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りんごの芯にカビが生えていても食べられる?
美味しそうなりんごを食べようとナイフでカットしたときに、りんごの芯の周りが黒くなっている、もしくは、ふわふわとした胞子状の綿のようなものがついていることがあります。
それはカビです。外から見ただけでは、どのりんごの芯にカビが生えているのかは、全く見分けることができません。
りんごを割ってみて初めてわかるのですが、腐っているようで丸ごと捨てなければいけないのでは?と心配になってしまいますよね。
カビが芯の部分だけなら取り除いて食べることができる
カビが芯の部分だけに生えている場合は、その部分だけを取り除いて食べることができます。
りんご農家の人も、カビが生えている範囲が芯と種の周辺にとどまっている場合は、その部分だけ切り取って食べているそうです。
ただし、カビが生えている部分をきれいに取り除いたとしても、子供や妊婦、お年寄りの方などは、健康に悪影響を及ぼす可能性がないとはいえないので、念のため食べない方がいいかもしれません。
カビが実の部分まで広がっている場合
りんごの実の部分まで広がっている場合や、いつもと違う臭いがするなどの異変を感じたら、食べずに処分してしまいましょう。腹痛や下痢などの食中毒になる可能性があるので注意が必要です。
りんごの芯にカビが生える原因
黒くなる原因は「芯カビ病」
りんごの芯が黒くなるのは「芯カビ病」が原因です。「芯カビ病」は、りんごの果実が大きくなる過程で菌に感染してしまうと、ガクの部分からカビ菌が侵入し、種の部分からカビが繁殖して周辺に広がってしまいます。
りんごはバラ科の植物なのですが、バラ科の植物の果実ではよくある病気のようです。りんごの芯のカビは外側から見分けるのは難しいと言われています。
芯カビ病のカビの生え方は2通りある
芯カビ病の代表的なものには「アルテルナリア(アルタナリア)」や「フザリウム」などがありますが、それ以外にも多種に渡って菌が存在します。
黒や茶色っぽいカビが生えていたり、果実の部分にまでカビが広がっていたりする場合は、カビの胞子が広範囲に根を張っているので食べずに捨てましょう。
芯や種周辺に白いふわふわした胞子状の綿のようなカビが生えているものは、その箇所さえ取り除けば、実の部分は食べることができますが、カビが広がっているものは食べないようにしましょう。
「芯カビ病」が発生しやすいりんご
りんごの外側を見ただけでは芯カビ病が発生しているのかを見分けることはできませんが、芯カビ病が発生しやすい種類があります。
「シナノスイート」「秋田ゴールド」「スターキング」「北斗」などは、芯カビ病が発生しやすい品種だと言われています。芯カビ病の部分を取り除けば食べられるとわかっていても、食べる人にとってはあまり気持ちいいものではありません。
味は美味しくても、芯カビが発生しやすいため栽培されなくなった品種もあるそうです。
りんごの芯カビの発生を抑える保存方法
りんごの芯カビの発生を抑えて繁殖しにくくする保存方法があります。
りんごは低温多湿を好む果物なので、長期保存をする場合は0~5℃、湿度80%以上が理想だと言われています。カビの進行は2~3℃の低温に保つと抑えられるため、常温保存はせずに冷蔵庫の野菜室で保存するのがおすすめです。
冷蔵庫で保存する方法
2週間以上保存したいのであれば、湿気を吸ってくれる新聞紙にりんごを1個ずつ包んでから、ポリ袋などに入れて、できるだけ空気を抜いた状態で口を閉じます。
りんごは多量のエチレンガスを放出するのですが、このエチレンという植物ホルモンの作用により、まわりの野菜などの持ちが悪くなってしまいます。野菜室で保存する場合は、なるべく密閉した状態で冷蔵しましょう。
りんごは、ヘタとは逆のおしり部分が下になるようにして置くと、2ヶ月以上持つとも言われています。カットしたりんごは密封して冷蔵保存した場合、賞味期限は2日程度です。
常温で保存する方法
カビの繁殖は、2~3℃の低温に保っていないと抑えることができないため、常温保存は向いていませんが、適正な温度管理ができれば約2週間保存が可能です。
最後に
りんごの芯や種の周りに白くふわふわしたカビが生える「芯カビ病」は、外側から見分けるのは難しいため、カットしたあとに気付くのですが、その部分を切り落とせば食べても問題ありません。
味や品質が劣化しているわけではありませんので、捨ててしまうのはもったいないですよね。ただし、実の部分に変色や劣化が見られる場合は、残念ですが食べるのをあきらめて処分するしかありません。
名産地でさまざまな種類のりんごが栽培されています。好みに合ったりんごを美味しくいただきましょう。