目次
シフォンケーキの割れ方
シフォンケーキは少ない材料で作ることができるので、手作りケーキのチャレンジに向いていそうですが、これが結構やっかいなケーキで、焼き上がりの表面がキレイに割れないために失敗することがあります。
シフォンケーキの表面が花びらのような放射線状に割れるのを目指しているのですが「次こそは!」と思ってもシフォンケーキに花は咲かない。
作るたびに割れ方が違って、横割れだったり、腰割れだったり、割れないでぷっくり盛り上がったり。それぞれ割れない原因が違うのでやっかいですよね。
「目指すは花割れ!」
焼きあがったシフォンケーキの表面に、花びらのような割れ目ができていることを「花割れ」と言います。この花割れができると、シフォンケーキは成功です。
試行錯誤していくうちに、シフォンケーキがキレイに割れない原因や、花割れするためのポイントが分かりましたのでまとめてみました。
シフォンケーキがキレイに割れない原因
シフォンケーキがキレイに割れないのは「材料の配分」「生地の混ぜ方」「焼く温度」などが原因です。
材料の配分
シフォンケーキの材料の配分を間違えるとキレイに割れないことがあります。砂糖の量が少ないと気泡が壊れやすくなり、底に空洞ができたり陥没したりすることがあります。
また、薄力粉の量が少ない場合や、たんぱく量が少ない小麦粉を使用すると空洞ができやすくなりますので、レシピ通りの配合で作りましょう。
生地の混ぜ方
シフォンケーキの生地の混ぜ方を間違えるとキレイに割れないことがあります。
シフォンケーキは卵黄生地とメレンゲ生地を用意し混ぜ合わせますが、卵黄生地とメレンゲ生地それぞれをしっかり混ぜる必要があります。
シフォンケーキを膨らませるのはメレンゲの役目ですので、メレンゲの泡立てが不足しているとシフォンケーキは膨らまないため、焼き上がりもキレイに割れません。逆に、泡立てすぎるとメレンゲがぼそぼそしてしまい、横割れの原因になりますので注意しましょう。
泡立ての目安として、泡だて器でメレンゲをすくい、泡の角がピント立って下向きに落ちなくなるまで泡立てましょう。
泡だて器でメレンゲをすくった時、角が下向きであれば泡立てが足りませんので角が垂れなくなるまで泡立てましょう。泡立てているボウルを逆さまにしてメレンゲが垂れてこなかったらOKです。
卵黄生地とメレンゲ生地の混ぜ合わせが悪いとメレンゲの気泡がつぶれてしまい、シフォンケーキは膨らみませんのでキレイに割れません。卵黄生地にメレンゲ生地を何回かに分けて加えることがポイントです。
卵黄生地とメレンゲでは生地の硬さが異なります。とろりとした卵黄生地にふわふわしたメレンゲ生地を一度で混ぜ合わせようとするとしっかり混ざりません。
焼く温度
オーブンの温度が高すぎると焼き上がりがキレイに割れないことがあります。火力が強すぎると生地の表面だけが先に焼けて固まるため膨らみが弱くなりますのでキレイに割れません。
また、生地が急激に膨らみますので底に空洞ができることがあります。最初は温度を低めに設定し、オーブン用温度計を使って温度を調整しながら焼きましょう。
シフォンケーキの失敗の種類と原因
シフォンケーキの失敗として「底上げ」「腰折れ」「ふくらまない」「横割れ」などがおきます。それぞれ必ず原因がありますので失敗の種類ごとに原因と対策をご紹介します。
底上げ
底上げとは、シフォンケーキの底にドーナッツのような空洞ができることです。この空洞は焼き上がって型を外すまでわからないため、シフォンケーキ作りで一番多い失敗でしょう。
床上げの原因は…
1. 卵黄生地がしっかり乳化できていない
卵黄と油が均一に混ざりあうことを乳化と言いますが、しっかり乳化できていないと油と水が分離し、油が外側に型に油が付くと生地が十分に張り付かず空洞ができてしまいます。
《 対策 》
- 油と水分を湯煎して温めてから混ぜる
- 油に水分をゆっくり加える
- 卵黄生地とメレンゲをしっかり混ぜる
- 型に流し入れる時に空気を抜く
