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プリンを冷やす時間に影響する粗熱とは?
プリン作りには加熱が必須ですが、工程の一つに「粗熱をとる」という作業があります。ここでいう「粗熱」とは、どのような熱のことなのでしょうか。
粗熱とは、加熱調理した食材が熱を持っている状態を意味しています。いわゆる「アツアツ」というイメージです。粗熱をとるというのは、アツアツの状態から手で触れる状態にまで冷ますことです。
完全に冷ましてもいけないので、調理する中でとても重要な工程です。お菓子作りをするときは、粗熱をとるかとらないかで食感と味に影響します。
粗熱をとったあとの冷蔵庫に入れて冷やす時間の目安
できあがったプリンをおいしく食べるためにはどのくらいの時間、冷蔵庫に入れて冷やすのがいいのでしょう。
いろいろなレシピを見ても、はっきりと時間が書かれていないものもあります。書かれているものでも、1時間というのもあれば、4時間、6時間というのもあります。どのくらいが適切な時間なのでしょうか。
例えば、飲み物がおいしく飲める温度は6~8度です。冷蔵庫で8度以下に冷やそうと思ったら4時間かかるといわれています。それを考慮すると、冷蔵庫でプリンを冷やす時間は4時間程度が目安になるでしょう。
【凝固剤別】プリンの粗熱を冷やす時間の目安4つ
プリンを作るには凝固剤を使うものと、凝固剤を使わず卵で固める方法があります。
凝固剤は植物性と動物性のものがあり、溶ける温度や固まる温度が異なります。プリンを作るときにどの凝固剤を使うかはとても重要です。
使う凝固剤によって、プリンの粗熱を冷やす時間や温度が変わってくるからです。また、食感にも大きな変化があります。それぞれの凝固剤ごとに粗熱を冷やす時間の目安を見ていきましょう。
目安1:ゼラチンを混ぜて作る場合
プリンをゼラチンで作ると、トロトロなめらかで濃厚な食感のプリンになります。ゼラチンは冷えたら固まる性質があるので、蒸し器で蒸さなくても冷蔵庫で冷やすだけでプリンを作れます。
ゼラチンの溶ける温度は50~60度で、固まる温度は20度以下です。粗熱をとるときはそのまま約15分~45分放置すると手で触れるお風呂の温度くらいまで冷めます。ゼラチンはあまり温度を上げなくても溶けるので、比較的早く粗熱がとれるのです。
目安2:アガーを混ぜて作る場合
プリンをアガーで作ると、やわらかくてつるんとしたゼリーに近い食感になります。アガーはカラギーナンという海藻などからとれる凝固剤です。ゼラチンや寒天よりも透明性が高いので、中にフルーツなどを入れて見た目も美しく仕上げられるのが特徴です。
アガーの溶ける温度は90度以上で、固まる温度は30~40度です。粗熱をとるときはそのまま約1時間放置すると手で触れるお風呂の温度くらいまで冷めます。アガーは90度以上で溶かしているので、ゼラチンと比べると粗熱をとるのに時間がかかります。
目安3:寒天を混ぜて作る場合
プリンを寒天で作ると、歯切れがよくしっかりとした食感になります。寒天はテングサやオゴノリという海藻からとれる凝固剤です。寒天で作ると、ゼラチンやアガーよりもしっかりと固めることができます。また、しっかり固まっているので型で抜いたり切ったりが可能です。
寒天の溶ける温度は90度以上で、固まる温度は40~50度です。粗熱をとるときそのまま約1時間放置すると手で触れるお風呂の温度くらいまで冷めます。
目安4:凝固剤を使わずに作る場合
一般的にプリンは、卵と牛乳と砂糖を混ぜて、蒸し器や湯せんで蒸すことで凝固させて作ります。凝固剤を使っていなくても、卵の凝固温度で固めることができるのです。卵の凝固温度は、黄身が70度で白身が80度程度です。
卵は黄身と白身を混ぜて使うのと、牛乳や砂糖が入っているので実際に固まる温度は80度より少し高くなります。粗熱をとるときはそのまま約1時間放置しましょう。
