目次
入院のお見舞いの基本的なマナー
入院のお見舞いに行くタイミング
入院のお見舞いに行くタイミングは相手が回復に向かっている時に行きましょう。つい「早く顔を見て励ましたい」と思ってしまいますが、入院しているお見舞い相手の体力が回復していない時にお見舞いに行って相手やご家族に負担をかけてしまうこともありますので行く時期のマナーを守りましょう。
- 入院直後のお見舞いは避ける
- 入院して4日~5日程度たってからお見舞いに行く
- 手術直後のお見舞いは避ける
- 手術後3日程度たってからお見舞いに行く
- お見舞いに行く前にご家族に病状を確認する
- 入院している相手の体力が回復してからお見舞いに行く
ポイント
手術前に励ましてあげたいと思う気持ちはとても大切ですが、相手やご家族にとって手術前は大きな不安やプレッシャーを抱えていますので、お見舞にいくことで相手やご家族に負担をかけることになります。
入院のお見舞いに行く前に確認すること
- 入院している相手の病状や容態を確認する
- お見舞に行っても良いかを確認する
- お見舞に行っても良い時間などを確認する
ポイント
お見舞いに行く際は、前もってご家族にお見舞に行っても良いかを確認し、相手の病状や回復具合を教えてもらいましょう。また付き添われているご家族の都合もありますので、お見舞いに行っても良い時間も確認しましょう。入院のお見舞いは相手だけでなくご家族への心配りも忘れないでください。
入院のお見舞いに行くのを控えるケース
- 入院が3日以内の短期入院の場合
- お見舞いする相手の体力が弱っている場合
- 病院で面会が規制されている場合
- お見舞いする相手の精神的な疲労がある場合
- 大人数や小さな子連れで行く場合
- お見舞いする相手が異性で一人で行く場合
ポイント
入院が3日以内の短期入院の場合、すぐ退院しますのでお見舞に行くと相手が恐縮してしまい、逆に気を使わせてしまいますので、お見舞より「退院祝い」にしましょう。一般的に「退院祝い」は退院後1ヶ月以内に渡します。
お見舞で大切なことは相手に気を使わせないことです。大人数で行くと相手が疲れてしまいますし静かにしていたい時に我慢させてしまうこともありますので一緒に行く人数や相手との関係にも気を配りましょう。
入院のお見舞い行った時のマナー
- 入院先の面会時間のルールを守る
- 午後2時~3時ころがベスト
- 面会する時間は20分程度が妥当
- 相手が寝ていたら起こさず帰る
- 相手の症状が悪い時は帰る
- 食事時間や入浴時間に行くのは避ける
- リハビリや診察時間に行くことを避ける
ポイント
入院中は午前中に診察や検査などをする場合が多いため、食事後の午後2時~3時ころ行くのが良いでしょう。
面会で長い時間滞在していると相手を疲れさせてしまい負担をかけてしまいますので20分程度で帰りましょう。相手への負担だけでなく、大部屋の場合は他の患者さんへの迷惑もありますので気をつけましょう。他の患者さんへの気遣いも忘れないでくださいね。
お見舞に行った時、相手が眠っている場合は無理に起こさず帰りましょう。ご家族が付き添っていればお見舞の品などを預けます。もしご家族が付き添っていなかった場合はナースステーションに預かってもらいましょう。
入院のお見舞い金額の相場とマナー
入院のお見舞金の相場は相手によって変わりますが、一般的に3,000円~10,000円とされています。相手との関係にもよりますが、あまり高額ですと相手に気を使わせてしまいますので気をつけましょう。
会社の同僚や上司へのお見舞金の相場
- 同僚:5,000円
- 部下:3,000円~5,000円
上司や目上の方
入院のお見舞金は基本的に上司や目上の方には渡しませんが、「お見舞品の代わりに」と一言添えればお見舞金を渡すのも失礼にあたりません。金額は上司に相談して決めましょう。
友人・知人へのお見舞金の相場
入院しているお友達へのお見舞金の一般的な相場は3,000円~5,000円です。あまり高額ですとかえって気を使わせてしまい快気祝いで負担をかけますので注意しましょう。
両親・兄弟・親戚のお見舞金の相場
親や兄弟や親戚が入院している場合、お見舞金は一般的に5,000円~10,000円が相場とされています。とは言え、ご家族の場合はご自身の気持ちでお見舞の金額を決めても差し支えありません。親戚の場合は、相手との間柄や交流でお見舞金額を変動しても問題ありません。
お見舞金でNGの金額一覧
- 「4」は死(し)を連想されるのでNG
- 「6」は無(む)を連想させるのでNG
- 「9」は苦(く)を連想させるのでNG
4・6・9のような数字を「忌み数」と言います。4,000円や6,000円や9,000円はお見舞金に包まないよう気をつけましょう。
入院のお見舞い品のおすすめと相場
