目次
カレーの具を炒める理由
カレーは煮込む料理なのに具を炒めるのは何故なのか?と疑問に思いますよね。理由も分からず何となく炒めているのではないでしょうか。レシピにだって具を炒める理由までは書かれていません。
具を炒める理由を知ればカレーはもっと美味しくなります。食べてくれる人の反応も絶対に変わるので、これまで面倒で炒めていなかった方はぜひ具を炒めてから作ってみてください。
野菜の水分を飛ばすため
野菜に含まれる余分な水分を飛ばすために具を炒めます。じゃがいも・にんじん・玉ねぎなど野菜には必ず水分が含まれています。煮込む前に水分を飛ばしておくのが具を炒める理由です。
カレーが水っぽくなるのを防ぐため
野菜から出る水分によってカレーが水っぽくなるのを防ぐために具を炒めます。水っぽくなると味も薄くなってしまって物足りなさを感じますよね。水っぽく味の薄いカレーになってしまわないために初めに具を炒めておくのです。
旨味を逃さないため
野菜や肉の旨味を逃さないために具を炒めます。少量の油で炒めると野菜や肉の表面がコーティングされて旨味が逃げません。旨味を閉じ込めて野菜や肉の味をしっかり感じるために具を炒めておくのです。
香ばしさを引き出すため
玉ねぎやニンニクの香ばしさを引き出すために具を炒めます。少量の油で炒めることで玉ねぎは香ばしくあめ色に変化します。香ばしさを引き出した野菜を煮込んでカレーに深みを出すことが具を炒めておく理由です。
煮崩れを防ぐため
野菜の煮崩れを防ぐために具を炒めます。煮込んでいるうちにじゃがいもが煮崩れをして跡形もなくなってしまうことがありますよね。少量の油で炒めて表面をコーティングしておくと野菜が煮崩れしにくいです。煮崩れせず食べ応えのある具にするために炒めておくのです。
素材の旨味だけでカレーを作るため
調理油を使わず、素材の旨味だけでカレーを作りたいために具を炒めます。先に肉を炒めて油分を出し、肉の油分を使って野菜を炒めます。調理油を使わない分、素材のみの味でカレーを作ることができ、脂質を抑えたヘルシーなカレーを作るため具を炒めるのです。
カレーの具の正しい炒め方・時間の目安
どれくらい炒めるのか、カレーの具の正しい炒め方と時間の目安を「肉(牛モモ肉)」と「野菜(じゃがいも・玉ねぎ・にんじん)」を使った作り方で解説します。
炒め方
- 鍋に少量の油を入れて中火~強火にし、表面にしっかり焼き色がつくまで肉を炒めます。
- 焼き色がついた肉は一旦、他の容器に取り出してください。
- (肉を炒めた)鍋に玉ねぎを入れて弱火~中火で炒めます。
- 玉ネギがあめ色になったらにんじんとじゃがいもを加えて炒めます。
- にんじんの表面にツヤが出るまで炒めたら取り出しておいた肉を加えます。
炒める時のポイント
- 肉は表面にしっかりと焼き色がつくまで炒めること
- 肉は中火~強火で炒めること
- 玉ねぎはあめ色になるまで炒めること
- にんじんは表面にツヤが出るまで炒めること
- 野菜は弱火~中火で炒めること
炒める時間の目安
肉の表面にしっかり焼き色がつくまでの時間の目安は中火で10分~15分くらいです。玉ねぎにあめ色がつくまでの時間の目安は弱火で20分~25分くらいです。にんじんの表面にツヤが出るまでの時間の目安は弱火で15分~20分くらいです。
炒める時の注意点
じゃがいもは炒めすぎると煮ている間に崩れやすくなってしまいます。じゃがいもの煮崩れで失敗しやすい方は、じゃがいもだけ他の鍋で弱火で10分~15分ほど炒めておいてください。煮る時に加えることで煮崩れしにくくなります。
具材を炒めないとどの程度味が変わるの?