粗熱を冷やす時間を短縮する2つの方法
プリンを作る工程で粗熱をとる工程は大切です。しかし自然に冷やすとなると時間がかかり待つのも大変です。「早く食べたいから冷蔵庫に入れて冷やしたい」という気持ちになるのも無理はありません。
しかし、アツアツのプリンを冷蔵庫に入れると冷蔵庫の温度が急に高くなり、冷蔵庫に負荷がかかってしまいます。プリンが冷えるどころか、中に入っている別の食材にも影響して痛んでしまうかもしれません。冷蔵庫を使わずに、粗熱を冷やす時間を短縮する方法を紹介します。
方法1:氷を入れる
冷やす時間の短縮には、氷を使う方法があります。氷の温度は0度です。冷たい氷は温度が上がると溶けますが、熱いプリン液は温度が下がるから冷えるのです。また氷には塩をかけるとさらに冷えやすくなります。そのメカニズムを利用して氷で冷やす時間を短縮しましょう。
用意するもの
プリン液を冷やすために次のものを用意してください。どれも家庭にあるものなので、特に買い足す必要もないものばかりでしょう。用意するものは、氷と塩と水を適量ずつと、台所にあるバットまたはボウルです。
冷やす準備
用意したものを使ってプリン液を冷やす方法は、次の通りです。まず冷やすための準備をします。
バットやボウルに氷を入れて、塩を少しずつかけます。あまりたくさんかけると冷えすぎてしまうので、時々水も入れながら調整してください。マイナス20℃くらいまで計れる温度計があると便利です。
準備ができたらプリン液の入ったカップを浸して温度を下げます。プリン液のカップに水が入らないように注意して冷やしてください。
方法2:保冷剤を入れる
氷を使って冷やすと溶けて水の量が増えていきますが、保冷剤を使うと水の量を増やさずに冷やす時間を短縮できます。
保冷剤は、冷蔵食品やケーキなどを購入するときについてくるものを冷凍庫で保管しておくと、いざというときに便利です。ぜひ試してみてください。
用意するもの
プリン液を冷やすために次のものを用意してください。どれも家庭にあるものなので簡単に用できます。用意するものは、水と冷凍庫にある保冷剤を適量ずつと台所にあるバットまたはボウルです。もし保冷剤がないときは百均でも購入できますよ。
冷やす準備
用意したものを使って冷やす方法は、次の通りです。まず冷やすための準備をします。バットやボウルに保冷剤と水を入れます。水は少なめがおすすめです。
準備ができたら、プリン液の入ったカップを浸して温度を下げてください。プリン液のカップに水が入らないように気をつけて冷やしましょう。
プリンの冷やす時間で食感は変わる?
プリンは粗熱をとり冷やす工程が大切だということと、手早く効率的に冷やす方法を紹介してきました。では、プリンは冷やす時間でどのくらい食感が変わるのでしょうか?
凝固剤を使わずに、一般的な材料(卵・牛乳・砂糖)を使ってプリンを作り、冷やした時間でどのくらい食感が変わるのか見ていきましょう。
ゆっくり冷やした場合
プリンは、ゆっくり冷やすとトロンとした食感になります。凝固剤を使わずに一般的な材料(卵・牛乳・砂糖)でプリン液を作って、蒸して凝固させます。そのあと、粗熱をとり冷蔵庫で6時間以上かけてゆっくり冷やすと、トロンとした食感になるのです。
急激に冷やしたとき
プリンは、急激に冷やすとゼリーのような食感になります。凝固剤を使わないで、一般的な材料(卵・牛乳・砂糖)を使ってプリン液を作り、蒸して凝固させます。そのあと急激に冷やすと、ぎゅっと固まります。
プリンの冷やす時間を把握しておこう
プリン作りにおいて粗熱をとる工程はとても大切です。そのまま放置したら1時間くらい待たないといけませんが、冷蔵庫に入れなくても氷や保冷剤を使うと冷やす時間を効率よく短縮できます。
また、凝固剤にはいろいろな種類があり、冷やす時間や食感が変わることがわかりました。ぜひこの記事で紹介した様々な方法を試してみて、自分のお気に入りの凝固剤を見つけておいしいプリンを作ってください。