目次
レモンを育てる前に
レモンが育つまでどれぐらいの期間が必要なのか、育てたいレモンはどれか、そして育てる環境はどんなところがいいのかなど、育て方について確認しましょう。
レモンの木の栽培カレンダー
レモンを育てる前に、レモンの収穫から栽培までのスケジュールを見ていきましょう。
- 植え付けする時期
3月の中旬から4月の中旬。 - 開花する時期
開花時期は3回あります。春は5月の中旬から5月の下旬まで、夏は8月の中旬から9月の中旬まで、秋は10月から11月の中旬まで。 - 収穫期
10月から1月の中旬までが収穫時期になります。
1 月 |
2 月 |
3 月 |
4 月 |
5 月 |
6 月 |
7 月 |
8 月 |
9 月 |
10 月 |
11 月 |
12 月 |
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植え付け | ◯ | ◯ | ||||||||||
開花 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |||||||
収穫期 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
ちなみに、植え付けしてから花が開くまで2年半の歳月が必要です。花が開いて約半年でようやく収穫できます。
レモンは基本的に寒さに弱いですが、耐寒性の強い品種はマイナス3℃の気温でも生育が可能です。
《 ポイント 》
- 耐寒性の強いレモンはマイナス3℃でも育つ
- 植え付けてから、収穫までに3年かかる
家庭でも育てやすい品種
初心者でも育てやすいおすすめの品種を紹介します。どれも病気や寒さに強く、トゲが少ないので管理もしやすいでしょう。
以下が、おすすめの品種です。
- ユーレカ
- リスボン
- サイパン
- ピンクレモネード
- テーブルレモン
特におすすめなのが、日本で一番栽培されているリスボン。栽培時期にはトゲが一切なく、果汁も多くて料理や飲み物に活用しやすい品種です。
酸っぱいのは苦手だという方には、糖分がたっぷり含まれた「レモン21」をおすすめします。
また、寒い地域に住んでいる方は、耐寒性に優れたグランドレモンやチャイナリトルレモンの方が育てやすいでしょう。
《 ポイント 》
- 育てやすいレモンは病気や寒さに強い品種
レモンの木は鉢植えでも育てられる
「家に畑がないから、鉢植えで栽培できる?」
できます!
むしろ、鉢植えの方が管理しやすいです。
寒い地域では、北風が直に当たったりすることが育成の阻害になります。しかし、鉢植えなら、置き場所を自由に変えられるので、北風やその他の気候に合わせて管理できるので楽です。
《 ポイント 》
- レモンは鉢植え栽培できる
- 置き場所を変えられるので管理しやすい
庭植えをする場合の適した場所
庭植えする場合、以下の条件に当てはまる場所で栽培しましょう。
- 日当たりの良い場所
- 風が当たらない場所
また、レモンは暖地で栽培されることが多く、気候の暖かい地域だと育てやすいです。
《 ポイント 》
- 日当たりが良くて、風の当たらない場所で育てる
- 暖地の方が育てやすい
よい苗木の選び方
育てるなら、やはり状態の良い苗木ですよね。良い苗木は、以下3つの特徴があります。
- 葉っぱの色が濃い
- 葉っぱと枝が多くついている
- 太くてしっかりした主幹をしている
これとは逆の苗木は、育つのが遅く収穫まで長い時間が必要です。
《 ポイント 》
- よい苗木は、色の濃い葉と枝がたくさんついている
- 主幹がしっかりしている
レモンの育て方
鉢植えで行う場合
レモンを鉢植えする手順を、用意するものから順に見ていきましょう。
用意するもの
- 植木鉢
- レモンの苗木
- 果樹用培養土
- 軽石
レモンの成長に合わせて、植木鉢は苗木よりもワンサイズ大きめのものを用意してください。
植え付けの手順
続いて植え付ける手順です。植え付ける時期は3月の中旬から4月がおすすめ。遅くても6月までに植えましょう。
手順は以下になります。
- 植木鉢に石と土を入れる
先に軽石を敷いて、その上から果樹用培養土を鉢の1/3くらい入れてください。 - 苗木を中心に置く
苗木をポットから出して、鉢の中心に置きます。 - 土を入れて安定させる
苗木と鉢の隙間に果樹用培養土を敷き詰めて、安定させましょう。 - 水をたっぷり与える
水をたっぷりと与えて、苗木がぐらつかないように土を固まらせます。底から水が溢れるぐらい入れましょう。
支柱を立てる
しっかりと安定するように鉢植えをしましたが、より頑強に固定しましょう。
いくつかの工夫が必要です。
- 苗木の隣に支柱を立てる
- 植木鉢を壁際に置いて倒れないようにする
- ビニールひもで枝をくくる
花を咲かせるためには、誘引する必要があります。枝が伸びると、風や実を付けたときの重さで折れてしまうので、ビニールひもで上向きの枝をくくって、下方向に引っ張りましょう。
そうすることで、枝を固定し生長しやすくなります。
《 ポイント 》
- 植木鉢は大きめサイズを選ぶ
- 植え付け時期は3月中旬から、遅くても6月までに行う
- 苗木が安定するように鉢に植える
- 植木鉢が倒れない工夫と枝が折れない工夫をする
- 枝を下方向に引っ張って誘引する
