紙についた油染みを落としたい!応急処置から頑固な汚れの対処法まで

紙の油染み

手紙や書類にうっかり食用や化粧用のオイルをつけてしまい、油染みになってしまったことはありませんか?手紙や書類など、そのままにしておくことができない書類の油汚れをきれいにすることができたら、どんなに良いことでしょうか。今回は、紙についた油染みの落とし方についてご紹介します。

紙の油染みは落とせる?

紙の油染み

紙についた油染みを落とすには、いくつかの方法があります。ただし、インクの種類や紙の種類によっては、にじみや変色する可能性がありますので、注意しましょう。

油染みができてから数時間経過している場合は、きれいに汚れを落とすことは困難です。紙に油染みができてから、すぐに汚れを落とすことが成功するポイントになります。

《 ポイント 》

  • 紙の油染みは即染み抜きをする。

紙の油染みの応急処置にはウェットティッシュを使う

ウェットティッシュ

紙に油染みがついた直後の応急処置として、アルコールを含んだウェットティッシュを使いましょう。軽い油染みなら落とすことが可能です。

〈手順〉

  1. アルコールを含んだウェットティッシュを紙の上の油染みの上に置く。
  2. ウェットティッシュを手で紙の表面に押し付ける。
  3. 油染みを吸着させる。

紙をこすり過ぎないように注意してください。高濃度のアルコールが含まれた除菌タイプのウェットティッシュがおすすめです。

紙の油染みが頑固な場合の対処法

除光液

紙の油染みは、アルコールを含んだウェットティッシュが即効性がありおすすめですが、頑固な油染みの場合は、以下の方法を試してみてください。

ただし、紙やインクによってはにじんでしまう事がありますので、ご注意ください。

除光液を使う

油染みは水にはなじみませんので、水を染み込ませて落とすことはできません。除光液には、油を 溶かす作用がありますので試してみましょう。

〈用意するもの〉

  • 除光液
  • ティッシュ、またはキッチンペーパー
  • コットン

〈手順〉

  1. コットンに除光液を染み込ませる。
  2. 除光液を含ませたコットンを油染みの上に置く。
  3. 手で上から押さえるようにして、除光液を油染みの部分に染み込ませる。
  4. さらに、乾いた新しいコットンで、除光液を染み込ませるように上からトントン軽くたたいて油を吸収させる。

場合によっては、印刷した場所に文字がにじんだり消えたりすることがありますので、ご注意ください。また、この作業をするときは、窓を開けて換気をよくし、火のそばでは行わないようにしましょう。

無水エタノールを使う

アルコール濃度が99.5%以上で、水をほとんど加えない無水エタノールは、紙の油染み取りに使えます。

紙へのダメージは除光液より少ないと言われており、無水エタノールによる紙の油染みの除去方法は、除光液による汚れの除去方法とほぼ同じです。

〈用意するもの〉

  • 無水エタノール
  • ティッシュ、またはキッチンペーパー
  • コットン

〈手順〉

  1. ティッシュを複数枚、またはキッチンペーパーをシワにならないよう平らに置く。
  2. 「①」の上に、油染みのついた紙を置く。
  3. コットンに無水エタノールを含ませる。
  4. 油染みの上にコットンを置き、手で上から押さえて無水エタノールを油染みの部分に染み込ませる。
  5. さらに、新しい乾いたコットンで、無水エタノールを染み込ませるように上からトントン軽くたたいて油を吸収させる。

こちらも、換気と火の元には気を付けてください。

ベンジンを使う

ベンジンはもともと染み抜き剤として使われています。このベンジンはクリーニング屋さんで使われています。このベンゼンは特に油汚れを溶かす作用に優れていると言われており、紙についた油染みにも効果があるようです。

染み抜き用のベンジンは、ドラッグストアなどで購入できます。この時にドラッグストアや100円均一ショップなどで、スポイトも合わせて購入することをおすすめします。

また、ベンジンを使用する際は、ゴム手袋の着用をお勧めします。

〈用意するもの〉

  • ベンジン
  • ゴム手袋
  • ティッシュ、またはキッチンペーパー
  • スポイト
  • コットン

〈手順〉

  1. ティッシュを複数枚、またはキッチンペーパーを、しわにならないよう平らに置く。
  2. 「①」の上に、油染みのついた紙を置く。
  3. ゴム手袋を着用した後、スポイトでベンジンを少量、油染みの部分に垂らす。
  4. さらに、乾いたコットンで油染みの部分をトントン軽くたたいて油染みを吸収させる。

色紙やインクを塗った部分が色落ちすることがあります。また、強力な薬剤のため、デリケートな柔らかい紙や和紙には不向きです。

中性洗剤を使う(キッチン用洗剤)

