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お見舞いの品で喜ばれるもの
「知り合いや知人が入院してお見舞いをしたいけれど、何を持参すればよいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
出産や病気、怪我など入院の理由はさまざまですが、入院中は心細く不安に感じるものですので、お見舞い相手の立場に立ち、もらって嬉しいものを考える必要があるでしょう。
ここではまず、お見舞いの品で喜ばれる定番のものを紹介していきます。
生活に役立つ日用品
お見舞いの品としてまずおすすめしたいのが、入院中の生活をより便利で快適にしてくれる日用品です。
たとえば、ティッシュやタオルのような日用品は毎日使うものなので、贈ると喜ばれるでしょう。入院中は決まった時間に薬を飲んだり検診を受けたりするため、いつでも時間がすぐに確認できるように小型の液晶時計を選ぶのもおすすめです。
秋冬の寒さが厳しくなってきた季節にお見舞いをするならば、体温調節に役立つブランケットやストールをチョイスするとよいでしょう。
気晴らしになるもの
入院中は手持無沙汰で退屈することも多いため、気晴らしになるものをお見舞いの品として贈れば喜ばれるでしょう。
お見舞い相手の好きなジャンルを知っているならば、雑誌や漫画・小説などを差し入れとして渡してみてはいかがでしょうか。
パズルやクロスワードなども、長期入院中の暇つぶしになるため、お見舞いで喜ばれるものとして挙げられます。また、やや高額にはなりますが、ゲーム好きな人にはゲーム機やゲームソフトをお見舞いの品として贈るのもアリです。
食べ物
無難なものを贈りたい時には、食べ物をチョイスしてみてはどうでしょうか。フルーツはお見舞いの品として定番です。
ただ、包丁やまな板を使ってカットしなければならないようなフルーツを贈ると、かえってお見舞い相手の迷惑になってしまうこともあります。
代わりにフルーツ缶のギフトセットや、日持ちはしませんが、カットフルーツの盛り合わせを贈るとよいでしょう。また、ゼリーならば食欲のない時でも食べやすいのでおすすめです。
ただし、病気の種類や症状によっては病院から食事制限を受けている場合もあるので、事前に確認することが大切です。
付き添いの人にも喜ばれるもの
お見舞いに訪れた際に、病室で付き添いをしているご家族に会うことも多いでしょう。そのことを見越して、お見舞い相手だけではなく付き添いの方に喜ばれるものをお見舞いの品として選ぶ人も多くいます。
たとえば、お菓子の詰め合わせやドリンクのギフトセットなどがおすすめです。個包装のお菓子や紙パック・缶タイプのドリンクならば、お見舞い相手の体調が悪くて食事ができない時でも、付き添いの方に食べたり飲んだりしてもらえます。
病室を彩るもの
お見舞い相手の病気の種類や病状によっては、食べ物を差し入れるのが不適切な場合もあります。その場合には、病室を彩るものをお見舞いの品として贈りましょう。長時間病室で過ごしていると気も滅入ってしまいやすいので、花などを贈るのがおすすめです。
病室を明るく華やかな空間にしてくれるでしょう。紫のように落ち着いた暗めの花ではなく、ピンクや黄色など、気持ちが明るくなるような色の花を選んでみてください。
また、花の形をしたソープフラワーもおすすめです。ほんのりといい香りがする上に、生花と違って花瓶に生けたり水を変えたりする必要がありません。
お見舞いの品で避けるべきもの
よかれと思って選んだ品が、かえってお見舞い相手の迷惑になってしまうこともあります。
入院中は体力も気力も落ちやすいので、お見舞いの品を選ぶ際には相手に負担やストレスを与えないように気を遣うことが大切です。
では、具体的にどのようなものを避けたほうがよいのでしょうか。ここからは、お見舞いの品としてNGなものを4つピックアップして紹介していきます。
置き場に困るもの
個室タイプの病室は費用が高くなりますし、病状によっては利用できないこともあるため、多くの人は大部屋で過ごすことになるでしょう。
