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冷凍肉はそのまま焼くのがおすすめ?!
冷凍肉をそのまま焼くメリット
冷凍したお肉をそのまま焼く場合、ちょっとしたポイントを押さえておくと、解凍しなくても美味しく食べられます。一説によると、冷凍したまま牛のステーキ肉を焼いた方が、ジューシーで美味しいとも言われています。
肉は解凍すると、肉の中の旨味や水分がたっぷり含まれている「ドリップ」という汁が流れ出てしまうのですが、凍った状態で使用することにより肉の外周が先に焼けるため、ドリップが逃げずに、旨味を閉じ込めジューシーな仕上がりになります。
肉の性質として、冷凍されたまま焼くと、肉が縮みにくく、また、内部が低温になっているために、過剰な温度にならないので肉が柔らかく仕上がるようです。
一方で、解凍してから焼いた場合は、肉が縮んでしまうので肉の表面が固くなってしまいます。
冷凍肉を半解凍で焼く場合
冷凍肉を半解凍でそのまま焼く場合は、冷蔵庫に入れ替えて半解凍の状態まで解凍します。まだ冷えている状態なので、スライスもしやすくドリップもあまり出ないので調理がしやすくなります。
冷凍肉を煮物にした場合
煮物にする場合は、煮込むことになるので、冷凍肉をそのまま入れて調理しても問題ありません。旨味も損なわず、パサパサにもならない仕上がりになります。
美味しく仕上げるためには秘訣が2つあります。
- 一つ目は、しっかり煮立たせてから冷凍肉を投入する方法
- 二つ目は、冷凍のまま肉の表面に色がつくまでしっかりと焼いた後に煮る
これで、煮物を美味しく作ることができます!
鍋の中がまだ水の状態であるのに肉を投入してしまうと、温まっていく過程で肉からドリップが流れ出てしまいます。そうなると肉の臭みが煮汁に溶けて出して、味がいまいちな煮物に仕上がってしまいます。
冷凍肉を揚げ物にした場合
冷凍した肉を使って揚げ物を作る場合には、しっかり中まで火が通っているか注意しなければいけません。
また、冷凍されていた肉を揚げる際には、肉がすっぽりと隠れる程度のたっぷりの油で揚げること、そして、一度にまとめて揚げないことが重要なポイントになります。
他の食材を揚げ物にするときにも言えることですが、一度にまとめて油の中に投入してしまうと、油の温度が一気に下がってしまうので、カラッと仕上げることが難しくなってしまいます。
《 ポイント 》
- ドリップが逃げずに旨味を閉じ込めてくれる。
- 肉が縮みにくく、柔らかく仕上がる。
- 水の状態の鍋の中に肉を入れるとドリップが流れ出て臭みが出る
冷凍肉をそのまま焼く方法
冷凍肉をそのまま焼く方法をここで確認しておきましょう。
美味しく焼き上げる一番のポイントは「蒸し焼き」にすることです。
冷凍肉をそのまま美味しく焼く手順
- フライパンに牛脂を溶かして伸ばす。
冷凍肉を焼く場合には、購入時にもらった牛脂を使うと仕上がりがより美味しくなります。牛脂が無ければサラダ油をフライパンに入れて伸ばしてから焼いてもよいでしょう。 - 冷凍肉を投入しフタをして中火で2分。
冷凍肉をフライパンに入れたらフタをして中火で2分間焼きます。 - 2分経過したら裏返して裏面を中火で2分焼く。
冷凍肉にフタをして2分間経過したら、フタを開けて肉を裏返し、裏面を中火で2分ほど焼きます。裏返した時に肉の赤い部分が残っていても、気にしなくて大丈夫です。引き続き加熱されるので、焼き上がりのタイミング次第でしっかりと焼きあがります。 - 裏面も2分焼いたら火を止めて2分間余熱調理。
裏面も中火で2分程焼いたら火を止めます。そしてフタを取らずにそのまま2分間余熱調理します。火を止めて2分間余熱することで火がしっかりと通ったら完成です。
この方法で焼くと、肉の表面はしっかり火が通って旨味たっぷりの肉汁を閉じ込めることができます。内部も凍った状態でそのまま焼くので、火を通し過ぎることもなくジューシーな仕上がりになります。
レア状態のお肉が食べられない方は、焼き時間を少し伸ばしてあげると火がより通るので、焼き加減をミディアム状態にすることもできます。
薄くスライスした冷凍肉も、解凍せずにそのまま焼くと美味しくジューシーに焼き上がります。
《 ポイント 》
- 美味しく焼き上げる一番のポイントは「蒸し焼き」。
- お店でもらった牛脂を使うと仕上がりがより美味しくなる。
- 内部が凍った状態のまま焼くと旨味たっぷりの肉汁を閉じ込めることができる。
冷凍肉を美味しく焼くコツ
冷凍肉をそのまま美味しく焼くには保存方法がポイント!
