目次
お見舞い金とは
気持ちを表すもの
お見舞い金とは本来は親戚以上の親族が入院した時に渡すものとされていましたが、現在では親しい友人、仕事関係の人が入院したときに贈ることも多いです。特に細かい決まりはなく、喜ばれる品物がわからないときに役立つものを選んでもらいたい、という気持ちで見舞金を渡します。
「何がよいか迷いましたが、お見舞い品の代わりにお贈りします」などの一言を添えて渡すのが礼儀とされています。ただし、自分よりも年上、目上の人に現金を渡すのは失礼であるという考え方もあるため、年上、目上の人にはできるだけ品物を渡すのが良い場合もあります。
とはいえ、入院中は何かとお金が必要になりますので、近年では大きく年が離れていない場合は、お見舞金を渡す人が多いようです。
お見舞い金を包むときに気を付けること
お見舞い金を包む時に、忌み数の金額を包んではいけません。
忌み数とは不吉であると忌避される数のことで「4、6、9」の数字を指しています。「4」は死を連想させる、「6」は無に帰すことを連想させる、「9」は苦しむことを連想させると言われているため、4,000円、6,000円、9,000円といった金額は包まないようにしましょう。
また渡すさいのお札には新札はNGです。新札は「事前に用意していた」という意味をあらわすため、入院することを待っていたという意味を含んでしまうため必ず避けるようにしましょう。
もらった側は半額から1/3でお返しをする
お見舞金をもらった場合、感謝の気持ちを込めてお見舞金を頂いた方へ品物を贈ることをお見舞い返しと言います。
その相場は品物で半額から1/3程度が一般的です。高額のお見舞の品を贈ることは、お返しの額も高額になり相手の負担になることもありますので気を付けましょう。
≪ポイント≫
- お見舞い金は「目上の人には送らない」。
- 「忌み数(4、6、9)」の金額を包むのはNG。
- お見舞金のお返しは「半額~1/3」程度の物を選ぶ。
お見舞い金額の相場
友人は「3,000~5,000円」
友人やご近所、知人の場合、入院中の生活の手助けになりつつも、負担を感じさせない金額が適切です。そうなると相場は3,000~5,000円がちょうど良いとされています。
親・兄弟・親戚は「5,000〜10,000円」
お見舞い金に限らず冠婚葬祭と同じで、金額は相手との間柄や関係で大きく変わります。例えば両親であれば30,000円くらいを贈るというケースも多いようです。
また、冠婚葬祭などは地域によっても慣習や相場がさまざまなため、両親や身近な親戚に相談してから決めるのがおすすめです。
仕事関係は「3,000~10,000円」
仕事関係の人へお見舞金を贈る場合は、個人で送るよりも有志でお見舞金を募りまとめて渡すことが多いです。会社内などで規則や慣例が存在することが多いため、個人で判断しないで同僚や上司と相談しながら決めるのが良いでしょう。
有志の場合の相場は3,000円、個々で贈る場合は5,000円が一般的な相場です。部下に贈る場合も同じです。また、取引先などの場合は個人と個人の付き合いになるため、必ず上司に相談してから渡すようにしましょう。取引先などの相場は3,000円~5,000円が一般的です。
お見舞い金を渡すときのマナー
お見舞袋の種類
≪使ってはいけない種類≫
- 不祝儀袋
- 二重封筒
- 熨斗(のし)がついている袋
まず選んではいけない袋の種類は不祝儀袋です。入院することは不幸ごとですが、不祝儀袋は絶対に選ばないようしましょう。
また「繰り返し」を連想させる二重封筒も使用してはいけません。さらに、熨斗(のし)がついている袋も使用は控えましょう。
≪お見舞い袋にオススメの種類≫
- 白無地の封筒
- 赤帯入りのお見舞い用封筒
- 紅白の「結び切り」の水引きが付いた袋
お見舞袋として使うなら、この3つの中のどれかがおすすめです。
白無地の封筒であればどんな病状の時でも比較的重くならず使う事が出来ます。
水引きは「結び切り」と「蝶結び」の2種類がありますが、二度と起きないようにという願いが込められている「結び切り」を選びます。
蝶結びには何度も繰り返してほしいという願いが込められているため、選ばないように気を付けてください。
