目次
牛乳には「消費期限」と「賞味期限」の2つの表示がある
「賞味期限」と「消費期限」の違い
- 賞味期限・・・美味しさが保たれる期限
- 消費期限・・・食べられなくなる期限
容器を未開封の状態で適切な保管をしていた場合、美味しく食べる(飲める)ことができる期限を賞味期限といいます。
一方、消費期限とは期限を過ぎたら食べない(飲まない)ほうが良いものに表示されています。
賞味期限は期限が切れても、品質が保持されていることもありますが、健康を守り安全な食生活にするためには消費期限は期限を守ったほうが良いとされています。
牛乳には賞味期限が表示されているものと、消費期限が表示されているもの2種類の期限表示があります。
「賞味期限」が表示されているのは超高温殺菌牛乳
賞味期限の表示がある牛乳は、牛乳を作る際の殺菌工程による影響が大きく関わっています。
超高温殺菌している牛乳は、生乳を120℃以上で2~3秒加熱殺菌する方法で、菌が死滅しているため長持ちするので賞味期限が表示されています。
日本で市販されている牛乳の9割以上がこの殺菌方法で処理されています。
「消費期限」が表示されているものは低温殺菌牛乳
消費期限が表示されている牛乳は低温殺菌牛乳となっています。
低温殺菌は生乳を保持式の63~65℃で30分ほど加熱殺菌する方法です。人間に有害である細菌は死滅しているので、冷蔵保管で一定の期間は安全に飲むことができます。
すべての細菌を死滅させることができないため消費期限が表示されていて、期限内に飲むようになっています。
いずれの期限も「正しい保存方法で保存した場合」のみ有効
牛乳は10℃以下で保存することが表示されているため、未開封であっても冷蔵保存する必要があります。
賞味期限や消費期限の表示も、正しく保存方法で保存した場合に有効となる期限のため未開封の牛乳でも保存方法や冷蔵庫の温度管理には気を付けましょう。
また、開封すると品質は変化して、空気中の細菌などが入るため期限表示は無効となります。開封後は2~3日で飲み切るようにします。
なお、注ぎ口に口を直接つけるような飲み方をした場合は飲み切るようにして保存をしないほうが良いでしょう。
≪ポイント≫
- 「消費期限」は必ず守って飲む期限
- 「賞味期限」は美味しく飲める期限
- 「開封した牛乳」は2~3日で飲み切る
牛乳が「消費期限切れ・賞味期限切れ」になったらどうする?
開封前は「賞味期限切れ」でも飲める場合もある
賞味期限とは「美味しく飲める期限」のため、表示されている賞味期限を過ぎたらすぐに体に悪い影響が及ぶものではありません。
また、賞味期限は1週間くらい余裕を持たせて設定されているケースもあると言われています。10℃以下の冷蔵庫で適切に保管されている未開封の牛乳であれば、表示の賞味期限が切れても1~3日程度は飲める、という考えもあります。
開封後の期限表示は無効
賞味期限も消費期限も開封前の状態での期限表示です。
開封した牛乳は、周囲のにおいを吸着しやすい性質があるのと、冷蔵庫が不衛生な場合は細菌が入りやすいとも言われています。そのため、開封後は賞味期限、消費期限の表示に変わらず2~3日で飲み切るようにしましょう。
それ以上経過した場合、見た目やにおいに異常がなければ加熱をして飲むなど工夫をすると良いでしょう。その際、電子レンジの加熱は温度がしっかりと上がらないためガスで加熱したほうが安心です。
「消費期限切れ」の牛乳は捨てる
消費期限の表示がある牛乳は、前述した通り低温殺菌ですべての菌が死滅していません。消費期限が表示されている場合は、その期限を過ぎたら飲まずに捨てるようにしましょう。
冷蔵庫で保存していて、見た目やにおいにも異変がなかったとしても、安全性の保障ができないため飲まないようにしたほうが良いとされています。
- 開封後は賞味期限・消費期限に関係なくなるべく早く飲み切るようにする
- 消費期限が過ぎた牛乳は捨てる