2. メレンゲの泡立て不足または泡立て過ぎ
メレンゲの泡立て不足や泡立て過ぎの場合、メレンゲの泡が不安定なため、卵黄生地と混ぜ合わせるとメレンゲの気泡同士が結合して大きな気泡ができて底上げの原因になります。
《 対策 》
- 新鮮な玉子を使う
- 卵白はしっかり冷やす
- 卵白に塩を一つまみかレモン汁を数的加える
- メレンゲを電動泡だて器でゆっくり混ぜる
- 銅のボウルを使用する
3. 生地の底に空気が溜る
型に生地を流しいれた際、型の底に空気が入り込むとその部分が空洞になります。また、空気を抜こうとして型をトントンたたきつけると空気が周りの隙間から入り込むことがあります。
《 対策 》
- 流し入れてすぐ竹串などで生地をぐるぐるかき混ぜて型の底の空気を抜く
4. オーブンの温度が高い
オーブンの温度が高すぎると生地の膨らみが激しくなるため空洞ができます。
《 対策 》
- オーブン用の温度計を使用して焼き上がりを調整する
- 焼く前に予熱をしっかり取る(天板を使用する時は天板も予熱する)
5. 生地の水分が多い
水分の配合が多かったり、果物など水分が多いものを加えると水分量が多くなりすぎて生焼けになり底上の原因になります。
《 対策 》
- 生地に配合する水分を減らす
- 水分の多いものを加えた時は焼き時間を調整する
横割れ
横割れとは表面の生地が硬くなって割れなくなり、下にある生地がどんどん膨らんで耐えきれなくなり横からあふれて生地が押し上げられる状態のことです。
横割れの原因は…
1. メレンゲを硬くし過ぎる
メレンゲを泡立て過ぎて気泡をたくさん含んだ生地は早く膨らみますので表面が硬くなった生地を押し上げて横割れを起こしやすくなります。
《 対策 》
- メレンゲを泡立て過ぎない
※メレンゲの泡の角がピント立って下向きに落ちなくなった時点で泡立てるのを止める
2. 水分量が少ない
水分の配合が少ない生地の場合、表面が割れにくくなります。下から膨らむ生地も硬く横割れをおこしやすくなります。
《 対策 》
- 水分量を増やす
3. 放射状の切り込みや擦り付けが無い
生地の横割れを防ぎ、表面を割れやすくするために切り込みや擦り付けをする必要があります。
《 対策 》
- 焼き始めて7~8分後に素早く放射状に切り込みを入れます。または、型の筒の側面と中央から型に向かって生地を放射線状に4ヵ所擦り付けます。
4. オーブンの温度が高い
オーブンの火力が強すぎるとシフォンケーキの表面が先に焼けて固まるため、中からの生地に押されて横割れをおこします。
《 対策 》
- オーブン用の温度計を使用して焼き上がりを調整する
オーブンの温度を高くし過ぎない。200℃以上にならないようにする
腰折れ
腰折れとはシフォンがくびれてしっかり立てない状態のことです。
腰折れの原因は…
1. 粉の割合が配分が少ない
粉の割合が少ないと、グルテンが十分に形成できずシフォンケーキの形がしっかり保てなくなります。
また、卵黄生地の混ぜ合わせが足りないとグルテンの形成が弱くなりますので腰折れの原因になります。米粉を使用した場合も同様にグルテンの形成が弱くなります。
《 対策 》
- 料理用の小麦粉の場合は卵黄生地をしっかり混ぜてグルテンを出す
- 粉の配合を増やす
2. 卵白の量が多い
卵白の量が多いとふわふわし過ぎてシフォンケーキの形がキープできず自立できなくなります。レシピに書かれているサイズより大きいサイズの卵を使うと、卵白の量も多くなります。
《 対策 》
- レシピ通りの大きさの卵を使う
- 卵白の重さが書かれているレシピを使う
3. メレンゲの泡立て方が悪い
メレンゲを泡立て過ぎるとメレンゲがぼそぼそになり卵黄生地とうまく混ざらずムラができます。そのムラに気泡が入り空洞ができてシフォンケーキにくびれができてしまいます。
また、メレンゲの泡立てが不足していると泡が弱く、卵黄生地と混ぜ合わせるとメレンゲの泡が壊れてしまい生地の形を維持できなくなります。
