目次
シュトーレンとは
シュトーレンは値段が高いといわれていますが、シュトーレンの値段が高い理由は、材料や作り方や手間などを知ると納得できると思います。
シュトーレンはドイツの伝統的な菓子パン
シュトーレンとは、ドイツの伝統的な菓子パンで、酵母の入った生地にドライフルーツやナッツ、マジパンなどを練り込んで焼き上げたものです。この材料だけみてもシュトーレンの値段が高いのも納得できますね。
1〜3ヶ月日持ちする醗酵菓子なので、本場ドイツでは、クリスマスを待つまでのアドベント期間、いわゆるイエスキリストの降誕を待つクリスマス前の4週間の間(アドベントの期間)に、毎日薄くスライスしたシュトーレンを食べる習慣があります。
シュトーレンを作るのはかなり手間のかかる作業ですが、熟成してフルーツやナッツなどの風味が、日に日に馴染んで美味しくなっていくことから、一日ごとにクリスマスが待ち遠しくなる至福のお菓子でもあるようです。
ドイツ語読みでは「シュトレン」と呼ばれ、形がトンネルに似ていることから「地下道」や「坑道」の意味を持つ名前がついたと言われています。
シュトーレンの種類
- バター・シュトーレン(Butterstollen )
外側にバター、中にレーズンやアーモンド、ドライフルーツなどを練りこんだもの。 - ナッツ・シュトーレン(Nuss-Stollen )
さまざまなナッツを練りこんだもの - アーモンド・シュトーレン( Mandelstollen )
生地にアーモンドパウダーを練りこんだもの - マジパン・シュトーレン(Marzipanstollen )
生地にマジパン、またはペルシパンを練りこんだもの - クヴァルク・シュトーレン(Quarkstollen )
ワルクチーズ、フレッシュチーズなどのチーズを練りこんだもの
《 ポイント 》
- シュトーレンはドイツの伝統的な醗酵菓子でアドベント期間に食べる習慣がある。
- シュトーレンは4週間の間に、少しずつスライスして食べる至福のお菓子。
シュトーレンの値段が高い理由
シュトーレンはなぜ高いのか
シュトーレンの値段が高い理由は、手間をかけた作り方と厳選された材料に秘訣があるからです。
シュトーレンに混ぜ込んであるドライフルーツは、極限まで水分を減らして、クリスマスシーズンに向けて1年以上も前からアルコール漬けにして準備をします。なので一般的なケーキのように、原料の殆どが粉類のものに比べると、シュトーレンははるかに値段の高い材料を使用しています。
また、手間をかけて4週間以上、日持ちするように作られていることからも、1~2日で食べ終えるクリスマスケーキより、シュトーレンの値段が高くなるのは当然ですよね。
シュトーレンが長持ちする理由
本場ドイツでは、販売する伝統的なシュトーレンを作るにあたり、資格と法律上で厳しい制約が課せられています。その制約の内容は以下の五つが含まれています。
- 小麦粉100%に対して、ラム酒漬けの厳選されたドライフルーツを70%以上、ナッツは10%以上を生地に入れる。
- 小麦粉の量100%に対して水分量を25%以下に抑えるため、長時間かけて焼成し外皮の水分量を極端に落とす。
- 乳酸菌と酵母などの複数の微生物を培養させたサワー種が使われているため、腐敗やカビに強い。
- 生地の表面を外気から保護するために、小麦粉100%に対してバターを最低30%入れてガードする。
- バターの酸化を防ぐために、粉砂糖でコーティングして「糖蔵」のような保存方法を行っている。
《 ポイント 》
- シュトーレンの値段が高い理由は、手間をかけた作り方と厳選された材料に秘訣がある。
- シュトーレンを作るを作るにあたり、ドイツでは資格と法律上で厳しい制約がある。
シュトーレンの値段の相場はどの位?