キッチン用の中性洗剤は、食器の油汚れを落とすことができますが、紙に染み込んだ油も落とすことができますので試してみましょう。

〈用意するもの〉

  • 中性洗剤
  • ティッシュ、またはキッチンペーパー
  • コットン

〈手順〉

  1. 水と中性洗剤を「水5:洗剤1」くらいの割合で割る。
  2. ティッシュを複数枚、またはキッチンペーパーを、しわにならないよう平らに置く。
  3. 「②」の上に、油染みのついた紙を置く。
  4. コットンに「1」の液体を染み込ませて軽く絞ってから、そっと叩くようにして油染みになじませる。
  5. さらに、新しいコットンに真水を含ませて、トントンと軽くたたくようにして「1」の液体と混じった油染みを抜く。
  6. 新しい乾いたコットンで、トントンと軽く叩いて水分を吸い取る。
  7. 紙が型崩れしないように、表面と裏面にティッシュをシワにならないようにサンドイッチ状に置く。
  8. 「7」に重しをして乾かす。

油染みのあった紙をサンドイッチにしてから、重しをして乾かすと良いでしょう。

台所用の漂白剤を使う

台所用漂白剤は、キッチン用中性洗剤同様に油染みを落とすことができます。

〈用意するもの〉

  • 台所用漂白剤
  • ゴム手袋
  • ティッシュ、またはキッチンペーパー
  • コットン

〈手順〉

  1. 油染みの上にティッシュを複数枚、またはキッチンペーパーをシワにならないよう平らに置く。
  2. コットンに漂白剤を染み込ませる。
  3. 「2」の上に油染みのついた紙を置く。
  4. ティッシュを載せてある油染みの部分を、上からやさしくトントン叩くようにして油染みを抜く。
  5. 最初に油染みの上に置いたティッシュ、またはキッチンペーパーを取り除く。
  6. 新しいコットンに真水を含ませて、トントン軽くたたくようにして漂白剤と油染みを吸収させる。
  7. 紙が型崩れしないように、表面と裏面にティッシュをシワにならないようにサンドイッチ状に置く。
  8. 「7」に重しをして乾かす。

この作業には、必ずゴム手袋を着用しましょう。

重曹を使う

重曹は油を落とす効果があります。

〈用意するもの〉

  • 重曹
  • ティッシュまたはキッチンペーパー
  • コットン

〈手順〉

  1. 重曹小さじ1杯を、40℃程度のお湯100mlに混ぜて溶かす。
  2. ティッシュを複数枚、またはキッチンペーパーをしわにならないよう平らに置く。
  3. 「2」の上に油染みのついた紙を置く。
  4. コットンに「1」の液体をしみこませ、軽く絞ってから、そっとたたくようにして油染みになじませる。
  5. さらに、新しいコットンに真水を含ませて、トントン軽くたたくようにして「1」の液体と混じった油染みを抜く。
  6. 乾いたコットンで水分をトントン染み込ませるようにたたく。
  7. 紙が型崩れしないように、表面と裏面にティッシュをシワにならないようにサンドイッチ状に置く。
  8. 「7」に重しをして乾かす。

乾いたときに白い重曹が残っている場合は、ウェットティッシュか真水を含ませたコットンで拭き取るようにしてください。

紙の油染みを落とす作業で注意すること

無水エタノール

紙の油汚れは一度しっかり染み込んでしまうと、完全に落とすのはかなり難しいようですが、汚れを付けてすぐの場合は、対応次第で取り除くことも可能です。

紙の油染みを落とすために使用する、除光液や無水エタノール、ベンゼンなどは引火性の液体ですし、漂白剤は酸性洗剤と塩素系漂白剤の混合物ですので、有毒ガスが発生する可能性があります。

これらを紙の油抜きに使用する場合は、必ず部屋の換気をよくし、火のそばでは絶対に行わないでください。

また、これらの製品を使って油染みを落とすときは、肌を保護するためにゴム手袋を着用しましょう。さらに、柔らかくて薄い紙や、和紙などの高級紙の油汚れ落としには適していませんので、ご注意ください。

最後に

紙の油染み

布地だけではなく、紙に染み込んでしまった油汚れも、直後の対応と身近なものを使って落とすことができることがわかりました。

ただ、一番大切なのは、紙に油染みができるような環境にしないことであり、油染みを作らないように注意するこです。

つい、おやつを食べているときに、近くにあった書類や本に誤って触れてしまったことによる油染みは、一番起こりやすいケースだと考えられます。ですから、油分を含むものを食べるときは、近くに本や書類、手紙などを置かないようにしましょう。

それでも、やり直しや書き直しができない大切な本や重要書類、買い直しができない価値の高いものなど、うっかり紙に油染みをつけてしまったら、本や紙を専門に扱うクリーニング店に依頼をするようにしましょう。

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