冷凍肉を美味しく焼くために大切なことは、冷凍する前にしておくちょっとした保存方法です。
肉を冷凍した状態のまま焼く予定でいるのであれば、冷凍する前に肉をラップで3重に包むようにします。
- 1枚目のラップは、空気が入らないように、肉にピッタリ密着させて巻きます。
- 2枚目のラップは、1枚目のラップとの間に空気をふくませるようにふんわりと巻きます。
- 3枚目のラップは、2枚目のラップとの間に同じ要領で空気を含ませるようにふんわり巻きます。
このようにして冷凍する前に3重にラップを巻いておくと、肉の水分が飛びにくくなるので、冷凍庫内で肉に霜が付きづらくなります。
ちなみに、肉に霜がついていると、焼く時に油と水分によって油はねがあるだけではなく、火が上がってしまう危険性がありますので注意してください。そうならないためにも、肉に霜がつかないようにしっかりとラップを巻いてから冷凍することが重要なのです。
《 ポイント 》
- 肉をラップで3重に包んでから冷凍する。
冷凍肉をそのまま焼くときの注意点
焼きムラに注意
冷凍肉を解凍せずにそのまま焼くことで、ドリップが逃げず旨味を閉じ込めてくれるので、ジューシーな仕上がりになることは、おわかりいただけたと思いますが、その一方で、肉の形状や種類によっては、肉が固くなりすぎてしまったり、焼きムラができて美味しさが損なわれてしまうこともあるようです。
肉に厚みがある冷凍肉をそのまま焼くときは
- フライパンでしっかり焼いて両面に焦げ目をつける
- フライパンにフタをして2分程蒸焼きにする
- 火を止めたら5分ほど放置する
これで、焼きムラをある程度防ぐことができます。
ただし、肉の固まりや、かなり厚めの肉の場合は、冷蔵庫で一旦半解凍にしてから、強火でしっかりと焼くようにしましょう。
冷凍肉をそのまま焼く方法と同じように、両面に焦げ目をつけてから、フライパンにフタをして2分程蒸焼きにし、火を止めてから5分程放置してください。
豚肉と鶏肉はしっかり中まで火を通す
豚肉や鶏肉の場合、しっかり中まで火を通さないと食中毒になる恐れがありますので注意しましょう。
だからと言って、カットしていない豚肉や鶏肉を1枚丸ごと焼くときに、中まで火をしっかり入れて焼こうとすると、どうしても外側に火が入りすぎてお肉外側が硬くなってしまいます。
豚肉や鶏肉のステーキを調理する場合は、しっかり解凍をしてから焼いた方が、中まで十分に火が通るので、解凍してから調理してください。
それとは別に、豚の薄切り肉を調理する場合は、冷凍したままの肉でも強火で炒めれば、問題なく食べることができます。
豚肉や鶏肉を焼くのではなく、煮る場合には、冷凍のまましっかり焼き色を付けてから煮ることで、肉から流れ出るドリップを防ぎ、臭みもとれるので美味しく食べられます。
《 ポイント 》
- 肉が固くなったり、焼きムラができてしまったりして美味しさが損なわれてしまう場合もある。
- 豚肉や鶏肉はしっかり中まで火を通さないと食中毒になる恐れがある。
冷凍肉の時短解凍方法
冷凍肉をそのまま焼くのではなく、解凍して調理したい場合の解凍方法をご紹介します。
冷水で流水解凍する方法
時間がない場合は、氷水に袋ごとつけて解凍しますが、より時間がない時は、冷水で流水解凍してみましょう。
- ボウルに冷凍肉を保存袋ごと入れます。
- 水を入れたペットボトルを重しとして使い、肉を水中に沈めます。
- 冷水を流しながら解凍しますが、肉100gで5~7分が解凍の目安でしょう。
急ぐ時はぬるま湯に入れる方法
- ボウルに冷凍肉を保存袋ごと入れます。
- 35〜40℃くらいのぬるま湯を流します。
- ときどき上下を返しながら解凍しますが、肉100gで3~4分を目安にしてください。
ぬるま湯に入れて解凍するやり方の注意点として、こちらは早さを追求した解凍法なので、流水解凍よりも多少ドリップが出やすくなるようです。
電子レンジで解凍する方法
電子レンジの解凍機能を使って解凍する方法もあります。
- ドリップを吸い取るためのペーパータオルを耐熱皿に敷き、ラップをはずした冷凍肉を置きます。
- 100〜200Wの弱モードに設定し、1分間ずつ、様子を伺いながら上下を返して解凍します。※解凍の目安は、肉100gあたり4~5分です。
注意点として、電子レンジの「温め機能」を使ってチンすると、火が入りすぎてしまいパサパサになってしまいますので、必ず「解凍機能」を使うようにしてください。
《 ポイント 》
- 冷水で流水解凍にする。
- もっと急ぎたい時は5〜40℃くらいのぬるま湯を流す。
- 電子レンジは「温め機能」ではなく、「解凍機能」を使うようにする。
さいごに
冷凍肉をそのまま焼く方法と注意点について、いかがでしたでしょうか?
冷凍した肉を解凍せずにそのまま調理する場合には、ちょっとしたポイントを押さえておくと解凍しなくても美味しく食べることができます。
その一方で、肉の形状や種類によっては、肉が固くなりすぎたり、焼きムラが発生し美味しさが損なわれてしまう場合もあるようです。
また、半解凍にした方が上手に調理できる場合もあります。どんなことに気を付けて、冷凍したお肉を扱えばいいのかを把握し、ちょっとしたひと工夫を加えることで味しく調理できますので、ぜひ試してみてくださいね。