大部屋の場合、収納箇所や物を置けるテーブルの広さは限られているため、大きな花束やぬいぐるみなどをお見舞いの品として贈ると、置き場所に困ってしまいます。
また、お見舞い相手からリクエストがあったわけでないならば、漫画や小説のシリーズセットはかさばりやすく収納場所をとるので避けましょう。
匂いや香りが強いもの
入院中は体調の影響で普段よりも嗅覚が敏感になりやすく、今までは平気だったものでも気分が悪くなってしまうこともしばしばです。
花やソープフラワーはお見舞いの品として定番のアイテムですが、花の種類や商品によっては匂いや香りが強いものもあります。
お見舞い相手だけではなく、同室の患者さんにも迷惑をかけてしまいかねないので注意が必要です。たとえば、水仙やユリは香りが強いので避けたほうがよいでしょう。
世話の手間がかかるもの
切り花をお見舞いの品として持参しようかと考える人も多いでしょう。
ですが、生花の場合は花瓶を用意したり水をかえたりする必要があるため、お見舞い相手や付き添いの方に手間をかけてしまう可能性があります。
病室を明るく彩ってくれる花を贈りたいならば、手間のかからないブリザードフラワーやフラワーアレンジメントをしたものを選ぶのがおすすめです。
相手の趣味や嗜好を無視したもの
お見舞いの品選びにおいては、「自分が相手に贈りたいもの」ではなく「相手が贈ってもらって喜ぶもの」を重視することが鉄則です。
相手の好みを無視して自分の趣味でお見舞いの品を選んでしまっては、「ありがた迷惑」になってしまいかねません。
長期入院時には漫画や小説、CDなどの気晴らしや暇つぶしになるものを贈ると喜ばれますが、お見舞い相手の好きなジャンルをきちんとリサーチしておく必要があるでしょう。
定番のお見舞いの品11選
お見舞い相手の体調や入院期間、好みなどによってベストなお見舞いの品は変わってくるものです。「どんなものを贈ればいいのか迷ってしまう」という方も多いことでしょう。そんな時には、定番のお見舞いの品をチョイスしてみてはいかがでしょうか。
ここからは、どんな相手にも喜ばれやすいおすすめのお見舞いの品を紹介していきます。
花
定番のお見舞いの品としてまず挙げられるのが、花です。病室はシンプルでともすれば無機質な印象を受けるものですが、花があれば一気に雰囲気が華やぎ、明るい雰囲気になるでしょう。
入院中は不安になったり気が滅入ったりするものなので、お見舞い時には元気を与えてくれるような美しい花を贈ってみてはどうでしょうか。お見舞い相手の好きな花を事前にリサーチしておくと、花選びを外すこともありません。
衣類
個室で過ごしている人ならばある程度自分の自由に室温を調整できますが、大部屋にいる場合は勝手に室温を変えられません。冷え性の方は病室で寒気を感じることも少なくないので、靴下や腹巻きなどの衣類品をお見舞いの品として贈ると重宝されます。
また女性の場合、寝間着のままで病院内の売店に行くことに抵抗を感じる人も多いでしょう。寝間着の上にさらっと羽織れる、シンプルかつおしゃれなガウンをプレゼントするのもおすすめです。
本
入院中はすることがなく、手持無沙汰になりがちです。時間があると、手術のことや現在の病状、退院後の生活などについてあれこれと考えて不安になりやすいでしょう。
本があれば暇つぶしになりますし、読書に没頭することで一時的に不安な気持ちを忘れられるので、お見舞いの品として差し入れてみてはどうでしょうか。
できれば、ご家族の方に事前にお見舞い相手の好きなジャンルを尋ねてから本を選んでみてください。また、すでに読んだことのある本を差し入れることがないように、親しい間柄ならば本人に直接読みたい本を尋ねるのもよいでしょう。
雑誌
本に加えて、雑誌も喜ばれやすい定番のお見舞いの品です。女性のお見舞いに行くならば、ファッション雑誌やインテリア雑誌などがよいでしょう。
また、男性ならば男性向けのファッション誌やエンタメ・スポーツ・アウトドア系の雑誌がおすすめです。本選びと同様に、雑誌選びにおいても「自分が好きなジャンル」ではなく「お見舞い相手が好きそうなジャンル」を重視しましょう。
CD
体調がすぐれないときには、本や雑誌を読むだけでも疲れてしまうものです。
