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干し椎茸の賞味期限の目安
干し椎茸の賞味期限は、日本農林規格によって、パッケージに明記することが義務付けられています。確認しづらいこともありますが、パッケージのどこかに必ず賞味期限が表示されていますので、まずはご確認ください。
賞味期限の表示がないということは滅多にありませんが、干し椎茸の賞味期限の目安は、基本的には1ヶ月程度です。
未開封の干し椎茸の賞味期限
干し椎茸のパッケージには賞味期限が表示されていますが、冷暗所で保存されていた場合、未開封の干し椎茸であれば1年くらいは問題なく食べることができます。表示されている賞味期限を1年くらい過ぎてしまっていても、それほど心配する必要はありません。
ただし、直射日光に当たる場所や高温になる場所、湿気の多い場所などで保存されていた場合、干し椎茸の状態を確認してから食べるようにしてください。
未開封であれば、湿気に影響されてしまうことはほとんどないと思います。
開封後の干し椎茸は賞味期限
開封後の干し椎茸は、賞味期限に限らずなるべく早く食べる方が良いです。
しかし、密閉することができる容器や袋で保存されていた場合、賞味期限が切れてしまった後も、良い状態のまま保存することができている可能性があります。
まずは、開封後の使いきれずに保存しておいた干し椎茸が、どのような状態であるかを確認してみましょう。密閉することができる容器や袋に入れて保存されていたでしょうか?
干し椎茸は、湿気に弱い食材です。湿気の影響を受け、水分を含んだような手触りがしたり、カビが発生してしまっている可能性があります。また、干し椎茸は、空気中の酸素にも弱い食材です。カビは発生していなくても、変色してしまっている可能性があります。
密閉されていなかった場合、小さな虫が発生してしまっている可能性もありますので、隅々までよく見て確認するようにしてください。虫の死骸や糞が、干し椎茸の欠片のように見えてしまうことがありますので、よく見分けるようにしてください。
ニオイも確認してみましょう。湿気もカビも虫もなく、見た目には良い状態であるかもしれませんが、少しでも嫌なニオイがしたり、ニオイに違和感があるようであれば、食べない方が良いかもしれません。
水で戻した干し椎茸の賞味期限
干し椎茸を水で戻したものの、全て使いきれずに残ってしまうことがありますね。水に浸けた状態のままで構いませんので、密封することができる容器や袋に入れて冷蔵庫で保存してください。
1日から3日以内には使い切るようにした方が良いです。
まだ数日しか経っていないけど食べられるか不安だなというときには、水と干し椎茸の状態をよく確認してみてください。水に粘りが発生していたり、異臭がするときは、傷んでしまっている可能性が高いです。
水で戻した干し椎茸の賞味期限(美味しく食べることができる時間)は24時間くらいです。
時間が経てば経つほど、苦みが出てしまったり、渋みまで出てしまうことがあります。水に浸けた状態のままでも保存することはできますが、美味しさを失ってしまいやすいです。
可能なのであれば、水で戻した干し椎茸は一度に全て調理しておいた方が良いです。そして、調理した状態で密閉することができる容器や袋に入れて、冷蔵庫や冷凍庫で保存しておく方が、より美味しく食べ続けることができます。
干し椎茸の戻し方
水で戻すときこそ、干し椎茸の美味しさを左右します。どんなに有名で高級で高価な干し椎茸も戻し方を誤ってしまうと、美味しさは失われてしまいます。しかし、そう難しいことではありません。
どなたにも簡単に干し椎茸を戻していただける方法があります。3つのポイントをご紹介しますので、方法や手順をしっかり守って戻してみてください。
ポイント①:干し椎茸を流水でサッと洗い流す
干し椎茸の付着物が気になる場合には、流水でサッと洗い流してください。そして、密封することができる容器や袋に入れます。
ポイント②:冷水をたっぷりと注ぎ入れる
容器や袋に干し椎茸を入れた後、ヒタヒタになるくらいまでの冷水をたっぷりと注ぎ入れます。密閉することができればOKですので、限界まで入れても構いません。
冷水って、どれくらいの温度の水のこと?と思われる場合には、5℃くらいの水と考えてください。冷蔵庫で冷やしておいた水で構いません。その場で常温の水に氷を入れ、冷水を作っても構いません。ぬるめの水はNGです。
ポイント③:6時間から12時間くらいかけて戻す
干し椎茸と冷水を入れ、しっかりと密閉し、冷蔵庫に入れます。そのまま、6時間から12時間くらいかけて戻してください。
干し椎茸の種類によって、戻すのに必要な時間は異なりますが、5時間くらい冷水に浸しておくと、干し椎茸からグアニル酸という成分が出てきます。
グアニル酸とは、しいたけ特有の旨味成分です。干し椎茸の旨味をしっかり引き出すため、5時間以上はかけて戻すことをおすすめします。
干し椎茸を美味しく食べるためのコツ
干し椎茸をぬるま湯で戻しては絶対にダメ!