《 対策 》
- 新鮮な卵を使用する
- 卵白をしっかり冷やす
- 乾燥卵白を使用する
- 卵白に塩を一つまみかレモン汁を数的加える
- メレンゲを電動泡だて器でゆっくり混ぜる
- 銅のボウルを使用する
4. 焼きが不十分
オーブンで焼き時間が足りなかったり温度が低かったりした場合、生地が生焼けになり生地の重さが支えられず腰折れをおこしてしまいます。
《 対策 》
- オーブンの温度が下がった場合、焼き時間を延ばして調整する
- オーブン専用の温度計を使用して温度を調整する
- 予熱をしっかり取る
5. 冷まし時間が足りない
シフォンケーキをしっかり冷やす前に型から外すと生地の中に蒸気が残り、重くなった記事を支えきれずに腰折れをおこす原因になります。
《 対策 》
- 焼き上がったらすぐ型を逆さまにする
- 型の筒の部分も冷たくなるまでしっかり冷やす(目安は4時間以上)
6. 生地の水分量が多い
水分の配合が多かったり、果物など水分が多いものを加えると重くなり、支えきれずに腰折れを起こすことがあります。また、水分量が多くなりすぎて生焼けになった場合も自立できず腰折れになります。
《 対策 》
- 生地に配合する水分を減らす
- 水分の多いものを加えた時は焼き時間を調整する
膨らまない
シフォンケーキが焼き上がっても膨らまないことがあります。
膨らまない原因は…
1. メレンゲの泡立て不足
シフォンケーキが膨らむのはメレンゲに含まれた気泡が膨張するからです。メレンゲの泡立てが不足していると気泡が弱くシフォンケーキも膨らまなくなります。
《 対策 》
- メレンゲの泡の角がピント立って下向きに落ちなくなるまで泡立てる
- 新鮮な卵を使用する
- 卵白をしっかり冷やす
- 乾燥卵白を使用する
- 卵白に塩を一つまみかレモン汁を数的加える
- メレンゲを電動泡だて器でゆっくり混ぜる
- 銅のボウルを使用する
2. 乳化剤入りの油を使用している
シフォンケーキに使用する油はサラダ油や米油などの食用油が使われています。食用油の種類はさまざまですが、乳化剤入りの食用油はメレンゲの気泡を潰す性質がありますので、シフォンケーキが膨らまなくなります。
《 対策 》
- 乳化剤の入っていない食用油を使用する(コレステロール0などの油は乳化剤入り)
3. 固形のモノを入れている
ドライフルーツなどの固形のモノを入れると重くなるため膨らみが弱くなります。また、固形のものを入れすぎたり、大き目のものを入れたりすると膨らまなくなります。
《 対策 》
- 固形のモノを減らす
- メレンゲを硬めにする
4. メレンゲと卵黄生地を何度も混ぜる
メレンゲと卵黄生地を何度もかき混ぜると、中の気泡が潰れていきますので膨らみが弱くなります。
《 対策 》
- メレンゲと卵黄生地を一度で混ぜず、複数回に分けて混ぜる
- 1回混ぜた後、2回目以降は気泡を潰さないよう力を入れずに混ぜる
5. オーブンの温度が高い
オーブンの火力が強すぎるとシフォンケーキの表面が先に焼けて固まるため、膨らまなくなります。
《 対策 》
- オーブン用の温度計を使用して焼き上がりを調整する
- 200℃以上にならないようにする
- 焼く前に予熱をしっかり取る
シフォンケーキの手外し方法
シフォンケーキを型から外す時、ナイフを使わずに手で外す「手外し」という方法があります。
〈手順〉
- 型の外側と筒の周りを手で下に押し込みます。
- 型から外して形を整えます。
- 底を筒側に手で押し込みながら一回りさせてゆっくり剥がします。
- お皿にひっくり返します。
- 筒を外して完成です!
最後に
シフォンケーキがキレイに割れない理由や対処法などをご紹介しましたが、基本的にレシピ通り一つも間違えなければ、大きな失敗はありません。
レシピ通り作って花割れするコツをつかんだらチョコレートやドライフルーツなど好きな材料を追加しましょう。ケーキ作りを始めてする方は、プレーンケーキから始めることをおすすめします。