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賞味期限切れのビールは飲んでも大丈夫?
賞味期限間近のビールを見て気になるのは、記載されているのはあくまでも「賞味」期限であるということです。賞味期限とは、表記されている保存方法や場所、保存温度を守っている限りに於いてその期間内であれば美味しく食べることの出来る期間です。
飲んではいけないという意味での期限の場合は「消費」期限と記述してあるのが違いです。なので賞味期限は切れた直後くらいであればあまり大きな変化などは無く、食べたり飲んだりすることはまだ可能なのですね。
そうなると気になってくるのは「賞味期限が切れた後はどのくらいまで大丈夫か」という問題です。どこに保存されていたか、温度はどのくらいであるかなどによって前後してきますが、おおよそ缶ビールなら賞味期限から6ヶ月以内、瓶ビールなら賞味期限から3ヶ月以内というのが安全に消費できるおおよその目安になります。
なお当然のことながら古くなると味や風味は落ちますし、炭酸が抜けて泡立ちが悪くなり、色ににごりが見られてきたりと、食味はどんどん悪くなっていきますので、やはり可能な限り早めの消費を心がけた方が良さそうです。
種類別!ビールの賞味期限の目安
ラガービールやエールビールなどビールの賞味期限は種類によって差があります。それぞれ味にどういった変化があるのかをまとめました。
ラガービール
- 3ヶ月:問題なし
- 1年:問題なし
- 2年:味は落ちるが飲める
キリン、サントリー、アサヒといった大手メーカーが売っているいわゆる普通の缶ビールがこれです。
低温の下面発酵によって醸造されたビールで、缶や瓶に封入される際はフィルターによって酵母菌などは取り除かれているためそれ以上発酵することがなく、保存方法と温度を守れば長期間味が落ちることがないのが特徴です。
適切な管理下で保存していた場合は2年目でもそこまで味は落ちしなかったという話もあります。
エールビール
- 3ヶ月:問題なし
- 1年:問題なし
- 2年:味は落ちるが飲める
ラガーと比べると数は多くないですが大手がキャンペーン絡みで発売することの多い種類のビールです。製造工程はラガーよりやや高温で作るタイプで、ある程度は同じなので、賞味期限に関してもほぼ同じ程度もちます。
ハワイビール
- 3ヶ月:問題なし
- 1年:味は落ちるが飲める
- 2年:味は落ちるが飲める
ハワイ旅行をした人などからたまに贈られる定番になってきているビールです。ハワイのビール会社が提供している瓶ビールは日本企業のものほどではありませんが、そこそこ長い賞味期限があるで、お土産として貰ってもさほど急がずゆっくり消費できる期間の余裕はあります。
発泡酒
- 3ヶ月:問題なし
- 1年:問題なし
- 2年:味は落ちるが飲める
麦芽の使用量がビールより少なく、国が定めたビールの原料以外のものも使われているお酒。基本的に製造工程や発酵工程もほど近く、賞味期限もラガーと同じくらい持ちます。
第三のビール
- 3ヶ月:問題なし
- 1年:問題なし
- 2年:味は落ちるが飲める
麦芽を使わず他の穀物類によって作られたビールや、発泡酒にスピリッツなど別のアルコール飲料を混ぜた物。企業側からは「新ジャンル」という分類で販売されています。
ノンアルコールビール
- 3ヶ月:問題なし
- 1年:問題なし
- 2年:味は落ちるが飲める
味や風味をビールに似せて作られたビール風飲料です。アルコール分はほぼないものの殺菌などされた上で缶に密封されるため菌の繁殖もなく、変わらず長期保存が可能です。
地ビール(箱根ビール)
- 3ヶ月:味は落ちるが飲める
- 1年:味は落ちるが飲める
- 2年:味は落ちるが飲める
地ビールは各地域の酒造が作っているビールです。酒造毎にコンセプトや作られ方が違うため消費期限なども店によって異なっており、酒造によっては常温保存5年を謳っている所もあります。
参考にした箱根ビールの賞味期限は出荷後およそ14日間となっており、1ヶ月を過ぎてくると風味や炭酸抜けなどが気になってきます。
賞味期限切れのビールを活用する方法
ビールの賞味期限が切れてしまっても、まだいくつかの使い道があります。ここではビールの効果的な使用方法をご紹介します。意外な活用方法もあると思いますので、一度実践されてみてはいかがでしょうか?
料理に活用できる
その中でも有名なのが天ぷらです。賞味期限が切れたビールでも炭酸はまだ残っているので、天ぷらの衣を使う時の水分としてビールを使うと炭酸ガスによって衣が膨らみサクサクの天ぷらに仕上がりますし、ビールの爽やかな香りも楽しめます。
他にもお肉の下ごしらえとしてビールに漬け込む、煮込み料理の料理酒の代わりにビールを使う、カレーに加えてコクを出すなどに使ったり、胡瓜のビール漬けなど野菜とも相性が良いので活用の幅はとても広いです。
料理酒の代用として使ってみると今までとは違う食味を楽しむことが出来るのですね。またぬか床の発酵を助ける物としてビールの酵母を利用する方法なども一般的に紹介されており、和食全般で意外にも使い道があります。
水回りの掃除に活躍
ビールの主成分はアルコールであるため、掃除に使うのも効果的です。お風呂やキッチンなどの水回りでカビや雑菌などが繁殖しやすいゴム部分や排水口、三角コーナーなどにかけておくことでアルコールの持つ強い殺菌効果で繁殖を防ぐことが出来ます。
アルコールが油分を分解するのでキッチンシンクを拭くのにもむいていますし、汚れを浮かしてくれるのでフローリングなどの拭き掃除にも使えます。匂いの方もしっかりと拭い取ってしまえば問題ありません。何よりビール自体が腐食することはないので悪臭が発生することはまずないでしょう。
美容にも使える
実はビールの本場ドイツでは、ビールはスキンケアや美容のためにも使われています。ビールをお湯に加えて洗髪や洗顔、湯船に入れるなどして肌に浸透させる事で、酵母菌が肌のハリ・ツヤを良くしてくれる効果があります。
また汚れを浮かせる効果もあるので洗体や洗髪もより効果的に行うことが出来ます。しかし肌に直接触れるものですので、あまり保存状態がよくない濁りすぎた物などは避けたほうが無難でしょう。
観葉植物の育成にも一役買う
家に観葉植物を飾っている場合は、観葉植物に撒いた肥料に軽くふりかけると良いでしょう。ビールに含まれる発酵した糖分、リン、カリウムなどが植物への栄養を補い、ビールそのものの持つ防虫、殺菌効果も期待できます。
また布などに染み込ませて葉を拭くことでツヤ出しにも使えます。しかしあくまで少量で使うことを心がけましょう。たくさんかけたりビールで歯をじっとり濡らしてしまうことは植物を弱らせる原因になってしまいます。また実はビールはナメクジの大好物なので、梅雨時などの湿った時期の使用には注意が必要です。
賞味期限内の安全なビールを飲もう
ビールはやはり風味が良く炭酸がきいた状態で飲むのが一番。出来る限り美味しい賞味期限内で飲みきってしまうことを大事にしましょう。
しかしそれでもうっかり賞味期限を過ぎてしまった時は、少し飲んでみて問題ないようならそのまま飲み、少し風味が落ちてしまったようなら料理や掃除などの二次利用をすると無駄なくビールを活用できるので、ぜひ試してみて下さい。