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野菜炒めは肉を先に炒める
ご家庭で野菜炒めを作るとき、全ての材料をフライパンに一気に入れていませんか?実は炒めものを上手に仕上げるためには、材料を入れる順番があるんです。
肉をしっかり焼いて食中毒の予防をする
なぜ野菜より先に肉を炒めるか?それは肉による食中毒を予防するためです。肉には細菌が繁殖する原因になる水分や血がついているので、しっかりと焼いて火を通すことが衛生上で最も重要なことなのです。
野菜炒めを作るときに野菜から先に炒めてしまうと、後から入れた肉は火の通りが悪くなります。とくに豚肉は中が生焼けの状態だと食中毒を起こす危険性が高いので、中までしっかり火を通すように注意しましょう。
肉の表面を焼いて旨みをとじこめる
先に肉を高温で素早く熱することで表面のタンパク質を固まらせておくと、旨味成分が外に逃げにくとじこめることができます。肉の色を確認しながらムラなく火を通しましょう。
香味野菜は肉より先に炒める
基本的には肉から先に焼きますが、ニンニクや生姜、長ネギなどの香味野菜を使う場合は、肉より先に炒めるようにしましょう。
例えば、ご家庭でも手軽に作れる麻婆豆腐を調理する場合には、フライパンに油をひいたら、みじん切りしたニンニクや生姜、長ネギなどの香味野菜を炒めてから、次にひき肉を加えます。低温の油でじっくり炒めた香味野菜の香りが際立ち、後から加える食材にも十分に香りを移すことができるというわけです。
ただし、香味野菜以外の野菜は肉より先に入れると水分が出てきてしまうため、後に入れるという順番は守ってくださいね。
《 ポイント 》
- 肉は食中毒を起こす危険性があるので中までしっかり火を通しておく
- 肉の表面を焼いておくと旨味成分が外に逃げにくくとじこめることができる
- 香味野菜は肉より先に炒めて香りを出す
野菜を炒める順番
肉を炒め終わった後の野菜はどのような順番で炒めたら良いのでしょうか?
具材を炒める順番は
が基本と覚えておいてください。
野菜は火の通りにくいにんじんや玉ねぎなど固い野菜を最初に炒め、それから青菜やニラ、キャベツのような柔らかくて火がすぐに通るものを炒めていきます。火の通りを均一にするため、できるだけ形を同じくらいに揃えておくのがポイントです。
時間に余裕がない場合には、薄く切ったりサイズを小さくするなど工夫してみましょう。また、電子レンジで予熱しておくと時短になります。
《 ポイント 》
- 野菜は火の通りにくいものから炒める
- 火の通りを均一にするため形を同じくらいに揃えておく
野菜炒めの正しい順番と作り方
野菜炒めの正しい順番
順番①:香味野菜
肉や野菜に食欲がそそられる香りをつけるなら、香味野菜を最初に炒めます。
順番②:肉
加熱して中まで火を通した肉は一旦フライパンから皿に取り出しておきます。
炒めすぎると固くなってしまいますが、こうしてちょっとした手間をかけることでふわっと柔らかい肉に仕上がりますので面倒がらずに試してみて下さい。
順番③:根野菜
にんじんや玉ねぎなどの根野菜は火が通りにくく柔らかくなるまで時間がかかるので、最初に炒めましょう。
順番④:きのこ類
水分が多く含まれているきのこは、炒めすぎると水分が出て柔らかくなってしまうので、に1~2分でさっと炒めるようにしましょう。
順番⑤:青菜野菜(葉物野菜)
キャベツや白菜、チンゲン菜などの青菜野菜(葉物野菜)はシャキッとした食感こそが美味しさを左右します。
時間をかけずに中火~強火で炒めるようにしましょう。1~2分炒めるくらいで十分です。
順番⑥:先に炒めて取り出しておいた肉
野菜やきのこ類を炒め終えたら、再び肉をフライパンに戻して軽く温め直します。
順番⑦:卵
お好みで溶き卵を入れる場合は最後に加えます。肉や根野菜のようにしっかり火を通す必要はありません。卵が余分な水分を吸収しベチャッとなるのを防いで肉と野菜のうま味を上手に包み込んでくれるでしょう。トロトロ感が好みなら、味付けを終わらせた最後のタイミングで溶き卵を加えるようにしてください。
順番⑧:味付け