ご祝儀袋は、表包みと中袋が2枚セットになっているものが多いですが、略式された1枚のタイプもあります。どちらを使っても間違いではありませんが、フォーマルを意識するのであれば2枚セットを選びましょう。
のし袋の書き方
のし袋には名目と自分の名前を書きます。使用する筆記用具は毛筆や筆ペン、サインペンを使いましょう。ボールペンや万年筆はマナー違反となりますので使用できません。
名目は
「御見舞」「お見舞」
と3文字で書きます。
「お見舞い」と書いてしまうと忌み数の4文字となってしまうため最後の「い」を付けないようにします。自分の名前は「御見舞」と表書きを記入した下部に書きます。また、相手が目上の人で現金で贈ることが失礼にあたると気になる場合は「お伺い」「御伺」などと書くと良いでしょう。
名前の書き方
- 自分一人
- 中央部にフルネームまたは名字のみ書きます。
- 夫婦連名
- 夫のフルネームを中央に書き、左側に妻の名前だけを書きます。
- 3名までの連名
- 中央に代表者または一番目上の人のフルネームを書き、左側にフルネームを連ねます。
- 4名以上の連名
- 中央に代表者のフルネームを書き、左側に名前より一回り小さな文字で「他一同」と書きます。連名者のフルネームは別紙に書いてお金と一緒に入れておきます。
- 会社名を入れる場合
- 中央に代表者のフルネームを書き、右側に名前より一回り小さな文字で会社名を書きます。左側にはり一回り小さな文字で「他一同」と書きます。別紙に目上順または50音順に連名を書きます。
金額と住所は、中袋があれば表に金額を書き、裏に自分の氏名と住所を書きます。略式された1枚のタイプはご祝儀袋の裏に住所や金額を記入します。
表書きのみ書いて金額や住所を省略する人も多いですが、もらった側はお返しの時に住所がわからないと困ってしまいます。マナー違反にもなるので、形式的に渡す場合はきちんと記入しておきましょう。
≪ポイント≫
- お見舞い用封筒は「白無地」「赤帯入り」「結び切りの水引き付き」を選ぶ。
- のし袋には「御見舞」「お見舞」のいずれかを書く。
- 表書きの名前は「贈る人数によって変える」。
お見舞い金額に関するQ&A
A.生花を持っていく場合、病院によっては衛生上持ち込みを禁止しているところも増えてきています。またフルーツなどの食べ物もアレルギーの問題などがあるため事前に確認をしたほうが良いでしょう。
A.お見舞いの品を渡す場合もお見舞金を渡すときと同じように、熨斗(のし)の付いていない掛け紙を付けるのがマナーです。水引きも「結び切り」を選ぶようにしてください。
A.花瓶や水替えも必要なく長く楽しめるフラワーギフトではプリザーブドフラワーやハーバリウムが人気です。また、退院後にも使える高品質のタオルやひざ掛けも喜ばれるでしょう。
お見舞い金を持参するタイミングやかける言葉
お見舞いに行くタイミング
お見舞いに行くときは、必ず病院の面会時間内に行きましょう。また小さな子供を連れて行ったり大人数で押し掛けるのは控えましょう。事前に本人またはご家族に連絡をして確認をしてから行くようにします。
面会時間はなるべく短時間で済ませてください。相手が衰弱していたり手術の前後は避けて、心境や体調を考慮するようにしてください。また入院が2、3日と短期間の場合はお見舞いにはいかないほうが無難とされています。
お見舞い金を渡すタイミング
お見舞い金を渡すタイミングは、病室に入ってからお見舞いの言葉をかけてすぐ手渡しで渡すようにしましょう。面会時間は長くても30分以内として長居は避けてください。
渡すときにかける言葉
本来は喜んでもらえる品物を贈るのが望ましい中、現金で渡すため、「何が良いか迷いましたがお見舞いの品の代わりに」などの言葉と「どうぞごゆっくり休養なさってください」と相手を気遣う言葉もかけましょう。
≪ポイント≫
- お見舞いは「面会時間内」に行く。行く際は本人や家族に「事前確認」を取っておく。
- お見舞いの「言葉をかけたすぐ後」にお見舞い金を渡す。
- 渡すときに「見舞金を渡す事」と「相手を気遣う言葉」をかける。
最後に
入院先が遠方などで直接お見舞いに訪問できない場合は、お見舞金を郵送で贈ることになります。この時の注意点は普通郵便で現金を送ることは法律違反にもなります。
必ず「現金書留」サービスを利用するようにしてください。専用封筒があり直接ポストの投函はできないので、郵便局の窓口で手続きを行いましょう。