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近年、ペットロスに陥る人が急増中
一昔前に比べると、人々の犬や猫をはじめとしたペットに対する愛情が、より深くなったように感じます。本当の家族のように接し、犬や猫に関しては、屋外よりも室内飼いが主流となったのもペットに対する認識の変化が強く表れていると言えます。
そんな家族の一員でもあるペットたちですが、ペットへの愛情が深いゆえに、ペットが亡くなると「ペットロス」と呼ばれる一種の鬱状態に陥ってしまう人が急増しています。
ペットロス自体は、ペットを飼っている人が発症することは自然な現象です。大切な家族が亡くなったら、しばらく立ち直れないのは当然と言えるでしょう。
しかし、近年、ペットロスに陥ることでなかなか立ち直ることができず、心神喪失状態から抜け出すことができなくなるなど、社会問題として挙げられることも多くなりました。そのため、現在はペットロスを専門としたカウンセリングが行われる施設も増えています。
ペットを亡くした人に絶対言ってはいけないNGワード5選
もしも皆さんの身近でペットを亡くし、ペットロスに陥っている人がいた場合、どのように接しますか。かける言葉がなかなか見つからず、悩んでいるという人もいるかもしれません。以下のような言葉はペットを亡くした人の傷をえぐる可能性があるため、絶対に言わないようにしましょう。
1.「犬でしょう?」「猫でしょう?」
ペットを飼っていない人の中には、ペットが家族という気持ちがなかなか理解できないと感じる人もいるかもしれません。しかし、犬や猫をはじめとしたペットを飼っている人にとって、ペットたちは子ども同然です。
そんな大切なペットを亡くした人に対して「亡くなったのは犬でしょう?そんなに落ち込まなくても…」などと声をかけてしまうのは、間違ってもしてはいけません。傷をえぐるだけでなく、心を閉ざしてしまい、他の人にも悩みを相談できなくなってしまう恐れがあります。
2.「私たちより早く死んでしまうのは仕方がない」
ペットを亡くして落ち込んでいる友人や家族を慰めようと「私たちより早く死んでしまうのは仕方がないよ」と声をかける人がいますが、実はこの言葉もNGです。
声をかけている側からすれば「だから責任を感じる必要はないんだよ」と良かれと思ってかけているのでしょう。しかし、ペットを亡くした人は、ペットが自分より先に亡くなることはわかっていても悲しいのです。
「仕方がないことはわかっているけれど」とペットロスに陥っている人にとっては、少々冷たい言葉に聞こえてしまうことがあります。
3.「また次の子を迎えたら?」
ペットロスから立ち直らせるために、アドバイスとして「次の子を迎えるのは?」「また別の子を迎えたらいいんじゃない?」と声をかける人がいます。しかし、亡くなったペットの代わりはいません。
ペットを亡くした人からすれば「亡くなったのはあの子なの。別の子は代わりにはならない」「簡単に言わないで!」と悲しみや恐怖が怒りに変わってしまう恐れがあります。
ペットロスに陥っている人は心が弱っている状態なので、新しいペットを迎えるほどの気力は残っていません。また、このような言葉は亡くなったペットを軽視していると感じるため、悲しさが怒りに変わりやすいのです。
4.「泣いていたら〇〇ちゃんも悲しむよ」
ペットロスの人にとって、悲しみを表に出すことは立ち直る過程で重要なプロセスとなります。
しかし、周囲の人が「そんなに泣いていると、天国に行った〇〇ちゃんも悲しむでしょう」「泣かないで」と声をかけてしまうと、内側に溜まっている悲しみを発散させる方法がなくなってしまいます。
大切に思っていたペットが亡くなり悲しくなるのは当然です。その気持ちを内側に押し込めなさいと言うのは、冷たいですし、あまりにも辛すぎます。ペットロスの人には、隣に寄り添い、思う存分悲しい気持ちを吐き出させてあげることが大切です。
5.「まだ立ち直れていないの?」
ペットロスから立ち直る期間は、人それぞれです。早い段階で悲しみを乗り越え、ペットの死を受け入れることができる人もいれば、1年以上受け入れられず、悲しみに暮れてしまう人もいます。
個人差の多いペットロスです。なかなか立ち直れないペットを亡くした人に対して「まだ立ち直れていないの?」「もう1年も経つでしょう」と言葉をかけるのはNGです。
本人も早く立ち直りたいと思っている人が多いです。しかし、なかなかペットの死を受け入れられず、苦しんでいます。そこに追い打ちをかけるよう言葉は、余計に鬱症状を悪化させてしまう恐れがあるのです。
ペットロスから立ち直るために、カウンセリングを受けるなどの方法は有効ですが、圧をかけて立ち直らせようとするのは逆効果となります。気をつけましょう。
ペットを亡くした人の話はじっくり聞いて受け止めよう
「ペットを亡くした人に、どう接していいかわからない」「言葉をかけたらかえって傷つけてしまうのでは」と悩む人は多いです。
しかし、ペットを亡くした人には、無理に言葉をかける必要はありません。隣に寄り添い、ペットを亡くした悲しみを思う存分聞いてあげるだけで良いのです。
悲しみは、心に溜めるのではなく、外に吐き出すことで徐々に消化されていきます。ペットを亡くした悲しみは完全に消えませんが、悲しみを言葉にして外に吐き出すことで、徐々に頭の中が整理され、ペットの死を受け入れることができるようになります。
まずは「話ならいつでも聞くよ」と悲しみを外に吐き出す場所を作ってあげることが最善です。
ペットロスは無理に言葉をかけるのではなく寄り添って
ペットロスは無理に言葉をかけるのではなく、寄り添い、ペットを亡くした悲しみを聞いてあげることが大切です。悲しみを言葉にすることで頭や心が整理され、徐々にペットの死を受け入れることができるようになります。悲しみは、ぜひ最後まで受け止めてあげてください。