で固められる油の量も多いので大量に天ぷらや揚げ物をした場合は処理のコスト的にも安く済みます。
また、固めるという点で冷凍して固めて捨てるという方もいらっしゃるかと思いますが、ゴミに出す時は固まっていて便利なのですが、ゴミに出した後油が溶けて流れ出してしまいます。冷凍して油を廃棄する場合は固めた油を新聞紙などの油を吸収する紙で包んでその上でビニール袋に入れて処理しましょう。
②吸わせるタイプのパッドを利用した油の捨て方
油を固める商品ではなく油を吸わせる商品もあります。こちらは天然パルプ素材のパッドで油に浸すと油がしみ込み吸収して燃えるゴミとして捨てることができます。
油を吸わせて捨てるタイプは、冷めた油でも吸収してくれるので、凝固材のように再度加熱をしなくても良いのが利点です。ただし油が熱い時はやけどをしてしまう危険があるので油を十分に冷ましてから吸収パッドを入れましょう。油を十分に吸わせたパッドは燃えるゴミとして捨てる事ができます。
有名な「吸わせるテンプル」の場合、パッド1枚あたり110mlの油を吸うことができます。パッド1枚あたりの油の吸収量は少ないので、少量の油を処理する際に利用するのがおすすめです。
③紙パックを利用した油の捨て方
市販の凝固材や吸収パッドを購入しなくても家にあるもので油を処理して燃えるごみに捨てることができます。それは牛乳パックなどの紙パックを利用して油を捨てる方法です。紙パックに丸めた新聞紙やキッチンペーパーやトイレットペーパーなどを詰めると簡易油処理ボックスが作れます。
最近は新聞を取らない家庭も多いので新聞紙がない場合があると思います。古くなってもう着ないかな?と思うTシャツや下着類は綿100%の物が多く、油をよく吸収してくれるので活用することができます。
油を十分に冷ましてから染み込ませます。油が熱いうちはやけどをしてしまう危険があるので必ず油を冷ましてください。自然発火の防止ために油を注いだ後は水を染み込ませておくのがポイントになります。油を入れたあとはしっかりと口をガムテープで塞いで燃えるゴミの日に捨てます。
④ビニール袋を利用した油の捨て方
基本的なやり方は紙パックの利用と同じです。スーパーのレジ袋などのビニール袋に新聞紙やキッチンペーパーやトイレットペーパーなどを丸めて入れます。油を入れる前に必ず袋に穴があいていないかチェックして漏れることがないように注意してください。
破れたり漏れていると掃除が大変になりますので、袋は念のため2重にしておきましょう。十分に冷ました油を染み込ませこちらも自然発火の防止に水を染み込ませておきます。自然発火は油が空気に触れて酸化することで熱が発生し、その熱が上昇することで発生します。
油を入れたあとは袋の口をしばり、輪ゴムやガムテープで密閉して燃えるゴミの日に捨てましょう。
牛乳パックやレジ袋を使って捨てる場合、漏れないようにまずは穴が開いたりしていないか必ず確認しましょう。その上で中に入れる新聞紙やぼろ布などは少し多いかな?と思うくらいにたっぷり入れます。自然発火を防ぐことも重要で、牛乳パックやレジ袋の中には必ず水も入れるようにします。そして捨てる場所にも注意。指定されたゴミ捨て場の関係で難しい場合もあるかもしれまえんが、直射日光が長時間当たり続けるような場所はできる限り避けて何かの物影に置くようにします。
⑤小麦粉や片栗粉を利用した油の捨て方
キッチンにある食材を使った油の捨て方として小麦粉や片栗粉を使う方法があります。賞味期限切れの小麦粉や片栗粉がありましたら、油凝固剤の代用品として使用することができます。
油料理に使用したフライパンやナベの油が冷える前に油と同量の小麦粉や片栗粉を入れると油が固まります。キレイに油を固めることができますのでビニール袋に入れて捨てます。
小麦粉や片栗粉の場合使用する量が多いので、賞味期限が切れてしまった小麦粉や片栗粉がご自宅にある場合は是非お試しください。
⑥ペットボトルを利用した油の捨て方
燃えるゴミとして処理される他に、多くの自治体で資源ごみとして回収しています。自治体の他にも色々なスーパーや企業でエコ活動の取り組みとして回収し車の燃料やインクや石鹸にリサイクルされています。
方法は不要なペットボトル用意してじょうごを利用してこぼさないようにペットボトルに油を注いで詰めた状態でフタをしっかり閉めて回収拠点に持参します。日時の指定があるので回収拠点と日時をお住まいの自治体や回収している企業やスーパーなどに必ず確認しましょう。
⑦未使用の油の捨て方
未使用の油でも賞味期限切れとなると処分に困りますよね。先に紹介したペットボトルを利用した捨て方と同様に資源ごみとして回収してもらう方法でも良いでしょう。
未使用の油の場合はペットボトルのように油を移し変えなくてもそのままの容器で回収拠点に持っていくことが出来ます。移し変えの手間もなく資源としてリサイクルされるのでおすすめです。
⑧大量の油の捨て方
お歳暮などで貰って使用を忘れ賞味期限の切れた油が大量に残ってしまったり、業務で使用した油を大量に処分したい場合はお住まいの自治体に問い合わせてください。
賞味期限の切れた油はペットボトルや未使用油の捨て方の項目で紹介したとおり捨てるよりもリサイクルに回すことが理想的と思われます。特にスーパーなどではリサイクル品回収でポイントを還元してくれるところもあるのでお得な場合があります。
業務で使用した大量の油の場合は、ご自分で捨てる為の処理や運ぶのが困難な場合は有料になってしまうかも知れませんが不用品回収業者に問い合わせてみましょう。