消費期限が過ぎた牛乳とは
牛乳の状態
消費期限が過ぎて飲めなくなった牛乳は次のような状態になってきます。
- 分離してツブツブが出て黄ばみがある
- ドロドロとしてきてヨーグルトのようになっている
- 酸っぱいにおいなど普段と違うにおいがする
- 苦味や酸味を感じる
- 温めると固まったり、分離する
牛乳による食あたりの症状
消費期限が過ぎた牛乳を飲んで食あたりになると次のような症状が起こりやすいです。
- 吐き気
- 嘔吐
- 腹痛
- 下痢
- 発熱(37~38℃くらい)
安静にしていれば数時間、長くても1日で回復できると言われています。
牛乳の消費期限に関するQ&A
A.常温保存はしないで必ず冷蔵保存するようにしましょう。また、冷蔵庫で保存する際は乾燥やにおい移りを防ぐためできるだけ空気に触れさせないよう密閉するのが良いでしょう。
A.当日中に食べるのがおすすめです。翌日になる場合はにおい、色、味を確かめて食べるようにしましょう。
消費期限切れ牛乳の活用法
植物の害虫退治
牛乳をスプレーボトルに入れて観葉植物や草花に吹き付けると、アブラムシやアリなどの害虫を退治することができます。
この仕組みは、吹き付けた牛乳が乾くと、葉や茎についている害虫の体表に膜が作られ窒息させるためです。
赤ちゃんやペットがいるご家庭では、殺虫剤や害虫駆除剤などの使用はできるだけ避けたいところですので、牛乳を使えば安心です。
注意点としては、牛乳がしっかりと乾燥するよう天気のよい晴れの日の午前中に行うことです。膜が張られているため植物の呼吸も妨げられるので、牛乳が乾いたら水でしっかりと牛乳の膜を洗い流すようにしてください。
トイレ掃除
飲めなくなった消費期限切れの牛乳でトイレの掃除をすることができます。
牛乳がトイレの掃除に有効である理由は、牛乳はいたみかけてくるとアンモニアなどが発生してアルカリ性になりブラシにつけてこするだけで汚れが落ちやすくなるそうです。
ただし、素材によっては変色する可能性もありますので、最初に試し拭きをしてから行いましょう。
牛乳風呂
牛乳はビタミンやカルシウムなどお肌に良いと言われている栄養が豊富です。消費期限が切れてしまった牛乳を飲むことはできませんが、その栄養を肌から取り入れる方法が牛乳風呂です。
牛乳風呂の作り方は、牛乳1リットル程度を浴槽のお湯と混ぜます。温度は38~40℃にして20分ほど入浴すると効果的と言われています。ほのかなミルクの香りはリラックス効果がありますが、独特のミルクの香りが気になる方は入浴後はシャワーで体を洗い流してから出ましょう。
注意点は、肌の弱い方はパッチテストを行ってから入浴することと、使用後の浴槽は香りが残ることもあるためキレイに洗うようにしてください。
牛乳洗顔
牛乳には汚れや角質を落として、肌を再生してくれる効果が期待できると言われています。
牛乳を使った洗顔のやり方は、「コットンでパックする方法」と「ぬるま湯と混ぜて直接洗顔する方法」とあります。
コットンでパックする方法
- 電子レンジで牛乳を沸騰させない程度に温めます。
- 人肌まで牛乳の温度が下がったら、コットンにしみこませます。
- 乾燥やシミ・しわなど気になる部分にパックします。
- 10分~15分ほどそのまま放置します。
- 最後にぬるま湯で洗い流しましょう。
直接洗顔する方法方法
- 牛乳は常温にしておきます。
- 36℃~37℃くらいのぬるま湯を用意します。
- 洗面器などに2のぬるま湯と1の牛乳を1:1の割合で混ぜます。
- 直接顔を洗います。
- 最後はきれいなぬるま湯で洗い流してください。
最後に
消費期限が切れた牛乳は、加熱する料理にも使わないほうが良いかもしれません。飲み切りそうにないと思ったら早めに料理に使うのがよいでしょう。
クリームシチューやリゾット、グラタンなどに利用できます。またプリンや寒天などのデザートを作るのも良いでしょう。消費期限が切れる前に使うようにしましょう。