庭植えで行う場合
レモンを庭植えする場合は、土づくりから寒さ対策まで行う必要があり、ちょっとだけ難易度が高めです。
土づくり
まずは土づくりです。レモンは乾燥した土の方が良く育つので、排水性の高い土を自分でブレンドしましょう。
「腐葉土3:赤玉土6:川砂1」
の割合で混ぜるのがおすすめです。また、レモンはアルカリ性の土で育ちます。植え付けする3週間前から、土に苦土石灰を入れて、土中のアルカリ性を高めておきましょう。
植え付け手順
レモンを植える際は、浅植えをしましょう。根っこを広げて植えやすくなります。
植えるときは50㎝くらいの穴を掘り、根っこを広げて植え付けてください。その後、苗木の高さを50㎝に合わせて切り詰めて支えとなる柱を立てます。
水を与えて土を固めれば植え付け完成です。
支柱と雨よけ、寒さ対策
雨よけと防寒対策を取らなければ、レモンは冬を越すことができません。寒さ対策と雨よけの対策が必要です。
まず寒さ対策ですが、寒冷紗を使って地上に出ている苗木を覆い、根っこで縛ってください。次に雨よけですが、ビニールシートで苗木を覆うか、軒下に移動させるなどをして対策しましょう。
《 ポイント 》
- レモンは乾燥しやすい土を好む
- アルカリ性の土で良く育つ
- レモンは浅く植えると根っこが張り付き安定する
- 寒さ対策は寒冷紗で
- 雨よけはビニールシートを使うか軒下に移動
レモンの育て方のポイント
レモンを管理する際の具体的な方法を見ていきましょう。
水やり
レモンは乾燥を好む果物です。水やりは冬なら1週間に1度だけで大丈夫ですが、気候の暑い夏場は晴れの日が連日続くようなら毎日与えましょう。
植木鉢で育てているときは、水がなくなりやすいのでマメにチェックしてください。
肥料
レモンは肥料の栄養を好む果物。庭植えでも鉢植えでも肥料切れになりやすいので、注意しましょう。肥料を与えるタイミングは3回です。
3月・6月・11月、それぞれに有機配合肥料を与えます。また、苗木の様子から元気が見られなければ、液体の肥料を月に2回与えると良いでしょう。
病害虫
レモンの生長を阻害する、病害虫を紹介します。
ミカンハモグリガ
ミカンと書いていますが、柑橘系フルーツ全体の害虫です。葉っぱを食い荒らし、トンネルのような穴を空けてしまいます。次に紹介するかいよう病を伝染させる非常に厄介な害虫なので、見つけたら取り除きましょう。
かいよう病
傷ついたレモンの枝から、雨やミカンハモグリカを媒介して感染する病気です。感染すると葉っぱ全体に黒色や褐色の斑点が浮き出てきます。食べることはできますが、見た目の印象が非常に悪いです。
剪定方法
レモンの剪定時期は、2月から4月の春と冬に行います。
剪定するポイントは元気のない枝です。ひょろひょろと細長く伸びた枝や枯れた枝は切り落としましょう。また、これから育つ実の生長を促すために、摘果もします。
収穫したい枝だけを残して、それ以外のつぼみや実はカットしてください。
《 ポイント 》
- 冬場の水やりは1週間に1回
- 夏場は連日晴れている場合、毎日水を与える
- レモンは肥料から栄養を摂るので、肥料切れに注意する
- 肥料を与えるタイミングは、3月・6月・11月
- ミカンハモグリガは葉を穴だらけにする
- かいよう病にかかるとレモンの葉に斑点模様が浮き出る
- 剪定は春と冬に行う
- 元気のない枝、いらないつぼみや実はカットして生長を促す
レモンに関するQA
レモンの鉢植えに関わる疑問に回答します。
A.レモンは3年から4年で植木鉢では収まり切れないほど大きくなり根詰まりを起こします。3年ほど栽培する、または見た目にも大きくなりすぎていると感じたら植え替えをしましょう。
A.植え替えは3月の下旬から5月の下旬に行いましょう。
A.植え替える際は、まず広がった根っこを次に入れる植木鉢よりもワンサイズ小さくカットします。下に長く伸びた根っこも切り落としましょう。
後は植木鉢の中心に植え付け、土を埋めて水をたっぷりと与えます。
《 ポイント 》
- 植え替えは3年から4年に一度
- 植え替え時期は3月と5月
- 植えかえる前に根っこをカットする
育てたレモンの収穫方法
いよいよ、待ちに待った収穫です。レモンの収穫時期は、暖地なら11月の中旬から、寒い地域では12月から3月ごろです。
収穫する際は手袋を付けてください。トゲに気を付ける、という点もありますが、素手で触るとレモンが傷んでしまうからです。
レモンは人間が手で触れると、菌に犯されて腐敗してしまい、食中毒の原因にもなるので注意してください。
《 ポイント 》
- レモンの収穫時期は早くて11月から、3月まで
- 素手で触れると傷むので、手袋をつける
最後に
レモンは本格的な栽培をしないと育てられないと思われがちですが、家庭菜園でも問題なく育てられます。今回は苗木からでしたが、慣れたら実生栽培に挑戦してみるのも良いでしょう。
庭に植えることもできますが、寒さに弱いのであらゆる対策が必要です。そのため、初心者なら鉢植えにする方が無難です。時期を守って剪定や肥料を与えるタイミングを押さえれば、立派な果実を実らせるでしょう。
収穫の際は手袋を忘れてはいけません。収穫までは長い道のりですが、一度実をつければ一年ごとに実をつけるので、気長に楽しく育てると良いでしょう。