ですが、何もせずにただベッドの上にいると手持無沙汰に感じるでしょう。そんな時に音楽があれば暇つぶしになりますし、リラックスしたり気分転換にもなったりします。
相手の好きな音楽のジャンルがわかっているならば、CDをお見舞いの品として贈ってみてください。ただ、最近ではスマホから音楽をダウンロードして聞く人も多いので、CDのかわりにiTunesカードを贈るのもおすすめです。
スキンケア用品
「入院中でもお肌のケアはしておきたい」と考える女性も多いものです。女性のお見舞いに行くならば、スキンケア用品をプレゼントすると喜ばれるでしょう。
ただ、肌に合う・合わないの問題があるので、化粧水や美容液・乳液に関してはお見舞い相手が普段使用しているものを尋ねたうえで購入するのが無難です。温泉水のミストやリップクリームなどであれば比較的肌質を選ばないので、おすすめです。
お菓子
お見舞い相手の好みがわからず、何を持参すればよいか迷った時にはお菓子を選ぶのが無難です。
ケーキやお饅頭のようなものは避け、日持ちのする個包装タイプを選びましょう。デパートや洋菓子店に行けばお見舞い用のお菓子のギフトセットをすぐに購入できるので、本選びほど手間がかかりません。
お見舞い相手の体調に問題がなければ本人に食べてもらえますし、体調不良や医師からの食事制限の指示で食べられない場合は、付き添いのご家族の方に食べてもらえます。
フルーツ
フルーツも、定番のお見舞いの品として挙げられるでしょう。スーパーやデパートでお見舞い用のフルーツ盛り合わせを購入し、お見舞い時に持参する人も多いはずです。
ただし、フルーツ盛り合わせは見栄えがよいものの、包丁やまな板を使ってカットしたり皮をむいたりしなければならないものが含まれていることに注意が必要です。
付き添いの家族がいれば皮むきやカットをしてもらえるでしょうが、多少なりとも手間をかけてしまうのが心配ならば、缶詰や袋入りのミニパックタイプのものを選んでみてください。
ジュース・お茶
お見舞い相手の好みにかかわらず喜んでもらいやすいのが、ジュースやお茶です。
入院中は売店で飲み物を買う人がほとんどですので、ジュースやお茶のギフトセットをお見舞いの品として差し入れしてもらえば嬉しく感じるでしょう。缶やパックのように、すぐに飲めて簡単に捨てられるものがおすすめです。
高級ティッシュ
「実用的で入院中に使ってもらえるものを贈りたい」という場合には高級ティッシュをチョイスしましょう。手を拭いたり鼻をかんだり、入院時には何かとティッシュを使うものです。
ただ、普通の安いティッシュだとお見舞いの品としてあまり見栄えがしないため、肌触りがよくしっとりとした質感の高級ティッシュを贈ってみてください。
タオル
体調に問題がなければ入院中は毎日入浴をするものですし、体調が悪い時はお湯で絞ったタオルで軽く体を拭きます。毎日使うタオルだからこそ、何枚あっても困りません。
高級タオルをお見舞いの品としてプレゼントすれば、きっと重宝されるでしょう。
要注意!ものによってはNGになるお見舞いの品
お見舞いの品としてメジャーなアイテムであっても、ものによっては「常識を知らない」と相手に思われてしまうこともあります。
お見舞い相手やそのご家族に失礼のないように、NGなお見舞いの品についてもチェックしておきましょう。
花(菊・鉢植え)
お見舞いの品とし、お花は最もオーソドックスなものです。
ですが、菊のように告別式を連想させる縁起の悪い花を贈るのはタブーです。他にも、鉢植えは「根付く」ものであり、入院が長引くことを連想させるのでやめましょう。
また、最近では花粉や衛生面の観点から生花を持参することを禁止している病院もあるので、切り花をお見舞いに持っていく際には事前に確認する必要があります。
衣類
入院中は病院が貸し出している寝間着を利用する人もいますが、自分のパジャマを何枚か持参し、こまめに洗濯して着る人もいます。そのため、「お見舞いの品としてパジャマを贈ると喜んでもらえるのでは?」と考える人もいるでしょう。
ですが、パジャマやスリッパのような衣類は、入院の長期化を連想させる縁起の悪いものとして考えられているため、避けたほうが無難です。
「お見舞い金」の相場は?
