キャベツの栽培方法!失敗しない育て方

いろいろな料理に使えて栄養価も高いキャベツを自宅で栽培できたら嬉しいですよね。プランターで手軽に栽培することもできます。種まきからではなく苗を購入して栽培すれば家庭菜園が初心者の方でも美味しい立派なキャベツを栽培できるでしょう。キャベツの栽培方法についてご紹介します!

キャベツ栽培の特徴

生育中のキャベツ

栽培の時期は作型で異なる

キャベツは地中海沿岸が原産の野菜です。暑いほうが苦手で冷涼な気候を好むため、真夏以外は1年中栽培できます。

作型には

  • 春まき夏どり
  • 夏まき秋冬どり
  • 秋まき春どり

とあり、もっとも育てやすいのは夏まき秋冬どり栽培です。

【種まきの時期(※夏まき秋冬どりの場合)】

夏まき秋冬どりの場合、種をまく時期は7~8月ですが、その後に温度が下がってきて、ちょうど生育に適した気候となりどんどん成長し秋に収穫ができます。また品種によって収穫までの期間もかわります。

【育成期間】

  • 極早生種:植え付け後45日で収穫可能
  • 早生種:植え付け後60~70日程度での収穫可能

なかには80~90日かかり収穫となる品種もあります。種類によって収穫までの期間はさまざまというのもキャベツ栽培の特徴です。

とう立ちに注意

秋に種をまいて春に収穫する場合は「とう立ち」に気を付けましょう。

とう立ちとは?
キャベツだけではなく葉根菜に多く見られるものです。温度や日長など一定の条件がそろうと花芽ができ栄養成長が止まってしまいます。

とう立ちになると

  • 葉が固くなって味が落ちる
  • キャベツの場合は丸く育たなくなる

などの影響が出ます。

寒さを防ぐトンネルの中で育てるなどの工夫でとう立ちを防ぐこともできますが、初心者の方は「夏まき秋冬どり」が栽培しやすいのでおすすめです。

≪ポイント≫

  • キャベツを育成するなら「夏まき秋冬どり」で栽培するのがおすすめ。
  • 極早生種は45日で収穫。早生種は60~70日で収穫できる。
  • とう立ち(花芽が育ってしまう状態)に注意して育てる。

キャベツの栽培を始める前に

家庭菜園

苗の選び方

キャベツの苗はホームセンターや園芸店で購入できます。

元気な苗を選び育てると、大きなトラブルもなく収穫できるので苗選びは重要です。大型店のほうが新鮮な苗がそろっていることが多いため、購入先もよく選ぶようにすると良いでしょう。

【苗を選ぶポイント】

  • 本葉が5~6枚ついてるものを選ぶ
  • 病害虫にかかっていないかよく確認する
  • 根っこがポットの底からはみ出しているものは避ける
  • 全体的に葉っぱが元気なものを選ぶ

種まきから行う場合

種まきから行う場合は以下の手順で育てましょう。

  1. ビニールポットを用意して3粒ずつ種をまきましょう。
  2. 軽く覆土をしたらたっぷりと水やりをしてください。
  3. 本葉が2枚程度になったら、1本立ちになるよう間引きをします。

【育てる場所】

春まきは寒くならないよう温かい場所で、夏・秋まきはできるだけ涼しくなる場所で管理をして育苗してください。

日当たりの良い場所で日光にはしっかりと当てますが、高温になりすぎてしまうこともあります風通しをよくすることや、換気を行うなど工夫してください。水やりは朝に行うようにしましょう。

【苗になるまでの期間】

定植までは夏まきは35日、秋・春まきは40~45日程度です。

用土と肥料

畑の準備は、植え付けのだいたい2週間前に行います。予め以下のような準備を行ておきましょう。

【土の準備】

  • 2週間前の準備:1㎡あたり100gの苦土石灰を散布してよく耕しておきましょう。
  • 1週間前の準備:1㎡あたり堆肥2kgと「マイガーデンベジフル」のような粒状肥料200gを散布して土に混ぜ込みます。

土壌の湿度が高いと根腐れが起きやすいため、幅60㎝、高さ10㎝程度の畝を作り水はけをよくしておくことが重要です。

【苗を植える場所についての注意】

アブラナ科の代表的な連作障害である根こぶ病にかかると収穫が期待できないため、植える場所は2年以上アブラナ科の野菜を栽培していない場所にします。

【その他注意点】

肥料の与えすぎも、外の葉だけが大きくなり、甘さがでなくなるので注意してください。プランターで栽培する場合は、市販の野菜用培養土を使うのがおすすめです。

キャベツの栽培・管理方法

woman working in the garden. Planting of cabbage.