野菜を炒めて肉を戻したら、お好みの味付けをしましょう。味が具材全体に均一に広がるように、フライパンの中で軽くからめます。調味料のひとつである塩を肉や野菜にふると、浸透圧で水分が出てしまいますのでシャキシャキした歯ごたえを楽しむためには味付けは最後にするのがポイントです。
野菜炒めの作り方
材料(2人分)
- 豚バラ肉 :150g(薄切り)
- キャベツ :2~3枚(ひと口大にちぎる)
- にんじん :1/4本(短冊切り)
- 玉ねぎ :1/4個(ひと口大に切る)
- もやし :50g(水洗いして水気を切っておく)
- しいたけ :1枚(石突きを落とし薄切り)
- サラダ油 :大さじ1杯
- しょうゆ :大さじ1と1/2杯
- 塩こしょう:少々肉の下味用
- 塩こしょう:少々
- 酒大さじ :1/2杯 塩こしょう 少々
- 片栗粉 :小さじ1杯
作り方
- 豚バラ肉を3〜4cm幅に切り、酒、塩こしょう、片栗粉を手で揉みこんで下味をつける
- にんじんは幅1cmの板状に切ったら縦2mm幅の短冊切りにする
- キャベツは芯に沿って斜めに包丁を入れて芯を取り、縦半分に切って幅3〜4cmに切る。心はそぎ切りにする
- もやしは水洗いして水気を切っておく
- 玉ねぎは繊維にそって3mmくらいの薄切りにする
- しいたけは石突きを落として薄切りにし軸は手で割く
- フライパンにサラダ油を引いて中火で熱して豚肉を炒め、火が通ったら一旦皿に取り出しておく
- にんじんと玉ねぎを入れたらお肉を戻し、玉ねぎが半透明になるまで炒める
- しいたけを加えて中火で炒める
- 最後にキャベツともやしは水分が出やすいので強火でサッと炒める
- 油が全体に馴染んだらしょうゆ、塩こしょうを加えて軽く炒めながら絡ませお皿に盛り付けて完成
隠し味で生姜やごま油などを加えると野菜のうまみを引き出す味に仕上げられるでしょう。
《 ポイント 》
- 香味野菜→肉→根野菜→きのこ→青菜野菜→再び肉→卵→味付け
- 水分が出やすいキャベツともやしは最後に強火でサッと炒める
野菜炒めを美味しく作るコツ
肉を取り出したフライパンを洗わずに野菜を炒める
肉を焼いたフライパンは洗わずそのまま野菜を炒めるようにしましょう。香味野菜の風味や肉から滲み出た脂に含まれる旨味を野菜に移して奥深い味を出すためです。
材料は同じ大きさにカット
野菜の長さや大きさをある程度揃えておくこともポイントになります。大きさがバラバラだと均一に火が通らず焼きムラができてしまいます。色の濃い野菜は小さめに、色の薄い野菜は大きめにカットすると彩りが良い盛り付けが完成します。
「茹でる」「油通しする」のひと手間を加える
フライパンで炒める前に野菜を下茹でしたり油通しをしたりすると余分な水分が抜けて炒め時間も短くなり、シャキっとした食感に仕上がります。肉は保水効果のある小麦粉や片栗粉をまぶして下ごしらえしておくことも炒めものを美味しくするポイントになります。
ちょっとしたひと手間を加えることでトロミがついた調味料がうまく絡み合い、深みのある豊かな味わいに仕上がるのです。
火力が強いほど良い?
野菜炒めなどの炒めものは強火で一気に仕上げるイメージがありますよね。様子を見ながら「強火で短時間」これが美味しさを引き出す一番のコツです。炒める具材の量はフライパンの深さの1/2以下が適量です。
塩は最後に入れて味を調える
塩を早い段階で加えてしまうと塩による浸透圧で野菜の水気が出てしまい、べちゃべちゃした仕上がりになってしまいます。水っぽくならないように炒め終わるタイミングでお好みの味に調整しましょう。
《 ポイント 》
- 肉を焼いたそのままのフライパンで野菜を炒める
- 野菜の長さや大きさを揃えて均一に火が通るようにする
- 野菜は「茹でる」「油通しする」の下ごしらえ
- 「強火で短時間」が美味しさを引き出す
- 炒め終わるタイミングで塩を入れる
最後に
野菜炒めの具材を炒める順番と正しい作り方についていかがでしたでしょうか?具材や調味料を入れる順番、材料の切り方などちょっとした点を注意して作る野菜炒めは、肉の旨味と野菜の甘みや歯ごたえがしっかりある美味しい料理に出来上がっているはずです。
誰でもできる簡単な料理ですが、失敗しないためのいくつかのコツを知っておくとプロの味に劣らない一品に仕上げられるので試してみてくださいね。