目次
包丁を選ぶときのポイント
ここからは包丁を買う前に見るべきポイントを紹介します。どんな包丁を買うときでもこのチェックポイントは確認しておくようにしましょう。
項目別に詳しく紹介します。
用途
まずは用途を確認しましょう。用途に合わせて包丁を使い分けられると、食材の切りやすさが違ってきます。用途とは、肉・魚・野菜など切るものの内容のことです。
また、サイズ感も大切にしてください。大は小を兼ねるからといってなんでも大きいものをそろえてしまうと、細かいものを上手に切れないこともあります。切るものに合ったサイズを選ぶようにしましょう。
《 ポイント 》
- 用途に合った包丁を選ぶ
- サイズ感も大切に
切れ味と耐久性
包丁の切れ味の良さは、刃の薄さと角度です。この角度と薄さは値段に比例するといわれています。高級なものは職人が丁寧に角度や薄さを調節しているのです。よって、あまりに安すぎるものは購入を控えたほうがいいでしょう。
また、切れ味が長続きするのかも大事ですね。耐久性を重視すると切れ味が悪くなる傾向にあるので、どちらも満たしている包丁を選ぶ必要があります。
三層鋼やモリブデン、バナジウムが含まれているものは、切れ味と耐久性のバランスが取れた包丁です。
《 ポイント 》
- 刃の薄さと角度は値段に比例する
- 三層鋼などが含まれている包丁は長持ちして切れ味がいい
お手入れのしやすさ
お手入れのしやすさも選ぶときには重要なポイントです。使用頻度が高いものなので、洗いやすいものを選ぶようにしましょう。柄と刃の素材が一緒のものを選ぶと、つなぎ目にゴミが溜まることがないのでおすすめです。
また、初心者でも研ぎやすいハガネ素材の包丁を選んでください。ハガネ素材を選んでおくと、ちょっと研いだだけで切れ味をもとに戻すことが可能です。
《 ポイント 》
- 柄と刃が一緒の洗いやすいものを選ぶ
- 研ぎやすいハガネ素材の包丁がおすすめ
予算も決めておくと選びやすい
購入するときはきちんと予算も決めておいてください。包丁は高級品から安価なものまでそろっているのが魅力です。
しかし、あまりにも安いものを購入してしまうとすぐ壊れたり、切れ味が悪くなったりします。ある程度長持ちするものを購入するには、5,000円以上は想定して包丁を選ぶようにしましょう。
《 ポイント 》
- 高級品から安価なものまでそろっている
- ある程度長持ちするものは5,000円以上する
包丁の選び方「種類で選ぶ」
ここからは包丁の選び方を紹介します。まずは、種類で選ぶ方法です。自分がよく切る食材を調べてから、購入を検討するようにしましょう。
初めての1本には『三徳包丁』がおすすめ
初めての方には三徳包丁がおすすめです。三徳包丁は、菜切包丁と牛刀を組み合わせて作られた包丁のこと。そのため、魚・肉・野菜何でも切ることができます。
初めて包丁を買う方や、包丁を使い分けるのが面倒と感じる方には、三徳包丁はイチオシの包丁です。ここは値段にこだわらず自分の手にあったものをチョイスしましょう。
《 ポイント 》
- 初めての1本におすすめ
- 魚・肉・野菜何でも切れる
洋包丁の代表『牛刀包丁』も万能
牛刀包丁はその名前から牛肉を切るもの専用のものだと勘違いされがちですが、実は魚も切ることができます。なので、牛刀包丁で刺身を作ることも可能です。
刃渡りは長いのが特徴で、鋭い刃先がついています。肉や魚の下処理に向いた包丁になっています。
《 ポイント 》
- 牛刀包丁で肉・魚を下処理できる
- 刃渡りは長く、鋭い
果物や野菜の皮むきには『ペティナイフ』