シュトーレンの種類は豊富にあり、1本当たりの値段は、小さいもので2,000円から、大きいものだと7,000円くらいのものまであるようです。一般的なケーキが一個500円だとすると、複数に分けていただくシュトーレンは、コスパは高いようですね。
日本で人気のあるシュトーレンの価格相場
- 小型(約500g)約2,000円
税込価格:2,101円、サイズ:12×8×高さ2.5cm - 中型(約750g)約3,000円
税込価格:3,564円、サイズ:18×7×高さ6.7cm - 大型(約1kg)約5,000円
税込価格:5,616円、サイズ:24×12×高さ6cm
《 ポイント 》
- シュトーレンは小さいもので2,000円~、大きいものは7,000円くらいまで。
シュトーレンを選ぶ時のポイント
シュトーレンの値段は、種類、大きさ、味、パッケージなどさまざまな理由で異なります。
マジパンの有無をチェック
マジパンとは砂糖とアーモンドを混ぜて練り込み、飴のような食感に仕上げたお菓子です。
名前に「パン」とあるのでパン一種と勘違いしやすいですがそうではありません。シュトーレンにはマジパンが含まれてあるものとそうでないものがありますが、マジパンを入れることによって、アーモンドの風味がプラスされて深みのある味に仕上がります。
さらに、生地の保湿性が高まるので、しっとりとした食感になりますので、事前にマジパン入りかどうかをチェックしてみましょう。
ドライフルーツの種類
シュトーレンにどんなドライフルーツが入っているかも選ぶポイントになります。
基本的には食べる人が好むドライフルーツが入ったものを選べば間違いありません。代表的なものではレーズン、カシス、オレンジピール、ドライチェリー、イチヂク、その他にも様々なバリエーションがあります。
入っているドライフルーツによっても味や風味が違ってきますので、ドライフルーツの組み合わせを楽しんでみましょう。
保存料の入っていないもの
味のアクセントにもなるラム酒に浸けたドライフルーツは長持ちしますので、本来、保存料がなくても日持ちが可能な食べ物です。それだけでなく、溶かしバターを生地の表面に何度も塗ることによって、外気から守られています。
生地自体も腐敗やカビに強いサワー種が用いられているうえ、さらには砂糖を効果的に使うことによってシュトーレンの酸化を抑制する役割を果たしています。このようにして厳しい制約に基づいたものであれば、保存料の必要はないと思われます。
好みの味付けになっているか
シュトーレンにはラム酒に漬けたドライフルーツだけでなく、洋酒やチョコレート、バターなどを練り込んであるタイプもあります。
例えばラム酒を使用していればラム酒風味に、ブランデーが使われていれば濃厚な味わいに仕上がります。使われている素材が変わると風味も変わりますので、いろんなバリエーションを味わってみましょう。
パッケージで選ぶ
シュトーレンは長持ちするのでプレゼントにも最適な食べ物です。だからこそパッケージにはこだわりたいですよね。
相手に合わせて、フォーマルな贈りものとして選ぶなら高級感のある箱に入ったものを検討してみてはいかがでしょうか。同じ中身でも質の良い箱に入っていたら、戴く方も喜ぶのではないでしょうか。
《 ポイント 》
- シュトーレンは味に深みを出してくれるマジパンや保存料の有無で選ぶ。
- シュトーレンはドライフルーツの種類や好みの風味かどうかで選ぶ。
- シュトーレンはプレゼントの場合、贈る相手に相応しいパッケージを選ぶ。
シュトーレンのおすすめ5選
バターシュトーレン 1000g クーヘンマイスター
原産国がドイツの伝統的なシュトーレンです。
(オバール de 丹波)天然酵母 和風シュトーレン Lサイズ
第1回全国シュトーレンコンテストで特別賞を受賞した、京都亀岡地域のブランド認定商品です。亀岡の栗と丹波黒豆をふんだんに使い、素材の加工用には丹波ワインを贅沢に使用しています。「オバールde 丹波」は、焼きあがった後でもさらに熟成し続けるので、賞味期限が長く贈り物に最適です。
ホームベーカリーコビヤマ 會津が香るシュトーレン
2018年に開催されたシュトーレン・コンテスト プロ部門オリジナルの部3位に選ばれた、會津が香るシュトーレンです。皇室献上品としても知られる「會津身不知柿」を、銘酒「会津娘」に漬け込んで、贅沢に生地に練り込んで焼き上げた極上の洋菓子です。
天然酵母パン グリム シュトレン ショコラーデ
国産小麦を使用し、化学合成物無添加、そして天然酵母で低温長時間熟成させたショコラ味のシュトーレンです。賞味期限が3ヶ月と長めなので、贈り物としても喜ばれています。
(全粒粉パン工房ポッポのパン)全粒粉100%シュトーレン
麦の粒をそっくりそのままひいた全粒粉を使用しているため、栄養素が失われてることなく、たいへん健康的なシュトーレンです。
ガサガサしたり、固くなったりと取扱いの難しい全粒粉100%を使っているにも関わらず、こんなにおいしいのはめずらしいと評判です。自治体と製粉会社が放射性物質について徹底的な検査を行った結果、検出されてないことを確認しています。
《 ポイント 》
- バターシュトーレン ― クーヘンマイスター。
- オバール de 丹波 ― 天然酵母 和風シュトーレン。
- ホームベーカリーコビヤマ ― 會津が香るシュトーレン。
- 天然酵母パン グリム ― シュトレン ショコラーデ。
- 全粒粉パン工房ポッポのパン ― 全粒粉100%シュトーレン。
最後に
シュトーレンの値段が高い理由や、選ぶ時のポイントについて紹介しましたが、その魅力について改めておわかりいただけたかと思います。
シュトーレンは日持ちがするクリスマスケーキのひとつなので、遠く離れて暮らしている方へのプレゼントとして心配なく贈ることができます。それには、いくつかの長持ちする理由があったのですね。
もしも宅配された時に、相手側が不在だったとしてもシュトーレンなら安心してクリスマスらしさを演出できる素敵な贈り物になるのではないでしょうか。
基本的にはクリスマス前に食べるものではあるのですが、いつでも購入でき季節に関係なく1年中楽しむことができます。ドライフルーツやナッツ類もふんだんに入っている贅沢さが魅力のシュトーレンだからこそ、日本にも浸透して人気になったのでしょう。
伝統的なものから、チョコレートや抹茶等を練りこんだ個性的なものまでバリエーションが豊富なシュトーレンのおいしさを試してみてはいかがでしょうか?