植え付け

苗の本葉が5枚くらいになったら植え付けを行います。株間は30〜45cmが適当です。キャベツは「共生」という株同士が助け合って生育が促進される野菜のため、株と株の間が離れすぎないようにしましょう。また、夏場は暑い日中の時間帯は避けて早朝か夕方に行います。

植え付けの手順

  1. ビニールポットのままバケツにつけて吸水させておきます。
  2. 株間30〜45cmの間隔を開けながら穴を掘ります。
  3. 苗を土の付いたまま浅く植えて、土を被せたら水やりをします。

プランターで栽培する植え付け方法

用意するもの

  • 1株の場合は30㎝幅のプランター(2株なら60㎝幅以上がおすすめ)
  • 野菜用の培養土
  • 鉢底石

植え付け方法

  1. ビニールポットのままバケツにつけて吸水させておきます。
  2. プランターに鉢底石を敷きます。
  3. 水やりのためのスペースを3㎝ほど残して、培養土を入れます。
  4. 苗を土ごと植え付け培養土をかぶせます。
  5. 水やりをして日当たりの良い場所に置きます。

防虫対策

キャベツには害虫がつきやすいため、防虫ネットをトンネル状にかけて被害を抑えるようにします。春や秋などには寒冷紗を使うのも良いでしょう。

夏の強い日差しを多少ですが遮る効果も期待できます。ネットは土との間に隙間ができないようにしっかりと設置しておくと安心です。

水やり

キャベツ栽培の水やりは、キャベツの状態で変わります。

  • 種をまいた後(芽が出るまで)・・・表面が乾かないように水を与える。
  • 植え替え後・・・根が定着する1週間までは、たっぷりと水を与える。
  • 植え替え後に苗が定着してから・・・土の表面が乾いた時だけ水やりを行う程度でOk。

定着後にも水やりをしっかりとやりすぎると、根腐病などの病害が起こりやすくなります。水やりをするときにはたっぷりと与えて、回数を減らして乾燥気味に育てるようにします。

追肥・土寄せ

【1回目の追肥】

定植から2~3週間後、本葉の数が10枚前後になったら行います。キャベツは外葉が大きく、葉の数を多く育てるようにします。

【2回目の追肥】

定植から6週間くらい経ったころ、芯の葉が立ち上がり始めるころに行いましょう。

キャベツの収穫

キャベツ収穫

キャベツは植え付け後、約10週間で結球が始まります。結球部分を手で押してみて、固くしまっていたら収穫時期です。収穫が遅れると割れて腐りはじめます。

腐ってくるとすぐに裂球してしまうので、収穫の適期は見逃さないようにしましょう。下葉を3~4枚くらい残して株元から包丁やナイフで切って収穫します。

キャベツに関するQ&A

キャベツ

Q.栽培したキャベツの葉が固い場合はどのようなことが原因でしょうか?

A.植え付けの時に株間を空けすぎるとかえって生育が悪くなり、葉が固くなることがあります。前述した通り、株と株の間は30〜45cmほどになるようにしましょう。

Q.外葉が紫色(赤色)になるキャベツがあるのはどうしてでしょうか?

A.アブラナ科の野菜に含まれる「アントシアン」という色素は、寒さに当たることで紫色や赤色になることがあります。色が変化するのは外葉だけで、外側の葉をむけば中は普通です。寒さに当たったキャベツは甘みが増すとも言われていますので問題なく食べることができるので安心しましょう。

キャベツ栽培で気を付ける病害虫

Green growing cabbage after rain and insects

病害

キャベツに多く見られる病害は

  • 菌核病
  • 黒斑細菌病
  • 根こぶ病

などです。

雨が多い年は軟腐病や黒腐病気が発生しやすいため、水はけのよい土壌で排水対策もしっかりしておきます。

害虫

キャベツは害虫が付きやすい野菜で、

  • アオムシ
  • コナガ

などが多く発生します。

結球するまでは寒冷紗をかけると対策になりますが、隙間から入り込むことも多いです。見つけたら速やかに除去しましょう。

玉レタスやリーフレタスなどのキク科の野菜を近くに植えるとモンシロチョウが飛来しにくくなり、アオムシなどがつきにくくなります。

最後に

Broad Bean

コンパニオンプランツとして、「そら豆」を5~10㎝くらいの間隔をあけて一緒に植えると、栄養豊富なそら豆に害虫がおびき寄せられると言われています。

また、そら豆にはアブラムシの天敵であるテントウムシも呼び寄せる効果があるため、キャベツの被害を防ぐことが期待できるでしょう。

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