お見舞の品の相場は5,000円~10,000円です。
- 友人は5,000円
- 同僚は3,000円
※お見舞金額と同じですね。
入院のお見舞い品のおすすめ
お見舞の品を選ぶポイントは、早く治るための縁起物や気分が明るくなれるものがいいですね。
タオル
タオルは「水に流す」というイメージで、病を水に流すというのが連想されて縁起がいいです。
それに入院中のタオルは何枚あってもいいものなので重宝されると思います。
賞味期限の長いお菓子
糖尿病の方や消化器官を手術した方、食事制限がある方には絶対NGですので、事前に食べ物の制限がないかを確認しましょう。お菓子は小袋に分けてあるものがおすすめです。他の患者さんへのおすそ分けにも使えますので重宝されます。
本、雑誌、漫画、図書券
読書が趣味の相手には本または図書券を贈りましょう。もし本を買って持っていく場合、相手が読みたい本を聞いて持っていきましょう。
パズル
入院中の気分転換にパズルは向いています。また、バラして持ち運びできますので退院の時に荷物になりません。
女性に向いているお見舞品
美容グッズ
病院は乾燥して手や肌がかさかさになりがちですので、水分を補ってくれるような手軽な美容グッズを選びましょう。ただし匂いが強いものは大部屋の場合、他の患者さんに迷惑がかかりますので気をつけましょう。
- オーガニックのハンドクリーム
- リップクリーム
- 洗顔フォーム
- さらさらパウダーシート(体をさっと拭けるシート)
アイマスク
朝、もう少し寝たいのに明るいと眠れない!と思っても大部屋の場合、自分の都合だけで窓のカーテンを閉めることができませんし、昼間に寝たいのに暗くないと熟睡できないなどの時、アイマスクがあると役立ちます。
冬に向いているお見舞品
- ひざ掛け
- ストール
- 防寒用靴下
入院のお見舞いとしてNGな品物
お花
入院のお見舞い品として難しいのが花です。相手がアレルギーや花粉症でなくても、相部屋の患者さんがアレルギーや花粉症があるかもしれませんので避けた方がいいです。相手が個室の場合でも、衛生上、持込を禁止する病院が多いため事前に確認をとりましょう。花がOKの病院でもお見舞にNGの花がありますので注意してください。
お見舞にNGの花
- 匂いがキツイ花
- 菊(告別式を連想させる)
- シクラメン(「死」と「苦」を連想させる)
- 椿(花が首からポロッと落ちるので縁起が悪い)
- 赤い花(血を連想させるので縁起が悪い)
- 鉢植え(「根がつく」病院に根付くことを連想させる)
- 花瓶が必要な花(花瓶の水には雑菌やカビが繁殖しやすい)
もし花を持っていくのであれば、バスケットに入ったフラワーアレンジメントにしましょう。
生花ではなくブリザードフラワーをおすすめします。
フルーツなど生の食べ物
生花と同じようにアレルギーや雑菌などの問題でお見舞の持ち込みを禁止している病院が多いためあまり適しているお見舞品とは言えません。
パジャマやスリッパ
パジャマやスリッパは入院が長引くことを連想させますので避けましょう。
入院のお見舞いで注意すること
お見舞金ののし袋は「結び切り」
お見舞金や商品券を渡す際ののし袋は、熨斗がついていない、紅白の「結び切り」のものを使います。「結び切り」が一度きりを意味しますので、病気は1度きり、もう病気にならない、という意味がこもっていますので、のし袋は間違えないでください。名目は「御見舞」「お見舞」になります。
お見舞の手紙やメールのマナー
- 季節の挨拶は使わない
- 追伸(P.S)は使わない
- 縁起の悪い言葉・忌み言葉は使わない
基本的に季節の挨拶は書きません。軽く相手の体調をたずねる程度の内容にしましょう。病気の状態や経過を詳しく聞いたり、過度に励ますなどをすると、精神的に負担やプレッシャーを与えてしまいますので気をつけてください。言葉使い一つで相手に不快な思いや傷つけてしまいますので注意してください。
「追伸」は追加・重ねるという意味なので、病気が重なる・追加されるなどを連想させますので使用しないでください。縁起の悪い言葉・忌み言葉は色々ありますが「長引く」「繰り返す」「続く」「枯れる」「衰える」「重なる」などを使わないよう気をつけましょう。
まとめ
入院のお見舞のマナーなどをご紹介しましたが、すべての基本は相手への気遣いですね。お見舞で一番大切なのは相手や家族を思いやる気持ちです。私が入院した時、現金が一番楽でした。楽というのは変ですが、現金ですと快気祝いに悩まなくてすみます。
金額がはっきりわかるのでお返しの金額も悩まなくていいからです。品物だといくらくらいのものなのか調べたりするのでちょっと面倒ですし、気分的にもらった物の金額を調べるのって相手にもなんとなく悪い気がして…なのでそれ以来私はお見舞金にしています。