入院時は何かとお金がかかるものなので、「お見舞いの品を貰うよりもお見舞い金をもらったほうが嬉しい」と感じる人も多いことでしょう。ただし、相手との関係性によってお見舞い金の適切な額も変わってきます。
そこでここからは、お見舞い金の相場について確認していきましょう。
家族・親戚
家族や親戚へのお見舞い金の相場は5千円~1万円前後です。ただし、4千円・6千円・9千円は「死(4)」「無(6)」「苦(9)」を連想させる金額となり、タブー視されているので絶対に避けましょう。
友人
友人に渡すお見舞い金は、3千円~5千円ほどが相場です。あまり高い額を包んでしまうと、かえって友人を恐縮させてしまうので相場を参考にしましょう。
職場関連
職場の同僚や部下には、3千円~5千円ほどをお見舞い金として包むのが一般的です。なお、個人的にお見舞い金を渡すよりも、「職場の有志」からという形でまとめて渡したほうがよいでしょう。
目上の人に「お見舞い金は」NG
上司や先生など、目上の人にお見舞い金を包むのはマナー違反とされています。
というのも、目上の人がお金に困っているということを間接的に意味してしまうからです。ただし、相手がお見舞い金を必要としている場合は別ですので、「御伺」という熨斗をつけてお見舞い金を渡しましょう。
品選びの前に・お見舞い時のマナーも知ろう
何をお見舞いの品として選ぶかも大切ですが、相手に負担をかけないように配慮してお見舞いをすることも大切です。
ここからは、事前に知っておきたいお見舞いのマナーについてチェックしていきましょう。
事前に連絡しよう
入院している病室を本人から教えてもらっているからといって、アポなしでお見舞いをするのはNGです。
親しい間柄であっても失礼にあたりますし、手術直後で面会するのがきつい時にお見舞いをすると相手にストレスを与えてしまいます。必ず事前に連絡をして都合を聞き、お見舞いに行く日を決めましょう。
短時間で済ませよう
入院中は体力が落ちて普段以上に疲れやすくなるため、お見舞いは短時間で済ませましょう。長時間滞在すると本人だけではなく、付き添いのご家族や同室の患者さんにも迷惑をかけてしまいかねません。
会話の内容に注意しよう
入院しているとネガティブな気持ちになりやすいものです。相手にストレスを感じさせるような暗い話題や仕事の話は避け、明るく前向きになれるような話題を選びましょう。また、大部屋の場合は大きな声で話すと他の患者さんに迷惑になるので、声の大きさに関しても配慮が必要です。
熟睡していたら起こさない
事前にお見舞いに行く日時を伝えていても、病室を訪れると相手が寝ていたということもあります。不安や緊張で夜なかなか寝つけずにやっと眠れたという場合もありますし、体調が悪くて寝込んでいる場合もあります。相手が熟睡していたら起こさずに、「まだ今度伺いますね」といったメモを残して立ち去りましょう。
マナーを守って喜ばれるお見舞いの品を送ろう
入院中は普段と異なる環境でストレスを感じたり落ち込んだりすることも多いため、お見舞いをしてもらえると嬉しく感じるでしょう。
失礼のないようにマナーを守ること、相手の好みや趣味に合わせてお見舞いの品を選ぶことの2点に気をつけてお見舞いに行ってみてください。