果物や野菜の下処理にはペティナイフが向いています。ペティナイフは牛刀を小さいサイズにしたもの。皮むきはもちろん、飾り切りのような細かい作業もしやすいのが特徴です。
また、お子さんや手が小さい女性の方にもおすすめです。肉や魚も問題なく切ることができるので、三徳包丁が大きくて扱いにくい方はペティナイフの購入検討をしてもいいかもしれません。
《 ポイント 》
- 牛刀を小さいサイズにしたもの
- 細かい作業がしやすい
- お子さんや手が小さい女性が向いている
野菜を刻むには『菜切包丁』
昔から日本で使われてきた和包丁といえば菜切包丁です。野菜専用の包丁で、キャベツの千切りやネギのスライスなどトントンと軽快に切ることができます。
三徳包丁・牛刀などをそろえて、もっと包丁を使いこなせるようになりたい方にはぴったりの包丁です。
《 ポイント 》
- 野菜専用の和包丁
- もっと包丁を使いこなせるようになりたい方向け
パン専用の『パン切り包丁』
その名の通り、パンを切る専用の包丁です。三徳包丁でも一応パンは切れます。しかし、パン切り包丁を使うと、柔らかいパンをつぶれないように切ることが可能です。
また、パン切り包丁で切ったパンは、焼くことで空気を含んで軽い食感に変化するのも特徴のひとつ。食感の違いを楽しむこともできます。
《 ポイント 》
- 柔らかいパンを潰さずに切れる
- 食感が変化する
その他の包丁
その他の包丁として、ここでは3種類紹介します。有名な包丁も出てくるので読んでみてください。
柳刃包丁
魚の刺身を作るための包丁です。魚を切るときの抵抗をなくすために、刃が薄く作られているのが特徴。24cmが使いやすいといわれています。
出刃包丁
出刃包丁は、鶏肉や魚の骨を切るのに適しています。ある程度の厚みと重みがあるので、安定して切ることが可能です。スーパーで買ってきた魚や釣ってきた魚を捌くときには15cmくらいが扱いやすいでしょう。
中華包丁
中華包丁は細かい作業から肉や魚の骨を粉々にする力の必要な作業まで、1本でできてしまいます。力を使った作業を家でやる方は持っておくと便利。
プロが使うのは重量があり、初心者だと使いこなすのはむずかしいでしょう。薄刃〜中厚刃かつ16〜20cmのものを選ぶと、初心者でも重さを気にせずに上手に使いこなすことができます。
《 ポイント 》
- 柳刃包丁は刺身を切る用の包丁
- 出刃包丁は鶏肉や魚の骨を切る包丁
- 中華包丁は細かい作業から骨を切る作業までできる包丁
包丁の選び方「素材で選ぶ」
ここからは包丁の素材で選んでみましょう。扱いやすさや耐久性がわかります。自分の欲しい機能が備わっているか判断しましょう。
ステンレス
ステンレスは初心者から料理上級者まで人気の包丁。この人気の秘密は錆びにくい材質と切れ味の良さです。また、刃の耐久性も非常に高いため、長く使うことが可能。家庭で使われることが多いので、迷ったらステンレスを選びましょう。
《 ポイント 》
- 初心者から上級者まで人気
- 錆びにくく、切れ味がいい
鋼(ハガネ)
鋭い切れ味が特徴の包丁。食材を切るときにストレスを感じたくない方におすすめです。しかし、お手入れしにくく、錆びやすいのがデメリット。初心者よりも料理を極めていきたい方に向いています。
しかし、現在では、錆びにくい加工をしたハガネ三層鋼も出てきています。ステンレス鋼で鋼の芯材を挟んだ構造です。刃先は鋼なのでお手入れには注意が必要ですが、包丁全体が錆びてしまう問題はハガネ三層鋼で解決できています。
《 ポイント 》
- 切れ味がいいのが特徴
- お手入れしにくく錆びやすいのがデメリット
- 錆びにくい加工をしたハガネ三層鋼もある
セラミック
セラミックは軽く、刃が錆びにくいのが特徴。お手入れがしやすいので女性にはもってこいの素材です。
