目次
腐った豚肉の見分け方
黒ずんで見える豚肉は「新鮮」
カットされたばかりの豚肉は黒ずんだ色をしていて、新鮮な豚肉であると判断することができます。
赤紫っぽい豚肉は「新鮮」
カットされてしばらく時間が経つと酸化が起こります。すると、黒ずんだ色から赤紫っぽい色へと変化します。この段階ではまだ新鮮な豚肉であると判断することができます。
濃い赤色っぽい豚肉は酸化しているが「新鮮」
スーパーに並べられる頃、ほとんどの豚肉は濃い赤色に変化しています。ですから、黒ずんだ豚肉を見たことがないという人が多いのです。酸化することで濃い赤色に変化しますが、安全に食べられる新鮮な豚肉であると判断することができます。
茶色っぽく変化した豚肉は「傷み始めている」
豚肉が傷み始めると茶色に変化します。一部分だけ茶色に変化することもあります。
食べられると判断できますが、一部分だけ茶色に変化しているのであれば、その部分を切り落として調理すると良いです。全体的に変化があった場合には十分に加熱調理し、味を確認してから食べるようにしてください。
緑色っぽく変化した豚肉は「腐り始めている」
豚肉が緑色っぽく変化している時は腐り始めたサインです。グリーンミートと呼ばれています。
豚肉の鮮度が落ちると細菌が増殖し、硫化水素という物質が生成されます。冷凍した後、硫化水素と豚肉の血液色素が反応して緑色の色素を生み出すことで緑色っぽく見えます。
まだ腐り始めなので“十分に加熱すれば食べられる”と判断してしまいがちです。しかし、決して安全に食べられる状態ではありません。初期段階とは言え、食べない方が良いでしょう。
豚肉が臭いと感じた時は「腐りかけている可能性あり」
豚の性別や豚肉の種類によっては臭いと感じやすいことがあります。鮮度の高い新鮮な状態でも獣臭を感じることがあります。
また、鮮度がおちた時や腐りかけた時にも臭いと感じることがあります。その豚肉特有の臭みなのか、腐りかけたサインなのかを判断しなければなりません。
においだけで判断することが難しい場合には、他の部分からも判断してみましょう。
豚肉に粘りを感じた時は「腐っている」
新鮮な豚肉に粘りは一切ありません。もし、手に取った時や包丁でカットした時に糸を引くような粘りを感じた時は、腐ってからかなり時間が経過していると判断することができます。
腐敗菌が活性化し、豚肉のタンパク質を分解することで粘りが生まれます。糸を引くような明らかな粘りだけではなく、何となくヌルヌルするな…という時も食べないでください。
豚肉が酢っぽいもしくは苦い時は「腐っている」
食べてから酸っぱいもしくは苦いと感じた時、それが酸味や苦味のある調味料を使って調理された豚肉でない場合、腐って出た味だと判断して良いです。新鮮な豚肉には酸味や苦味を感じることはありません。
豚肉の保存方法と日持ちする期間の目安
豚肉が日持ちする期間の目安は、「加工された形状」と「保存方法」によって異なります。これからご紹介するは「豚肉を“買ってきた日”からどれくらい日持ちするのか」という目安です。
豚のひき肉を「冷蔵保存」した場合
豚のひき肉を冷蔵保存した場合、日持ちする期間の目安は当日~1日程度です。買って来てすぐに冷蔵庫に入れた場合でも翌日には色に変化が見られることがあります。翌日に腐るということはなくても鮮度は落ちてしまいやすいです。
豚の薄切り肉、豚のこま切れ肉を「冷蔵保存」した場合
豚の薄切り肉、豚のこま切れ肉を冷蔵保存した場合、日持ちする期間の目安は2日程度です。2日も経つと鮮度が落ち、酸化することで豚肉の色が濃い赤色や茶色に変化することがあります。
豚の厚切り肉を「冷蔵保存」した場合
豚の厚切り肉を冷蔵保存した場合、日持ちする期間の目安は3日程度です。3日も経つと酸化が進み、豚肉の色が濃い赤色や茶色に変化することがあります。腐り始めのサインである緑色っぽく変化している場合には要注意です。
豚のひき肉を「冷凍保存」した場合
豚のひき肉を冷凍保存した場合、日持ちする期間の目安は2週間程度です。ひき肉を加工する時、他の形状に加工する時と比べて手間がかかります。その分、日持ちする期間が短くなります。
その他の豚肉を「冷凍保存」した場合
ひき肉を除いた他の豚肉を冷凍保存した場合、日持ちする期間の目安は1カ月程度です。すぐに調理する予定がないのであれば、冷蔵保存するよりも冷凍保存した方が日持ちさせることができます。
豚肉を正しく冷蔵保存または冷凍保存する方法
- ドリップ(水分)が出ている場合にはキッチンペーパーで拭き取ってから保存する
- パックから取り出して保存する
※買った時のパックされた状態のまま保存しないでください。パックにも細菌が付着しています。 - 豚肉にラップをピタッと張り付けるようにして包んで保存する
※空気に触れる面を少なくするためです。 - 密閉できる袋や容器に入れて保存する
※空気に触れることで酸化してしまうことを防ぐためです。 - 冷蔵保存する場合にはチルド室に入れて保存する
腐った豚肉を食べてしまった時の対処法
腐った豚肉を食べると起こること
腐った豚肉を食べると次のような症状が起こることがあります。
- 腹痛
- 嘔吐
- 下痢
- 発熱
- 頭痛
- 悪寒
このような症状が起きた場合、食中毒である可能性が高いです。
どのような菌に感染してしまったのかによって症状が起こるまでの期間が異なることがあります。菌の種類によっては潜伏期間が長く、腐った豚肉を食べてから2週間ほど経ってやっと症状が起こる場合もあります。
豚肉が腐っていたことに気づかずに食べてしまった場合、症状が起こるまでに時間がかかると、まさか豚肉が原因だなんて考えもしないかもしれません。
豚肉を食べてすぐに腐っていると気づいた時の対処法
何だか味がおかしいなと思いつつ飲み込んでしまうことがあるかもしれません。食べてすぐに腐っていると気づいた時は、それ以上は食べないでください。
「少し飲み込んでしまっただけだから大丈夫」と安易に考えてはいけません。すぐに症状が起こらない場合でも病院で診察を受けてください。
ひどい症状が起きてしまった時の対処法
腐った豚肉だと気づかずに食べてしまい、ひどい症状が起きてしまうことがあるかもしれません。腹痛・下痢・頭痛などに効く市販薬をお持ちでも服用しない方が良いです。
症状を悪化させてしまうことがあります。同居する家族に相談してください。近所に住む友人や知人でも構いません。歩くこともできない程のひどい症状である時は病院に連れて行ってもらってください。
頼れる人が身近にいない時、深夜である時、かかりつけの病院が休診日である時など、歩くこともできない程のひどい症状である時は救急車を呼んでください。
最後に
腐った豚肉は「色」「臭い」「味」で見分けることができます。
- 茶色っぽく変化した豚肉は傷み始めている
- 緑色っぽく変化した豚肉は腐り始めている
- 豚肉を臭いと感じた時は慎重に判断する
※豚肉特有のにおいなのか、腐り始めたにおいなのかを判断すること - 豚肉に粘りを感じた時は腐ってからかなり時間が経過している
- 豚肉が酢っぽいもしくは苦いと感じた時は腐っている
腐った豚肉を食べてしまったと気づいたらすぐに病院へ行ってください。夜間だからと言って診療時間の開始を待っていると症状が起きたり悪化してしまうことがあります。自己判断が難しい時は、まずは頼れる人に相談すると良いです。