⑨油の捨て時を判断する方法
1回の食事分の天ぷらや揚げ物で利用した油を捨てるのは何だかもったいない気がしますよね?何度か使えるのならば使用してから捨てればゴミの量も減らすことが出来ますし、油代も節約することができます。
まずは、使用した油を保存します。油が熱いうちに網じゃくしで揚げかすを取り除き、油こし器で細かいかすを取り除いた油を油ポットに入れて保存します。油をこす際は油の温度が低いと粘りが強くなりこしにくくなってしまうので、触っても問題ないくらいの温度でこしましょう。
1度使用した油は酸化しやすいので長期間保存することはできないのでなるべく早く使い切るようにしてください。
油を捨てる判断方法
・透明な薄黄色の油の色が茶色に近い色になる
・無臭だった油から不快な臭いがする
・揚げ物で使用の際に立つ泡が消えづらくなる
・油を加熱すると何も入れていないのに煙が立つ
・サラサラだった油に粘り気が出てくる
保存していた油が上記のような状態になったら、元の状態に戻す方法はありませんので、今回ご紹介した油の捨て方のご自分にあった方法で処理して捨ててください。
調理する順番を考えて使用すると油を汚さずに長く使うことができます。野菜から魚介類、肉類の順に料理するのがポイントです。献立を考える時に順番を考えて上手に食材を選んで料理をすれば油をより長持ちさせることができます。
油に関するQ&A
A.どんな料理をしたかによっても異なりますが、再利用できる目安は2~4回と言われています。魚や肉を使ったフライや、から揚げ等は素材から出てくる成分によって油が汚れやすくなります。逆に野菜の素揚げや野菜の天ぷらは比較的油をきれいな状態で使えますので、料理をする順番を工夫すると無駄なく油を使うことができます。なお、1回だけしか野菜を揚げていない油だからと言っても、時間が経つと酸化してきますので、なるべく早く使いきるようにしましょう。
⑩ご家庭で簡単リサイクル
油の捨て方として、ゴミとして捨てるか回収してもらう事を紹介してきましたが、ご家庭でリサイクルして再活用する方法もあります。お子さんと一緒に工作をするつもりでチャレンジしてみてはいかがですか?
アロマキャンドルにリサイクル
市販されている油を固める凝固剤とご家庭内にある材料で自宅で簡単に作ることができます。色々な色を付けたり、お好みのアロマオイルを足して楽しむことができます。
使用する材料
- 廃油(200ml)…色が変色していない油を使うと発色が良いです。
- 凝固剤(60g)
- 芯(太めのタコ糸)
- 容器(空き瓶)…ジャムの空き瓶を使うとカワイイ
- わりばし
- 好きな色のクレヨン
- アロマオイル…お好みの香りをつけて楽しんでください。
作り方
上記の方法をアレンジしてクレヨンの色を変えて何層かにしてカラフルなキャンドルを作ったり、100円ショップなどで購入することができる星やハートの型を使ってミニキャンドルを先にいくつか作っておき容器空き瓶のなかに油を注ぐ時に浮かべてみるのもかわいいですし楽しいです。
せっけんにリサイクル
アロマキャンドルよりもハードルは上がってしまいますが、せっけんを作ることもできます。
使用する材料
- 廃油(300cc)
- 水(100cc)
- 苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)40g
- お好みのアロマオイル
※苛性ソーダは劇薬です。たんぱく質を溶かす性質があるので大変危険なものです。ゴム手袋や眼鏡をして長袖の服を着て慎重に作業してください。必ずお子さんの手が届かないところに保管して取り扱い時も注意してください。薬局で購入することできますが購入には記名と印鑑が必要になります。
使用する道具
- 500mlのペットボトル
- はかり
- じょうご
- クッキングペーパー
- 牛乳パック
- ビニール袋(スーパーの手さげ袋)
作り方
完成したせっけんは、洗濯の部分洗いや運動靴を洗ったり、お風呂洗いや食器洗いまで様々な場所で活躍することができます。
苛性ソーダを使うのは怖いという方にオススメです。
最後に
油の捨て方を紹介しましたがいかがでしたか?油には色々な捨て方があります。資源として再利用する事もできます。環境汚染対策にもなるので必ず正しい処分方法で油を捨ててください。また、ご家庭でのリサイクルの方法も紹介しました。アイデア次第でアレンジも出来るので楽しみながらエコな生活をしてみてはいかがですか?
最近では家庭で調理に使った廃油の回収方法をペットボトルに入れて月1回の回収など指定している地域もあります。まずはお住まいの地域の廃油回収方法を確認し、指定されていないようでしたら、牛乳パックに詰めたり凝固剤を使ったりし燃えるゴミの日に出すようにしましょう。
また廃油石鹸は肌の弱い人はあわない場合もありますので、顔などに使う前にまずは手など肌が強い部分から使ってみることをおすすめします。
家事アドバイザー・節約アドバイザーとしてテレビ・講演・コラム連載などで活動。頭を使って賢くスマートに、時間とお金をバランスよく使う暮らし方を提唱。著書に「シンプルライフの節約リスト」(講談社)などがある。
使い終わった油を捨てるときは、牛乳パックやビニール袋に新聞紙やぼろ布を敷き詰めて油を染み込ませる方法があります。このときは発火を防ぐために必ず水も含ませるようにします。
簡単に捨てるのであれば市販の凝固剤を使うのも一つの方法。廃油に混ぜると油が固まり捨てやすくなります。