しかし、使っていると欠けやすいというデメリットも。欠けた部分を修理するのは、素人では難しいといわれています。欠けたら買い直ししなければいけないので購入頻度は高くなってしまうでしょう。
《 ポイント 》
- セラミックは軽く、錆びにくい
- 欠けやすいというデメリットも存在する
包丁の選び方「ブランドで選ぶ」
ここからはおすすめのブランド包丁を紹介します。ぜひ参考にして、購入を検討してみてください。
グローバル
グローバルはステンレス鋼に鋭い切れ味を与えるはまぐり型を、手作業で入れています。そのため耐久性がとても高く、お手入れしやすいのが特徴です。また、ドット柄のおしゃれなデザインも魅力のひとつ。1本持っているとキッチンのレベルが上がります。
グローバルでもおすすめなのが、「グローバル 三徳 3点セット」です。三徳包丁とペティナイフ、シャープナーがセットになっており、初めて自分の包丁を持つ方にうれしいセットになっています。
ヘンケルス
ヘンケルスは手に馴染みやすい包丁を作っています。その秘密はアーチ。
手に馴染みやすい構造になっており、長時間使っても疲れにくくなっています。さまざまな種類の包丁を取り揃えているので、ブランドで包丁を揃えることも可能。
初心者におすすめなのが「ヘンケルス 三徳包丁」。手頃な価格で購入できるうえに、お手入れもしやすいので、一人暮らしの初めての1本におすすめです。
貝印
貝印は包丁はもちろん、鍋やボウルなど幅広くキッチン用品を手掛けているブランドです。
貝印の中にもブランドがあり、有名シェフとコラボして作成されたスペシャルな包丁や、匠の技を活かしながら作られた関孫六の包丁など種類はさまざま。
貝印で特におすすめなのが「貝印 ( kai ) 関孫六 匠創 3点セット」。オールステンレスでお手入れが簡単です。シャープナーはダイヤモンドとセラミックでできているので、一度研いだら切れ味が長持ちします。
包丁に関するQ&A
ここからは、包丁を選ぶときによく聞かれる質問にお答えします。研ぎ方を中心に答えているので、疑問がある方はぜひ読んでみてください。
A.洋刃向けの研ぎ方を紹介します。
- 砥石を水に濡らす
- 砥石に対して45℃の角度で包丁を置く
- 砥石に刃が当たるように刃を起点にして15℃持ちあげる
- 手前から奥に動かすように包丁を滑らす
- 刃の先端にバリが出たら裏側を2〜4のステップで研ぐ
- 最後に仕上げで1〜5の工程を繰り返す
- 水で洗って拭いたら完了
仕上げは軽く研ぐ程度でOKです。
A.研ぎ石がすぐに調達できない場合活用してみてくださいね。
- アルミホイルを丸める
- 包丁で切る
- 水洗いする
包丁の刃の細かい傷をアルミホイルがなめらかにしてくれます。
A.茶碗の底を使う方法もあるので、試してみてください。
- 底面に刃を押し当てる
- 手前に数回引く
- 裏返して手前に数回引く
- 水で洗う
茶碗の底を使った方法は、切れ味が長持ちするわけではないので注意しましょう。
《 ポイント 》
- 砥石を使うときは、水でぬらして両面研ぐ
- アルミホイルは切るだけなので最も簡単
- 茶碗の底を使う方法は切れ味が長持ちしない
さいごに
今回は包丁の選び方について紹介しました。
包丁は用途や耐久性、切れ味の良さから総合的に判断して購入する必要があります。購入する前に、自分はどんな機能が欲しいのか、用途は何なのか洗い出してから購入するようにしましょう。
選び方で、自分の購入する包丁を絞り込めなかった場合には、用途や素材、ブランドを参考にしてみてください。この記事を参考に自分に合った包丁を見つけましょう。