味がぼんやりとしてしまう
具を炒めずに作ったカレーは「肉や野菜の味がはっきりしない」と感じることがあります。煮込む前に炒めなかったことで肉や野菜の旨味が逃げてしまったことが考えられます。カレーのルーの中に肉や野菜の旨味が溶け込んでいるとも言えますが、具を食べた時にも肉や野菜の旨味をしっかり感じたいですよね。
肉の臭みが残りやすい
具を炒めずに作ったカレーは「肉の臭みがする」と感じることがあります。
具に使う肉の種類によっても異なりますが、肉の臭みが気になる方は煮込む前に具を炒めた方が良いです。カレーによく使われる牛肉・豚肉・鶏肉の臭みはニンニクと一緒に炒めることで軽減されます。
カレーに玉ねぎを使う場合には、タマネギに含まれるプロテアーゼという酵素が肉のタンパク質を分解することで臭みが軽減されます。
にんじんが青臭い
具を炒めずに作ったカレーは「にんじんが青臭い」と感じることがあります。少量の油で炒めることで野菜の青臭さは軽減されます。にんじんにはβカロテンという栄養素が含まれていますが、油で炒めて表面をコーティングすると吸収率がアップします。βカロテンが油に溶けやすい性質を持っているためです。
味が薄くなる
具を炒めずに作ったカレーは野菜の水分が余分に出て水っぽく薄味になってしまることがあります。カレーのルーが余分にない時は足しようがありません。
醤油やソースで味を濃くしようとするとカレーそのものの味が変わってしまいます。小麦粉や片栗粉でとろみを足そうとすると粉っぽい味になってしまうこともあります。
プロが使うカレーの隠し味
「カレーは大好きだけど味に飽きてしまった!」「いつもと違うカレーを作って家族に食べさせたい!」という時におすすめのプロが使うカレーの隠し味をご紹介します。
バナナ
そのまま食べても甘味の強いバナナは加熱することでより甘味が増します。カレーの隠し味として使う時はすりおろしたバナナを使うのがおすすめです。甘味とコクが増し、よりとろみのあるカレーに仕上がります。
煮込む間に溶け込んでしまうので、すりおろすのが面倒な時は小さく切ったバナナを煮込んでもOKです。
レモン
カレーを煮込んだ後、最後にレモン果汁とみじん切りにした皮を加えます。レモンの酸味と香りがカレーにプラスされて暑い季節にもぴったりの爽やかなカレーに仕上がります。お皿に盛りつけた後、すりおろしたレモンの皮をパラパラとかけて食べるのもおすすめです。
アーモンド(ミルク・パウダー)
水の量を半分にし、残りをアーモンドミルクに変えます。お皿に盛りつけた後、アーモンドパウダーや細かく砕いた素焼きアーモンドをかけて食べるのもおすすめです。
アーモンドに含まれるビタミンEには抗酸化作用があり、美肌・美髪・若返り・血管の老化予防・細胞の老化予防に良いなどと入れていますね。ダイエットや健康のために脂質やカロリーの高いカレーを控えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
アーモンドを加えたカレーを作る時は、肉を鶏肉で作るのがおすすめです。もも肉・むね肉・ささみ肉などチキンカレーとの相性も抜群に良いです。ヘルシーで美容や健康向きのカレーを作りたい時にお試しください。
最後に
カレーの具を炒める理由は主に6つあります。
- 野菜の水分を飛ばすため
- カレーが水っぽくなるのを防ぐため
- 旨味を逃さないため
- 香ばしさを引き出すため
- 煮崩れを防ぐため
- 素材の旨味だけでカレーを作るため
具を炒めずに作ったカレーには次のようなデメリットがあります。
- 味がぼんやりとしてしまう
- 肉の臭みが残りやすい
- にんじんが青臭い
- 味が薄くなる
カレーの具の正しい炒め方と時間の目安、プロが使うカレーの隠し味もぜひ参考に家族が喜ぶ美味しいカレーを作ってみてくださいね。