干し椎茸の戻し方として、ぬるま湯を使う方法が紹介されることがあります。理由は、早く戻すことができるから、とのことです。
中には、容器に水と干し椎茸を入れ、電子レンジで加熱する方法まで紹介されることがあるようです。しかし、干し椎茸を温かいお湯で戻してしまうと、旨味成分であるグアニル酸を破壊してしまいます。
電子レンジで加熱することでもグアニル酸は破壊されます。干し椎茸を美味しく戻す方法としては、全く適していません。
干し椎茸を美味しく戻すためには「冷水」と「時間」が必須
干し椎茸を美味しく戻すためには、冷水を使って戻すこと、そして、たっぷりと時間をかけて戻すということが最大のポイントです。
このことを知っておけば、干し椎茸を料理に使いたいと考えたとき、事前に準備を済ませておくことができますね。
干し椎茸の種類によって戻す時間を変える
干し椎茸には、「どんこ(冬菇)」「こうしん(香信)」「こうこ(香茹)」があります。
- どんこ:10時間から12時間くらい
- こうしん:5時間から6時間くらい
- こうこ:12時間くらい
種類別の干し椎茸の戻し時間の目安です。
どうしても早く戻したいときの戻し方
密閉することができる容器や袋に冷水と干し椎茸を入れ、冷蔵庫で1時間かけて戻します。干し椎茸を取り出します。容器や袋の中の冷水はそのままにします。捨てないでください。
干し椎茸を四つ切や八つ切りなど小さく切り分け、容器や袋に戻し、冷蔵庫で30分かけて戻します。この方法で戻すことも可能です。
干し椎茸の戻し汁は捨てないで!
干し椎茸を冷水で戻した後、その冷水を捨ててしまっていませんか?
透明だった冷水が茶色っぽくなり、捨ててしまいたくなるかもしれません。しかし、その戻し汁には、干し椎茸から染み出した栄養素がたっぷりと含まれています。
しいたけ特有の旨味成分であるグアニル酸、免疫力の向上に働きかけてくれるレンチナン、さらには食物繊維も豊富です。干し椎茸を戻した後の茶色っぽく濁った冷水は、料理を美味しくしてくれる最高のだし汁なのです。
賞味期限が切れた干し椎茸でもOK!
もし、賞味期限が切れていたとしても、食べることができると判断された干し椎茸であれば、その戻し汁も安心して料理に使うことができます。
賞味期限が切れた干し椎茸の戻し汁だからといって、何か問題があるわけではありません。
最後に
干し椎茸の賞味期限の目安は、基本的には1ヶ月程度です。しかし、未開封である場合には、賞味期限が1年くらい切れてしまっている場合でも、問題なく食べることができる可能性があります。
湿気に影響されていないか、カビは発生していないか、虫の死骸や糞はないかなど、干し椎茸の状態をよく確認し、判断してください。